MAZDA Fan ENDURANCE in OKAYAMA International Circuit
-------- 2016/12/03 16:01 神戸埠頭 --------
12時まで仕事をしてスタッフより先に退社し、東京駅から新幹線に飛び乗って新神戸駅で下車してフェリー埠頭へ。
16時には陸送していたAZ-1を無事に引き取る事が出来た。
受け取り手続きをして、ガラスに貼られたチェックシートをはがし、すぐに近くのスタンドで給油を済ませて新神戸駅へと向かう。
17時。後続の新幹線に乗って来た今回の耐久レースでパートナーを組む助六さんと合流。
150km先にある岡山国際サーキットへとAZ-1を走らせながら、助六さんと前回参戦したマツ耐袖ヶ浦ラウンドのデータから明日の作戦を話し合う。
マツ耐第4戦 袖ヶ浦フォレストレースウェイでドライバーチェンジ中の一コマ
マツ耐はレース中の給油が禁止されているので、満タンの燃料でいかに150分を走り切るかが勝負になる。タンク容量が少なくターボ車のAZ-1にはいささか分が悪いレギュレーションだ。全開で走ると150分経たずにガス欠を起こしてしまうからだ。
この為に、岡山ラウンドに備えて10月の千葉ラウンドに参戦し、燃費と戦略に関する基礎データを収集。
この千葉ラウンドはわがチーム、スクーデリア・ダメリーノ・Milanoのホームコースである袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われた為、充分なデータを取る事が出来たうえに参戦した他のAZ-1チームにも勝利する事が出来た。
(ピットクルーとして手伝って頂きましたちゃんぷ♪さん感謝です!)
しかし、岡山国際サーキットは一度も走った事が無い未知のコースのうえ、地元から約650kmも離れた所にあり、万が一トラブルにあった場合の事を考えたらこの遠征レースは無謀とも思えるものであったが、チームメイトの助六氏やメンテナンスサポートのアニキと予め対応策を考えて、条件付きで参戦する事となった。
その条件の一つが神戸埠頭まで船便でAZ-1を輸送しておく事だった。
千葉ラウンドのレース後、アニキのお店でメンテナンスを行いそのまま陸送と船便で輸送する事によりAZ-1をなるべくフレッシュな状態でサーキットへ持ち込む。本当はローダーに積んで移動するのがベストだが、それは費用と日程的に無理だった為、次善の策だった。
しかし、どれだけ準備をしても不測の事態と言うものは起こるものだ。そう、この時はまだそれが分かっていないだけだったのだ・・・・・・
-------- 2016/12/03 19:08 美作付近--------
助六さんと交代で運転しながらメンテ後のAZ-1のフィールを確かめながらサーキットを目指す。
山陽道が混雑していた為、中国道を走り作東I.C.を降りて夕食を取る為に道沿いの食堂に入る。

つるやと言う中国地方に展開するコンビニ・レストランチェーン店に入る事にした。
決めた理由は単に他にやっているお店がなかっただけだが、ここは安くて美味しいなかなかのお店だった。

オーダーしたら、自分が『カツ丼とうどんセット』、助六さんが『カツ定食豚汁付』。
二人共がゲンを担いで『カツ』を頼んでいた事に気が付いてお互いに苦笑い(^^;
しかし、こんな些細な事でも明日のレースに対するお互いの意気込みが分かり、いいチームメイトと戦える事に感謝をしながらこの日は岡山国際サーキットのロッジに宿泊。
明日のレースに備えて22時過ぎには就寝した。
-------- 2016/12/04 6:39 岡山国際サーキット --------
朝5時に起床。身支度を整えて5時半にロッジを出てパドックへ。
前回の千葉ラウンドでも隣のピットにいたランティスで参戦するチームに挨拶をして準備を始める。ここからは分刻みのスケジュールだ。
6:00~ 事務局でエントリー受付
6:20~ ピットにて車検を受ける
しかし、ここでトラブル発生!
なんと左テールランプが点灯せず再車検となってしまう。
2日前に点検したばかりだというのに!
しかし直ぐにドライバーズ・ミーティングがある為、再車検は後回しにしてミーティングルームへと向かう。
7:00~ 予選ブリーフィング
再車検とは言え、幸い便乗オフでAZ-1が多数来ているので、テールランプの一つくらいなら、いざとなったらレース中だけ外して貸してもらえばいいかと軽く考えていたので呑気な表情の2人です(^^;
しかも、予選ブリーフィングからパドックに戻ったら車検担当の人がブレーキペダル踏んだらランプが点いたとの事で問題なく車検通っていました。
ブレーキランプが点灯しなかった原因は単に接触不良だった様ですが、やはり18万kmも走っている車両なので、こんなマイナートラブルはこれからも起こるかもしれませんね。
なんにしても無事に再車検通過できて良かったです(^^
再車検も通り8時半の予選開始まで少し時間があったので、AZ-1便乗オフ会へ顔を出します。
みんなバカですねー(笑)
イヤ、最高の仲間達ですよ(^^;
ちゃんぷ♪さん、ろぼこんさん色々とお世話様でした(*^_^*)
8:30~ 予選
予選時間は20分間しかない為、なるべく助六さんにコースを走ってもらう様に自分が先にコースインして取り合えず1周だけの完熟走行を行う。
コース図と実際のコースのイメージの違いを確認。
ポストの位置とシグナルの位置を確認。
ラップタイマーの動作確認をして直ぐにピットイン。
残り時間を助六さんに走ってもらい、予選アタックも助六さんにお願いする。
ドライバー交代時に助六さんにインフィールド区間のコーナーが思ったよりきつい事とピットロード入り口が狭くて初めは分かりにくい事を伝える。
9:10~ 本戦ブリーフィング
予選結果は54台中50位。助六さんのアタックのお陰で何台かのロードスターの前に出られた。助六さん、ナイス!
軽自動車はうちのチームとキャロルMTのチームだけだ。
11:00~ マツ耐セレモニースタート コースイン
コースインしてグリッドに着くまでは同乗が認められていた為、ラップタイマーのセッティングを行う。正常作動を確認。
グリッドでピットインタイミングの最終確認。

photo by ちゃんぷ♪さん
11:10~ レーススタート進行開始 クルーはコース上から退去
11:20~ ローリングスタートでレース開始
コントロールラインを通過していよいよ150分間の耐久レースが始まった。
助六さんは良いペースで走行しながら順調に周回を重ねて行く。
11:45 無事に助六さんがピットイン。
ドライバーチェンジの時は最低1分間のエンジン停止が義務付けられている為、その間を利用してコースとマシン情報を助六さんから教わる。
すると燃費を抑える為にエンジン回転数制限をしていたにもかかわらず、思ったよりもガソリンの減りが激しいと指摘を受ける。
AZ-1に乗り込みながら対策を考える。
ベルトを締めてミラーを合わせる。
1分間のエンジン停止時間経過を確認。
エンジン始動。
後方確認良し。
ピットレーンを走り出す。
制限速度60km/hをオーバーしない様に気を付ける。
コースイン。
白線を踏まない様にして1コーナーはインベタのラインを通る。
いよいよ走行スタートだ。
M2 1015が発売された1994年、このサーキットではF1グランプリが行われた由緒正しい国際サーキットだ。
初めて走るコースなのでコーナー進入ではしっかりと減速。立ち上がりでステアリングを戻しながらアクセルオンをしていく。
こうすればコースアウトする心配はないからだ。
耐久レースは生き残りレース。
ゴールラインを超えるのが最低限の目標だ。
そんな手堅い走り方をしながらコースの高低差とコーナーのRや路面のアンジュレーション(でこぼこ)を記憶していく。
さすが国際サーキット、路面のザラつきが違う(グリップ力が高い舗装がしてある)
もちろんマツダ協賛のレースだけあって19あるポストはすべてマーシャルが入っている。
草レースとは違い潤沢なコストが掛けられているのが分かる。さすがJAF戦に準じたレースだけあるなぁ。
2週走った後、走り方を少し変えて行く。
燃費対策でストレートは半分強走ったらクラッチ踏んでアクセルオフ。アイドリングのまま空走させて行く。
ブレーキポイントまでアクセル踏みっぱなしに比べてもちろん最高速は落ちるがラップタイマーを見ていたらタイムの『落ち』は最低限なのが確認出来たからだ。
高低差があるコースなので、下り部分はストレートもコーナーもクラッチ踏んでアイドリングで降りて行く。リアタイヤにトラクションを掛けずに曲がれるRを描いてコーナーをクリアしていく。
そんな走り方をしている為、傍から見たらヘンテコなライン取りだと思うけれど、今必要なのはベストラップではなくてベターラップだ。燃費とタイムのバランスが大切だからこれでいい。
ホームストレートと裏ストレートの立ち上がりだけはしっかりと踏んでいく。
これだけやれば大分燃費を稼げるだろうと思っていたら、間もなく雨が降り始めた。
路面が濡れ始め、ワイパーを動かす。
ポストではオイル旗が振られ始めた。
いくつかのコーナーでリアが滑り始める。
すると黄旗がダブルで振られている所があり、すぐ先でスピンしてコースアウトしたロードスターが停まっていた。
すると次のポストで緑旗が出ているのを見た後続車がコーナーでインをついて強引に抜いていく。
しかし立ち上がりでリアが滑り始めて目の前でくるくる回り始める。
そりゃー濡れた下りコーナーでFRがあんなにアクセル開けたら廻っちゃうよね~と思いながらバックミラーを確認。ゆっくりと回避機動をしてギリギリで接触を避ける。
こちらも急回避や急ブレーキをすると、後続の車両に突っ込まれる可能性があるからスピンする前の車を見ながらバックミラーで後続車も確認しないといけないので少し忙しい感じ。
今回のレースは楽させてくれないなー。
自分の走行時間を終えてピットイン。

photo by MIKAさん
助六さんに路面状況と燃費がセーブ出来たので心配しなくてもいいよと伝えてベルトを締めるのを手伝う。
ろぼこんさんにはヘタって落ちて来るドアダンパーを支えていてもらう(^^;
ありがとうございます!
ピットロードへ入って来る車両がない事を確認してコースへと送り出す。

photo by まるおまるおさん
途中かなりの降雨があったにもかかわらず、助六さんは良いタイムでトラブルもなく周回を続けている。さすが助六さんだ。
そして危なげなくドライバー交代の時間が来て、ゴールまでの最終スティントを任される。
雨は強くなったり弱くなったりを繰り返している為、走るたびに路面のグリップが変わっていく。
基本的には多くのマシンが走って水が少なく見えるラインが『良い』ラインなのだが、それに限らずミドルやアウトのラインを試すと意外とグリップするラインがあって、結局最後まで一度も満足が行く走りが出来なかったのは残念だけれど、コースアウトするよりはマシだから、へボドライバー的には満足しないと贅沢かな(^^;

photo by まるおまるおさん
途中クラッシュが何度かあり、セーフティーカーランまであったけれど、我らがスクーデリア・ダメリーノ・AZ-1は無事に完走する事が出来た。
遠征先の初めてのコースで雨の降る耐久レースを戦い完走。
弱小チームの我らにとってはそれだけで大勝利です!
(*^_^*)
最終結果は総合48位、クラス2位でした。
レースの後は、直ぐに片付けを行いトランスポンダーを返却。
便乗オフ会場へ行き、いる方だけでしたがお別れの挨拶をして帰路につきました。
翌日は2人とも仕事がある為、AZ-1で帰宅途中に万が一車両トラブルが起きたら仕事までに帰れないリスクがある為、姫路駅前の駐車場にAZ-1を入れて新幹線で東京へ。
助六さんと今回のレースを振り返る。
反省点は山の様に出て来るが、レースは結果がすべて。
まずは無事に走りきれた事を喜び、品川駅で新幹線を降りて行く助六さんと硬い握手をした。
たくさんの人のサポートで素晴らしいレースを楽しむ事が出来た事に感謝を。
エピローグ
-------- 2016/12/7 5:25 姫路駅3番ホーム --------
夜行列車サンライズから姫路駅のホームに降り立つと、夜明け前の冷えた空気が眠気を覚ましてくれる。
1人改札を抜けて歩く事5分。AZ-1を停めている駐車場へとたどり着いた。
荷物を助手席に投げ込みエンジンを掛けて、寝ぼけまなこのイーヨー先輩に声をかける。
『さあ、帰ろうか』
これから家まで600km。もう一つの耐久レースが今、始まった。
終わり
12/7 15:41 追記
お陰様で無事に帰宅しました(*^_^*)