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2011年12月09日 イイね!

プリンス・マイラー(T440)・・・の残骸

近所のスクラップ・ヤードに、プリンス・マイラーが入っていたので部品をギンバイしてきました。

こちらがそのプリンス・マイラーです。



え?「なんだこの鉄クズ」ですって?

紛うこと無きプリンス・マイラーですよ!

ほら、この特徴的なフロント・グリルで一目見てマイラーだってわかるじゃないですか!?



え?どこがグリルかわからない?

ちなみに生前の姿?はこんな感じです。



このマイラーは地元の農家で眠っていた個体で、引き上げ時には
地中に半分埋まっていたそうです。

フレームと、プリンス製1900ccG2エンジンと、国産商用車初となるプリンス製5速ミッションは
海外に輸出する為に外され、キャビンの残骸だけが捲れ上がった状態で残っていました。

エンジンは鉄として売るのかと思いきや、東南アジアで新たなボディを与えられ
第二の人生を送るとのこと。

凄い、の一言。

同じ農家にクリッパーもあり(おそらくはT650系?)、それも引き上げてきたそうですが
そちらは既にヤードを旅立っていました。

ホントはエンジンやミッション、メーターやステアリングがプリンス・ライトコーチに使えるので
丸車の状態で抑えておきたかったのですが、残念ながら一足遅かったです・・・。


残骸から辛うじて回収したゴミ・・・じゃなくて戦利品の数々です。

東芝製・純正シールドビーム・ヘッドライト(遠目)×2 ホーンリング メーターパネル 灰皿 
グローブボックス・リッド ライトスイッチ ヒーターコントロール・パネル Fターンシグナル・レンズ 
ルームランプ・レンズ 車輛銘鈑 ラジエーター・キャップ クラッチマスター・キャップ 
燃料フィルター 各種スイッチ・ノブ 各種エンブレム トヨタ純正ヒューズ レシート



酷い状態のキャビンを漁って、これだけの部品が取れたので良しとしましょう。


エンジンルームにビス留めされている車輌銘鈑です。

「プリンス 形式:T440HG-1 原動機形式:G2 
最高出力:91PS/4800rpm 車両番号:T440G-1611」



スカイライン/グロリアと共通のエンジンはもちろん、国産商用車初となる5速ミッションが
海外に送られたのは痛かったです。
ちょうど、知り合いのスカイラインスポーツ・コンバーティブルのオーナーがG2型エンジンの
部品を欲していたので、抑えておきたかったのですが・・・

2代目マイラーは1965年7月に登場、日産との合併により1966年8月以降の生産分には
車両銘鈑の一番下が「プリンス自動車工業株式会社」から「日産自動車株式会社」へと
変更されます。
1967年にはエンジンがプリンスG型から日産H/R型に換装され、フロントグリルの意匠も
変更されました。
なので、この個体は1966年8月~1967年のMCの間に製造された車輛であると推測されます。


「PRINCE」の文字と社章、十字のモティーフの彫刻が美しいホーンリング。
ステアリング自体はひん曲がってしまっていたので回収を諦めざるを得ませんでした。



このホーンリングはずっと欲しかったので、多少キズついているものの嬉しかったです。

このパーツひとつだけでも、商用車だからと云って貧相だったりチープなデザインを良しとせず
瀟洒なデザインを与えたプリンス技術陣の心意気が伝わってきます。


グロリアやスカイラインと共通の意匠を奢られた、繊細なデザインの扇型メーターパネル
クリッパーやライトコーチにも同じメーターパネルが与えられましたが
日産との合併後、コストダウンを目的に、単純で味気ない長方形に変更されてしまいます。



右側が水温計、左側が燃料計で中央には積算距離計がありトリップメーターは備わりません。
4つの警告灯はターン、パーキングブレーキ、オイル、充電で
速度計の中央にはハイビーム表示灯があります。

フルスケールは130km/hで、本来はガラスが入っていますが
ダッシュパネル自体が歪んでいたため、取外す時に割れてしまいました。


ボンネット先端のエンブレムは「 P R I N C E 」のR・I・N・Eだけ残っていました。
両フェンダーに備わる「MILER」のエンブレムもMIだけ残っていました。
合併後に後付けされた「NISSAN」のエンブレムも一応?外してきました。



後ろにあるのはスイッチ・ノブやシガーライターです。


グローブボックスの蓋です。
クローム仕上げのMILERというエンブレムが飾られています。
文字の間には、プリンス車に共通する梨地加工が施されており、大変美しい仕上がりです。



灰皿には蛇の抜け殻が付着していました。
キャビンを住処にしていたのかも知れません。
とりあえず金運アップでも祈っておきましょうか。



屋外にある灯油タンクの下側に付いているフィルターです。

じゃなくて、プリンス車に共通のガラスボウル式燃料フィルターです。
自分のグロリアは高年式のプラスチック製汎用燃料フィルターに交換されており
ずっと純正品が欲しかったので、割れずに残っていて良かったです。

ガラスボウル式フィルターは、キャブレターのガラス窓と同じようにガソリンが
美しく見えるので、機能的にもルックス的にも素晴らしいです。

綺麗に清掃して交換したいと思います。



グローブボックスの中に入っていた、請求明細(給油レシート)の半券です。

右上に「1960~39」「1960~42」とありますが、マイラーの年式から考えると
古すぎるようにも思えます。
用紙自体の印刷年度でしょうか。

出光系列のスタンドで、金アポロ(ハイオク?)赤アポロ(レギュラー?)という表記があります。

また、今では見かけなくなった「混合油」の表記もありました。
60年代中頃には2ストローク・エンジンも分離給油式となり、混合油は徐々に消えていきましたが
それ以前はどこのスタンドでも、混合油の給油機が設置されていました。



住所が「白糠郡音別町市街」というアバウトさがステキです。
小さな集落なので、当時は家屋の数も少なかったのでしょう(今も多くはない)。

電話番号が「110」というのも凄いです。
市街局番もまだ2ケタの時代です(釧路市内は1965年2月12日から3桁に移行)


フロントのターンシグナル・レンズです。
上が右側、下が左側ですが退色のため「マイラーってホワイトレンズだったっけ?」と
迷ってしまいました。



他の車種との共通性があるのかはわかりません。


グローブボックスの中にあったヒューズです。
プリンス純正なら狂喜乱舞ですが、残念ながら?トヨタ純正でした。
マイラーなのにニッサン純正ですらないという不思議・・・。
中にはきちんと新品のヒューズが入っていましたので、トランクに入れておきます。



当時のボックスアートは美しいデザインと色調のモノが多く、単体でも充分に鑑賞に堪えうる
レベルに達しています。
個人的には、皇室との深い縁を持つプリンスの”溜色”のボックスアートが最も美しいと思います。

昭和49年製(1974年)の1円玉も出てきたので、少なくともその頃までは現役だったと思われます。
最低でも7~8年間は使用されていたと思われ、プリンス車の耐久性の高さの
証明の一助となるものでしょう。


今回、回収した部品はほとんどがグロリアには使えず、コンディションも決して良いとは
言えないモノばかりなので、あまり実用には供せないと思います。

しかし、インダストリアル・デザインの粋とも云える美しいメーターやホーンリングは
オブジェとして部屋やガレージを彩るものとして活躍するでしょうし
割れていようが欠けていようが、貴重なパーツに変わりないので
取れるパーツはすべて回収してきた次第です。

※本日のレックス

部品取りから降ろした550エンジンのテンショナーを外して交換してもらいました。
これで異音が止まれば良いのですが、果たして??
なんとか年内に車検を取りたいですが、どうなることやら・・・・
Posted at 2011/12/09 22:00:41 | コメント(10) | トラックバック(0) | プリンス・マイラー | クルマ
2011年02月10日 イイね!

T440 ノンスリップ スーパーマイラー

生産期間が短く、大変希少な純プリンス時代のマイラーです。
この個体もクラッチマスターが高年式に交換されていますが、弱いのでしょうか?

自分のS41Dもブレーキマスターは新車時の物ですが、クラッチマスターは交換されていました。

明るいグリーンの塗装は新車時のものではないようです。



車名エンブレムはストレートな字体です。



フロントウィンドウはS50系と共通のようにも思えますが、どうなんでしょうか。
以前、ドアはS50系と共通と書きましたが、よく見ると上側のプレスラインの位置が違いました。



タイヤは古いバイアスです。
分厚いサイドウォールと、ギザギザがカッコいいです。



エンジンはOHVのG2・1862ccで、G1・1484ccの拡大版です。
1952年にデビュー、改良を加えながら1968年まで生産され続けた名機です。



T440マイラーのフェンダーミラーは大変ユニークなものです。
なんと、ステーにオレンジのクリアランスソナーが入っているのです。

ライト点灯にあわせて光り、夜間でも車輌感覚がさぞかし掴みやすかったことでしょう。
現在のミラーウィンカーの先駆けというのはちょっと違いますが、文句なしにオシャレです。

形状自体もフェンダーのラインに合わせたベース部分にデザインのこだわりを感じます。
トラックの専用部品とはにわかに信じられません。



寸法的制約から「なで肩」の多い日本車の中で、「いかり肩」が多いのもプリンス車の特徴です。
室内寸法をギリギリまで確保するよりも、外観的により上級車の雰囲気を醸し出しています。



なんとも形容しがたいグリルが特徴です。
ややもするとグロテスクな印象さえ与えます。

クリッパーやグロリアにも言える、プリンス車のファミリーフェイスの「恐い顔」です。
マイナーチェンジで目の細かい横桟タイプの平凡なデザインになります。



プリンス自慢の「ノン スリップ デフ」が装着されています。
悪路や冬道、空荷などで大きな威力を発揮したことでしょう。

ノンスリはノーマルのデフにギアが追加され、外側に膨れ上がったカバーが装着されます。
オリジナル塗装の赤色がところどころに見えます。

プリンスは「赤いデフ」を謳っていました。
赤い防錆塗装は外観のインパクトととも、錆の発生がすぐわかるというメリットがあります。

今も大型トラックやダンプなどではシャシーを赤く塗っている車が多く見受けられます。



内装は、この写真だけ見るとまさに高級乗用車の趣です。
上品な白いステアリングとクロームのホーンリングがそう感じさせるのでしょう。

コラムシフト、ステッキ式サイドブレーキなどは国産最高級車たるグロリアとまったく同じです。
また、このモデルはクラス最高の技術である5速ミッションを与えらえれていました。

ライバル社のトラックは言うに及ばず、当時の乗用車でも少なかった高級なメカニズムです。
これにより高速走行での静粛性やスムースな加速、燃費などの面で他車を突き放した存在でした。

残念きわまりないことに、日産との合併により旧態依然とした4速に変更を余儀なくされます。

Posted at 2011/02/10 22:46:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | プリンス・マイラー | クルマ

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