
1949 Bentley Mark Ⅳ sports saloon coachbuilder:H.J.Mulliner&Co.
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先の日曜日、年に一度だから・・・と無理を言って休みを戴き、
「北海道クラシックカーミーティングinふらの」に参加して来ました。
グロリアでの3度目のイベント参加です。
今回は、S先輩の1961年式トライアンフT120ボンネヴィルと一緒にエントリーしました!
往復500kmオーバーの日帰り強行ツーリングを兼ねた(?)イベント参加となりました。
1961 TRIUMPH T120 Bonneville ”bonnie”
当日の富良野は暑すぎるくらいの快晴に恵まれたこともあり、参加台数も多かったです。
それでは、往復のツーリング及び大盛況となったイベントのレポートをお送り致します。
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出発前日までにグロリアの機関・脚廻り・外装・内装を仕上げておき、イベントに備えます。
イベントのあるこの時期は、グロリアが一年で一番キレイな状態になる時期だったりします。
外装の仕上げには、ホルツさんのペイントポリッシュを使いました。
時間をかけて丁寧に磨いたつもりですが、経年劣化による塗装面の傷みは目を覆うばかり・・・。
表面的な浅い傷はコンパウンドでどうにか誤魔化せるものの、深い傷には効果は薄く、
かといって全塗装をしたくても先立つ物などありゃしない・・・悩ましいトコロです。
写真で見ればそこそこ綺麗なんですけどね。。
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イベント当日の朝、3時半に起床し暖気しながら珈琲を呑みつつS先輩の到着を待つ。
天気は良いものの、濃い霧が出ておりバイクにはツラい環境・・・。
G7型直列6気筒OHCエンジンは一発始動!極めて快調なグロリア
4時半、払暁前の静寂を破るバーチカル・ツインの轟音が響かせながら先輩が到着。
遥か遠方からでもハッキリとわかる音量でありながら、よくある改造車の
下品な排気音とは明らかに違う、英国車ならではの気品と迫力を兼ね備えた
エキゾースト・ノートを轟かせながら一路、富良野へ!
1961年式トライアンフT120ボンネヴィルと1966年式プリンス グロリア・スーパー6。
”日英同盟”の2台は堂々の艦列を編成し、濃霧の中を貫き走る。
その気品あるシルエットは、喩えるならばプリンス・オブ・ウェールズと金剛か!
グロリアのバックビューミラーに映るS先輩とボニーの姿
途中、一時的に霧が晴れ安堵するも、しばらく進むと再び霧が出てくる・・・。
濃霧はクルマにとっては視界不良程度の問題ですが、バイクにとってはかなり具合が悪い。
自分もバイクに乗るからこそ、悪天候下での運転の苦労は身に染みてわかっているつもりです。
S先輩は防寒装備をガッチリ着込んで、寒さと闘いながらバイクに跨っている一方、
自分は半袖の軽装で暖房の効いた快適な車内に身を置いていると、どうにもバツが悪い。
幸い、7時を過ぎた頃から霧は完全に晴れて気温も上昇。
天佑神助の下に悪天候は文字通り雲散霧消、雲一つ見当らぬ快晴が広がる
最高のバイク日和となったおかげで、罪悪感も少しは軽くなる・・・(笑)。
寒さと濃霧に耐えること2時間半・・・快晴の下、いよいよボニーの本領が発揮される!
それまではずっとグロリアが先行でしたが、狩勝峠では登坂車線を結構良いペースで
トバすグロリアを一瞬で置き去りにして、ボニーは走行車線を猛然とブッ飛ばして征く!
陽光を反射してキラキラと光るライセンス・プレートが眩い
S先輩のボニーはあっと言う間に点となり、視界から消える。
半世紀前のバイクとは云え、市販車として世界最高速を記録した性能は今も色褪せない。
車名の”ボンネヴィル”は、スピード・ナッツ達の聖地にして
数多くの記録と伝説が刻まれたアメリカ合衆国ユタ州ボンネヴィル・ソルトフラッツに由来し、
120とは最高速120マイル(約193km/h)を意味しています。
狩勝峠を快調に越え、富良野側へ入ると徐々に旧車を見かけるようになります。
南富良野の道の駅では休憩中のm13pさんを発見!
富良野市の入り口にある駐車帯では、昨年の岩見沢のイベントで
御一緒した函館ナンバーのGT-Rと再会しました。
そこから会場まではグロリア、ボンネヴィル、GT-Rの3台で連なって走りました。
会場に近づくにつれ、どんどんテンションが上がります。
8時半に会場に到着、約240kmの行程に要したのは時間は休憩も含め約4時間でした。
いつもならクルマに付いた虫を綺麗に落とすのですが、会場に着くなり友人と合流して、
流れでとりあえず会場を一巡するカンジになり、結局そのままになってしまいました。
しばらくして軽く拭き上げようと思うも、ボンネットで目玉焼きが出来そうなくらい
熱くなっていたので諦めました。
車内も雑然とモノを置いたままで、窓も閉め切ったままという、
見る人に大変失礼な状態のままでクルマから離れてしまい反省しきり・・・。
会場では1年振りの再会となる人も多く、喋りっぱなしで翌日ノドが痛くなる程でした。
ほとんど自分のクルマの傍にいなかった為、お会い出来なかった方も
多かったようでその点も心残りとなりました。
以下、気になったクルマ達をほんの一部ですが御紹介致します。
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1950年式 富士重工 ラビットS-41
今回のイベントで一番の大物(小さいけど)と感じたラビット。
非常にプリミティブでシンプルな構造と、ハンドメイドで造られたボディーの曲線美。
終戦から僅か5年後に造られたスクーターとは思えないクオリティを湛えており、
東洋一の航空機メーカーと謳われた中島飛行機の矜持が伝わってきます。
必要最低限の機能で構成されたラビットのすぐ横には、並の4輪を遥かに凌ぐ
豪華装備を誇るゴールドウィングがあり、そのコントラストも面白かったです。
次は、エントリーしていたプリンス車達です。
プリンス・グロリア バン・デラックス(VPA30)
グロリアのバン自体が非常に希少ですが、この個体は更に
1.最初期型 2.「帶4」シングルナンバー 3.オリジナルペイント、と
極めて新車時に近い状態を維持している奇跡のような車輛です。
ボディカラーとコーディネートされた淡いブルーメタリックの内装も極上のコンディションを保ち、
不動のものが多いパワー昇降式リヤクォーター・ウィンドウもきちんと完動します。
リヤゲートに取り付けられた当時モノのエア・マッドガードもマッチしています。
1968年式プリンス スカイライン1500デラックス(S57D)
こちらはS50系スカイラインの最終型にして、新型エンジン「G15」を搭載したS57Dです。
1500ccの排気量から88馬力という、比類なき高出力を誇りました。
この個体もライトブルー・メタリックのボディカラーとコーディネートされた
淡いブルーメタリックの内装を持ち、内外装ともに程度極上でした。
スカイライン1500デラックス(C10)
「帶5」のシングルナンバーを掲げた中期型の4気筒ショートノーズ。
品の良いシャンパンゴールドは先代のS5系のイメージカラーのひとつでもあり、
スカイライン本来の性格・・・”プリンスの高級ファミリーカー”を体現しています。
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しばらくは会場を見て回ったり、友人と喋ったりしていたものの
あまりの暑さにダウンし、冷たいお茶を買って日陰に避難。
木陰でクールダウンしながら、ボニーを眺めつつS先輩と話していると、
トライアンフに乗ってみたいと言うIさんが来たので急遽、トライアンフ講習会を開催!
エンジン始動のデモンストレーション中
ヴィンテージ・モーターサイクルの”儀式”たるキック始動は、それだけで絵になります。
そのIさんの愛車はと言うと・・・
1964年式メルセデス・ベンツ220SE”フィンテール”
シックでエレガンスな内外装を持つ”旧き善き時代のメルセデス”。
一度は所有してみたい車です。
この車輛自体は以前のイベントで拝見していましたが、
幸運なことに今回はオーナーさんとお会いすることが出来ました。
イベントの一番の楽しみは、やはり”人との交流”にあると思います。
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1964 Chevy Corvette Sting Ray(C2)
”ボートテール”のリヤビューが印象的なコーヴェット。
ビュイック・リヴィエラとも通じる、大きく湾曲したラップアラウンド・ウィンドウや
レーサーさながらのルーフまで喰い込んだ開口部が魅力的です。
アメリカ車の数は少なかったですが、この他にもホッドロッドな
デュース・クーペなどインパクトのある車輛が来ていました。
HONDA dream CB750four(K0)
バイクはエントリーは少なかったものの、見学で多数が来ていました。
ざっと見ただけでも、CBナナハン、750F、ヨンフォア、マッハ、W、Z、
CBX550F(珍しい!)、GT750、RZ等が来ていました。
こちらはキャンディ・ゴールドのK0。
カットフェンダー、ヘソキー、しわタンク、一本引きワイヤー、フィン付サイドカバー、
同色エアクリーナー・ボックス、ストッパー付シート、HM300マフラー・・・。
CBに限りませんが、技術者の理想が詰め込まれたド初期のモデルはやはり魅力的に映ります。
HONDA dream CB750four(K4)
独立インディケーターユニットを持つK4、カラーは人気のK1風キャンディ・レッド。
自分のオリジナル・ペイントのキャンディ・ガーネットブラウンもとても気に入っていますが、
こうして改めて見ると、やはり定番の3色(レッド・ブルーグリーン・ゴールド)もステキです。
HONDA dream CB750four(K1)
夏の陽射しを浴びて、磨き上げられたクロームが眩く輝くK1。
カラーはキャンディ・ブルーグリーンなんですが、写真だとどうも青みが強く出て、
あの緑がかった独特の色合いが再現できていない・・・。
ダブル・ディスク、追加メーター、ステアリング・ダンパー、ショートタイプのウィンカー・ステー、
フラットレンズ・ヘッドライトなど、多岐に渡って手が入っていました。
純正の雰囲気を損なうことなく、実用性を向上させたスタイルが素晴らしいです。
カワサキ マッハⅢ 500SS
空冷2ストローク3気筒エンジンの”じゃじゃ馬”マッハ。
エグリタンクの初期型です。
「殺人マシン」「走る棺桶」「ウィドウ・メーカー(未亡人製造機)」「曲がらない・止まらない」
マッハを語る際、一見すると否定的な評価のような言葉が並びますが、
ハイパワーなエンジンに対し、剛性不足のフレームや容量不充分なブレーキという
アンバランスな性能すら、過激さが身上のマッハの魅力のひとつと云えるでしょう。
ヤマハ RZ250(4L3)
夏の陽射しに”日の丸カラー”が映える初期型のRZ250。
年々厳しくなってゆく排気ガス規制の下、最期にして最高の2ストローク車を!という
ヤマハ技術陣の総力を結集して開発されたRZは、ワークスレーサーTZの公道仕様と
呼ぶに相応しい内容を備え、レーサーレプリカ・ブームを巻き起こしました。
タンクからテールカウルへと続く、赤のラインと黒のピンストライプが美しいです。
メッサーシュミットKR200
第二次世界大戦中、bf109やbf110といったルフト・ヴァッフェ(ドイツ空軍)の
主力戦闘機を開発したメッサーシュミット社が戦後に発売した
カビネン・ロレル(キャビン・スクーター)が、このKR200です。
航空機のキャノピーそのままのタンデム配置のバブル・トップは
非常にインパクトがあり、会場内で最もギャラリー受けの良い1台でした。
オーナーはギャラリーの為に、運転席(むしろ操縦席と呼ぶべきか)に座らせての
写真撮影に応じるなどサービス精神旺盛で、それも人気の理由でした。
1963年式フォルクスワーゲンTYPE-Ⅰ
アイブロウ、ルーフラック、サイドバイザー、フォグランプ、US仕様ダブルバンパー、
一輪挿しなど定番のアイテムを揃えたビートル。
柔らかな空色が美しいです。
アーリー60sのワーゲンは、スモール・ランプの組み込まれたライト・カバー付ヘッドライトや、
独立した燃料計など、ひとつひとつのディティールが素晴らしいです。
1965年式トヨタ・パブリカ700デラックス(UP10-D型)
パブリカの中でも珍しい、700ccの前期型(UP10型)。
そのデザインは、同時期のトヨペット・コロナ(T20型)と通じるものがあります。
控え目なテールフィン状のリヤフェンダーがかわいらしいです。
1965年式トヨタ・パブリカ700バン・デラックス(UP16V-D型)
さらに珍しい前期型のバン。
リヤ・ゲートは横開きで、ラゲージルーム側壁にはとても小さな燃料タンクが配置されています。
1967年式トヨペット クラウン・デラックス(MS41)
ローダウン、ボディ同色スティールウィール+トリムリング、着色オールレッドテール、
ドアミラーetc・・・内地っぽい(?)カスタムの施されたクラウン。
この他に1966年式RS40(1900cc4気筒エンジン搭載)と
1967年MS41(トヨグライド・オートマチック搭載車)が来ていました。
4気筒車は現存率が低いので特に珍しい!
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イベント内の催し物のひとつである抽選の商品として、自分はふらのソースが当りました。
S先輩は最後の最後まで呼ばれなかった為に特賞の工具かと思いきや・・・洗剤でした(笑)
3時の閉会後、トラブルで自走不可能となった
330セドリック乗りのY山さんをレスキューして帰路に着きました。
富良野を出る際、僅かな距離でしたがIさんのフィンテールと並走。
バックビューミラーに映るボニーとフィンテールの姿
う~ん・・・これだけで何時間も飽きずに眺めていられる良い”絵”だなぁ~。
仕事の都合上、なかなか仲間と一緒に走る機会というのが無いのですが、
こういうにはやっぱり良いものですね。
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復路は往路よりもさらにハイペースでブッ飛ばして帰りました。
日英聯合艦隊の本領発揮です。
10時10分、帰宅。
全行程485km、ノントラブル。
家に帰るまでが遠足ということで、2台とも無事に帰り着きました。
イベントに参加された皆様、暑い中お疲れ様でした。
また来年、どこかのイベントでお会い出来ることを願っています!
