「スバル WRX 次期型、1.6リットルターボでラリー復帰か」と聞いて、
「そういやレオーネの最終型って、1.6Lだったよなぁ…」
と、思わず遠い目をしてしまったのですが(笑)。
あれはちょうど、今時期だったと思います。
トヨペット店勤務時代にレオーネが車検で入庫しまして、キャブ車に付きものだった
ホットエアインテークダクト(エキマニの熱をインテークへ導くことで吸入空気を温め、冷間時の燃料霧化を促進させる機構)を交換する際、
カチンカチンに熱くなったエキマニに触れてしまって、軽く火傷したことがありまして…。
今思えば、あまりの暑さに
腕まくりしながら作業してた私が悪いんですけど(^^ゞ
さて、この度の次期インプレッサの件もさることながら、最近
排気量1.6Lエンジンが再び脚光を浴び始めてますね。
先ごろは、F1のエンジンもV6・1.6Lターボに変更されるというニュースもありました。
私らの世代では
「テンロク」と聞くと、胸踊らせる方が結構いると思いますよ。
80年代から90年代に掛け、この排気量のエンジンで
意欲的な「作品」が多く、また、
所謂「走り好き」な方々に注目される車たちには、必ずと言っていいほど1.6L車が設定されていた、ということもあると思います。
個人的な思い入れを挙げれば、何と言っても
「4A-G系」ですね。
トヨタのDOHC1.6L車といえば、「バリカンコロナ」と呼ばれた40/50系コロナHTをベースとし、「2000GTの弟分」とまで言われた
トヨタ1600GTがありましたが、それまでレース用エンジンぐらいにしか使われなかった(当時としては)ハイメカニズムを身近にしたのが、カローラ・スプリンターのTE71や、カリーナの60系まで搭載された
2T-Gというエンジンでした。
ちなみに、
国産初のDOHCターボとなった「3T-GTEU」と、WRC出場のためのホモロゲモデルとして限定生産されたセリカGT-TS(TA64)に搭載された「4T-GTEU」は、このエンジンの親戚筋に当たります。
このエンジンの後継として、皆さんおなじみのハチロクことAE86型レビン・トレノと共に登場したのが、
初代の4A-GEU型です。
このエンジン、当初は「縦積み+MT」のみの設定しかなかったわけですが、AE82カローラFXで追加になった横積み用「4A-GELU」から搭載車両が広がり、AT車まで登場しました。
その後、トヨタ側の政策で2.0L以下の車両のFF化が進み、横積み専用として切り替わったのを機に、さらなるバージョンアップが加えられ、所謂
「92後期型」や
スーパーチャージャー、最終的には
5バルブ化までなされたのはご存知のとおり。
しかし、私がトヨペット店に入社した頃は
4A-G搭載車が新車ラインナップになく、ほとんどが格上の「3S系」に切り替わっていたこともあり、
まず触ることがなかったエンジンでした。
尤も、その頃のトヨペット店でのラインナップで売れていたのはA系エンジンではなく、
格上のS型やG型、ひとつ飛んで格下のE型が殆どで、A型エンジン搭載車といえば3Aや5Aといった1.5Lエンジンがメイン。
4Aといえば、土地柄
AT175コロナ4WDに搭載されたハイメカツインカムの「4A-FE」が精一杯という状態で、とにかく4A-Gは縁遠いエンジンでした。
何せ工場に「4A-G」用のオイルエレメントを在庫していてもホコリをかぶっていて、しまいには外箱が日焼けして色あせていたぐらいです(笑)。
わが家に目を転じてもその傾向が強く、両親において1.6Lエンジン搭載車は親父殿のTT100コロナとAT175カリーナ、母親が乗っていたAE95スプリンターセダンの「4A-F」(DOHCにキャブという、旧車みたいな取り合わせ…)のみでしたけど、唯一4A-G搭載車が居た時期がありました。
それは、弟が乗っていた
AE92前期レビンのアペックス。
当時大学生の弟は、何故かどういうわけだか年間走行距離が4~5万Kmという、シビアコンディションどころではない驚異的な乗り方をしてまして、彼が最初に買った
AE91カローラFX(5A-FHE搭載の希少車)も、購入時4万Km台だったのが、
1年経たないうちに9万Km後半まで使い果たしてしまい、急遽入れ替えということになりました。
そんな折、勤務先に下取りで入庫したのが、なんと
走行2.5万Kmの92レビン。
これは一千一隅のチャンスと思い、上司から
「お前、ここはトヨペットだぞ…」と小言を言われつつ買わせました。
私も一度乗ってみましたが、あのフィールは忘れられないですね!
高回転までストレス無く吹き上がり、回すのが楽しくなるあのエンジンフィールは、それまで私が乗ってきた車とは全く違う異次元のものでした。
…ただ、奴はこの車でもあっという間に過走行車に仕立ててしまい、途中サーモスタッド固着によるオーバーヒートや、TEMS仕様お約束のショック抜け等々故障が頻発。
購入1年後の車検で、9万Km前半というアベレージを記録し、またも代替えを余儀なくされ、これ以降わが家に1.6L車の導入は途絶えてしまいました。
この他にも、友人が乗っていて、その豪快な乗り味が印象深い
ワンダーシビックSiのZC型とか、高校生の頃、無性に欲しかった
ジェミニの「ハンドリングbyロータス」ことZZとイルムシャーR、
ユーノスロードスターのB6型、変わり種ですと
ランサー・ミラージュに搭載された1.6L・V6という、この状況を先取りしたようなエンジンもありましたが、全てに共通するのは
排気量1.6LでDOHCであったということです。
確かに、国内の税制上からみると、1.6Lという排気量は正直不利な面があります。
何せ、
2.0Lクラスと同じ税額ですし、
年式によっては2.5Lクラスとほぼ同額となり、ぶっちゃけた話、排気量からみると高額な印象は拭えませんし、販売の現場から見れば「それなら2.0L車の方が…」という話にもなります。
まぁ、1.5L車と1.3L車が、同じ自動車税を支払うというのもなんだか不公平感がありますけど、こればかりは法律で決まっている以上仕方がありません。
それに、
日本人って割と切りの良い数字を好む傾向にあるってのもあるのかな、と。
私もそうで、これまでの車歴を振り返ると、ミラとST150コロナ(1.8L)を除いて、1.5Lか2.0Lのどちらかしか所有してなかったり…。
ですが、偶然かもしれないとは言え、ここに来て1.6Lという排気量がクローズアップされてくると、もしかすると、
第2第3の4A-GやZCが出てくるのかな?と期待してみたくなりますね(^^ゞ
何となくですが、若い世代が手を出しやすいってイメージがあるじゃないですか。
「2.0Lじゃデカイ!かと言って1.5Lだと、ちょっともの足りない…」みたいな(笑)。
おそらく、1.6L車に興味深いモデルが多いってのも、その辺の事情というかマーケティングの結果があるようにも思えますね(^^