project M2 1015B AZ-1 canvastop prototype
それでは今回は、前回の続きで運転席側の幌の脱着の仕方と、運転席側と助手席側の異なる部位の比較、並びに幌ドアの総括をしたいと思います。
ちょっと写真が多くて長くなりますが、お付き合いください。
さて、一見助手席と変わらない感じの運転席側ですが、早速1点異なるところが見られますね。
それは‥‥
この矢印の孔です!
これは自分で開けたわけではなくて開いていました。
さて、何の孔でしょう?
それは‥‥
ちょうどフロントホックの位置に開けられていました。
もしかしたら初めは穴が開いているカバー側にホックを付けていたのかもしれませんね。
この運転席側の幌もまた、プロトらしくおかしな事になっています。
よく上の写真を見ると助手席側と異なるところが他にもありますが、
それは‥‥‥
屋根部分を留めるホックが5ヶ所もあります。
助手席側は両端と中央の3ヶ所でした。
だけれども、留めるところは‥‥
やっぱり3ヶ所。助手席と同じです。
なんでこんな事になっているのかは分かりませんが、この様なプロトっぽいところは萌えますね!
そして、助手席側と異なり、ビニール窓下部はホック留めではなくベロがボディパネルの内側に入り込み、中で固定されています。
この為、このままでは外れません!
と言う訳でドアパネルを外していきましょう。
ドアを開けて、8mmでナットを外していきます。もちろんメガネレンチで緩めてからラチェットを使いましたが、フロント側はロングを使わないとパネルの縁を削りそうになってしまい注意が必要でした。
ドアパネルを外すとこんな感じです。
助手席側のホック留めに比べると、雨が降ってもベロを伝って下に流れるので車内への雨水の侵入は完璧防げますね。
そして、矢印のベロに付いている孔で抜けないように固定されていたので、固定部を外して、ドアパネルを再装着しました。
これで、いちいちドアパネルを外さなくても運転席側の幌窓の脱着ができるようになりました。
ちなみに、ドアパネルを外したついでに写真を撮っておきましたが、ここのドアキャッチスプリングが錆びて切れてドアが開かなくなるトラブルが増えているようです。
ホームセンターで似たようなサイズのステンレススプリングを買って交換しておくと安心です。100~200円もしなかった様な気がします。
私のも確認した時錆錆でした。もちろん助手席側も一緒に交換しました。
ベロの造りもしっかりしていますね。
このベロの端が斜めにカットされているので、先ほどのベロ固定部を外しただけで、ドアパネルを付けたままでも取付けしやすくなりました。
それでは取り付けてみましょう。
こんな感じで後ろ側からはめ込んでいきます。
フロント側もゴムモールをめくってグイグイ入れます。
きちんとはまるとこんな感じです。
助手先側と違ってチャックは1つの為、閉めると後ろ側に来ます。
チャックを全開にしてビニール窓を開けるとこんな感じです。
そして、屋根部分の幌は、室内側(内側)がポケット状になっています。
このポケット部は何かプレート状のものが入っていた可能性が考えられます。
幌の自重で少し屋根部が凹むんですが、見た目も良くないし、雨水等が溜まる可能性もありますし、溜まったままドアを開けると大変な事に(汗
ドアフレームのない屋根の幌部分が少し凹んでいるのが分かります。
この幌屋根部が凹んでいると見た目もカッコ悪いですし、ここはピシッと綺麗なラインになるようにしたいですね。
この為サイズを図って何か入れようかと考えています。
運転席側ビニール窓部です。
チケットウィンドウのフレームが無いので窓が広く感じますね。
助手席側はホックの受けが見えますね。
そして、ココからはプロトタイプゆえの問題点を記していきたいと思います。
助手席側ビニール窓のチャックは2つなのですが、これを前に開けていくと‥‥
あれれ、フロントウィンドウのAピラーに当たってビニール窓が開きません!
ちなみに運転席側は‥‥
ギリギリを通ってきちんと下まで開くようになっています。
ここだけ見ると、助手席側の幌を作ってみたらチャックが開かなかったので、運転席側は気をつけて造ってみた様にも思えるんですが、それなら運転席上部の幌固定ホックが5個もあるのに受けは3個しかないのもよく分からない(屋根ホックだけ見ると運転席側を先に作ったのかとも思えます)ですよね。
助手席側はAピラーまでしかチャックが開かない為、チャック全開でもビニール窓はこれしか開きません。
開けてると少しは風が入りますが、窓から何かの受け渡しとかは難しそうですね。
運転席側はここまで開きます。でもビニール窓が内側にダランとなるので運転しながらだと邪魔でしょうがありません。
あくまでチケットウィンドウですね。
それではこのM2 1015Bタイプのキャンバストップについて、総括していきましょう。
運転席側と助手席側の相違点
①運転席がシングルチャック。助手席がダブルチャック
②運転席はビニール窓が全開できるが、助手席はAピラーまでしかチャックが開かない。
③ビニール窓下端にベロが付いていてドアパネル内部に固定されていたのが運転席側。助手席側はビニール窓下端ホック留め。(プロトはその下にベロが付いた受けがドアパネル内部に付いていたと思われる)
④屋根部センターホックが運転席側はなぜか5ヶ所あった。(助手席側は3ヶ所、運転席側もドアフレームの受けは3ヶ所しかない)
⑤運転席側センタールーフ部のカバーにホックが付いていたと思われる孔開きあり。
以上が相違点となります。
実際の操作感
脱着に関しては、運転席側のベロ固定部を外したため、ドアパネルの脱着を無くしたのでホックのみで取り付け、取り外しができる為非常に簡単になりました。
外してシート後ろの手荷物置場に載せるだけなので、通常のT-バールーフの脱着と同じくらいの簡単さです(比較対象SW20 MR-2)
ビニール窓の開け閉めは、運転席側はシングルチャックで閉めた時にチャックが後ろに来るため、開ける時に体をかなり捻らないと開けられない為、コインパーキングとかで大変でした。
ダブルチャックか、シングルなら閉めた時にフロントにチャックが来るようにしてくれると良かったかも。
そして以前iZさんからもご質問いただきましたドアフレームの剛性に関しては、トップと窓のガラスが無くなりフレームだけになっていて、特に補強やスポットもありませんでしたが感覚的には剛性感の低下は感じませんでした。
多分問題ないかと思います。
雨漏りについて
まだ雨天に乗った事は無いのですが、9月の台風の時に車内にビニールを敷いて耐水テストをしてみたのですが、一晩おいたらやはりすこし漏れて車内のビニールが濡れていましたが、ビショビショと言うほどでもなく洗車場のジェットを使っても多少漏れてくるくらいでした。
始めこれなら思ったよりも雨漏りしないかなとも思ったのですが、昔の事を思い出し、実際に使用してみるときっと大変な思いをするのでは!と考えております。
その昔の事とは、手に入れた状態のままの幌ドアがあまりにも悲惨な状態だったからですorz
その写真がコチラ。
フレーム部の幌にびっしりとガムテープの糊の跡が!
もちろんフレームだけではなくて、ビニール窓にもびっしりガムテープの糊の跡が付いてベタベタ、ドロドロでした!
特に窓のビニール部は垂れた様な跡もアリ、これ綺麗になるのか?と心配なほどだったのですが、アニキのお店のスタッフがAZ-1のメンテをしながら毎日特殊な薬液を使用して少しずつ綺麗にしてくれました!
Sさん、本当にありがとうございましたm(_ _)m
超ピカピカになっていたのを見た時は感動しました!
でもコレを見ると誰かが以前使っていたと思われるのですが、やっぱりガムテープでとめないと車内が濡れてしまうからこうしていたのではないかと思うんですよね。
うーん、やはり雨の日乗るのはやめておこう。
でも何かの時に体感してまたレポートしますね。
オープン時の感想
幌を閉めた状態では、よく『風切音とか幌のバタつきうるさくないですか?』と聞かれますが、幌のバタつき音はほとんど感じません。騒音的なものに関してはもともと遮音材が少ないMRのAZ-1ですから室内騒音に関しては幌にしても『変わりません』でした。まぁ幌でもガラス窓でも車内は変わらぬ賑やかさです(笑
ただ一点、オーディオに関しては室内反射が変わるので違いがあるのかもしれません。私はほとんど音楽掛けない(たまにFM聴くくらい)のでこの点は分かりません。
ビニール窓は視界が悪いため、これに関しては注意が必要ですね。夜間、雨天時は特に注意が必要です。(SJ30 ジムニー幌窓車での経験より)
サイドとトップのガラスが無くなり、幌による軽量化は効果絶大でオープンを楽しむのもいいのですが、高い位置での重量物の軽減がこの幌ドアの最大の恩恵ではないかと思います!
ヘタッたドアダンパーが新品に換えたんじゃないかと言うほどドアが軽々開くようになり、なによりS字などの切り返しの時の挙動が変わりました!
感覚的なものなのですがクルマの頭が軽くなった感じがして、これは予想通りの嬉しい効果でした。
そして、オープンにした時の爽快感は感動的でした。もちろん、ビートやカプチーノ等のオープンカーとして開発されたクルマと比べると全然ですが、わずかばかりのチケットウィンドウしか開かないAZ-1がこんなに風を感じて走れるなんて!最高でした!
それと最大のマイナス点は、いたずら等で幌を切られたらどうしようかと停めるところにすごく気を使うようになりました。
これはキャビン部だけをカバーしてくれるハーフボディカバーすれば少しは違うかと思っています。
何故幌を切られると困るか。もちろんセキュリティ的なものもありますが一番の理由は次の項目で述べたいと思います。
このパーツ(幌ドア)の真偽について
今から十数年前、自動車雑誌やM2 VOICE(M2発行の情報誌)でAZ-1のオープンバージョンを見た時は衝撃でした。
その時以来、AZ-1を手に入れたらいつかこうしたいと思っていました。
そして、偶然手に入れたこのパーツ。どこを見ても特にM2等の記載もありませんでした。
しかし、意外にも取付けをして直ぐに真偽が分かったのです。
それはA20の会場ででした。
とあるマツダの関係者さんが私のAZ-1を見るなり
『ああ、ロードスターの幌と同じ生地だね』と言われました!
そしてビニール窓のコーションマーク(認証マークと注意書き)をしげしげと眺めると‥‥‥
『この認証マークと注意書きがロードスターと同一の為、本物だと思いますよ』と教えていただきました!
という事は、やっぱりこれはM2 1015Bのドアそのもの!!
本物だったのですね!
しかし、真偽が判ってすっきりしたのもつかの間。
『オリジナルという事は、大切に現状保存しなければ!』という緊張感に襲われて、一時は元のノーマルドアに戻そうかとも考えました。
万が一いたずらにあって幌を切られでもしたら‥‥‥(過去に所有車で幌を切られた経験あり)
この為、実はA20から帰ってからは気軽にAZ-1で出かけられなくなってしまいました。まぁ長時間クルマから離れなければいいと思うのですが、チキン(小心者)の私には悩ましい問題です。
取りあえずハーフボディカバーを倉庫から見つけて積んでおけば大丈夫(万が一カバーの上から切られても平気な様に屋根窓部に掛かる大きさに切った古い毛布も一緒に)かなと思ってはいます。
あるいはコピー品を作るのも一考かなとも思うのですが、どうせ作るなら一からまた違うものを作りたくなるし。。。。
まぁ悩んでも仕方がないので、とりあえず出先ではあまり車から離れず。宿泊等で離れる時はボディカバーで対処したいと思います。
これからも、縁あってうちに来たこのパーツを大切にしていきたいと思います。
取りあえず、今回を持って『プロジェクト 1015B (AZ-1 オープン化計画) 』の報告は終了となります。
またしばらく乗ってみて、使用感や気付いたことがありましたらレポートしますね。
長々と書いてしまい、分かりにくい記述もあったかと思いますが、最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m