新型ステップワゴンを見てきました。
まだ展示車のみで試乗車が用意できたらまたレポートしますが
とりあえずのファーストインプレッションです。
翌日が店休日のためかお客さんの出入りが多く写真はこの後姿しか撮っていないので
他の画像は拾い物になります。
展示車はスパーダプレミアムラインなので電動テールゲート装着車でしたがテールゲートの重量は意外と軽かったので洗車時ぐらいしか全開にしない私にとっては無用の長物。
重量や音の侵入の問題があったとはいえ、やはりワクワクゲートを残してほしかったですね・・・
介護世代の私にとって2列目シートの使い勝手は一番気になるのですが
今回横にもスライドするようになったにも関わらず車幅が広がった分、サイドステップ外側から
シート座面端までの距離は旧型とあまり変わっておらず、フロアの地上高も変わっていないので
乗降性が良くなったとは言い難いのが残念です。
そして一番問題になるのが明らかなのがシートベルトのアンカーです。
セレナのような座面埋込み型になっていて私でも1発でシートベルトを差し込みできません。
現状でも腰をひねるのが厳しい父は厚着をする季節だと自分ではシートベルトを固定できないので私がベルトを固定してあげるのですがこれでは介助する側にとっても使いにくい形状ですね。
ノアは一般的な下から平板が伸びているタイプなのでベルトの固定はまだ容易なのですが・・・
セレナといいシートアレンジを優先しすぎると最も使用する状況に弊害が出てしまうという悪い見本になっていると感じました。
ただ、オットマンは開閉レバーこそオデッセイと全く同じ形式ですがバネが柔らかくなっていて
畳むのが容易になっていたのは良い改善点だと思います。
今回2列目にもシートヒーターが設定されましたが
残念ながらプレミアムラインのみ
ただノアも最上級グレードのみにOPでしか装備できないのでここは引き分けでしょうか。
問題なのはヒーターのスイッチが天井にしか無いことで、体をシートから浮かさないと届かない位置にあることや毎日乗るわけでもない両親が使いこなせるとは到底言えません。
助手席にたまに人を乗せるときにシートヒーターのことを教えても自分ではONOFFしないことからも普段使わない人が馴染みのない空調ボタンやスイッチを操作するわけがないのです。
リアシートヒーターもエアコンのように運転席で操作できるようにしてほしかったですね。
さて運転席に座ってみて一番違和感を覚えたのが
ステアリングの隙間から見るようになったメーターです。
フリードからステップワゴンを乗り継いでいる私からすれば
視線移動が大きくなったのとおそらくシビックと同じメーターと思われるので
スピード表示も小さく瞬間の視認性や運転支援システムの設定も悪化していると予想されます。
シビックのように根本的に低く座れる設計なら必然的に視点も低くなり、ステアリングの隙間から覗き見るのも普通ですが、ステップワゴンのような
アップライトポジションになるクルマにとっては何の意味もありません。
人間工学的に見ても代々受け継がれて来たダッシュボード上面奥に配置されたメーターこそふさわしいモノであると断言できます。
せめてヘッドアップディスプレイがあれば良いのですがOPですら設定されません。
他車と共通パーツを増やすことでコストダウンをはかったのでしょうが
物事には適材適所というものがあります。
メーターが無くなったので水平になったダッシュボードは確かに真正面の見晴らしは良いのですが
Aピラーのカバー形状や太さは旧型と大して変わっておらず
右斜め前の死角は相変わらず大きいと感じました。
そして最も残念なのはスライドドアの開閉スイッチが運転者から見えない位置になってしまいました。
フリードに乗っている時も一番不便でしたが何故こんなに操作しにくく、頭をかがめないと見えない位置にあるのか全く理解できません。
私はドライバーの責任上も安全のためにも、後席スライドドアはチャイルドロックを掛けて運転席からのみ開くようにしているので、開閉スイッチの操作性は何より重要です。
ドリンクホルダーを優先しすぎてスライドドアの操作性を悪化させるとは本末転倒です。
これもメーターが手前に来た影響ではないでしょうか。
一方で空調操作パネルはダイヤルが追加されボタンが大きくなったことや
eHEVのみですがボタンシフトになったお陰で操作性は良くなったと思います。
シートヒーターも3段階調整になっているので冬場の快適性も向上しているでしょう
残念なのはステアリングヒーターが設定されないことですね。
運転席に座ってみると座面の形状やプレミアムラインのみのスエード表皮ということもあり
旧型の様にお尻が前にずれやすいことは無さそうな感触がありました。
(もちろん実際に走ってみないと正体は分かりませんが)
ただ今回もランバーサポートや電動アジャスト機能が無いのは残念です。
ランバーサポートは疲労を抑えるために必然ですし、電動アジャストは的確なドライビングポジションを決めるという意味では決して贅沢装備では無いと私は思うのですが・・・
そして10分ほど運転席に座って色々なチェックをしていたのですが
段々腰や背中が蒸れてきました。
バックレストを触ってみるとほんのり湿っています。
下ろしたてのクルマに私の汗が染みてしまったわけですが、スエードなので予想していたとはいえエアコンの効いたショールーム内の展示車に10分程度座っただけで汗ばんでしまうのはシート表皮としては不合格!!!
真夏の運転時にいくらエアコンをガンガン効かせていても背中や太もも裏が蒸れたままで気持ち悪くなるのは火を見るより明らかです。
本革シートや撥水撥油生地もですが吸湿速乾性の無い素材を使うならば、シートベンチレーションは必ず着けるのが責任だと思います。
価格が上がってしまうというなら表皮だけでなくシートの内部素材も含めた本当に快適なシートを吟味すべきではないでしょうか。
展示車に触れてみた感想はこんなところですが
外寸が大きくなったものの室内が圧倒的に広くなったわけでもなく
プラットホームが変わらない以上、フロアの高さも変わらないので乗降性も向上していない、
旧型より退化した使い勝手面まである始末。
パワーユニットや運転支援も圧倒的進化した様子も無いので
購買意欲があまり湧かないのは事実なのですが・・・
外見デザインだけは個人的に好きなタイプです。
シンプルな面の構成なのに質感は高く感じさせますし、極力ギラギラしたメッキ加飾を減らしプレミアムラインのみのクロームメッキもサテン調の半ツヤ仕上げになっていて悪目立ちしないのも現代的だと思います。
ただそれらを最も体現しているのはエアーの方なのにシートヒーターやブラインドスポットモニター
アダプティブハイビームの設定すら無いというのでは「ただの安物」グレードという印象になってしまいその時点で購入対象から外れます。
マイナーチェンジでその辺の不公平が是正されると良いのですが・・・