![【R289八十里越】秘境八十里越体感バスツアー、行って来ましたっ!【後編】 【R289八十里越】秘境八十里越体感バスツアー、行って来ましたっ!【後編】](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/031/085/954/31085954/p1m.jpg?ct=c9e357faece0)
前ブログの続きです。
バスはいよいよ、新潟、福島県境を越える9号トンネルへと進入します。
貫通はしていますが、要はただ単に山に穴が開いているだけの状態なので、トンネル内はまだまだ絶賛工事中です。
9号トンネルは全長3168m、うち新潟県側が約1.7Km、福島県側が約1.5Km。新潟県側が若干長くなっています。これは、新潟県側に向かって下り片勾配になっていることもあるのでしょう。新潟県側坑口の標高550mに対して福島県側は640mとなっており、約90mの標高差が付いていることになります。これを計算すると、約2.84%の勾配。貨物列車にとっては急勾配ですが、電車なら登っていける程度の勾配に抑えられています。クルマ的には、関越トンネル前後の登坂車線のある場所よりも緩やかなんですよ。
ちょっと蛇足ですが、八十里越新道全体で見ても、勾配は5%を超えない範囲に抑えられているようです。高速道路では3%を越えると登坂車線を設けることになっているので、イメージ的にはだいたいそういった場所程度の勾配と思っていただければと。
・・・・・うん、きっと「登坂車線を設ける余裕なんてどこにもネーヨ!!」(カネ的にも地理的にも)という事情もあって、緩やかな勾配設計になったのかもねw 雪降るし。 八十里越新道の3種3級規格だと、登坂車線は6%から必要・・・・・・だったと思う。確か。
脱線失礼。
トンネル内の照明はまだ工事用の仮のもの。普通の白色の蛍光灯に混じって、赤と緑の蛍光灯も使われています。赤は消火栓の場所、緑は非常電話の場所を表しています。
もちろん消火栓も非常電話も仮設です。一般供用時に使われる消火栓や、非常電話を埋め込む壁面の凹みの位置とずれているので、それとわかります。
この9号トンネルはもちろん、まだ仮の名前です。供用した暁には正式名が付与されるはず。もしかしたら公募するかもしれないので、今のうちに名前を考えてあげてくださいw
まぁ・・・・・八十里越トンネルで決まりかもしれないけどwww
8号トンネルと近接しているので、シェルターで繋いで1本のトンネルということにする可能性もあります。間の6号橋梁はたった14mしかないし。
また、今年度はこの9号トンネルの舗装工事を行う業者の選定(入札)が完了しているそうです。舗装工事が始まると、このようにツアーバスが行き来できなくなると同時に、暫定供用へ向けた大きな一歩を踏み出すことになります。
・・・・・しかし、実は。
「ある事」さえ無ければ・・・・・・・・・
来年にも、暫定供用できるかもしれなかったのに・・・・・・・。
このトンネルを抜けてすぐのところに、問題の現場が待っています。
トンネル内は年中14℃と、ほぼ一定の気温。
ただ道路トンネルって奴は、鉄道トンネルと違って供用を始めてしばらくすると「冷えなく」なってくるんですよね・・・・・交通量にもよるけど。
道路トンネルを避暑地とするなら今のうち。あるいは開通直後を狙うとよいでしょうw
・・・・・・おぉ、近づいてきたようですよ。福島県が。
県境はご覧の場所です。天井に電照式の県境表示がぶら下がっているんですが、静止画カメラではうまく撮れませんでしたorz
UXのカメラはさすがプロ。この表示をきっちり収めて、OAしています。最後の方に動画を用意しました。
ガイドさん:「今、福島に・・・・・・・・・・・・・今入りました。」
一同:「おぉ~~~~~88888888888888」
車内に拍手が沸き起こります。時刻は10時51分。説明の時間などを含めても、木の根橋ゲートから1時間半で県境に到達しました。六十里越ルートだと、ノンストップでもまだ入広瀬あたりにいる時間です。
下田村はどん詰まりじゃない!ということを実感した瞬間でもありました。
バスのナビ画面は、道無き深山幽谷を突き進んでいます。
しばらく行くと工事区間が終わり、照明が途切れます。
先に広がるのは、漆黒の闇・・・・・・・・
否!
光だ!!
明るい福島が
我々には見える!!
これが・・・・・
福島県只見町・・・!!
やったよディスガイヤー!(※)
峠を越えたんだよ!!
会津はすぐそこだ!!
・・・・・などと妄想大爆発な私を迎えてくれたのは小さな滝。
そして、その下を流れる叶津川。
とってもマイナスイオンたっぷりな気分にさせられる優しい光景。全線開通の暁には、ここにトラックを停めて休憩できたら、さぞかしよく眠れるんじゃないかと思うビュースポットだ。
(※)ガトリングディスガイヤー=某スレで生まれた河井継之助の綽名のひとつ。
某やぇたんのドラマに登場した河井の「ガトリング銃ですがいや!」(`・ω・´)キリッ という、「がー」言わせたいだけ的台詞回しに対し、多くの長岡周辺民から「です・・・・・・・がいやー?????」(°Д°)? と、長岡弁そうじゃねーだろ的総ツッコミが入った。これがネタにされていじられまくり、新たな綽名が奉られることとなった。
・・・・・・・ぉ、別のツッコミが聴こえるぞwwwww
トンネル出ると問題の現場じゃなかったのかよってなwww
そうなのである。
上の写真の、
180°反対方向には、
ついうっかり(←コラw
目を背けたくなってしまう、
目も当てられぬ、
三条惨状が・・・・・っ!!
山がっ・・・・・・
山がぜんぜん優しくない・・・・っ・・・orz
崩れてる途中の山が
崩壊すべり面に乗っかったままになっちゃってるよ!! これじゃー、連続雨量50mmでツアー中止になるわけだ。あっぶねぇ・・・・・。
後で写真をよく見たら、7号橋梁先の切土法面も歪んでるじゃないか・・・・・格子枠ブロック工が不自然に膨らんでる。法面下の盛土は、山の押し出しを押さえるために急遽盛ったのだろう。
造ってる途中の7号橋梁下部工。哀れ、ぶっ潰されとるよ・・・・・(;´ρ`)
というわけで、国土交通省さんの解説動画です。被災状況について詳しく説明してくださいました。
8号橋梁と、その先の6号ロックシェッド。そして10号トンネル。マイクロバスは、6号ロックシェッド手前の5号スノーシェッド建設予定地点でUターンしました。
6号ロックシェッドも被災して、ようやくここまで復旧したそうです。天井に乗っかっている巨大U字溝で、土石流を受け流す計画だとか。
被災した7号橋梁を撮影するUXカメラ。
UX奈良瀬記者の背後は、亀裂の走る歪んだ法面・・・・・雨が降ったらこんなとこ絶対近づきたくない!!
とりあえず土砂を盛って山を留めている状況。あのぅ・・・・・そこ路盤になるはずの場所なんですがorz
9号トンネル側の橋台を構築するために足場を組み、鉄筋を組み、型枠を立てて・・・・・・・一晩で、それらは全て流された・・・・・
そんな9号トンネル側橋台の現況。
こんなこともあろうかと、ワンスパン(橋脚なし)で計画されている7号橋梁。しかし、完全にその姿を現す前に被災し、片や多数の橋脚を持つ仮橋がほぼ無傷というこの皮肉。自然は、ときに非情である。
平成23年の新潟、福島豪雨。その日は私も、冠水した‘酷道17号’をトラックで走破して関東に抜けているため、どのようなことが起きたのか、鮮明に記憶に残っている。
時を同じくしてここ八十里越では、早期開通を願う人々をあざ笑うかのような事態が発生していた。わずか9ヶ月前に、9号トンネル貫通に沸きかえった人々は、どんな思いで斜面崩壊の知らせを聞いただろう。三歩進んで二歩下がるとは、まさにこのような事だ。
設計者や施工者を責めることはできまい。相手は自然なのだから。
今後この現場では、山から地下水を抜き、グランドアンカー打ち込み後に崩壊土を撤去。川の底浚いなどを行ってから、ようやく橋梁本体の造り直しにかかるそうだ。「山を留めないことには危なくて橋の工事ができません」ごもっとも。
今は、橋台基礎がただ単に埋まっているだけであることを祈ろう・・・・・。トンネル掘り直しを伴った、同じ国道289号の甲子峠の事例が頭をよぎる。国道289号は、つくづく受難の道だなと思う。
ここに本橋梁が架かれば、暫定供用に向けて大きく前進する。福島県側工事終点から、現道と接続している8号トンネル、7号トンネル間までの間で、唯一本体完成していない橋、トンネルがこの7号橋梁。
「早く完成してほしい」と言うだけは簡単。素人が直接、工事に携わるワケでもないし、ましてや早期開通の妙案を出せるわけでもない。
しかし、私たち一般市民が「早く完成してほしい」としつこく言い続けるのは、それなりに意味のあることだと思う。大衆の求めがあるからこそインフラの整備が進み、生活改善が進む。そうでなければ整備予算なんて付きやしない。
現代は、個人がネットを駆使して情報発信ができる時代。ネット上での当該事業への関心の高さ加減も、予算をつけるかどうかのバロメーターのひとつであるはずだ。そんなことも見越した上での「秘境 八十里越体感バスツアー」なのだと思う。参加者のわずか一握りでも、つぶやきでいいから「八十里越」というキーワードをネットの海に流してくれたら・・・・・そんな思惑がにじんでいるように思うのだ。
・・・・・偶然か必然か、はたまた予定調和かどうかはわからないけど、
(あったとすれば)見事にそんな思惑に釣られている私なのであったwwwww
それでは、元来た道を戻り始めます。まずは9号トンネルから。
動画の状態がよかったのでつべに上げました。
「状態がよかった」っつーか、まぁ、手持ちです。ヘルメットから外してw
7号橋梁の現場説明の最後に電池が切れましたので、充電しながらの撮影です。
この動画と同じものをニコ動にも上げてあります。
【ニコニコ動画】【車載動画】国道289号八十里越 9号トンネル 福島→新潟
こちらは投コメで解説をつけました。
続いては5号橋梁・・・・・と言いたいところですが、
情けないことに
バス酔いしまして、ぇぇ。
帰り道はほとんど写真撮っておりません。
最近は自分で運転して移動してばっかりなので、自分が車酔いしやすい性質であることをすっかり忘れて油断してました・・・・・。
ガイドの皆様
ご心配をおかけして申し訳ございませんでしたorz
いや、あの、ビニール袋を所望しましたがゲップ一発で済んでいますょ
苦し紛れに撮った、
1号橋梁。
大谷ダムでトイレ休憩。最初の道の駅 漢学の里しただに着いたのは12:20でした。
で、
以上これまで、ツアーの模様を収録したUXのカメラ。
その結果は、UXのニュース番組「スーパーJにいがた」にて、実に10分以上にわたってOAされました。
自宅テレビをカメラで撮影するというへんてこな撮り方ですが、どうかご勘弁ください。著作権的にどういうアレなのかいまいちよくわからなかったもので・・・・・。画質、音質がある程度劣化してれば大丈夫なんじゃね的な素人考えの産物です。
空撮映像や旧道、只見町視点からの紹介もあります。どちらかと言うと、歴史や、三条と只見の交流、それを取り巻く人々方面からの切り口ですね。技術的な話はあまり出てきません。
今回こうして八十里越の現状を見学する機会を得たわけでありますが、最後に。
どうしてここまで、私が国道289号 八十里越道路改築事業に熱視線を注ぐようになったかをお話して終わりにしましょう。
八十里越に限らずどんな公共事業でも、市民がそれに対する関心度は個人的理由が多分に影響するものですが、私の場合それは仕事です。
三条市のプラ成型品メーカーから、日光市の自動車部品工場まで製品を輸送する仕事がありました。このとき辿ったルートはR17または関越道で前橋まで行き、R122日足トンネルを通って日光に入るルートです。金精峠や六十里越は冬季閉鎖になる上、ノンターボ仕様4t超ロングの通行には不適当な急カーブ、急勾配連続路なので、敬遠していました。夏に、ターボレンジャーなら金精峠を駆け上がれたかもしれませんが・・・・・第一いろは坂がネックです。(いつか挑戦したかった)
似たような仕事に、矢板の某小売店集配センターへの仕事もありました。いずれにしても、一旦関東に出てから、改めて栃木県北部へ向かうという大迂回を強いられていたわけです。
八十里越をトラックで通れれば、三条産の優れた工業製品を出荷するのも楽になるし、販路も拡大するのに・・・・・常々そう思っていました。八十里越新道が、カーブも勾配も緩やかに設計されているのは、つまり、そういうことです。
八十里越はただ単に、三条と只見を結ぶ道にあらず。R289には「その先」があるのです。八十里越新道が全通した暁には、R49、R17と、並行する磐越道、関越道からのある程度の交通の転換が見込まれます。特にトラックはこぞって、最短ルートを選択するでしょう。
命を削って走っているから。寝る時間を延ばしたくても、安全運転と燃料代節約のためと称してスピードを上げることを許されていない、そして高速代を払えるほど運賃をもらえないから、走行距離を短縮することでしか所要時間を削れないのです。
八十里越は救急搬送時間の短縮にも貢献することから、「命の道」と呼ばれることもあります。トラック運転手たちにとっても、ここはまさに「命の道」なのです。
ものすっごく個人的なことでしたが、まぁ、そういうことでしたwww
・・・・・・・そういえば、
祝!2020年東京オリンピック開催決定!!
普通車のみ通行可で、冬季閉鎖でもいいから、オリンピックまでには通れるようにならないかなとか思ったり思わなかったりwww
壮大なBGM聴きながら、開通への機運を盛り上げてくださいなwwwwww
それでは、また。