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2013年09月26日 イイね!

立山・剱岳山歩き3日目 2013年9月16日 山小屋で台風の通過を待つ

立山・剱岳山歩き3日目 2013年9月16日 山小屋で台風の通過を待つ今回のブログは、立山・剱岳の山歩き3日目の話です。
 
前日と同様雨が降ったので足止めとなりましたが、3日目は台風が接近して各地に被害をもたらします。
 
私は、もちろん山小屋の中で大人しくしていました。
 
1日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き1日目 2013年9月14日 静岡県から室堂まで移動
 
2日目の活動のブログはこちら→
立山・剱岳山歩き2日目 2013年9月15日 雨のため山小屋で足止め
 
 
2013年9月16日。
 
先日は、室堂山荘からみくりが池温泉へ宿を移動したが、雨のため登山としての活動は出来ず足止めとなった。
 
室堂に入り3日目となったが、この日は台風18号が本州に接近してきている事もあり、2日目と同様に山歩きは絶望的な状況だった。
 
3連休の最終日という事もあり下山する人達の姿が目立っていたが、悪天候のため思っていたような活動が出来ずガッカリして帰っていく人の姿が多かった。
 
でも、台風が来るのは事前に分かっている事なので、混雑や混乱を避けて前日に下山する人も多く、個人的には先日下山した方が正解だったのではと考えてしまう。
  
私は有休を取っており暫くは滞在出来るので気持ちに余裕があったが、山小屋で1日退屈に過ごすというのもなかなか厳しい。
 
今日は何をして過ごそうかと悩んでしまう。 
 
結局は山小屋の施設を利用して時間を過ごすしか方法は無いのだが…
  
 

 
みくりが池温泉から見る室堂平の様子。
 
雨のため歩いている人の姿は少ないが、この後に下山する人達の姿が目立つようになる。
 
この時間帯はまだ雨足は強くないが、午後になると段々と台風の影響が強くなってくる。
 
結局、山小屋で大人しくしているしかない。
 
 

 
みくりが池温泉の相部屋の様子。
 
この部屋で8人が定員となっているが、1人布団1枚分のスペースとコンセント電源が確保されているので、山小屋としては充分に豪華。
 
  
ただし、大型のバッグやザックを置くにはスペースが若干厳しいように感じる。
 
前日は私を含めて6人がこの部屋に滞在していたが、他の方達はチェックアウトし私だけが残る形となった。
 
ただし、昼過ぎには新しい宿泊者が入って来る事になるだろう。
 
チェックアウトすると、使われていたスペースは掃除・片付けされる事になるが、連泊の人はカードを提示しておけばそのまま自分の布団の場所を利用する事が可能。 
 
ただ、ずっとダラダラと寝ているのも恥ずかしいので、せめて午前中はなるべく部屋の外で過ごすようにした。
 
 
 
 
 
みくりが池温泉の脱衣所(もちろん男湯)。
 
ここの温泉は、朝8時から9時までは清掃のため利用出来ないので、9時になったのを確認して風呂に入る事にした。
 
国内最高所にある温泉なので利用者も多いと思われるが、脱衣所は少々狭く数人が利用すれば窮屈に感じてしまいそう。
 
ただし、この日は朝のうちに多くの宿泊客が下山して行ったので、私はほぼ貸し切り状態で風呂を利用させてもらった。
 
 

 
みくりが池温泉の温泉(もちろん男湯)。
 
この時間帯は、利用者が私1人だけだったので撮影させてもらった。
 
露天風呂では無いが、立山という厳しい自然環境を考えると全天候型の屋内の風呂の方が良いように感じる。
 
浴槽が2つあり、温い湯と熱い湯を使い分けて利用する浴槽のようだが、清掃が終わったばかりでお湯を張っている途中だったので、両方の浴槽が同じ位熱かった。
 
あまりにも熱かったので、長く浸かっている事が出来ずすぐに出てしまった。
 
 
 

 
風呂から出た後は、山小屋内にある喫茶店でコーヒーと甘味を注文。
 
立山に関する本や写真集が多く置かれていたので、暫くの間ここでゆっくりと過ごす事にした。
 
土産物や菓子類も置かれており、更にはモンベルの製品も多く販売されているのが驚きだった。
 
モンベル製品は、フリースやダウンジャケットなど防寒着が結構充実していたように感じられた。
 
高山帯である事、9月で既に紅葉を迎え、冬を間近に控えているという状況を考えれば、防寒着が売られていても何ら不思議では無い事ではあるが、平地との差にはとにかく驚かされる。 

みくりが池温泉のオリジナルデザインが入ったモンベルのスタッフバッグもあり食指が動いたが、私はスタッフバッグは充分以上に持っているので購入は諦めた。 
  
  

 
ちなみに、スタッフバッグというのはこういう物。
 
防水性のある丈夫な袋の事で、ザックの中身を整理しておいたり、雨などで荷物が濡れないようにするために使用する。
 
雨から荷物を守る手段としては、ザックに被せるザックカバーもあるが、こちらも雨に対して非常に効果的ではあるが決して万全では無いので、出来ればスタッフバッグと合わせて使用したいところ。
 
変わり種な使い方として、防水性があるのを利用してバケツのように水を汲んでくるというような使い方も出来る。
 
ビニール袋で代用という方法も考えられるが、ビニール袋はあまり丈夫では無いので途中で破けてしまう可能性がある。
 
あと、意外に気になるのがビニール袋のガサガサ音で、大勢がいる山小屋の中でいつまでもガサガサと音を立てているのも迷惑になってしまう場合がある。
 
 
スタッフバッグはガサガサ音が小さいというメリットがある。  
 
 
 
 
お昼は、レストランで味噌ラーメンを食べた。
 
この2日間殆ど何もしていないが、腹はしっかりと減ってくるので好きな物を食べて腹を満たす。
 
レストランにはテレビがあり台風情報を流していた。
 
ニュースでは、京都の嵐山で河川が氾濫している事を伝えている。
 
私の地元では、富士川が危険水位に達したようで新幹線は運転見合わせという情報もあった。
 
心配になり自宅に電話してみるが、現状は特に問題無いようで一安心。
 
私の方も、今日は山小屋で大人しく過ごしていると伝えて家族を安心させた。
 
室堂は、雨が降ってはいるものの風はそんなに吹いておらず、台風の影響はそんなに無いように感じられた。
 
 
午後は2回風呂に入った。
 
あまりにもする事が無いので、なるべく風呂に入っている時間も長くするように心掛けたが、私は基本的にカラスの行水なので長風呂は得意ではなかったりする。
 
のぼせてしまわないように時々風呂から上がり、温めのシャワーで身体を冷やす。
 
15時頃に風呂に入ったら、窓から強い雨が降っているのが見えた。 
 
近くの草が激しく揺れていたので、いよいよ台風の影響が強くなってきたというのが分かった。
 
ただし、台風の移動速度が上がったせいか、風が強い時間帯はそれほど長くは感じられなかった。
 
 

 
 
17時を過ぎた頃、外に出てみると雨はほぼ止み風は収まっていた。
 
遠くの景色はまだ雲が掛かってはいるが、これから天気は徐々に回復するようで明日は期待出来る。
 
恐らく風で空気が洗われているので、しばらくは良い眺望と晴天が続くのではないかと考える。
 
少なくとも数日間は晴天は続くのではないか…台風を褒めるわけにはいかないが、明日以降が登山日和になるのは容易に想像出来た。
 
夕方になると、新しい相部屋の方達が次々にチェックインしてきたが、こちらが挨拶してようやく答える人、チラッと見るだけで何も言わない人が殆どだった。
 
こうなってしまうと、私もこれ以上は喋るのが嫌なので終始黙っている事にした。
 
 

 
 
ちなみに、みくりが池温泉の夕食はこのようなメニュー(メニューは毎日変わります)。
 
その内容は一般的な旅館にも負けず劣らずの充実ぶりで、山小屋という性格を考えると異例な豪華さである。
 
ご飯はお代わり自由、飲み水も充分、別料金で他のメニューもあり、あちこちで酒や生ビールを注文し飲んでいる人が多いので、とにかく恵まれた環境の山小屋なのである。 
 
 
夕食が済んだ後、山小屋のスタッフが写真のスライドショーを行うという事で、見学する事にした。
 
今日のように悪天候だった日の時は、宿泊客が充分に楽しむ事が出来なかったという事で、スタッフが良い眺望の立山の写真を紹介する事がよくあるらしい。
 
 
約1時間程のスライドショーを見学し、消灯時間が近付いてきたので眠る事にした。
 
明日は、剱岳の直下にある剣山荘に泊まる事にしよう。
 
天気は充分期待出来るだろう。
 
今夜もいびきが部屋に響きなかなか眠れないが、明日の事を考えているうちにいつの間にか眠りについた。
 
 
こうして3日目は終了した。
 
4日目につづく。
Posted at 2013/09/26 23:49:11 | コメント(6) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記
2013年09月25日 イイね!

立山・剱岳山歩き2日目 2013年9月15日 雨のため山小屋で足止め

立山・剱岳山歩き2日目 2013年9月15日 雨のため山小屋で足止め今回のブログは、立山・剱岳の山歩き2日目の話です。
 
2日目は、雨が降り登山としての活動は全く出来ませんでした。
 
1日目の活動のブログはこちら→
立山・剱岳山歩き1日目 2013年9月14日 静岡県から室堂まで移動
 
 
2013年9月15日。
 
先日は室堂山荘に泊まり、朝方目が覚めると雨が降っていた。
 
この日の登山計画は、室堂山荘を朝早く出発し、立山を縦走した後にみくりが池温泉(山小屋)に泊まる予定だったが、雨のため早々に計画を中止した。
 
天気予報で雨が降るのは事前に分かってはいたが、やはり実際に降ってくると気が滅入ってしまう。
 
相部屋で一緒になった若者2人組は、朝早く支度を済まし雄山へ登るため出発していった。
 
だが、しばらくすると部屋に戻ってきた…雨足が強くなり断念したそうだ。
 
明るく振る舞ってはいたが、残念である事はよく分かる…気の毒だったが自然の事なのでどうしようもない。
 
この日は台風が本州に向かって接近しており、翌日には上陸する可能性が出てきたので、今日・明日は雨が回復する事は見込めない。
 
3連休の中日だが、相部屋で一緒になった人達は登山を諦めて下山する事になった。
 
恨めしそうに窓から外を見ると、年配の方達の集団が雨具を着て出発しようとしていた。
 
雨の中の登山…恐らく登山ツアーの客達だと思われるが、後で聞いた話では、この日に立山に登った人達は滑る足元で大変苦労したそうだ。
 
私は、3連休の後は有休を取っていたので、室堂に留まり台風の通過を待つ事にした。
 
だが、15日はみくりが池温泉に泊まる予約を既にしていたので、レインウェアとザックカバーを用意して、室堂山荘を出発した。
 
相部屋の方達は、室堂ターミナルを目指し途中まで一緒に歩いたが、私はみくりが池温泉へ向かうので途中でお別れした。
 
別れる時、ベテランの方が「剱岳の眺望を楽しんで下さい」と声を掛けてくれたのが嬉しかった。
 
 

 
室堂平にあるミクリガ池。
 
 
すぐ傍にはみくりが池温泉が建っていて、山小屋の名前の由来になっている。
 
立山は元々は火山で、その噴火口に水が溜まったのがミクリガ池だそうである。
 
近くには、ミドリガ池、リンドウ池、血の池等もあり、これらもいわゆる火山湖らしい。
 
その中でもミクリガ池は最大の池で、観光目的で立山を訪れる方達にとっても非常に著名な観光スポットとなっている…ただし池は立入禁止。
 
水深は浅く冬季は完全に結氷し、立山の厳しい自然環境ゆえ8月になっても氷が残っているという。
 
 
 
 
 
室堂平にあるみくりが池温泉。
 
山小屋ではあるが、室堂ターミナルから近く観光目的で訪れる人も多いので、個室やレストランを備えており旅館としての性格も持ち合わせている。
 
しかも、温泉まで完備しているので、室堂山荘と同様に山小屋としては異例な程の豪華設備である。
 
 
みくりが池温泉は、国内最高所にある温泉としても有名だが、露天風呂では無く屋内にある風呂になっている。
 
立山は、観光で有名なスポットとはいえ、夏が短く冬が長い過酷な環境なので、露天風呂だと多くの不都合がありそうで屋内で正解だと思う。
 
 

 
 
みくりが池温泉の直下には、地獄谷という火山性ガスが噴き出ている場所がある。
 
近くには遊歩道が設けられているが、現在はガスの濃度が高く危険なので通行止めとなっている。
 
画像を見てもお分かりかと思うが、毒性があるため植物が自生出来ていないエリアがあるのが確認出来る。
 
ちなみに、みくりが池温泉のお湯は、この地獄谷のお湯が使われていて単純硫黄泉だそう。
 
離れていても硫黄の匂いがしてくるし、実際に温泉に入っている時はほんのりと硫黄の匂いがする。
   
 
後で聞いた話だが、昭和30年代に立山を登山した方が、この地獄谷にあった小屋で泊まっていたところ、火山性ガスの影響で目が見えなくなってしまったという。
 
一緒にいた仲間達も同じく目をやられてしまったが、比較的軽症の人が先頭に立ち仲間達を引っ張って、最寄りの山小屋へ避難しようとして斜面を上がって行った。
 
当時はまだみくりが池温泉は無かったようなので、雷鳥沢の方にある山小屋へ向かったという。
 
歩いて歩いてようやく山小屋に辿り着いたと思ったら、そこは元の場所だったという。
 
火山性のガスの恐ろしさを感じさせる怖い話だったが、目が見えなくなったのは一時的なもので済んだそうで事なきを得たらしい。
 
まあ、ヘタをすると命を落としていても不思議では無いので、こういった場所は立入禁止でなくても近付き過ぎない方が無難だろう。
 
 
地獄谷を暫く眺めた後、みくりが池温泉に入りフロントで宿泊の手続きを行った。
 
まだ朝の段階のため部屋に入る事は出来なかったが、喫茶店や温泉等の施設は利用可能との事。
 
レストランは荷物を置いたり着席するのは可能だが、食券の発行が11時からなので朝の時点では食事をするのは不可能。
 
ただし併設する喫茶店ではピザなどの軽食が食べられるので、腹が減った時には注文する事も出来る。
 
だが、先ほど朝食を食べたばかりで食事をするにはまだ早過ぎるので、とりあえずザックをレストランに置かせてもらい、室堂ターミナルにでも行ってみようと思い外へ出た。
 
 
 

 
室堂ターミナルは、みくりが池温泉と比較的近い距離にあるので移動時間は10分か15分位だと思うが、遊歩道のアップダウンが結構激しいので意外に大変だったりする。
 
遊歩道を歩いていると、すぐ傍のハイマツからカエルのような鳴き声が聞こえてきた。
 
ライチョウの鳴き声だとすぐ分かったが、結局姿を見る事は無かった。
 
室堂周辺はライチョウの生息地になっているので、観光客がライチョウを目撃出来る可能性が高い場所とも言える。
 
ただし、ライチョウはこの日のような悪天候時に活動する事が多いので、晴れた日はジッとしている事が多くなかなか見る事が出来ないらしい。
 
 

 
室堂ターミナルでは、これから立山に入る観光客や登山者、黒部ダム方面へ向かう観光客の姿で賑わっていた。
 
最初は土産店でも見物して時間を潰そうかなと思ったが、あまりに混雑しているので人を避けるように立山自然保護センターを見学する事にした。 
 
 

 
 

   

 

画像ばかりを並べて手抜きで申し訳ないが、施設の中はパネルやジオラマなどが殆どで、説明書きを読むという行動が殆どになる。
 
エンターテイメント性が殆ど無い施設なので、子供はもちろん大人でも人によっては退屈してしまいそうな施設ではあるが、生息する植物や動物など知らない事だらけだったので良い収穫が多かった。
 
あとジオラマの出来が大変素晴らしく、立山連峰周辺の地形や位置関係が良く分かり面白かった。
 
 

 
結局、午前中の早いうちにみくりが池温泉に戻ってきてしまった。
 
雨は降ったり止んだりで、もう外出する気にはなれなかった。
 
とりあえずレストランでお昼を済まし、テレビを見ているうちに部屋への入室が可能になった。
 
部屋へ移動し、その後温泉に入った後は特にする事が無くなってしまい、居眠りをする事にした。
 
相部屋で一緒になった方達とは最初に挨拶はしたものの、その後は話をする事も無かった。
  
退屈な時間になってしまったが、布団の枕元には1人1個のコンセント電源が提供されていたので、スマホで時間を潰す事にした。
 
この時の時間を利用して、みんカラをチェックしたりコメントを書いたりしていた。
  
明日は、台風が接近する日…またもう1日足止めかと思うと憂鬱になってしまう。
 
数少ない楽しみの夕食…予想以上に豪華なメニューで山小屋とは思えない充実ぶりだったが、せっかくのメニューなのに撮影するのを忘れてしまった。
 
その後はまた退屈な時間が続き、ようやくの消灯時間…早く朝になれと思っていたら、相部屋の人のいびきが気になりなかなか眠れなかった。
 
なかなか眠れないので、登山計画の変更を考えていた。
 
眠る直前に出た結論は、台風通過後の早いうちに剱岳に登ろうという考えだった。
 
剱岳はガスが掛かりやすい山なので、台風一過で空気が洗われているうちに登るのが得策に思えた。
 
最初の計画では立山が先だったが、状況は刻一刻と変わるので計画もそれに合わせて変更した方が良いだろう。
 
上手くいけば、剱岳から絶景が拝めるかもしれない。 
 
考えているうちに眠りについた。
 
 
こうして2日目は終了。
 
3日目につづく。
Posted at 2013/09/25 23:32:18 | コメント(4) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記
2013年09月23日 イイね!

立山・剱岳山歩き1日目 2013年9月14日 静岡県から室堂まで移動

立山・剱岳山歩き1日目 2013年9月14日 静岡県から室堂まで移動今月の14日から20日まで富山県へ行き、立山と剱岳の山歩きをしてきました。
 
滞在日数が多く、撮影した画像もそれなりにあるので、今回は1日目・2日目というように細かくブログに書いていきたいと思います。
 
7日間の滞在になりますので、合計7回に分けたいと思います。
 
読まれる方にとっては面倒かと思いますが、興味のある方はお付き合い願いますm(__)m
 
 
あと、私は山歩きをする時は謙虚な気持ちで登るよう心掛けていますので、「挑戦」とか「制覇」というような言葉は用いないようにしています。
 
理由は、自然を相手に挑戦しても勝ち目など無いからです。
  
こちらもご理解願いますm(__)m
 
 
9月14日。
 
朝5時に起きて着替えを済ませる。
 
この日は、待ちに待った立山と剱岳の登山に出掛ける日。
 
若い頃に読んだ本に立山や剱岳が紹介されていて、ずっと憧れていた山々だった。
 
だが、私は登山とはずっと無縁だった為、夢のまま一生を終えるだろうと思っていた。
 
だが、数年前に山歩きを始めて、いつか歩いてみたいと考えるようになり、やっと行動に移すことが出来るようになった。
 
この日の為に、日々ジョギングやウォーキング等のトレーニングをしてきたと言っても過言ではない。
 
だが、立山も剱岳も森林限界を超える高山帯であり、基本的には人を阻む高山である。
 
夢の実現への楽しみが多い反面、自分が果たして歩く事が出来るのか不安も大きかった。
 
そんな気持ちが入り混じったままこの日を迎えた。
 
 

 
早朝の富士駅。
 
1日目は立山登山のベースとなる室堂までの移動のみ。
 
1日目は登山は行わず山小屋に泊まるだけだが、山小屋は基本的に15時に着くのがマナーとされているので、今回の移動は15時を目標にした移動となる。
 
その為、念入りに時刻表を確認し、列車の乗り継ぎ時間をしっかり決めておいた。
 
尚且つ、好きな列車の旅も楽しんでやろうと考えている算段である。
 
まずは5時58分発の普通列車に乗り静岡駅まで移動する。
 
早朝の列車にはあまり乗った事は無いが、5時台の列車にしては随分と混んでいる印象だった。
 
結局、富士駅から静岡駅までの30分以上の移動は立ったままだったが、大きく重い50リットルザックを背負ったまま耐える事は出来ず、途中でザックを降ろしてしまった。
 
大型のザックは、1度降ろしてしまうと背負い直すのが面倒なので、担いだままの方が楽な場合もある。
 
 
 

 
静岡駅で新幹線に乗り換えて名古屋駅まで移動する。
 
6時42分発の「ひかり493号」を利用すれば、名古屋駅までノンストップなので便利である。
 
この「ひかり493号」…新横浜発広島行きという非常に珍しい列車だが、停車駅が小田原駅と静岡駅に停まった後は、名古屋駅と京都駅と新大阪駅と「のぞみ」と同じような感覚で利用出来るようになる。
 
恐らくは、「のぞみ」が1本も停車しない静岡駅への救済措置と思われるが、このような停車パターンの列車は朝の1本のみの設定なので、静岡駅利用者にとっては大きな利便性向上には繋がってはいないようにも思われる。
 
ただし、朝早くから静岡駅のホームは混んでおり、この便を利用する客の数は多かった。
 
14日は3連休の初日だったので、旅行目的と思われる客が目立っていた。
 
大きな荷物を抱えて混雑すると面倒なので、今回は普通車指定席を利用する事にした。
 
せっかくN700系に乗車したので、まだ座っていないグリーン車も試したかったが、44分程の乗車時間なので今回はやめておいた。
 
地元の最寄駅が新富士駅なので、利用するのは700系が多くN700は普段利用する機会は殆ど無い。
 
 
 
 
7時26分に名古屋駅に到着し、7時50分発の在来線特急「しらさぎ1号」に乗り換えて富山駅へ向かう。
 
 

 
「しらさぎ1号」の発車までにはまだ時間があるので、名古屋駅のお約束であるきしめんを食べる。
 
新幹線・在来線の各ホームに住よしのきしめんスタンドがあるので、名古屋駅に立ち寄った時には必ず利用している。
 
朝食はまだだったので、ここで腹を満たし列車に乗り込むことにする。
 
 

 
画像は、「しらさぎ」に使用される683系2000番台電車。
  
在来線特急「しらさぎ」は、東海道本線と北陸本線を経由しながら名古屋駅と富山駅を結ぶ列車である。
 
同じく名古屋駅から富山駅を結ぶ在来線特急で、「ワイドビューひだ」 という列車も存在するが、こちらは高山本線を経由するので走る路線が全く異なる。
 
走る距離は高山本線経由の方が短いが、高山本線は山岳路線の為速度が上がらない区間が多く、電化されておらず列車は気動車になるので所要時間では不利になってしまう。
 
実際に「しらさぎ」と「ワイドビューひだ」の所要時間を比較した場合、余分に距離を走る「しらさぎ」の方が所要時間はやや短くなる。
 
ただ、劇的に所要時間が違うワケでは無いので、目的地が同じならお好きな方をどうぞという感覚で利用出来るかと思う。
 
個人的には、あまり乗る事が無い気動車の「ひだ」を利用したいが、室堂に15時に着くためには「しらさぎ1号」の利用が理想になってしまうので、行きは「ひだ」は諦めて帰りに利用するようにした。
 
 

 
 
 

683系電車は、途中で列車同士を連結したり切り離したりするので、貫通型の先頭車両も存在する。
 
 
スマートで速そうな非貫通型の先頭車両に比べて、こちらは随分とユニークな先頭形状になっているが、国鉄時代の電車特急の面影を残しているのはこちらの先頭形状である。
 
 


 
  
 
683系は、バリエーションも多く「しらさぎ」の他に「サンダーバード」や「はくたか」にも用いられるが、それぞれが専用のカラーリングになっており、特に「はくたか」に関しては高速走行を行うので同じ683系でも性能がかなり異なっている。
 
ちなみに、団体専用列車として利用される事もあるようで、富士駅を経由して身延線へ入線した事もあるという。
 
 

 
 
 
「しらさぎ」のグリーン車。
 
列車で旅をする時は、グリーン車を利用出来るのならなるべく奮発するように心掛けている。
 
だが、私は決して金持ちというワケでは無い。
 
グリーン車は確かに高いお金を払わなければならないが、引き換えに混雑を避けたり静かな空間で過ごす事が出来る為利用しているのに過ぎない。
  
一方でシートの快適性はあまり重要視はしておらず、静かに過ごせれば普通車のシートでも充分に快適だと思っている。
 
 
「しらさぎ」のグリーン車は1+2列の幅広シートになっており、これなら車幅の広い新幹線のグリーン車と同等のシート幅を確保出来る。
 
山形新幹線や秋田新幹線はレールの幅こそ標準軌だが、車幅自体は在来線と変わらず、しかもグリーン車は2+2列を採用しているので、通常の新幹線のグリーン車よりも手狭感がある。 
 
そういった面で「しらさぎ」は比較的豪華な車両だと言えるだろう。
 
この編成は10年前に製造された車両のようだが、そんなにくたびれている感じは無かった。
 
新幹線のグリーン車のシートとは形状が違いやや違和感を感じたが、所要時間3時間半を過ごすには充分過ぎる快適なシートだった。
 
 
 

 
 
 
米原駅では停車時間が長いので、ホームに降りて駅弁を購入した。
 
購入したのは井筒屋の近江牛大入飯で、昨年京都へ出張した帰りにも米原駅で購入し、新幹線車内で食べた弁当でもあった。
  
ほんのりとカレー味のご飯と、味付けされた牛肉の組み合わせが好みの味だったので、今回も食べてみたいと考えていた弁当だった。
 
名古屋駅できしめんを食べてはいたが、決して満腹では無かったので美味しく食べる事が出来た。
 
 
 
 
金沢駅を過ぎると、北陸新幹線の高架が頻繁に目に入ってくる。
 
北陸新幹線は、来年度(正確には再来年の3月のダイヤ改正後らしい)にいよいよ東京~金沢駅間が開通するようで、現在は開業に向けて工事が進められている。
 
「しらさぎ」の車窓からは概ね完成しているように見えたが、信号や架線などがまだ付けられておらず細かい部分はまだこれからという感じではあった。
 
 

 
11時27分、定刻通りに富山駅に到着。
 
 
列車を降りると、夏のような日差しと暑さが一気に襲ってくる。
 
9月に入っても、日中の暑さはまだまだ続いているようだった。 

富山駅でまず目に入ってくるのは工事現場で、現在は新幹線開業に向けて大規模な工事が行われており、工事の規模から開業後の富山駅は以前とは随分と様子が変わりそうに感じる。
 
ただ、北陸新幹線の開業後は重複する在来線が第三セクター化されるのは必至なようで、「しらさぎ」や「サンダーバード」など現在の在来線特急も運転区間が短縮化されるらしい。
 
新幹線の開業は確かに喜ばしい事なのかもしれないが、開業して逆に不便になった等という事が無いようにしてもらいたいと思う。  
 
 

 
富山駅から電鉄富山駅へ歩いて移動。
 
電鉄富山駅からは、富山地方鉄道の車両に乗り立山駅まで移動する。
 
ただし、立山行きの列車はまだまだ発車まで時間があり、駅のコンコースで待っているには厳しい暑さだった。
 
 


 
何故か初めて見る気がしない富山地方鉄道の車両達。
 
乗車時間が近付くまでは改札を行わないので、ホームは空いている時間が多い。
 
だが、入場券らしきものを利用してホームに入り撮影している人の姿が何度か見られた。
 
然るべき手続きを済ませれば、乗車時間にならなくてもホームに入る事は可能らしい。
 
だが、私は乗車するのが目的なので、時間が来るまで大人しく改札前で待っている事にした。
 
 
  
 
 
コンコースにはモニターが設置されており、立山連峰の室堂や黒部ダム(黒部第四ダム、くろよんダム)のライブ映像が映し出されていた。
 
富山地方鉄道は、立山連峰へ行くのには重要な交通機関なので、こういった情報提供は非常に助かる事になる。
 
実際に列車を待っている人は、登山や観光目的と思われる人の数も多かった。
 
ちなみに、室堂へ行くには富山地方鉄道で立山駅まで行った後、ケーブルカーに乗り換えて美女平まで行き、更に美女平から室堂ターミナルまではバスで移動しなければならない。
 
立山駅まではマイカーで行く事が出来るが、そこから先はマイカー通行禁止区間となり公共交通機関を利用しなければならない。
 
黒部ダムは更に大変で、室堂ターミナルから大観峰まではトロリーバスを利用、大観峰から黒部平まではロープウェイを利用、黒部平から黒部湖まではケーブルカーを利用、黒部湖から歩いてようやく黒部ダムに到着…といった具合である。
 
乗り継ぎ回数も凄いが料金もまた凄いらしい…今回私は黒部ダムには行かないので料金は全く分からないが。
 
 

 

立山行きの列車に乗り約1時間の旅。
 
電鉄富山駅では地元の利用者も多く乗り込んでいたが、街から離れ乗客の数が段々減ると、登山や旅行目的の乗客ばかりになってしまった。 
 
 

 
 
途中には、見事な景色が目に入ってくる。
 
常願寺川の豊富な水量が、立山連峰の雄大さを物語っているように思えた。
 
段々と急カーブが目立つようになり、軋むような音が頻繁に聞こえてくる。
 
草が伸び放題の場所では、時々草が車両に当たってくる。
 
随分と人里離れた場所に来たかなと思うと、やがて立山駅が見えてくる。
 
 
 
 
立山駅に着くと、すぐに降りてケーブルカーの改札へと向かう。
 
ケーブルカーへの乗り継ぎ時間はそんなに長くは無いので、乗客の足は比較的早い。
 
私も撮影をそこそこにして移動する。
 
 
 
 
ケーブルカーの改札。
 
立山駅構内には土産物のお店があるが、列車とケーブルカーの乗り換えは短いので、土産を見ている余裕はそんなに無い。
 
私も列に並び乗車時間を待つ事にする。
 
まあ、乗り継ぎに時間があり土産物を見て回る余裕があったとしても、これから登山をするのに土産物を見て回って、ヘタに買ってしまい余分な荷物を増やしてしまうワケにはいかないが。
 
 
 
 
待ち時間そこそこにケーブルカーに乗車。
 
所要時間は約7分で標高差は約500mらしいが、元々は黒部ダム建設の物資輸送の為の路線だったらしい。
  
現在は営業運転がメインだが、貨車を設けて物資輸送も担っているようである。
 
ケーブルカーの定員に対して乗客が多過ぎるのではないかと思ったが、駅員が見事な誘導で次々と乗客を飲み込んでいく。
 
私のように大きな荷物を持っている人は、連結している荷物用の貨車に荷物を積むように頼まれた。
 
 

 
ケーブルカーの車内はご覧の通り。
 
さすがにこの中で大型ザックを背負っているのは非常に迷惑そうである。
 
すし詰め状態に近いが、所要時間は僅かなのでそんなに苦には感じず、乗る機会が殆ど無いケーブルカーの物珍しさとか、放送される解説を楽しんでいるうちに美女平に到着した。
 
 


美女平に到着しケーブルカーを降りると、間髪入れずに室堂行のバスの改札に並ぶ事にする。
 
 
美女平にも土産物店があるが、やはり乗り継ぎ時間に余裕は無いのでゆっくり見ている時間は無い。
 
バスに乗る前に、駅員から荷物の重量を量るように頼まれた。
 
10kg以上の荷物の場合は別途¥300の料金を払ってほしいそうで、私の荷物は明らかに10kg以上あるのは明確なので重量は量らずに¥300を払った。
 
バスの発車時間は14時、私が構想している室堂の到着目標は15時…あと1時間。
 
 

 
室堂までは観光バスなので、大きな荷物はトランクに収容出来るし必ず着席出来るので楽である。
 
以前、友人と南アルプスの甲斐駒ヶ岳へ登った時、最寄りの登山口までバスを利用しなければならないのだが、マイクロバスなので座る事は出来ても席は狭いし、ザックを自分の前に抱きかかえていなければならないので非常に苦痛だった記憶がある。
 
移動中、ついウトウトしようものなら、抱きかかえていたザックを前の人にぶつけてしまう可能性もある。
 
室堂行きのバスは、そんな心配は皆無なのでとても快適だった。
 
 
 

 
名所の近くを通る時は減速し、録音放送で解説が入る。
 
画像は、ブナ平という場所にある推定樹齢300年以上の大杉で、幹回りは最大で10m近くあるらしい。
 
 
 

 
常願寺川の称名滝の見える場所でも減速する。
 
この滝は、4段式の滝で落差が350mあり日本一だそう。
 
道路から離れた場所にあり、若干霧掛かっているのでやや見えにくい。
 
 
 
 
こちらはソーメン滝。 

流れる様がソーメンのように見える事から名付けられたらしいが…
 
 
 

 
森林限界を超えて高山帯に入ると、雪渓が目に入ってくる。
 
立山は国内有数の観光地だが、同時に国内有数の豪雪地帯でもあるので、夏でも多くの場所に雪渓が残っている。
 
この日は既に9月の中旬に入っており、これから紅葉を迎えすぐに冬を迎えるような過酷な場所なので、これ以上雪渓が減る事は考えにくいだろう。

 
   
 
約50分のバスの移動も室堂ターミナルで終了となる。
 
同時に、この日の乗り物での移動はようやく終わりになった。
 
ここまで来るのに非常に長かったが、これから泊まる山小屋まで歩いて移動となる。
 
室堂ターミナルは、立山登山や黒部ダム観光の重要な基地となる場所で、大変な賑わいを見せていた。
 
しかも3連休の初日という事もあり、私のようにこれから立山に入るという人が多かった。
 
 

 
室堂ターミナルの外を出るとこんな感じ。
 
ターミナル周辺という事もあり綺麗に整備されているが、高山地帯らしい景色が目に入ってくるのと同時に、麓では味わえない涼しい空気が心地良く伝わってくる。
 
 

 
室堂ターミナル近くにあるミクリガ池。
 
立山観光では非常に著名な池で、元々は噴火口だった火山湖らしい。
 
普段は風が強いので水面は波立っているが、1年のうちで極稀に水面が静かな時があり、立山の姿が鏡のように映し出される事があるという。
 
ただし、ミクリガ池は8月でも氷が浮いている事がある位の環境なので、完全に水面になっている期間は非常に短いらしい。
 
 

 
 
 
美しい草原と石畳の遊歩道。
 
時期は若干遅いかもしれないが、様々な高山植物も確認する事が出来た。 

高山植物の保護の為、周辺には石畳は綺麗に整備されているが、かなりボコボコで見た目に反して歩き難かった。
 
1日目の宿泊地となる室堂山荘が遠くに見えている。
 
 
 
 
 
ヤマハハコ。
 
 

 
イワイチョウの紅葉。
 
 

 
タテヤマアザミ。
 
 

 
カンチコウゾリナ。
 
時期は遅いが、それなりに植物観察も楽しむ事が出来た。
 
 
 

 
立山連峰に属する浄土山は、立山三山の1峰でもある。
 
 

 
立山三山の1峰である立山(雄山、大汝山、富士ノ折立)。
 
次の日は雨の予報らしく、立山も霧が掛かっている。 

 

 
1日目に宿泊する室堂山荘の部屋。
 
 
結局、室堂山荘にはほぼ15時頃に到着する事が出来た。
 
必ず15時に着かなければならないというワケではないが、マナー上の理由の他に、早く来た方が部屋が空いているうちに荷物の整理がしやすいメリットがある。
 
山小屋は相部屋が基本なので、あまり遅い時間に山小屋に入ると混んでいるので自由なスペースが無くなり、荷物の整理も非常にし難くなってしまう。
 
また、消灯時間頃にいつまでもガサガサ音を立てていると迷惑にもなるので、行動は早いうちの方が良い。
 
ただし、今回の私はそれが異常なほど神経質になってしまい、午前中に行動を終えてしまうような早過ぎる行動パターンが多くなってしまった。

今回の室堂山荘での宿泊は8畳間で6人利用だが、これは山小屋としては破格の豪華さと言えるだろう。
 
混雑期の山小屋では、1枚の布団に2人3人という過酷な状況もあるので、それに比べれば全然快適な環境なのである。
 
裏を返せば、神経質な人・潔癖症な人は山小屋の利用は厳しいかもしれない。 

室堂山荘が豪華な理由としては、室堂ターミナルの近くにある事が考えられる。
 
 
というのも、室堂は観光利用者も多く訪れるので、最寄りの山小屋が旅館としての役目も担っているからである。
  
普通の観光客が、登山目的の山小屋みたいな窮屈な環境を我慢出来るとは到底考えられないので、インターネット予約を受け付けていたり、相部屋以外に個室や温泉を設けている事からもそんな事情がうかがえる。
 
あと洗面所からは普通に飲める水が出ており、水が貴重品となる山小屋では珍しく恵まれた環境であるともいえる。
 
 

 
15時半前にはお風呂を利用させてもらった。
 
既にチェックインを済ませている宿泊客が多かったが、お風呂は貸し切り状態で利用する事が出来た。
 
お湯は若干温かったが、風呂場も脱衣所も広くてとても快適だった。
 
 

 
 
 
 
 
  
室堂山荘は、日本最古の山岳宿泊施設と言われており、画像の旧宿舎も270年ぶりに修理され再建されたらしい。
 
現在は資料館として無料開放されているが、内部は撮影禁止なので残念ながら内部の様子は紹介出来ない。
 
無料だが、施設維持の為の募金を募る箱があったので、ささやかではあるが募金をさせてもらった。
 
 
夕方になり相部屋の人達が次々に揃ったので、夕食を挟み消灯時間まで山の話で盛り上がった。
 
夕食で日本酒を奢ってもらってしまった…立山という銘柄の純米酒を美味しく頂いたが、すぐに酒が回ってしまい頭の中がグルングルンとなってしまったので、申し訳ないが先に部屋に戻る事にした。
 
酒が回るのは早かったが、醒めるのも早く部屋に戻り10分もしないうちに再び山の話で盛り上がった。
 
若い方と年配の方と一緒だったが、うち2人はベテランの方だったので、多くの山の話を聞く事が出来て楽しかった。 

私の登山計画を訊かれて、剱岳登山の後に仙人池や阿曽原温泉を経由して欅平に下りたいという計画を伝えたところ、それは難しいと言われてしまった。
 
それにはちゃんとした理由があり、9月になると雪渓があちこち融けてしまい、スノーブリッジやクレバスがあちこちに出来てしまい危険だという事。
 
雪渓があると、多くの登山者はアイゼンを付けて雪渓を通るので通常の登山道は殆ど利用されず、利用されない登山道は荒れてしまいコースが不明瞭となりやすい。
 
 
コース不明瞭は、道迷いの原因になりやすいし、探すのに時間を要するのでリスクが高くなってしまう。
 
また、仙人池を経由するコースはただでさえアプローチが長いので過酷という理由もある。
 
そういった理由を1つ1つ聞いていくうちに、とても欅平に下りようという気は無くなってしまった。
 
更に翌日・翌々日が悪天候で足止めになった事もあり、最終的に今回の登山では欅平に下りるコースは断念する事にした。
 
話をしているうちに、消灯時間の21時になるので皆眠りについた。
 
翌日は雨の予報…台風も近付いて来ているし、恐らくは近くの山小屋に移動するだけで終わってしまうだろう。
 
こうして1日目は終了した。
 
 
2日目につづく。
Posted at 2013/09/23 23:45:32 | コメント(8) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記
2013年06月09日 イイね!

2013年6月8日 河口湖北岸の山々を歩く

2013年6月8日 河口湖北岸の山々を歩く6月8日。
 
今回は、山梨県の河口湖北岸にある黒岳と釈迦ヶ岳を山歩きしてきた。
 
2週間前に腰を痛めてしまったが、痛みが引いて1週間ほど経ったので、今回は腰の調子と相談しながら歩くようにした。
 
 
 
 
三ツ峠山より黒岳と釈迦ヶ岳を望む(過去の画像)。
 
黒岳と釈迦ヶ岳は、御坂山地に属する山々で、河口湖のほぼ北方に位置している。
 
自治体は、山梨県内に治まり、笛吹市と南都留郡富士河口湖町に跨っている。
 
黒岳は、なだらかな山容をしており、周辺の山よりも大きいのが特徴である。
 
黒岳は、御坂山地の最高峰であり、御坂山や節刀ヶ岳といった山々と御坂山地の主脈を形成している。
 
周辺にも同じ名前の山があり、全国的にも数多い山名のようなので、「御坂黒岳」と呼ばれる事も多い。
 
釈迦ヶ岳は、槍のように尖った山容が非常に特徴的で、その美しい姿は遠方から見ても比較的見つけやすい。
 
 
釈迦ヶ岳は、御坂山地の主脈から北側へ外れており、鳥坂山や春日山といった山々と支脈を形成している。
 
御坂山地には、もう1つ釈迦ヶ岳と呼ばれる山があるが、特に別名などは用いられていないようであり、釈迦ヶ岳と言えば通常は今回山歩きする山の方を指すようである。
 
 

 
朝霧高原にあるもちや遊園地付近。 

今回の山歩きでは、梅雨の時期という事で天候が心配だったが、天気予報では日中は雨は降らない予報だったので出掛ける事にした。
 
ただし、雲が多く富士山の姿が見える事は無く、遠方の山々も雲に隠れて見えにくかった。
 
 

 
2010年に開通した若彦トンネルのお陰で、芦川町や甲府方面へ行くのにアクセスが非常に良くなった。 
 
以前、黒岳に登った時にはまだ工事中だったので、国道358号線(精進ブルーライン)から芦川町へと入るルートを通っていた。
 
県道719号線(若彦トンネル)の方が線形は良いので、車で走りやすい印象が強い。
 
 
 
 
 
笛吹市芦川町にあるすずらん群生地の駐車場に車を停めて準備をする。
 
スズランの時期という事もあり、この後多くの車が停まっていた。
 
ちなみに、今回は私はスズランは全く見なかった。
 
山にも群生しているので、「山の上でも見れるだろう」と思っていたら、見つける事が出来ず失敗してしまった。
 
帰りに見ていけば良かったのだが、せっかちな私はさっさと帰る方を選択してしまい、結局見る事無く帰ってしまった。
 
 
 
 
駐車スペースには、こういったハイキング用の看板が設置されている。
 
他のハイキング用の駐車スペースにも同様の看板が設置されているのを見た事がある(共に笛吹市芦川町)。
  
 

 
駐車スペースからすずらん群生地に入れば、そのまま黒岳方面へのハイキングコースに向かう事も出来るようだが、私は道路沿いの道を歩いていく。
 
雰囲気は林道そのもので、舗装もコンクリートの簡易的なものの為、あちこちに亀裂が走り割れている。
 
駐車スペースに来るまでにもこういった舗装路を走る羽目になるのだが、黒岳の山歩きは以前友人に車を出してもらい通った事があるので、私の車の車高でも大丈夫かは既に確認済みだった。
 
ただし、あちこちに車高短殺しの凹凸があるので要注意。
 
まあ、普通の車高でも飛ばして走れば、下周りをヒットしてしまうのは同じなのだが…
  
 
 
 
途中でフジを見掛けた。 
 
標高の違いとはいえ、平地との開花時期のあまりの違いに驚かされる。
 
今回は、フジなどの植物以外でも平地との違いぶりに驚かされっぱなしになる山歩きだった。 
 
 
 
 
  
やがて、舗装路と別れを告げて本格的なハイキングコースへと入っていく。
 
ハイキングコースは、直接黒岳に達するのではなく、すずらん峠がある山の稜線に一旦出てから、稜線上を歩き黒岳へ向かう事になる。
 
以前、ここを通った時は11月末だったので、草木の緑色など雰囲気が全然違い新鮮な気持ちになる。
 
ここは、すずらん群生地からも直接来る事が出来る場所なのだが、私とほぼ同じタイミングで男性登山者がコースに入った。
 
 

 
 
コースには、あちこちにヤマツツジの姿を見る事が出来た…これは非常に嬉しい。
 
赤色でもオレンジ色のようなとても明るい色なので、遠目でもよく目立つし美しい。
 
個体によって微妙に色が違うのがよく分かるが、どうもこの花の色を見ていると若い頃の武藤敬司のタイツの色を思い出してしまう…と、こんな事を書いても分からない人の方が多いかもしれないが。  
 
 

 
 
葉の形や生え方からヤマツツジという事が分かる。
 
生え方が似ているゴヨウツツジは、葉の形が若干異なるようなので区別が付く。
 
ただし、一言でヤマツツジと言っても、個体によって差異が見られる場合があるので注意が必要。 

蕾があるという事は、もう少し先まで花を楽しむ事が出来るかもしれない。
 
 

 
コースは良く整備されており、勾配もそんなにきつくなく険しい場所も無いので快適である。
 
この辺りは、自然林の為豊富な花を見る事も出来るので、花を愛でながら歩いていくと辛くなりがちな山行も楽しくなると思う。
 
 
 

 
これはタチツボスミレだろうか。
 
 

 
別名ユウレイタケとも呼ばれるギンリョウソウ。
 
キノコのようにも見えるが立派な花。
 
 

 
今回の山歩きは、腰の痛みからそれほど経っておらずゆっくり歩くことを意識していたが、花に気を取られているうちにすずらん峠に出てしまった。
 
今回ほど疲れない・息切れしない山歩きは今まで無かったと思う。 
 
 

 
稜線上も相変わらず植生豊かなので、遠くの景色を見るには厳しいが、美しい自然林に囲まれながら歩く事が出来る。
 
自分が思っている以上に植林された山って多いので、実はこういう自然林の山は意外に少なかったりする。
 
 
 
 
クサタチバナ。
 
 

 
ツクバネウツギの一種。
 
 

  
キンポウゲ。
 
このように、今の黒岳は正に花の楽園とも言えそうなのだが、同時に飛び交う虫も多く、虫の楽園にもなってしまっている。
 
よく見かけたのは、カトンボかカゲロウみたいな華奢な姿の虫が多く、悪さをするような虫の姿は見えなかったが、この時期・これからの時期は虫対策もしっかりとしていきたいところである。
 
 
 
 
稜線上でも花を楽しみながら歩いたので、体力を温存しながら黒岳山頂に到着する事が出来た。
 
黒岳に来るまで、会った登山者は最初にコース入口で見掛けた男性登山者のみだった。
 
 
黒岳山頂は、木々に囲まれているので眺望は無い。
 
 
天気は、雨の心配は無さそうな空だったが、雲が多く眺望の方は期待出来そうにない。
 
気温は、麓では15~16℃くらいだったが、時間と共に上昇し20℃以上になったのではないかと思う。
 
汗が出るくらい暑いのだが、予想していたよりかは快適な歩きだったと思う。
 
暑さの方が勝るのは想像出来るので、出来れば半袖で歩きたいところなのだが、虫刺されや日焼けを警戒し肌の露出は極力控えるようにした。




黒岳の一等三角点。
 
周辺にある一等三角点は、道志山地の御正体山、天子山地の毛無山、愛鷹連峰の愛鷹山など。 
 
 
 
 
 
黒岳山頂は眺望は無いが、山頂の南側には眺望ポイントがあるので移動してみる。
 
 

 
麓に河口湖があり、更にその先には富士山が見えるはずなのだが、今回は雲に隠れてしまい全く見えなかった。
 
 
 
  
 
 
以前、山歩きで来た時に撮影したのがこちら。
 
この時もあまり好条件とは言えなかったが、それでも今回よりかは全然マシだった。
 
 

 
水位低下で話題になっている河口湖。
 
あの六角堂もうっすらと見えていた。
 
 

 
先月の連休に歩いた毛無山や十二ヶ岳も霞んでいて見えにくく、しかも雲が掛かっている。
 
今回、毛無山登山口を通ってみた時、駐車している車の数が多かったので歩いている人も多かったと思うが、あちらも眺望は全然望めなかっただろう。
 
 

 
眺望は残念だったが、ここでもヤマツツジが見れたので良しとしておこう。
 
 

 
  
黒岳は、貴重なブナやミズナラが自生している山でもある。
 
数少なくなってしまった美しい自然をこれからも大事にしていきたい。
 
そんな自然林に囲まれながら黒岳を下り、釈迦ヶ岳へと向かう。
 
 

 
アセビ。
 
 

 
ツクバネウツギ。
 
黒岳の下りでも花を楽しみながら下った。
   
山歩きをしていると、下り坂で滑ったり時には尻餅をつく事がよくあるのだが、今回はかなり慎重にゆっくり歩いたので、下り坂で滑ったり転ぶような事は無かった。
 
 
 
 
 
黒岳を下ると、やがて舗装路のある日向坂峠(通称:どんべえ峠)にぶつかる。
 
ここから釈迦ヶ岳へ向かう稜線歩きが始まる。
 
日向坂峠の周辺では、大量のエゾハルゼミが泣いているので、平地よりもちょっと早く夏の気分を味わう事が出来る。
 
 

 
セミの姿は見えなかったが、鳴き声を動画に撮っておきました。
 
興味ある方は覗いてみて下さい。
 
 


 
釈迦ヶ岳へ向かうコース。
 
日向坂峠から釈迦ヶ岳へ続く稜線は最初は穏やかなので、コースも比較的穏やかで歩きやすい。

こちらでもヤマツツジがあちこちで見られる。
 
 

 
シロバナノヘビイチゴ。
 
 


 
日向坂峠と釈迦ヶ岳の中間に位置する府駒山。
 
一応三角点が設置されておりピークだと分かるものの、眺望が無くあくまでも通過点的な印象のある山である。
 
 
 
府駒山を過ぎると、段々とコースのアップダウンが激しくなり、険しい釈迦ヶ岳の岩峰が迫ってくる。
 
 

 
 
 
釈迦ヶ岳の山頂直下。
 
遠方から見る鋭い山容の通り、釈迦ヶ岳の山頂直下は非常に険しい岩場のコースとなっている。
 
同じ御坂山地の十二ヶ岳周辺と比べればそんなに長い区間では無いが、ロープや岩にしがみつくような険しい場所が続くので注意したい。
 
 
 
 

 
険しい岩場を登り切れば、すぐに釈迦ヶ岳の山頂に辿り着く。
 
 
雲は多いが、日差しがなかなかきつく汗を大量に掻いてしまった。
 
ザックを降ろししばらく休む事にする。
 
さすがに日が高くなってくると、ハイカーの姿も随分と増えてくる。
 
殆ど人の姿を見なかった黒岳とは全然違うが、かと言って混雑するような事も無く、歩くにも休むにも全く問題なかった。




、2体のお地蔵様の像。
 
顔の作りなど見た目がそれぞれ違い、右側の像は比較的最近作られたのではないかと考えられる。
 
 
優しい表情で周辺を見守ってくれている。
 
 

 
山名に相応しいような石碑が置かれている。
 
 

 
周辺の山を特定しやすい山座同定盤も設置されている。
 
眺めの良い場所で、思う存分景色を堪能するのも山歩きの魅力の1つであるが、釈迦ヶ岳は尖った山容でも分かるようにほぼ360度の視界で眺望は申し分ない。
 
 
ただし、今回は雲が多いので眺望はあまり良くなかった。
 

 
山頂より南側は切り立った崖になっており、屏風岩と名付けられている。
 
屏風岩と言えば、同じ御坂山地の三ツ峠山にある屏風岩が有名で、こちらはロッククライミングの登攀対象となっているが、こちら釈迦ヶ岳の屏風岩ではそういった話は聞かない。
 
 

 
 
釈迦ヶ岳からの眺望。
 
同じ御坂山地に属するもう1つの釈迦ヶ岳が画像中央付近に見えているが、霞んでいるのでかなり見えにくい。
 
 

 
先月の連休に登った十二ヶ岳、節刀ヶ岳、鬼ヶ岳などの稜線が見えている。
 
 

 
お地蔵様の向こうに黒岳。
 
 

 
遠方に見えているのは恐らく大菩薩連嶺だろう。
 
 

 
釈迦ヶ岳からの下りは、府駒山近くの分岐まで引き返すコースにした。
 
ピストンせずに釈迦ヶ岳の反対側から下山するコースも存在するが、こちらは長めの舗装路歩きをせねばならないので、なるべく舗装路歩きをしない方を選択した。
 
 

 
このコースを下っていけば、車の駐車スペースのすぐ傍に出る事が出来る。
 
 

 
エゾハルゼミの抜け殻。
 
セミの大合唱が物凄いので、夢中でセミの姿を探したが、木の高い所にいるのか結局姿を見る事は出来なかった。
 
それでも抜け殻は確認出来たので、せめてこちらを撮影出来たのは良い収穫だったかも。
 
 
 

 
 
やがて下山し帰路に就く。
 
車の運転中は、夏のような陽気で富士五湖周辺も観光で訪れている人の姿が多く確認出来た。
 
すれ違う車もツーリングやドライブ目的と思われる車が多かった。
 
梅雨にしては雨が少なく、確かに遊びに行くには非常に助かるのだが、最近水不足が心配になってきているようなので、やはり雨も必要なのだと強く思った。
 
 
今回の黒岳と釈迦ヶ岳の山歩き、いつにも増して花を見るのがとても楽しい山歩きとなった。
 
惜しいのはスズランだが、こちらは次回の楽しみにしておこう。
Posted at 2013/06/09 19:13:19 | コメント(5) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記
2013年05月06日 イイね!

2013年5月 毛無山から雪頭ヶ岳まで 西湖北岸の山々を歩く 


 
連休中の中日は、山梨県にある富士五湖の1つである西湖近くの山々を縦走してきた。
 
今回歩いた山々は、富士山の北側に広がる御坂山地の一部の山々で、西湖の北岸をほぼ並行している稜線のコースを取る事にした。
 
具体的なコースは、西湖東側にある文化洞トンネルの傍にある毛無山登山口をスタートし、毛無山、十二ヶ岳、金山、節刀ヶ岳、再び金山、鬼ヶ岳、雪頭ヶ岳、根場地区に下山というコースである。
 
自治体は、山梨県内に収まり、笛吹市と南都留郡富士河口湖町に跨る。
 
 
 
 
西湖の湖畔より雪頭ヶ岳と十二ヶ岳を望む。
 
どちらも、麓から尾根を通じて直接登る事が出来るコースが存在する。
 
 

 
同じく、西湖の湖畔より十二ヶ岳と毛無山を望む。
 
毛無山は画像中央に見えているのだが、あくまでも稜線の一部のような雰囲気で、精彩を欠いているように見える。
 
ただし、見る角度によっては非常に立派な形をしており、河口湖側から眺めると立派な三角形をしている。 

毛無山という名前は、私のブログで度々登場する事があるが、以前よりブログで登場するのは天子山地に属する毛無山の事であり、今回の毛無山は御坂山地に属する全く別の山である。
 
毛無山から十二ヶ岳までの稜線は、険しい岩峰になっており、広大な御坂山地の中でも屈指の険路と言われている。
 
 

 
節刀ヶ岳山頂より、毛無山から十二ヶ岳までの稜線を望む。
 
コブ状の稜線が広がる険しい山域で、昔の地図には鋸山と記されていることもあった。
 
あまり知られていないようだが、毛無山から十二ヶ岳までの間には5つのピークがあり、それぞれに鷹落の峰、コヤバの頭、コリトリの頭、鋸山、二ツ山と名付けられているが、最近のガイド本などでは殆ど記されていない。
 
 

 
西湖と河口湖の中間にある文化洞トンネル。
 
トンネルのすぐ傍には毛無山登山口があり、登山者用の駐車場も存在する。
 
今回は、連休という事もあり多くの車が駐車していたが、かなり遠方のナンバーの車も駐車していた。
 
これもやはり富士山の世界遺産効果なのだろうか・・・
 
 
今回は、天気はとても良かったのだが、登山口に着いた午前6時頃は氷点下1℃でとても寒かった。
 
だが、寒さをものともせずに湖に浸かり、釣りをしている多くの人達が大勢いたのには驚いてしまった。
 
一瞬山歩きを躊躇してしまいそうな寒さだったが、準備を済ませ軽く動いているうちに身体が温まってきたので、6時半に山歩きをスタートする。
  
 
 
 
毛無山登山口から毛無山までの尾根道は、美しい樹林帯の気持ちの良いコースである。
 
それほど険しいコースでは無いが、勾配はそれなりにきついので決して楽というわけでもない。
 
私の後ろを歩いていたグループの声が途中で聞こえなくなった。
 
尾根道は序盤で2手に分かれており、足和田山方面へ向かうコースも存在するので、後ろのグループは恐らく足和田山へ向かったのだろう。
 
駐車していた車は多かったが、毛無山山頂まで歩いている人の姿を見る事は無かった。
 
 

 
この季節に山歩きをしていると、頻繁に見掛けるタチツボスミレ。
 
今回の山歩きでもよく見掛けた。
 
 
 
 
ヤマザクラも咲いていたが、蕾が多い固体も多かったのでまだまだこれからが見頃だろう。
 
派手さは無いが、見ていてホッとするような桜である。
 
*後で調べてみたら、マメザクラであるらしい事が分かった。
 
 

 
美しい樹林帯を過ぎると、視界が広い草原のコースに変わる。
 
ここから山頂は近くで、山頂まで歩きながら広い眺望を楽しむ事が出来る。
 
ただし勾配はきついので、疲れて眺望を楽しむ余裕が無い人もいるかもしれないが…
 
 

 

毛無山山頂。
 
山頂には、夫婦と思われる2名の登山者が休憩をしていた。
 
私が登った後、しばらくすると男性登山者が登って来た。
 
ここで、ようやく行動中の登山者と会う事になった。
 
 
山頂からの眺望は申し分なく、画像のように富士山もしっかりと見る事が出来る。
 
富士山の手前に見える山は足和田山だろう。
 
今回の山歩きでは、他の山頂やコース上からも富士山がよく見える事が多い。
 
毛無山の山頂付近では桜を数多く見る事が出来た。
 
毛無山(けなしやま)と聞くと、木の無いハゲ山を連想してしまいそうだが、実際には木々が多い植生豊かな山である。
 
これは、天子山地の毛無山にも同じ事が言える。
 
 
 
 
毛無山の三角点。
 
標高は1500m、麓からの標高差は約600m。
 
 

 
以前は、天子山地方面もよく見えていたのだが、樹林が育ってしまい見え難くなってしまった。
 
画像中央付近に僅かだが天子山地の毛無山が見えている。
 
不完全だが、毛無山から毛無山を望む・・・
 
 
   
 
次に向かう十二ヶ岳。
 
麓から毛無山までの穏やかなコースとはガラリと変わり、ここからは厳しい岩峰のコースを歩いて行く事になる。
 


 
 
 
十二ヶ岳…すなわち12の峰が存在するという事で、各ピークと思われる箇所には画像のような看板が設置されている。
     
この看板は十二ヶ岳の山頂まで続くので、これを見て励みにする人も多いようだが、決して等間隔に設置されているわけではないので注意しておきたい。
 
 
 
 
三ヶ岳を過ぎる頃、徐々に十二ヶ岳の険しさが感じられてくる。
 
アップダウンのあるゴツゴツとした岩場を頻繁に歩く事になる。
 
 

 
ロープが設置された岩場も頻繁に通過する。
 
このコースは歩くだけでなく、ロープや鎖を頼りに岩にしがみつきながら登り下りしなければならない。
 
だが、ここはあくまでも一般登山道、性別も年令も関係無く皆が険しい岩場を行き来していく。
 
 
 
 
コースの途中で眺望の良い場所が幾つか存在し、ここからなら天子山地もよく見える。
 
 

 
麓の西湖もよく見える。
 
 

 
岩場を下りた先は奈落…命名「奈落岩」。
 
 

 
杉の木が激しい割れ方をしている場所があった。
 
見たところ比較的最近のようだが、この割れ方は一体…
 
 

 
 
終盤の十一ヶ岳周辺は、ロープと鎖を頼りに数十メートルの登り下りをしていく。
 
険しいコースの中でも特に要注意な場所である。
 
 

 
数十メートル下りた後にはステンレス製の吊り橋があり、三沢とコリトリの沢を渡る。
 
昔は丸太の橋だったようだが、現在はしっかりとした金属製で安心感がある。
 
 

 
吊り橋なのでよく揺れるが、橋の下までの落差は数メートルほどに見える。
 
 

 
吊り橋の部分はキレットになっているので、再びロープを頼りに数十メートル登って行く事になる。
 
今の時期はまだ良いのだが、冬期は特に日陰が滑りやすいので要注意。
 
登ってしまえばいよいよ山頂が近付いてくる。
 
 
 
 
御坂山地の主脈にある黒岳と、同じく御坂山地に属する釈迦ヶ岳が見えている。
 
遥か遠方に見えるシルエットは、恐らく大菩薩連嶺だろう。
 
 

 
画像中央に御坂山地に属する三ツ峠山が見えている。
 
 

 
十二ヶ岳の山頂に到着。
 
山頂目前で男性登山者を追い抜き、毛無山で見掛けた男性登山者も私の到着後すぐに登って来た。
   
山頂からの景色は、毛無山と同様に素晴らしく文句の付けようが無い。 
 
山頂の近くには、麓から直接通じる尾根道もあるので、毛無山経由よりも早い時間で十二ヶ岳に来る事も出来る。
 
 

 
麓では氷点下だった気温も時間と共に上昇し、十二ヶ岳の辺りでは7~8℃くらいになっていたと思う。
 
今回は、長袖Tシャツの上に薄手のフリースを終始着ていたが、歩いている最中に暑いと感じる事が多く、休憩中にフリースを脱いでみるとTシャツが汗でかなり濡れていた。
 
歩いた後で暑いのでTシャツ1枚で居たい気もするが、すぐに汗冷えしてしまう可能性があるのでやめておいた。
 
 

 
雪頭ヶ岳と鬼ヶ岳が見えている。
 
双方の山は非常に近い位置にあり、双子山のようである。
 
 
 
 
十二ヶ岳を出発し、金山を経由し節刀ヶ岳へ向かう。
 
やはりこちらにも大きなキレットがあるので、ロープや鎖を頼りに登り下りする事になる。
 
こういった場所は通過するのに時間が掛かるし、滑落や落石の危険があるので、人が多い時には順番待ちで時間が掛かってしまう事があるのだが、今回はロープ場や鎖場で他の人と被るような状況は皆無だった。
 
 

 
節刀ヶ岳は、どこから見ても三角形の山の形をしている。
 
身延線の列車に乗っているときも、節刀ヶ岳と釈迦ヶ岳の端正な三角形は車窓からよく目立つ。 
 
 

 
十二ヶ岳山頂直下のキレットを過ぎれば、後はなだらかな稜線歩きとなる。
 
この後は、ひとまずはシビアな緊張感から解放される事になる。
 
下山するまでは、緊張感自体は維持していかなければならないが…
 
 

 
やがて金山に到着。
 
一応山頂のようだが、何となく通過点扱いみたいな場所なので、すぐに節刀ヶ岳へと向かう。
 
金山から節刀ヶ岳までは割りと近いので、今回は金山~節刀ヶ岳の間はピストンする。
 
 

 
 
わずかな時間で節刀ヶ岳に到着。
 
節刀ヶ岳は、この山域の中では盟主的存在で山梨百名山にもなっている。
 
眺望も申し分なく、富士山も画像のように良く見えている。
 
富士山周辺の山は、富士山が見えるかどうかで山の人気が左右されるように思うが、この辺りのコースは人気が出てもおかしくない眺望を楽しめるコースである。
 
 

 
節刀ヶ岳の三角点。
 
 

 
河口湖を望む。
 
水位の低下で話題になっている河口湖だが、話題の六角堂も山頂から一応それらしき場所が確認出来る。
 
 

 
節刀ヶ岳を出発し再び金山を通過、その後は鬼ヶ岳へと向かう。 
  
ここまで来ると、段々と登山者の数が増えてきたようで、何度か登山者とすれ違うようになってきた。 

鬼ヶ岳へ向かうコースは、最初はなだらかだが山頂直下はややゴツゴツした岩場に変化する。
 
 

 
鬼ヶ岳山頂には、名前の由来になったという奇岩が存在する。
 
通称「鬼の角」。
 
山頂には数人の登山者が休憩をしていたが、私が思わぬところから登頂してきたようで驚いている人もいた。
 
私はあくまでも一般コースを通ってきたのだが、どうやら行き止まりと思っていた場所から人が出てきたと勘違いしたらしい。
 
 

 
富士山と雪頭ヶ岳。
 
 

 
南アルプス。
 
たぶん聖岳、赤石岳、悪沢岳。
 
 

 
鬼ヶ岳と雪頭ヶ岳の間にある梯子場。
 
アルミの角パイプで造られた軽量かつ丈夫な梯子である。
 
先程のロープや鎖場を通過しているのなら、難易度としてはそれほど高くなく、油断さえしなければ問題なく通過出来るだろう。
 
雪頭ヶ岳を通らずに、鬼ヶ岳から鍵掛峠経由で根場に下山するコースも一般的だが、以前通った時にはあまり魅力に感じなかったので、今回はパスさせてもらった。
 
 

 
雪頭ヶ岳山頂。
 
ちなみに「せっとうがたけ」と読むが、節刀ヶ岳も「せっとうがたけ」と読むので非常に紛らわしい。
 
差別化する為に、雪頭ヶ岳を「ゆきせっとう」と呼ぶ人もいれば、節刀ヶ岳を「せっちょうがたけ」と記すガイド本も存在する。
 
 

 
看板にも記されている通り、雪頭ヶ岳からの眺望は正に絶景である。
 
今回のコースは、どこから見る富士山も素晴らしいが、この場所から見る富士山も非常に素晴らしい。
 
ここでユックリ休憩して下山というのも良いかもしれない。
 
 

 
目の前はお花畑。
 
時期的にまだ早かったようだが、夏を迎える頃には花が多く咲くのだろう。
 
是非とも見てみたい。
 
 

 
雪頭ヶ岳から根場へ下山する。
 
しばらくの間は、富士山を見ながら気分良く下山する事になるが、コースは険しくはないものの急勾配で注意を要する。
 
滑りやすい箇所には、補助用の虎ロープも張られていたりする。
 
トレッキングポールなどがあれば、転倒防止用として割と安全に下りる事が出来る。
 
今回は、私も下山用としてトレッキングポールを1本携行したが、
結局最後まで使う事は無かった。
 
山歩きをしていると、毎回どこかしらでズルッと滑ってしまうのがお約束だったのだが、今回は珍しく1度も滑らずに済んだ。
 
 
 
 
モンベルのツオロミーブーツ。
 
年末年始にソール交換を依頼し、張り替えてもらってから初めての使用になるのだが、ソールを交換したせいか以前よりも爪先が硬いと感じてしまい、下り坂で両親指が痛くなってしまった。
 
帰ってから足を見てみると、両親指が圧迫されたのか爪を通して内出血しているのが見えてしまった。
 
すぐに馴染んでくれれば良いのだが…
 
 
 
 
途中でヤマツツジを見る事が出来た。
 
咲いていたのはわずかな数だったが、ツツジは好きな花なので見ていて励まされる。
 
 

 
大きく育ったアセビの木には、小さなアセビの花がたくさん咲いていた。
 
 
馬酔木と書いてアセビ…もちろん有毒である。
 
 

 
東入川の巨大な堰堤を通過すると、根場地区はもう近い。
 
 

 
根場のキャンプ場近くには、綺麗なヤマブキの花が咲いていた。
 
ここまで来れば麓はもう近く。 
 
 

 
 
12時半頃に麓の根場地区に下山。
 
この辺りは、見頃を迎えた八重桜がたくさん咲いており、しばらくの間見とれてしまう。
 
スタート地点である毛無山登山口は西湖の東側にあり、下山した根場地区は西側にあるので、登った位置からは反対に下りてきた事になる。
 
以前、根場から毛無山登山口までの区間を歩いた事があるのだが、誰も好き好んで山歩きで疲れた身体に追い討ちなど掛けたくはない。
  
歩かなければならなかった時は、確か西湖の湖畔をコースとしたロードバイクのレースがあって、バスや一般車両が通行不能な時間帯があったためだと記憶している。
  
他には、バス停とバスを間違えてしまい、毛無山登山口に停車しない便に乗ってしまった事もあったが、運転手さんのご厚意で途中で降ろしてもらう事も出来た。
 
毛無山登山口に停車するのは西湖を周遊するレトロバスだが、毎回レトロバスが運行されるわけではなく、代行バスの場合もあるのであまり期待しすぎない方が良いかと思う。 

 
最寄のバス停周辺でしばらく時間を潰してバスを待ち、連休の混雑で定刻よりも30分遅れのバスに乗って毛無山登山口まで移動した。
 
毛無山登山口では更に車の数が増えていたが、朝車が停まっていた場所に隙間があるので、既に帰った先客の車もいるようだ。
 
 
結局、車を走らせたのは14時近くになってしまい、途中で少し眠ったり混雑に巻き込まれたりしながら、帰宅出来たのは16時頃だった。
 
今回は、大好きな毛無山と十二ヶ岳のコースという事で、以前から楽しみにしていた。
 
今回の山歩きは大変満足で、もしも次の機会には雪頭ヶ岳のお花畑の花を見てみたいと思う。
Posted at 2013/05/06 03:33:22 | コメント(4) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記

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