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ロバのEeyore(イーヨー)のブログ一覧

2012年03月30日 イイね!

AZ-1にエールをくれた人達 ②下野康史

AZ-1にエールをくれた人達 ②下野康史








下野康史

大学卒業後、二玄社にて自動車情報誌『CAR GRAPHIC』、『NAVI』の編集に携わる。1988年夏に、二玄社を退社して、フリーランスのジャーナリストとして活動中。元日本カーオブザイヤー選考委員。




マツダ オートザム・AZ-1 欠点だらけの満点車


 `92-`93日本カー・オブ・ザ・イヤーで、僕は満点の10点をこの車に入れてしまった、マツダのつくる軽のスポーツカー、オートザムAZ-1にである。
 自分で投票しておいて、"入れてしまった"という言い方もヘンだが、結果としてはかなり"しまった"的なことになってしまった。
 なにしろ、このクルマに満点を入れたのは、53人の選考委員のなかで、僕しかいなかったのだ。カノッサの屈辱、カバタの悲劇(喜劇)である。
 

 合計353点を集めて、見事カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した日産マーチに対して、AZ-1の得点はわずか17点。つまり僕以外からはたったの7点しか集まらなかったことになる。
 ノミネートされた10台の候補者のなかから、AZ-1がカー・オブ・ザ・イヤーを取るとはゆめゆめ思っていなかったが、かといって、まさかこんな成績に終わるとは思っていなかった。
 オートザムAZ-1に満点を入れたアノ人……。それでなくても、以前から、独特の価値基準を持つユニークな人、早い話が"変わり者"と思われていた僕は、この一件以来、ますますその評価を確固たるものにしてしまったらしいのである。


でも、AZ-1に満点をつけたことは、もちろんいまでもまったく後悔していない。ヒトサマになんと思われようと、これでも自信を持って投票したつもりなのだ。
 カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員として投票に参加したのは、このときが3回目だったが、もともとクソ真面目な僕は、初回から悩んでしまった。
 そもそも、カー・オブ・ザ・イヤーとはなんなのだろう。
 その年にデビューしたなかで、最も優秀な、もっともいいクルマに与える賞?じゃあ、「優秀」ってのは、なんだろう。「いいクルマ」とはなんなのか。
 いまの日本車は、そういう言い方をすれば、みんな優秀で、いいクルマなんじゃないかと思っている人間としては、そのなかでイチバンを決めたり、甲乙をつけたりすることがどうもうまくいかない。必ずどっかで矛盾が出てしまう。
 そこで、思案の末、自分なりの規則をつくったのである。
 

 日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員は、ひとりが25点の持ち点を持っている。それを10のノミネート車のなかの5台に振り分け、そのうちの一台に必ず10点満点を入れなければならない。つまり、満点のクルマがその選考委員にとってのイヤーカー、1等賞になるわけだ。ならば、毎回、僕の一等賞は、その年のノミネート車の中で最も運転していて楽しかった、ファン・トゥ・ドライブなクルマに献上しようと決めたのである。


 オートザムAZ-1は、エンジンを後車軸のほぼ真上に置く2シーターのスポーツカーだ。
 エンジンやギアボックスなど、つくるのにお金の掛かるパーツは、メーカー協力の形でスズキから購入する。マツダがつくるのは、主にボディとシャーシーで、オートザム・キャロルと同じ手法である。
 ガルウィング・ドアを最大の特徴とする「スーパーカーの消しゴム」みたいなルックスを始めてみたときにはびっくりした。ひと昔前なら、国際放映系の子供向けアクション・ドラマにしか出てこなかったような、なんとも劇画チックなスタイルである。
 

 外観同様、タイトな2人乗りの室内も、雰囲気はそうとうに劇画っぽい。
 ホールド性に優れるバケット・タイプのシートは、目にも鮮やかな赤と黒のツートーン。目の前には、純白の文字盤に真紅の針を配した派手なメーターパネルが並ぶ。モモの革巻きステアリングのデザインも、少々、幼稚っぽい。はっきり言って、初対面のときには大いにとまどったものである。
 だが、走り始めるとすぐに、僕は息子の『ゲームボーイ』を横取りした親父のような心境になった。思わず笑ってしまうほどファン・トゥ・ドライブだったからだ。
 

 64馬力の660ccエンジンは、スズキ・カプチーノと基本的に共通だが、こちらのほうが多少、ピーキーにセッティングされているらしく、動力性能はまるでカンシャク玉だ。
 アクセルをゆるめるたびに、プシューという、ターボの大きな息づかいが響くのは、グループCカー顔負け。軽自動車の例に漏れず、このクルマもメーターの135キロあたりでスピードリミッターが作動してしまうが、そこまでなら、とにかく、速いのなんの。ボーッとしたやつが乗るポルシェ911をカモるくらいは朝飯前である。


 メーカー自ら「国産車で最も低い」と謳うボディ全高は、たったの1150ミリ。当然、中に収まる乗員も、地を這うような低い位置に座る。おかげで、おそろしくスピード感が"速い"のも、AZ-1の特徴だ。
 だが、ファン・トゥ・ドライブきわまりないAZ-1は、同時に欠点だらけのクルマでもある。ガルウィングを採用したために、左右ドアには1人前のウィンドゥが設置できず、料金所対策として、横50センチ×縦12センチほどの小窓がかろうじて設けられている。
 しかも、そのガルウィング・ドアは、シートに座ったまま車内から閉める際に、ランボルギーニ・カウンタックほどではないにせよ、やはりそれなりの腕力と腹筋とを要する。女性に限らず、非力な人に、これはけっこうシンドイ。
 

 荷物を運ぶ道具としての実用性は、ビートと同じく、偏差値30くらい。シートの後ろには、スペアタイヤが同居する比較的タップリした荷物スペースがあるが、逆にいうとそこだけにしかなく、フロントにあるトランクのほうはほとんど役立たずといっていい。
 浮世離れしたスタイリングは、その代償として、四囲の視界に何ヶ所かの死角をつくり、コンパクトなサイズのわりに、意外や狭いところでの取り回しはよくない。
 といった具合なのだが、しかし、このような欠点をあえて承知でさらけだし、ただひたすらファン・トゥ・ドライブを実現しようとしたマツダの心意気は、むしろ立派だと思う。


 最近、安全性ということが盛んに言われるけれど、ファン・トゥ・ドライブの要素こそ、実は最も重要な安全性能ではないか。
 ヒトは、たいてい運転を"忘れた"ときに事故をやる。漫然とするのがいちばんいけない。運転が楽しくて楽しくて、かたときも運転を忘れさせないクルマは、だからとても安全なのである。
 AZ-1に乗ってみると、ファン・トゥ・ドライブのために、ホントに「ここまでやるか!?」というバカバカしいまでの情熱が感じられる。それを買って、文句なしに10点をつけたわけである。

 
 ところが、AZ-1は登場以来、一貫して商業的にはまったくの不成績をかこっている。優秀なクルマとは何か、いいクルマとは何かと言う問題も難しいが、今の時代、どういうクルマが売れるクルマなのか、それを占う能力となると、僕はますます自信がない。
 この規則に基づいて選んだ結果、満点カーは、3年前がホンダ・ビート、2年前がアンフィニRX-7、そして前回がAZ-1になったわけで、自分ではむしろ実にスジが通っていると思っているのである。
 

1995年発行 マガジンハウス刊 カルト・カーがぜったい! P136-141より抜粋


この文章から分かるように、53人もの選考委員中唯一の満点をAZ-1に付けてくれたのが下野さんです。如何にAZ-1の評価が低かったか分かろうと言うものです。

しかし、開発陣がこだわった未体験ハンドリング(ファン・トゥ・ドライブ)は下野さんに、そして我々AZ-1オーナーにはしっかりと伝わっており、だからこそ熱狂的なファンを生んだと思います。


この後、下野さんは日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考員を辞めてしまいます。

しかし、その後も記事でAZ-1を取り上げてくれました。

AZ-1の"ファン"な部分がわかる男、下野康史。

私は、堂々とAZ-1を『満点』にした心意気を、リスペクトせずにいられません!!


Posted at 2012/03/30 23:05:19 | コメント(3) | トラックバック(0) | AZ-1 書籍 | クルマ
2012年03月29日 イイね!

AZ-1 新車情報

AZ-1 新車情報





AZ-1のすべて 三栄書房


1992年。今から20年も前に発売されたAZ-1とは発売時、どの様な車だったのか。
それを一番良く知る事が出来るのは、やはりこの本ではないでしょうか!?


今ではネットオークションやクルマ専門の古本屋などを探さないと見つけることは難しいですが、なんとこの度、電子雑誌として再び読める事となりました!

下記にリンクを貼っておきますが、400円で電子版として購入出来るようです♪

開発者へのインタビューやインプレッション記事に純正オプションやカタログ等も載っていて、盛りだくさんの内容で当時の雰囲気が蘇ります!

学生の身でAZ-1を購入できなかった当時、この本を購入して隅々まで何度も読み返したものです。
発売後しばらくの間はAZ-1が膨大なバックオーダーを抱え、1年待ちなんて言われていた夢のような時代でした。
しかし、その人気もつかの間、不人気車として膨大な在庫車を抱える事になり、マツダの黒歴史とまで言われてしまう様になるとは… orz

展示車を見たくてオートザムを何件も廻り、見つけた時の興奮は今でも忘れられません!!




さらに、動画を見たいという方はこちら。



92年の新車情報です!

開発主査の平井さんがゲスト出演していていい感じです♪
三本さんやけに若いし(笑

最後にプレゼントコーナーがあるのですが、テレホンカードと懐中時計を5名様に。

懐中時計!?こんなのあったっけ??
AZ-1オリジナルなのかなー。



テレホンカードなんて今では知らない人もいるかも知れない位ですよね。

でもこのデザインは秀逸だと思います!
Posted at 2012/03/29 20:37:05 | コメント(3) | トラックバック(0) | AZ-1 書籍 | クルマ
2012年03月28日 イイね!

AZ-1にエールをくれた人達 ①斉藤慎輔

AZ-1にエールをくれた人達 ①斉藤慎輔






斉藤慎輔 

日産自動車の車輌実験部にて開発ドライバーとして車輌開発に従事すると同時に、N1 耐久レースを主としたレースに参戦し優勝。年間シリーズ 2 位といった好成績を残す。現在は自動車専門誌、一般誌などに多くの試乗記、コラムを執筆する。カプチーノの開発にも関わりを持つ。52歳。




もう、こんなミニ・スポーツを出してくれることはないと思うなあ、AZ-1をこのまま、消滅させてしまっていいのか、本当にそれでいいのか?  思い出してみろよ、AZ550の名で`89年の東京モーターショーに出品された時、「こんなのを作ってくれ」と心の中で叫んだんじゃなかったのか?

AZ-1は、そんな声を聞き取ってマツダが世に送り出したものだったんじゃないか。たしかに時期は悪かった。ビートもカプチーノも出た後で、もともとキャパの小さいミニ・スポーツ市場は、すでに掘り起しが進んだ状態。その上、バブルの崩壊と重なっちまって、こうした走り自体を楽しむお遊びグルマに乗るのが悪いことみたいな風潮すらある。

たしかにミニ・スポーツでは、2人しか乗れないし、荷物なんかまともに積めやしない。なかでもAZ-1は、実用性の低さときたら国産スポーツすべてひっくるめて堂々ナンバー1だ。乗ればおもちゃみたいなところも少なくない。でもそれがなんだっていうんだ。いましか乗れないクルマっていうのがあるんだよ。RVならジジイになってからでも遅くはないだろう。でもAZ-1みたいなクルマには乗り手にも「旬」がある。ボクは背伸びをせずに、こういうのを自分なりに乗りこなしているヤツをカッコいいと思う。



ネコ・パブリッシング刊「J’s Tipo’94年Vol.17」より抜粋


当時この記事を読んで熱くなった事を今でも覚えています。
そしてこの記事のエアロをまとったAZ-1をいつか手に入れると心に誓ったものです。


AZ-1が出た当時、大興奮で色々なクルマ雑誌の記事を読み漁りました。しかし、意外と肯定的な記事は少なかった様に思います。

AZ-1を手に入れてから、バックナンバーを購入して読み直してみると辛辣な記事の多さに驚きました。
しかし、本当に少数ですが、賞賛の記事を書いてくれた人達がいます。



この方々に敬意を表し、『AZ-1にエールをくれた人達』として不定期連載していきたいと思います!

Posted at 2012/03/28 23:56:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | AZ-1 書籍 | クルマ
2012年03月28日 イイね!

AUTOZAM AZ-1 取扱書

AUTOZAM  AZ-1  取扱書








AZ-1の取り説です。



久しぶりに読み返していたら気になる所があったので取り上げて見たいと思いますが、CARAの取り説については、また後日取り上げたいと思います!


①チケットウィンドウ



普通のクルマの取り説だと『窓から顔や手を出さない様に』と書かれているのですが、AZ-1の取り説では『窓から手などを…』と書かれていて、顔の事は触れられていません。

こんな小さな窓から顔は出せませんからね!
実に正確な記述だと思います(笑


②アフターアイドル



昔はターボタイマーとかを付けていて、車を離れた後も数分アフターアイドルさせていたものですが、ヤッパリ必要なんですね。

高速を走っていて、サービスエリア等に入った時、駐車場に止めるまで、ある程度過給させずに走っている時間があれば問題ないと言われたのですが、どうなんでしょうね?

気にせずバシッとエンジン切っていましたよ。
今度から少し気を付けます!

③オーバークール



昔バイクに乗っている時はやっていた事ありますが、まさかクルマでも必要とは!

しかもこのイラストみたいにバンパーに付けるカバーじゃダメだろ(笑

駐車する時も、ボンネットを風下に向けて停めた事もないし(笑


もちろん北海道など氷点下が日常茶飯事の所では必要かもしれませんが、きちんとラジエターコア表面の一部分をカバーする様に着けたほうがいいと思います。


寒冷地にお住まいの方、いかがなものでしょうか!?
Posted at 2012/03/28 02:25:45 | コメント(6) | トラックバック(0) | AZ-1の豆知識 | クルマ
2012年03月26日 イイね!

 momo 

 momo 








純正オプションMOMOシフトノブ




シフトノブやステアリングなど手に触れる部分にはこだわりたい物ですよね!

シフトノブはMOMOのノブをいくつか選んで付けてみたのですが、どれもしっくり来なくて結局純正オプションの物に落ち着きました。

やはりシフトノブは見た目よりタッチが良い方が気持ち良いですよね♪


ステアリングはナルディ、モモとありますが、個人的にはモモが好みです(^^;

小径タイプにして太モモとの干渉を避けています。



ホーンボタンはクロM2に付けていた、M2製の物にしてみました。

今の車はエアバックが標準なのでこの様な楽しみ方が難しい(ボスを替えれば付くかとは思いますがリスクが増えますものね…)かも知れません。

そして最後にサイドブレーキグリップですが、これもMOMOのカーボン柄に替えました。



これは以前、たまたま入ったお店に置いてあり、一目惚れして買いました。
付くかどうかも分かりませんでしたが、取り合えずロードスター用買っておけば何とかなるかな?と思い賭けてみました!

結果は…

無加工で装着♪

久しぶりのDIY大勝利でした!

このパーツは①サイドブレーキグリップ②車種別アダプター③ブーツの三点セットになっております。

取り付け方は比較的簡単でした。


純正のサイドブレーキグリップをカッターで縦切りして切れ目を入れます。この時中の鉄の棒まで届くようにしっかり切ります。
切れ目にマイナスドライバーを入れてこじり、グリップを外します。
後は購入したものを付けるだけ♪

グッと見た目も良くなり、握り心地もいい感じです!

リンクを探す為、久しぶりに購入したお店のHPを見てみたら結構高価で驚きました(汗

良く付くか付かないか分からないのにこんな高いもの買ったな…


昔は自分バブル時代があったのですが、今はすっかり弾けてしまいました!
節約していきたいと思います!

Posted at 2012/03/26 22:01:21 | コメント(2) | トラックバック(0) | AZ-1 customize | クルマ

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「@まるおまるお さん大変だったね!
無事に帰宅出来て良かったです、お疲れ様でした」
何シテル?   09/19 08:55
ロバのEeyore(イーヨー)といいます。 このブログはAZ-1&CARAの事をメインに書いていきたいと思います。 お見苦しい点も多々あるかと思いま...
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