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2013年05月12日 イイね!

三菱デリカ75ライトバン(初代T120型系)・・・第2彈!



今回の題材は、当ブログで御紹介するのは3台目となる初代デリカです。

この個体は中期型にあたるT120型系のデリカ75ライトバンです。
生産期間は1971年から1974年秋で・・・と色々調べて書こうと思いましたが、デリカに関しては
くさいしがめさんのブログ及びコメントを読んでもらった方が早いので、ここでは割愛します(笑)

この個体は畑の隅に置いてあるのですが、物置として使われているわけではなく、
かといって休憩室代わりのようにも見えない・・・というちょっと変わった物件でした。

この個体は以前からその存在を知っていたものの、道路からやや距離のある場所に
置いてあったので近づいて見たことはありませんでした。

ですが、先日くさいしがめさんとお友達登録をさせて頂いたので
写真撮影をして来た次第であります。

大きくなったヘッドライト・ベゼルが特徴の中期型


助手席側ドアには当時モノと思われるサイド・バイザーが装着されています。

ツートーン・カラーでは無いのでスタンダードかと思われます


ボディはかなり錆が進行しており、フロントには大きな破孔がありました


この個体のある場所は乾燥した内陸部で、錆が少なく程度の良い廃車が多い土地柄
(内地で云う信州コンディション)で、このような侘び錆びな状態は珍しい部類に入ります。

ミラーは辛うじてステーのみが残り、それも錆びで今にも折れてしまいそうです。

ルーフはベコベコに凹み、天張りはベロベロの状態で垂れ下がっていました


運転席側の三角窓が割れており、そこから侵入した風雨によりシートは苔生しています。
こんな状態にも関わらず、奇跡的にダッシュには割れがありません。

お椀キャップもついておらず、残念ながら部品取りとしても厳しい状態です。
これからも捜索を続けていきます。





三菱繋がりということで・・・こんなオマケを。

これはgureさん向けのネタですね!


三菱系の工場の看板です。

長年の風雨に打たれ色褪せていますが、
その鋭利な切先で敵陣を貫く槍騎兵”ランサー”と、
勇ましく華麗なる”ギャランΣ”の名は脱落することなく今も輝いています。

このテの当時モノの看板を見つけると嬉しいし、旧車にとっては絵になる背景です。

どこかにプリンス系の工場や販売店、残ってないもんかなぁ~。。

情報、お待ちしております(笑)
Posted at 2013/05/12 23:06:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | 三菱 | クルマ
2013年04月22日 イイね!

三菱デリカ・ルートバン/ライトバン(初代・T120型)



今回は、大変希少な三菱デリカ・コーチ(9人乗りの5ナンバー車)に長年お乗りになられている
くさいしがめさんとのお友達登録を記念して、初代デリカ(T系)を取り上げます。

・・・が、デリカはかなりの希少車な為にご紹介できるのは残念ながらたったの2台です。

まずはデリカ75ルートバンです。


物置として使われている(いた?)らしく、キャビンにはオイル缶や木箱が詰め込まれています。

フロント・ガラスは粉々に砕け散っていましたが、もしかすると
荷物の出し入れの為にわざと割ったのかも知れません。

ルーフ・パネルは波打っており、ボディはこんがりしたサビで覆われています。



この個体は初代デリカの中期型にあたるデリカ75シリーズで、
3人乗り・600kg積のルートバン仕様です。
1971年から1974年の間の生産車輛と推測されます。

換気用のエア・アウトレットが刻まれたリヤ・パネルには
「衛生条例による登録済車」とあったので、現役時は移動販売車だったのかも知れません。

サビは酷いですが、ツートーンの塗装から判断して純正塗装のようです。
ドアには「自家用」の文字が見えます。

スライド・ドアのハンドルと窪みは非常に凝った造形となっており、機能と美観が両立されています。

1974年秋のマイナー・チェンジでは、三角窓とBピラー頂部のサイド・ウィンカーが廃止されました。



リヤ・ゲートには初心者マークが貼られていましたが、長年の風雨ですっかり色褪せていました。

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こちらは後期型となるデリカ1400シリーズのライトバンです。


新たに4灯式ヘッドライトを採用、ライト・ベゼルをグリル一体型に改めると共に
ライトの装着位置を下げ、当時流行のスタイルへと変身しました。

いすゞエルフのようなエア・インテーク一体型ウィンカーは
視認性向上の為にオデコに移設されました。

これらの大掛かりな変更と、三角窓の廃止によって印象が大きく変わりましたが
エンジン等の基本設計は引き継いでいます。

こちらは畑の隅で物置として余生を送っていました。



こちらもツートーンの塗色からオリジナルのペイントと思われます。
リヤ・バンパーは一本モノなので、最終型(後期の後期?)のようです。

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くさいしがめさんの所有されているデリカ・コーチをはじめ、同時期のボンゴ・コーチ、
ミニエース・コーチ、やや後年のドミンゴ、さらには高年式のアトレー7/スパーキー、
エブリィ・ランディといった、小型1BOXに3列シートを詰め込み8/9人乗りを実現した車は
非常に日本的で、魅力的です。

これらの車の3列目シートで長距離を移動するのは辞退したいトコロですが・・・。

PS:道内の初代デリカに関する情報のお持ちの方がいましたら、お教え戴きたく願います。

また、デリカに限定せず1950~1960年代の車輛であれば常時情報を
受け付けておりますので、お気軽にメッセージからお願い致します!
Posted at 2013/04/22 23:03:54 | コメント(3) | トラックバック(0) | 三菱 | クルマ
2011年09月06日 イイね!

三菱 みずしまオート3輪

今回は日本の戦後復興、大三菱の再建を支えた三菱・みずしまオート3輪を御紹介します。
戦時中、軍用機の開発・生産に尽力した三菱がその高い技術力を戦後復興に
役立てようと、平和の象徴である「鳩」の名を冠したスクーター「シルバーピジョン」と
並び、1960年代の高度成長に繋がる基礎を築きました。

詳細については自分の知識不足でわかりませんが、2灯式ヘッドランプから1955年以降の
型式TM5#~だと推測されます。

3分割の平面フロントガラス、ガラスのないスティール製サイド・ドア、幌ルーフなど
従来の2輪車+荷台、といったプリミティブな世代から一歩先んじた設計となっています。
カウルベンチレーターはフロントガラス真下と左右の足元に備わっています。

戰時中に零式艦上戰斗機や一式陸上攻撃機を開発・生産した三菱らしく、航空機の
降着装置(引込脚)の為に開発された油圧緩衝装置「オリオ・フォーク」を採用した車種も
投入されました。

オリオ・フォークの他にも、4速ミッションやキックスターターに代わりセルスターターを
備えるなど、進歩的な技術を積極的に導入した後発メーカーらしい野心的なオート3輪車です。
ダイハツ・マツダ・くろがねなどの老舗オート3輪メーカー相手に善く戦いました。



キャビンは合理的で、きわめて簡素な構成となっています。
バーハンドル車なので運転手は中央に跨る格好となります。
左右には補助席があり、定員は3名となります。
後年の丸ハンドルを採用した3輪になると2名乗車が一般的になります。

エンジンはフルカバード・タイプで熱や騒音を軽減しています。
もっと古い3輪だとエンジンが剥き出しで、簡素な補助シートに座ると
触れて火傷しそうなレイアウトになっています。

フロントガラスの真下にある赤いものはワイパーモーターで、スイッチもダイレクト式です。
センターコンソールにはメンテナンス・リッドとスポーツカーの如きゲート式シフトレバーが備わります。
左足側にあるのはクラッチペダルでしょうか。
左右には蓋付き全天候型グローブボックスが備わっています。

シフトレバーが運転手の真下に来るので、幅の広いバーハンドルと一緒に操作するのは
大変だったかもしれません。



純正かどうかは判断に迷いますが、テールランプはアンバーのターンシグナルが
独立したもので、サイズも同時代のクルマと比べて大型で優れた視認性を持っています。
リフレクターも丸形のものが独立して装着され、ライセンスプレート・ライトは豪華にも
2つで、両脇に備えられています。
1950年代~1960年代初頭の貨物車でありながら、灯火類が充実しているのが印象的でした。

リヤゲートの開閉に干渉しないように、バンパーの代わりにラバーが備えられています。
荷台は一方開きで、計18個ものフックが良心的で実用車らしいです。



車名のみずしまオート3輪とは、三菱の水島製作所で生産されたことに因みます。
終戦の翌年、1946年には生産が開始され生産終了の1962年まで毎年ごとに
装備や積載量を充実させながら発展していきました。

1960年代に入るとトヨエースを筆頭とする4輪貨物車が主流となり、オート3輪は
徐々に姿を消していきました。
しかしこれらのオート3輪で得た多種多様な技術と利益は、4輪車開発の基礎となり
航空機開発で得た技術を継承する役目をも果たして世界に冠たる自動車生産国の
基礎を築いたのです。
Posted at 2011/09/06 17:44:46 | コメント(4) | トラックバック(0) | 三菱 | クルマ
2011年08月31日 イイね!

三菱360 ライトバン・デラックス(1962~1964)

三菱360は1961年にデビューした、三菱初となる軽4輪車です。
戦後すぐの1946年から始まったオート3輪の生産経験を生かして水島製作所で製造されました。
ボディ後半をノッチバック・セダンに改めた「ミニカ」(1962年~)やボディをキャブオーバーに
改めたミニキャブ(1966年~)のベースともなり、三菱の軽4輪の原点にして
三菱自動車躍進の原動力となりました。

シルバーピジョン・スクーターやみずしま/レオ・オート3輪が戦後復興の先駆けならば
360/ミニカは500やコルトと並ぶ中興の祖と云えるでしょう。

ミニカ・バンと言われることも多いですが「三菱360」が正式名称です。
前述のとおり、三菱360から派生したのがミニカなので順序が逆になってしまいます。



屋根は大きく凹み、フロントガラスは粉々に砕け散っていますが、ガラスの破片が大量に
残っているので割られたのは移動の際にユニックで吊りあげた時のようです。
運転席側のドアウィンドウには波板が嵌め込まれているので、もしかすると物置として
使っていたのかも知れません。

ボンネットに走る2本のアクセント・ラインが、アウター式ヒンジに繋がっているデザインが
なかなか洒落ています。
隣のオールニュー・レオーネと比べると、360軽が如何に小さいのかがわかります。



最初期モデルではターンシグナル・レンズはグリル内に納まっていますが
こちらはマイナーチェンジでグリル下に移されたモデルです。
おそらく1962年のミニカ登場時の前後にマイナーチェンジが行われたと推測されます。

1964年のマイナーチェンジではグリル形状がスクエアなものになり、グリル下には
4つの長方形の孔が並んだデザインに変更されます。
エンジン型式がME24になり、2ストローク・オイルの分離給油化、リードバルブ採用により
出力が18馬力(従来は17馬力)に上昇しています。

全国的に見ても最初期型や、この初期型は残存率が低いように思います。
初期モデルはあきらかにフォード・ファルコンを意識したデザインで、オーバル形状の
フロントマスクやフロントフェンダーから走るサイドのプレスラインにも強い影響が感じられます。
同時期のトヨペット・クラウン(40系)もまたファルコン・ルックを採用しています。



デラックスなのでリヤゲートは上下開きで、スタンダードでは横開きとなります。
アッパーゲートは現代のガラスハッチのように独立して開くことが出来ます。
後席のサイドウィンドウにはSTD/DX共にスライド式ガラスが採用されています。
サイドモールはデラックスにのみ備わります。

ドアはリヤヒンジの前開きで、いわゆるスーサイド・ドア(自殺ドア)です。
これは半ドアの状態で走行中、風圧で開いてしまう事故が多発したことから付けられた
ありがたくないニックネームです。

アーリー60sらしい、リヤフェンダーのディープスカート形状がたまりません。



なんだかヨレヨレな感じの、ユニークな「de-luxe」のエンブレムがリヤゲート右下に備わります。



本来はステアリングに逆台形のホーンリングが備わるのですが、破損しています。
扇形のメーターには中央に速度計、左側にH(ハイビーム)C(チャージ)インディケーターと
右側に燃料計が整理されて納まっている美しいものです。

下側にはターン・インディケーター(左右独立)と、オドメーターが配置されています。
当時の多くのクルマにはトリップメーターは備わっておらず、後付け品が流通していました。

ボディ同色(鉄板剥き出し)のインパネに並ぶスイッチはW(ワイパー)とL(ライト)はわかる
のですが、「S」が何を意味しているのかがわかりませんでした。

細長いサイドブレーキ・レバーやDX専用の赤いシートがセンスよく、様々な制約の中で
豪華な雰囲気を演出しています。
乗用車同様の扱い易いコラムシフトを採用、スバル360がRRのフロアシフトだったのに
対してFRならではのアドバンテージでした。
メーターの真下には独特のシフトパターンのラベルが残っていました。

カタログには、今日では常識となったオートストップ・ワイパーやオートキャンセラー式の
方向指示器がアピールされていました。
グローブボックスが無い代わりに、手荷物を入れておける大きなパーセルシェルフが
備えられているのが良心的です。



初期型の三菱360は良い意味での野暮ったい外観と、ハイセンスな内装が素晴らしいです。
後期型となると「東欧風」とか「共産圏」みたいと揶揄される地味な雰囲気になってしまいます。
これには三菱が小型車のコルトシリーズに注力していったことも関係あると思われます。

アメリカ車そのもののミニカのテールフィンといい、初期モデルでは三菱が相当な期待と自信を
込めて送り出したのが伝わってます。
Posted at 2011/08/31 13:21:20 | コメント(5) | トラックバック(0) | 三菱 | クルマ
2011年08月16日 イイね!

三菱ライトバス ローザ(B21D型)

今回は三菱のマイクロバス「ローザ」のカタログを御紹介致します。

ローザは1960年にデビュー、以来4世代・半世紀に渡って生産が続いている
ロングセラーモデルです。
三菱の長寿車名といえばミニカが有名ですが、あちらは1962年デビューでなおかつ
先頃生産が終了、その歴史は49年間ですので三菱車ではローザが最長老です。

初代モデルはラテン語でバラを意味する「ローザ」の名に相応しい、可憐で
愛らしいデザインとなっています。
マイクロバスの中ではプリンス・ライトコーチの次に好きなクルマで、現行モデル(BE6系)も
2007年までの前期型はスッキリとしながらも無個性ではない好ましいデザインとなっています。

御紹介するカタログは1963年に追加された29人乗り・長尺・6気筒ディーゼルの
のB21D型で、2つ折りの簡易なリーフレットとなっています。

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三菱ライトバス ROSA B21D型 92PS DIESEL 29人乗



赤と白の可憐なツートーン・カラーに、上部と同色のバンパーやサイドモールが
リベットレスのフラットなボディサイドに鮮やかなアクセントを与えています。

その丸っこいフォルムから「だるまローザ」の愛称で親しまれました。
フロントには3つの蓋があり、おそらく中央がラジエーター給水口で両サイドが
通風用のカウルベンチレーターと思われます。

リヤフェンダーはスカート状になっていますが、1964年10月のマイナーチェンジで
ウィールアーチがサイドモールに食い込む形で拡大されます。
トラックベースらしいダブルタイヤが力強さを感じさせます。
給油口はボディ最後端の左側に位置しています。

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ライトバス《ローザ》B10型(21人乗)B20型(25人乗)にひき続きわが国ライトバスの中では
乗車人員最高の29人乗B21D型を新たに発売することになりました。
6気筒92馬力ディーゼルエンジンを搭載し 営業用に 自家用に ご満足いただけるものと
確信致します。

29人乗り《乗車定員はライトバスの中で最大 B21D型ディーゼル社》

●29人がゆったり乗車でき、ライトバスとしてはわが国最大の乗車定員をほこっています。
●優美でデラックスなスタイル
●強力・高性能の6気筒92馬力EK63型ディーゼルエンジンを搭載していますから営業用として
採算性も充分 自家用としても多方面の用途に最高の性能を発揮します。

■主なる用途
●営業用として
①小団体 小グループの旅行 視察用貸切バスに ②路線用のワンマンカーに
③狭い道路事情の地方路線用に ④冠婚葬祭用に
⑤閑散路線や昼間時 特に閑散路線の採算性向上に ⑥大団体引率の際の先導車に

●自家用車として
①会社・官公庁の業務連絡用に ②工場見学や視察用に ③通勤・通学用に
④ホテル 旅館 ゴルフクラブの送迎用に ⑤会社 官公庁の移動レントゲン車として
⑥農山村の食生活改善指導用キッチンカーとして ⑦宣伝用オープンステージ車として
⑧農山村向移動販売車として ⑨官公庁・児童相談車として
⑩映画 演劇・放送・新聞関係の移動業務用に

乗用車センスの優美でデラックスなスタイル
●ボデーは継ぎ目のない1枚鋼板を使った優美なスタイルで、乗用車のセンスにあふれています。
●塗装は乗用車と同様の焼付塗装で仕上りが美しく光沢があり耐久性に富んでおります。
●前面窓ガラスは視界の広いパノラミックウインドを使用し両側面窓は外観 通風 視界を
よくするため 柱を少なくし窓を極力大きくしています。
●前照灯は乗用車と同様の照射力の大きい四灯式を採用し安全性をはかりました。
●後部には一般バスにない大型トランクルームがありますので
乗員の手廻り品も楽に収容できます。

ゆったりとしたスペースと快適な乗り心地・居住性・・・
●乗車定員は29名でわが国最大のライトバスとして室内の長さ 巾 高さは定員乗車しても
充分なスペースがありますからゆったり乗車できます。
●スタビライザーを前後に取り付け路面よりの衝撃吸収には大型のショックアブソーバーを
付けていますから乗り心地は快適です。
●シートの横巾は大型バスより大きく居住性は満点です。



21人乗りのB10型、25人乗りのB20D型に続いて登場したウィールベースを延長した
29人乗りのモデルで、性格がより中型バスに近づきました。
方向幕やロケットランプが標準装備となっている点もそれを物語っています。

主なる用途に「農山村の食生活改善指導用キッチンカー」という項目があるのが興味深いです。
閑散路線や貸切バスとしての用途が強くアピールされています。

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取りあつかいが容易
●変速機はリモート コントロールになっており トランスミッションは乗用車と同様の
フルシンクロメッシュですから 楽に変速操作ができます。
●床は船底型ロンリューム張りで水洗いの汚水もそのまま流れ床板を
腐蝕させる心配はありません。
●室内灯は5Wのものを15コ縦に5グループに分けて一列に配置してあり 室内は一段と
明るく減光切換えもプッシュボタンで自由にできます。
●各ボタン類は操作のし易いプッシュボタン式構造で1ヵ所にまとめてありますから
取あつかいも容易です。
●エンジンの点検 調整は室内エンジンカバーを取外すだけで簡単にできます。
またエンジンの分解 整備でシャシーより取外す時は独特のサブ・フレーム方式ですから
サブフレーム及びフロントアクスルは簡単に取りはづす事ができます。

92PS/ディーゼル
KE63型92馬力 3520cc 6気筒ディーゼルエンジン搭載
このディーゼルエンジンは耐久性にすぐれた高性能エンジンです。



リヤウィンドウは3分割式で、ルーフ後端には換気用のベンチレーターと
路線バス用のロケット型マーカーランプ備わっています。
フロントのターンシグナルレンズやテールレンズ、バックランプはいずれも楕円形で統一された
デザインとなっており、丸みを帯びた全体のフォルムに溶け込んでいます。
トランクもマイクロバスとしては大型で、開口部も広めに取られています。

インテリアも外装色とコーディネートした朱色×白の品のある内装で、カマボコ型の
高いルーフと大きなグラスエリアと相まって開放感のある室内となっています。
床板には建築資材として有名なロンリュームを採用、水洗い可能となっています。

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●B21D型主要諸元表 車種:B21D型(ディーゼル車)

車輌寸法
全長:7.000mm 全巾:2.130mm 全高:2.520mm(但しベンチレーターを含む)
軸距:3.750mm 輪距(前輪):1.600mm (後輪):1.540mm 最低地上高:178mm
客室内側寸法(長×巾×高):6.160mm×1.840mm×1.625mm

重量
車輛重量:3.280kg 乗車定員:29人(座席22+補助席6+乗務員1) 車輛総重量:4.875kg

性能
最高速度:90km/h 登坂能力:0.331Sinθ 燃料消費量(舗装平坦路):8.3km/h
最小回転半径:7.3m以内 制動距離(初速50km/h):15.0m

機関
型式:KE63 ディーゼル 内径×行程:82mm×111.1mm 総排気量:3.520c.c.
圧縮比:20:1 最高出力:92ps/3500r.p.m. 最大トルク:21.5kg-m/2.000r.p.m.
燃料タンク容量:90ℓ 始動方式:始動電動機式 点火順序:1-5-3-6-2-4

潤滑装置
潤滑方式:圧送式 オイルパン容量:7.4ℓ

蓄電池
電圧:12V 容量:120A.H. 充電発電機 電圧:12V 容量:05K.W.
始動電動機電圧出力:12V-4P.S

クラッチ形式:乾燥単板油圧式
伝導装置 変速機:全等速噛合式 前進4段 後退1段 操作方式:リモートコントロール
変速比:1速 6.036 2速 3.302 3速 1.187 4速 1.000 後退 6.000
減速比:5.5 差動機外箱形式:バンジョー型 カジ取り装置歯車形式:ボールナット式

走行装置
車輪配列:前-2輪 後-複2輪 前車軸形式:逆エリオットI型 後車軸形式:全浮動式

ブレーキ装置
主ブレーキ形式の種類:油圧式内部拡張型 主ブレーキ倍力装置形式:真空式
駐車ブレーキの種類形式:機械式内部拡張型推進軸式

懸架装置
前輪懸架方式:両持1/2楕円バネ式 バネ寸法(長×巾×厚-枚数):1250×80×8-7
後輪懸架方式:両持1/2楕円バネ式 バネ寸法(長×巾×厚-枚数):1495×80×10-10

緩衝器形式
前後:筒型複動式 スタビライザー形式 前後:トーショナル・バー式
フレーム形式:梯子形

タイヤ
前輪 7.50-16-8PR.LT 又は7.00-16-10PR.LT
後輪 7.50-16-6PR.LT 又は7.00-16-8PR.LT(複)

●パーツは三菱純正部品
●オイルはダイヤクイーン

新三菱重工業株式會社 新三菱自動車販賣株式會社
●本仕様書は予告なく変更することがあります。



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こちらは札幌市交通資料館に展示されているB22D型改、1963年11月生産車です。
カタログを御紹介したB21D(長尺車)の全長7.000mmに対して標準ウィールベース
(短尺車)で全長は6.250mmとなります。
カマボコのような形状のハイルーフ化が施されており、乗車定員も27人に変更されています。

札幌市交通局で実際に運用されていた個体で、1974年3月に退役するまで10年の長きに
渡って庶民の足として活躍しました。
方向幕には「円山動物園」と書かれていますが、オリジナルかどうかは不明です。
フロントグリル中央には両端にフォグランプを従えて雪と☆を象った札幌市徽章が掲げられています。

このモデルは1964年10月のマイナーチェンジ直後の車輛で、外観上の変化として
リヤウィールアーチが拡大され、エンジンが従来のKE36型6気筒86馬力から
よりパワフルなB21Dと同一のKE63型92馬力6気筒ディーゼルに換装されました。

1964年は三菱にとって節目の年でもありました。
終戦後、GHQによる財閥解体で分割されていた三菱日本重工業・新三菱重工業・三菱造船の
3社が長年の悲願であった合併を果たし、三菱重工業として新たなスタートを切ったからです。

三菱が国際レベルの高級車を狙って開発し、新生三菱の飛躍の願いを込めて送り出した
デボネアの登場も1964年のことでした。


以下は展示車輛の説明文です。

------乗合自動車(マイクロバス) MinI-Bus----------------------------------

このマイクロバスは昭和38年膨張する郊外及び山間地域の輸送需要に対応するため
定員27人乗りの小型バス4台を購入して営業したのがはじまりである。
以後逐次増車し、在籍23台をもって各方面の輸送に活躍していたが郊外道路の拡幅整備
などにより昭和49年3月この種のバスはすべて姿を消した。

主要諸元 製造:昭和38年11月 三菱重工株式会社
車長:6.25m 車巾:2.67m 車高:2.13m 定員:27名 自重:3.24トン 廃車:昭和49年3月

----------------------------------------------------------------------

この説明文からも、道路整備の進んでいなかった時期には大型バスでは通れないような
狭隘道路が少なくなかったこと、採算の取れない郊外路線に於けるマイクロバスの
路線バスとしての需要が存在したことがわかります。

----------------------------------------------------------------------



こちらは地元にある個体で、物置として使われているようですが土に還りつつあります。
色は青と白のツートーンの「0系新幹線カラー」です。
ボディカラーは赤×白と青×白が設定されていたようです。

ターンシグナルの形状から1968年10月のMC以降の通称「ニューローザ」と判断できます。
1973年には2代目「プリティローザ」にフルモデルチェンジ、初代ローザは
13年間に渡る長き生涯の幕を閉じました。

フロントのエンブレムが「MITSUBISHI」から「ROSA」に変更されています。
法人ユーザーが主体であったローザですから、三菱グループ系以外の法人の購入を
妨げること理由になりうる「社名」のエンブレムを「車名」に変更したものと思われます。
同じように法人顧客がメインのデボネアもフロントのエンブレムがスリーダイヤから
「Debonair」に変更され、リヤのスリーダイヤも廃止されています。

B23(25人乗)とB24(29人乗)の2種類がラインナップされていました。
エンジンは新型のKE65型95PSディーゼルで、最高速は従来型のKE63型搭載車より
10㎞/h上昇の100km/hに達しました。
総排気量はKE63が3.520ccなのに対して、KE65型は3.473ccと僅かに減じられています。

時代の要請によりターンシグナルが大型化、視認性を考慮した形状となっています。
ルーフ前後に備わるロケット型マーカーランプは保安基準改正に伴い、新たに路線バスを
示す色に指定された青紫色から橙色に変更されました。



ローザのデザインに大きな影響を与えたのがメルセデス・ベンツのマイクロバス、O319でした。
全体のフォルム、細部のディティールやツートーン・カラーの塗り分けが良く似ています。

フォルクスワーゲン・タイプⅡ23/21window(サンバ・バス)と同じタイプの天窓が
備えられており、明るく開放的な雰囲気となっています。
国産マイクロバスでもこのような仕様があればより面白かったかもしれません。



その一方、国産初となるリベットを廃した継ぎ目のない1枚鋼板によってスマートな
デザインを実現したという点に注目すべきです。

当時ほとんどのマイクロバスが2tトラックをベースにしていたのに対し、ローザは
2.5~4t積みの中型トラック「ジュピター」がベースでした。
その為競合車種と比してかなり大きな車体と、後輪ダブルタイヤに特徴があります。
車輛価格もライバルよりも30~50万円程の開きがあり、大きな車体が好評で
法人向けとしては成功しましたが、逆に自家用需要を獲得することは難しかったようです。

対策として「ライトローザ」というよりコンパクトで価格を抑えたモデルを別に開発しました。
ライトローザは1台だけ実車を見たことがあります。

初代ローザと直系といえる車として、現行モデルのローザ・スーパーロングがあります。
1988年9月に登場、ウィールベース及びリヤオーバーハングを延長して標準車より
740mm延長した7.730mmという長大なボディを誇ります。
最大定員数も34人となり、マイクロバスでは無く中型バスとして扱われます。
旅館の送迎車を一度だけ見たことがあります。



なお、この記事を書くにあたって高速有鉛のライターとして活躍中のinomamo様のサイト
「イマブチモータープール」内の「403 forbidden」を参考にさせて頂きました。
大変資料性が高いページでとても勉強になります。
この場を借りてお礼を申し上げます。
Posted at 2011/08/16 21:51:35 | コメント(6) | トラックバック(0) | 三菱 | クルマ

プロフィール

「GSR作業進捗 http://cvw.jp/b/949539/48627198/
何シテル?   08/30 16:13
戰前から昭和40年代頃迄の自動車を趣味として居ります。 2輪・3輪・4輪、國産車/外國車の何れも興味の対象です。 此の他の趣味としては、艦艇及び航空機が在り...
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