Flying V : CARA widebody project
1995年からCARAに乗るベテランpg6sドライバーのまんぞくさんが、2013年10月 『有名な某ショップのAZ-1レーシングカーにそっくり』なAZ-1の社外エアロパーツを手に入れた事からこのプロジェクトが始まりました。
まんぞくさんが初めてこのパーツを見た時、30%の喜びと70%の不安を抱いたそうです。
なぜならば、まんぞくさんはクルマ関係の職業についている訳でもないただの工作好きのおっさんで (原文ママ(^^;) この様な作業はすべて未経験だったからです。
しかし、まんぞくさんはこのCARAワイドボディ・プロジェクトを見事やり遂げました。
完成させる事が出来たのは、長年のクルマ趣味で困った時に相談に乗ってもらえるプロの知人に恵まれていたからだと、まんぞくさんは言われました。
これは2013年秋から始まり2016年初頭にこのマシンが完成するまでの記録の一部です。
Flying V 制作記
取材協力、写真提供 まんぞくさん
まんぞくさんが手掛けた
CARAワイドボディ化計画ですが、これは基本的には
『昔レースで有名だったマシンと同型の外皮の残骸が手に入った』ので
『ストリート用に修復して車検を取ろう』と言うものです。
しかし、元々がレーシングカーとして設計されたエアロパーツの為、公道走行車両とする為にはいくつかの問題点がありました。
① ヘッドライト、ポジション灯などの灯火関係がない
② リアエンジンフードとリアウィンドウパネルが一体成型されており、取り付けると簡単に脱着できない
③ 給油口がない
④ 軽自動車と異なりナンバープレートの封印がある為、そのままではリアバンパーの脱着が出来なくなる
まんぞくさんは元のマシンが実戦で有名なマシンであった為に、レーシングカーとしての復元を目的にリペアする事も考えましたが、公道走行可能なマシンとする為に上記問題点を改善し、その際に若干自分好みにモディファイする事を決意しました。
もちろん基本的には自己資金で修復をする為、自分好みで問題はないと思いますが、同時に
『貴重な(ほぼ)ワンオフの外皮の復元作業』という見られ方は避けられない宿命でありむやみにラインを変更してしまっていいのか?そのあたりの味付け加減が難しくかなり悩まれたそうです。
そんな中、まんぞくさんはこのプロジェクトを始める際にまず名前を付ける事にしました
命名 : Flying V
これは両方のガルウイングを開けたときの姿をイメージ出来るのではと言う事から有名な
『ギター』のフライングVから頂いたそうです。
副産物としては、写真にあるようなグッズが沢山ありメインキーに流用したり、ピンバッジはエンブレムに流用出来そうです。
第一章 ライト作成
汎用丸2灯が似合うと考え、型紙を利用してフロントバンパーに試適を行いました。
ヘッドライト周りのデザインについては、ライトの高さが低い事に若干の不安があったそうですが、既製品丸2灯を
『ライトポッドのように付ける』方針で考えたそうです。
※ライトの位置についてですが、完全合法であり陸事持ち込み車検で公認を頂いております。根拠となる法令に関しましては最後の章にて説明する予定です。
試しに一つゴミ箱を買って来て大雑把にゴミ箱を切りバンパーのカーブに合わせて削り作成します。
コレがヘッドライト部(左のライト)のベースになっています。
どうやったらコレがあれになるのか(^^;
下の写真に加工途中のごみ箱が写っています(汗
正確に左右対称に作らねばならない為、完成品のカーブを型取りして型紙を裏返してもう一個を作り、ヘッドライトの内側にウィンカーを付ける為に追加加工を行います。
ウィンカーレンズはジムニーSJ10用を流用。
丸2灯汎用ランプ7インチΦのリム(ジムニー用)と光軸調整ネジ、M5プレートナット(一個108円)x3、百均のステンレスボウル(108円)の後に穴をあけて配線。
ボウルのどこかにステーを取り付けてバンパーに固定
このボウルをバンパーに固定するためのライトポッドを作っていきます。
ライトカバーがギリギリの寸法である為、裏側を薄く削らなければならずクリアランスを見ながら削る事になったそうです。
削りながらヘッドライトとウィンカーランプの試適を行っていきます。
そして、この百均のボウルを利用したライトユニットを取り付けるべくバンパーに穴を開けます。
とりあえず片方作成しましたがミリ単位の攻防でかなり困難だったそうです。
それはそうですよね、平面ではなくて3次元曲面に穴を開けて行く訳ですからその難しさは想像に難くないと思います。
そしてクリアランスを見ながらステーを作成。
ちなみにフロントウインカーはSJ10のパーツを使う為に穴を開けるつもりでいましたが、強度確保の為に薄型のLEDも検討されたそうです。
ヘッドライトの取り付け用ボウルとライトカバーの試適で日々、試行錯誤を行います。
これは最初の片方で充分以上に時間を掛けてトラブルシュートを行って作成し、反対側はそのノウハウを用いて短時間で作成できる様にする為の処置との事でした。
合理的だなぁ。
ヘッドライト取り付け用ボウルをバンパーに固定する為の検証を行います。
仕事やご家庭での時間の合間に少しずつ作業を進めていくのは大変だったかと思います。
ナッターを使用してヘッドライトやウィンカーを取り付ける為のステーを作成していきます。
細かい作業を一つ一つ丁寧にしていく事が仕上がりで大きな差を生むと聞いた事があります。
それと並行してバンパー取り付けの為に検証を行っていきます。
純正バンパーを外してワイドバンパーを試適。各部のクリアランスを確認した所
スペース的には楽勝との事でしたが別の問題も発覚。
この様に一喜一憂しながらの作業こそがカスタマイズの醍醐味の一つなのかもしれませんね。
でもこの写真拝見すると純正ライトに比べて極端に取り付け位置が下がっている訳でもないんですね。
でもやはりヘッドライトを外側に寄せるとそれだけでワイド感が強調されますね。この効果を狙ってカプチーノのライトユニットをAZ-1に(フロントフェンダーまで削って純正ライト位置より外側に)取り付けられている車両を見た事があります。
そしていよいよヘッドライト取り付け作業を行っていきます。
一旦は思った通りの面に固定出来たそうですが、微修正を続けているうちにライトが時計方向に回転してしまい、もしかしたら作り直しが必要かもしれない程に・・・
ここら辺のさじ加減が難しいのでしょうが、これこそが経験となっていくんでしょうね。
何とか両ヘッドライトの固定とウインカーの固定が完成。
まだライトカバー裏の修正など若干あるそうですが、出口が見えて来るとホッとするそうです。
この後パーツの入れ替えを行って行く為の下準備として左フロントフェンダーの割れを修正依頼し、ボンネットとリアバンパーの作業へと移ります。
そしていよいよノーマル・ボディパネルを全て外して仮合わせをする予定。
基本的にはFRP補修と全塗装についてはプロにお願いしたそうです。
やはり補修と塗装については仕上がりの良さに影響しますから、ここは自分の腕や費用との相談でベストチョイスを選ぶのが良いかと思います。
今後の作業予定。
フロントノーズとの電装関係のチェック。
左リアフェンダーの給油口製作。
左右フロントフェンダーにサイドウインカー取り付け。
リアバンパー、エンジンフードのネット貼り付け加工(外注)
ボンネットオープナーの工夫。
破損パーツの補修(外注)
できればサイドミラーの交換とメーターパネル交換
パーツ組み換えテストと補修箇所チェック
法的部分の書類作成
車検(白ナンバー取得)
同時にETC書き換えと車庫証明の申請と取得
全塗装
ハブボルト補強後に足回りのテスト、必要に応じた改造
如何でしたでしょうか。
フロントバンパーに灯火類を付けるのにはこんな作業やご苦労があったんですね。
まんぞくさんの夢を形にする
『フライングV・プロジェクト』、Vol.2につづきます。
最後に。
今回この
『FLYING V制作記』を記載しようと思ったのは、完成度の高さもさることながら、
『CARAワイドボティのカスタマイズの記録』を発表する事により、AZ-1・CARAのカスタマイズの可能性の高さを再認識する共に、後に続く人の参考の一つになればと考えたからです。
事実、製作者のまんぞくさんは、AZONE prototypeの制作記(→こちらを
クリック) を参考にされたと仰っていました。
某SNSでのまんぞくさんの制作記を拝見させて頂き、これは周知せねば!と勝手に思い写真をお借りして制作記を書き始めましたが、ノロノロしているうちに製作者のまんぞくさんがみんカラデビューされて、自分の方で書いてていいのかなーと迷走しながらもとりあえず掲載させて頂きました。
まんぞくさんのみんカラページは→
コチラ
この制作記は後2~3回位に分けていく予定ですが、その間に他の記事が入るかもしれません。
読みづらい構成で申し訳ありませんがお付き合いの程よろしくお願いいたします。
m(__)m