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2011年05月31日 イイね!

モーターファン 1963年9月号「プリンス グロリア スーパー6」記事

Prince Of Highway

《新発売》6気筒 2000cc 105馬力 OHC

ハイウェイを力強く走る・・・好評のフラット・デッキタイプ!!エンジンは6気筒・2000cc・105馬力
------技術の最高峰O・H・C(オーバー・ヘッド・カムシャフト)方式を採用しました。
ささやくような静かさ、すぐれた高速安定性。しかもオールシンクロのトランスミッションは
追越加速にずばぬけた性能を発揮!
ドライブは一そう快適になりました。文字どおり《乗用車のプレジデント》です

この車にすべてがある・・・・・・smooth riding car
OHC6CYL プリンス グロリア スーパー6

価格1,190,000円 価格は東海道地区統一現金正価、他地区は運賃諸掛り別途申し受けます。
プリンス自動車販売株式会社 プリンス自動車工業株式会社



1963年6月、プリンス自動車はフラッグシップ・モデルであるグロリアに
新開発の6気筒OHCエンジン「G7」を搭載した最高級車「スーパー6」を投入しました。
国産初となる6気筒OHCエンジンはクラス最高出力となる105馬力を発生、リッターあたりの
出力は52.5馬力と国産最高出力を誇りました。

最高速は155km/hという驚異的な数字を示し、外国車に見劣りしない性能を実現した
はじめての国産車でありました。
ちなみに《乗用車のプレジデント》とのコピーがありますが、日産から「プレジデント」が
発売されるのはこれより2年後となります。

今回はモーターファン1963年9月号に掲載された新型車「プリンス・グロリア・スーパー6」の
6気筒OHCエンジンに重点を置いたレポートを見て頂こうと思います。
基本的に当時の空気を味わって頂ければと思い、多少読みづらいですが原文ママとし
一部にのみ注意書きを追加しておきました。

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プリンス・グロリア・スーパー6

説明:星島 浩

6気筒エンジンの構想は、既に昨年の自動車ショウで発表されている。
発表されたものは2.5ℓ級であり、この6気筒エンジンでプリンスが大型乗用車部門に
進出するものと一般に考えられていた。
(※注:プリンスは1959年に国産初となる3ナンバー車の初代グロリアBLSIPを発売していますが
法改正に伴い1963年当時は5ナンバーに変更されていました。)
ところが、今度発売された6気筒エンジンは、構造的には自動車ショウで発表されたものと同タイプ
6気筒OHCではあるが、排気量が2000ccである点が、われわれを少なからず驚かせたわけである。

4気筒グロリア・デラックスは発売以来、非常に好調で、当初はセドリックやクラウンを
凌ぐ勢いであった。
現在ももちろん好調を持続してはいるが、ようやくクラウンやセドリックも市場に大きな勢いを
もつに至って、いわゆるデザイン受けして売れていたグロリア・デラックスに、6気筒オーバーヘッド・
カムシャフトという高性能エンジンを積むことによって、更に競争車を引き離そうという----
そのタイミングがまた絶妙であった。

このエンジンが画期的と呼ばれる所以は、2000cc級を6気筒にしたことと、オーバーヘッド・
カムシャフト機構を採用したことの2点にしぼられる。
従来の4気筒エンジンでは宿命とされていた機械的なアンバランスが、少なくなること、
爆発間隔が短いためにトルクの変動が非常に少なく、従って振動も少なく静かで、
低速から高速まできわめてフレキシブルな性能を示すことは、6気筒にすれば1気筒当りの
容積が小さくなるのだから、当然である。

しかも、ドライバーの意のままにエンジン回転が追従する敏感なアクセル・レスポンスも
充分にたのしめる筈である。

だいたい、メーカーが新しいなにかを作ろうという場合従来あったものをなんとか活用
しようとするのは、生産性やコストを考えれば、当たり前のことであろう。
例をあげて恐縮だが、セドリック・スペシャルの6気筒エンジンを見ればよくわかることである。
6気筒エンジンのボア・ストロークは4気筒のものと全く同じで、バルブ機構にしてもカムシャフトが
異なる他は殆どの部品が共通である。

もちろん、クランクシャフトをはじめ新たな部品も多いのだが、基本的
には4つの気筒に2つをつぎ足して6気筒にしたものと云える。逆に、ボディは他の
セドリック・シリーズとは全く異なる寸法を持っているのだが・・・・・・。

プリンス・スーパー・シックスではセドリック・スペシャルの場合とは全く逆に、グロリア・デラックス
と異なるのはエンジンだけと云える。
(※注:専用のリヤ・ガーニッシュやモールドの異なるベルトラインなどの差異はあります。)
ボア・ストロークの取り方も4気筒が84×84のスケア(※注:スクエア)エンジンなら、
6気筒エンジンも75×75のスケア・エンジンで共通部品は全くない。

バルブ機構もプッシュロッドを用いたオーバー・ヘッドバルブ形式から、
オーバーヘッド・カムシャフト方式に改められている。
オーバーヘッド・カムシャフト方式には2種類あって、ホンダ・スポーツのエンジンに
見られるように、吸・排気弁のそれぞれに一本ずつのカムシャフトをもつ方式を
ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト(DOHC)、プリンス・スーパー・6は一本の
カムシャフトで吸排気両方のバルブを作動させるシングル・オーバーヘッド・カムシャフト
(SOHC)を採っている。

OHC方式は回転の速い、高性能エンジンの場合当然採用されるべきもので、
スポーツレーサーにこの方式のエンジンが多い。

従来のシリンダ・ブロック側面に配置したカムから、リフター、プッシュ・ロッド、ロッカ・アームを介して
バルブの開閉作動をするOHV方式と異なり、OHCではロッカー室内のカムが直接ロッカ・アーム
を介してバルブの開閉を行うので往復運動部分のマスが少なく、高回転時のバルブの動きは
スムーズで確実・安定した性能を得ることができるわけである。
圧縮比も8.5から8.8に上げられており、排気量もわずかに増えて(1862cc→1988cc)
エンジン性能は最高出力が105ps/5200rpm(94ps/4800rpm)、最大出力は16Kgm/3600rpm(15.6/3600)と向上している。

エンジン内容を順を追って、もう少し詳しく述べてみると、ピストンはアルミ合金製、圧縮比を上げる
ためと見られる浅いドーム状のピストンクラウンを持ち、バルブとの干渉をさけるため一部に切欠き
が作られている。
ピストン・リングは3本。クランクシャフトは炭素鋼製で6個のクランクピンに対して各々
バランスウェイトを持ち更にクランクピンの間のアーム部にはウェイトをつけて重量配分と
ダイナミック・バランスの調整がなされている。

4メインベアリング支持。クランクシャフトの前端にはVベルト用プーリーがあるが、
ここに鋳鉄製のダンパーを結合してクランクシャフトにかかる捩り振動応力を軽減させる
目的を達している。
これでシャフトの強度の安全性を高め、ミッションへの伝達トルク変動を少なくしたほか、
エンジン振動や車体振動、騒音低下に著しい効果を得たという。
コンロッドは炭素鋼H断面、ケルメット・ベアリングを使用している。

シリンダはブロックに特殊鋳鉄シリンダを圧入した所謂ウェットライナ式で冷却は有利だろう。
シリンダヘッドはアルミ合金製で、燃焼室はバスタブ式(湯舟型)、傾斜したバルブ配列とピストン
頂部の球形とで効率のよい燃焼室を形成してりう。
シリンダヘッドに結合されたインテークマニフォルドは各気筒分離式で、バナナ状をなし、
ラムインダクション効果を持っている。

ラムインダクション効果は吸入気の脈動による慣性力を利用して混合気をシリンダ内に圧入する
一種のスーパーチャージ効果である。
2連式キャブレタとの併用によって、スロットル全開とともに瞬間的に強い力を発生する
アクセルレスポンスは、このエンジンの大きな魅力だろう。
2バレルダウンドラフトの気化器には寒冷地の始動や始動直後のエンスト防止などに効果のある
自動チョーク装置が付けられている。
(※注:ここでの2連式キャブレタとは2バレル・2ステージのシングルキャブを指します)

クランク軸の回転は一先ずドライブシャフトに伝えられ1/2回転にされ、更に頭上のカムシャフトに
伝えられる。

駆動はいずれもダブル・ローラ・チェインでそれぞれにテンショナがつけられている。
エンジン性能を左右する大きな要素であるバルブタイミングは排気弁の開くのが下死点前54度、
閉じるのが上死点後16度、吸気弁は上死点前24度に開き、下死点後46度で閉じられる。
圧縮圧力250rpmで11.3kg/㎠とかなり高いため、スパーク能力の低下と多気筒高速エンジン
なるが故の短い点火間隔でブレーカの閉じられる時間が短くなることが予想されるが、この
エンジンではイグニッション・コイルケースの外側に特殊な抵抗器を装備し、ディストリビューター内
には2組のコンタクトブレーカを組み込むことによって解決している。

なお、ラジオやTVに与える電波障害を防止するノイズサプレッサ付きである。

潤滑はフルフロー式、オイルは5リッタと容量が大きく、特にシリンダヘッド部分にはかなり多量の
オイルを圧送して潤滑だけでなく冷却効果を狙っている。
サイドフロー型ラジエータによる冷却水容量は11.4/ℓである。

トルク曲線は1800rpmから4900rpmの間において15~16kgmの高いトルクを示し、
フレキシブルでねばり強いエンジンであることがわかる。
最高出力105ps(5200rpm)は国産小型乗用車ではもちろん最も高いものである。
馬力当りの重量は従って12.55kg/psとなり、グロリア・デラックスの13.8kg/psにくらべると
加速性能はかなりよいデータが期待できる。

近く、モーターファン・ロードテストも行われるが、メーカーでは0-200で13.2秒、
0-400は20.8秒で車速110km/hに達し、30km/hから50km/hまで5秒、60km/hまで7.7秒の
追い越し加速を持つとい云う。

クラッチは油圧操作の乾燥単板式、トランスミッションは前進3段・後退1段・オーバードライブ付きで、
後退ギヤがスパー摺動式のほかは常時噛合フルシンクロである。
ギヤ比はグロリア・デラックスと全く同じ一速2.980 二速1.618 三速1.000 後退3.273で
ミッションケースもデラックスと同一である。

たゞリヤカバー内のオーバードライブ機構だけギヤレシオが0.777と大きくbなっている。
デラックスのオーバードライブは0.713のギヤ比を持っていたわけだが、これによって、比較的
高速時の(おそらく50km/h以上だろうが)加速性能が更に向上する筈である。
センターベアリングを持つ2分割のプロペラシャフトや、リヤアクスル・ファイナルドライブ関係
も殆どそのまゞであり、ファイナルドライブ・ギヤレシオも4.875とデラックスそのまゞを使用している。

たしかに、エンジンの馬力は94psから105psにあがっているが、トルクは同じ回転数で
15.6kgmから16kgm/3600rpmとわずかに向上しただけである------
おそらく、トルクが殆ど同じであることからトランスミッションやファイナルギヤレシオに手なおしが
なされなかったのだろうと思う。
逆にオーバードライブのギヤ比が大きくなっているところを見てもむしろ、この車の加速性能
をよくすることに設計の主眼がおかれたと見ることができる。

これで、オーバードライブ時における燃費性能はデラックスより悪くなっている
に違いないのだが、高級車に乗るユーザーにとっては、少々の燃費などは問題としないで、加速の
たのしみの方がはるかに大きいのかも知れない。
ハイウェイ時代もやって来たことだし、
スポーツ・カー的なエンジンを搭載した車でもある、これならば外車にも充分太刀うち
できると思われる。

スカイライン当時からのドディオンアクスルもグロリアでようやく完成された感がある。
ファイナルドライブ・ハウジングのマウント方式の変更や、ドライブシャフトのボールスプライン、
無調整式のデファレンシャル等が信頼性を増している。

従来のスカイライン系ではデフマウントは4点支持であった。
スーパー6では2点でハウジングを支持し、ハウジングの横ゆれやトルクのアクション
によるショックに対しては、2本のトルクロッドで前後方向を、一本のストラットバーによって横方向を
規制することによって、ボディに対する防音防振対策は確実になったと云われている。
(※注:ALSI系スカイラインのド・ディオン・アクスルは騒音や振動によるクレームが多かった)

フロントやリヤサスペンションなどの車体関係や、豪華な室内諸装備などもデラックスと変わりは
ないようである。
グロリア・デラックスが発表されたときに、かなりエンジン・ルームに余裕があるなと感じたのだが、
今にして思えば、ここに6気筒エンジンを搭載する意図がかなり前からあったようである。

この車でスズカの日本グランプリに出場してもらいたかった考えるのは
果たして筆者だけだろうか。

【欄外】スタイリング・デザインがユーザーの人気の的であることは当誌の調査でも明らかで
あるが、1mもあるレッグルームや140mm前後に移動できるフロントシート、エアコンデイショナ、
指示警戒速度を越えるとブザーと赤ランプのつく調整器、プリント配線の集中メーター、微妙な
踏加減をそのまま伝えるゴムヒンジのアクセルペダルなど、室内諸装備も最高級車に値する。

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さて、如何だったでしょうか。
頁数にするとわずかなものですが、書き起こすのはさすがに骨でした。

S4グロリアは本文中にもある通り、1962年9月のデビューからしばらくの間は大変好評で
企業規模・ディーラーネットワーク・広告費で大きく上回るトヨタ・ニッサンの対抗車種を
凌ぐほどの販売台数を記録しました。

しかし1963年5月の第一回日本グランプリでレギュレーションを遵守したプリンス勢は惨敗、
高性能・高出力を謳っていただけに影響は大きく販売成績は急落しました。
その後に発売された6気筒エンジン搭載のスーパー6は上記の通り、専門誌の評価が
高いにも関わらず一般イメージの悪化に影響を受けて販売が伸び悩みました。

しかしながら高速道路の開通、舗装道路の充実、アベレージ・スピードの上昇、輸入自由化に
よる外国車との競合などすぐ目の前に迫っていた障壁を乗り越えるためにはエンジンの高性能化
は緊急にして必須の要件でした。
トヨタもニッサンも次のフルモデルチェンジ(1967年)に6気筒エンジンの搭載を予定していましたが
予想を上回る早さでのプリンス新鋭6気筒の登場によって予定変更せざるを得なくなりました。

そしてプリンスよりも2年も遅れてトヨタ・ニッサンの2大メーカーが6気筒をリリースしました。
以後、国産高級車においては長きに渡って6気筒エンジンが君臨し続けました。
まさにすべてのはじまりは1963年6月に誕生したプリンス・G7エンジンだったのです。

残念ながらG7は1969年には生産終了となり、プリンス6気筒OHCの火は潰えました。
しかしながらスカイラインGTの心臓としてサーキットで鍛えられたG7はヘミ・ヘッドや
クロスフロー吸排気などのレーシングエンジンの技術を受け入れるキャパシティと発展性を
備えていました。

もしプリンスが独自性を保って6気筒エンジンを進化させていたならば、まさにそれは
「東洋のBMW」「日本のシルキーシックス」として世界にその名を轟かせていたことでしょう。
Posted at 2011/05/31 22:51:50 | コメント(7) | トラックバック(0) | S4系グロリア(2代目) | クルマ
2011年05月26日 イイね!

BIG TERRIBLE TROUBLE

つい先日、コンデンサーの件で「もともと付いてないんだし、なくても大丈夫か~」なんて
言ってたらその重要性を素晴らしくダイレクトな方法で教えて頂きました。

さて昨日、休みを利用して6月までの高速無料化を惜しみつつ札幌まで走りました。
9時に仕事が終わり、飯と風呂を済ませてすぐに出発。
途中PAで軽く寝て、朝の7時前には札幌に到着しました。

かつて鬼クラがあったとの情報を確認するため札幌青少年科学館へ向かうべく
大通り公園(テレビ塔がある場所)から国道12号線へ乗ろうとしたその時でした。

信号が青に変わったので発進すると激しい振動が・・・そして「パン!」という炸裂音!!
赤いチェックランプが2つ点灯しエンジンストップ、続いてデフロスターから物凄い量の白煙が!!

「やばいやばいやばい!!」

往来の激しい朝の札幌のど真ん中、とにかく交差点を越えなければとの一念で祈るように
セルを廻し長いクランキングで始動、どうにか交差点を抜けて路肩に滑り込みました。
目の前は白煙がもうもうと立ち込め、焼けた匂いでひどく咽ました。

とにかくキーをオフにしてボンネットを開きました。
「車輌火災」という恐怖が全身を締め付けます・・・

車外にでてまずボンネットの放熱ダクトが吹き飛んで引っくり返っているのに驚きました。
もともと固定されておらず、4本のピンで差し込まれているだけとはいえそれなりの重さのパーツ
が吹っ飛ぶということは相当な風圧だったと容易に想像できます。

ボンネットを開けると焦げ臭さが鼻を衝きます。
検討はついていましたが、予想通りハンダで補修してもらったコンデンサーが原因でした。
300㎞ほどの走行には耐えましたが、振動でついにハンダが剥がれてしまったようです。
それがどこかに接触してスパークしたものと思います(おそらくですが)

コンデンサーのコードは完全に切れて銅線が剥き出しになり被膜は炭になっていました。
触るとパラパラと焼きすぎた魚のように崩れ落ちていきました。
そこと接触してセミトラの赤いコードも一部で被膜が破損し銅線が覗いていました。
コンデンサーのコードの最も近くにあったコードも水ぶくれのようになっています。

とりあえずは火がでてないことに一安心しましたが、自走不能だろうと思い暗澹たる気分でした。
まずは交通量も多いのでトランクから三角停止表示板を取り出し後方に設置しました。
しばらく絶望的な気分でいろいろ思案していましたが、搬送車で5~6万コースだろうなと思いました。
たまたま停止したのがマツダのディーラーの目の前でしたが、遠巻きにこちらを指を指して
話しながらもさすがに声を掛けては来ませんでした。

コンデンサーなんて今のディーラーに置いてないだろうし、そもそもイグニッションコイルの
1次/2次コイルも焼き付いている可能性が高い・・・と思うとやはり打つ手なし・・・

その時、出発直前に父親から適合車種不明の新品コンデンサーを貰っていたのを思い出しました。
そもそもグロリアに付いている物が純正でないので容量などが不明なため、交換せずに
とりあえず工具箱に放り込んでいたものでした。
これに交換すればあるいは・・・??

しかしイグニッションコイルやその他の部分が死んでいれば??
いろいろ考えが巡りましたが、どうせだしダメ元でやってみようと決めました。
まずはキーをオンにしてライト・ウィンカー・ワイパー・ホーンなどの電装系を確認。
あれだけの白煙を吹きながらヒューズも切れておらず、すべて正常に作動しました。

あとからわかりましたが、デフロスターから噴き出した白煙はエンジンルームで発生したものが
「外気導入」「デフロスター」「ファン1段」の状態の空調装置で室内に導かれたもので
インパネ内部が焼損したものではありませんでした。

まずは焼けたコンデンサーとコード端子を取り外します。
よく「旧車は目立つから恥ずかしいなぁ~」なんて言う人がいますが一般人は気にも留めません。
マニアが反応するだけです。
しかし止まっていると目立ちます。嫌でも
繁華街のど真ん中でボンネット開けてクルマの下に体つっこんでる奴がいたらそりゃ目立ちます。
でももう慣れたんで気になりませんが。

さてさっそく問題が!
もともとのコンデンサーはU字の平たい端子なのですが、新品の方はギボシ端子です。
どうするか考え、ニッパーで開いて内側をカットしてコの字に成型しました。

コンデンサー本体の方もステー形状が違いそのままでは取り付けられないのでプライヤーで
こじ開けて付くように加工しました。
剥き出しになったセミトラ配線は黒テープでとりあえず巻いて応急処置を施しました。

とりあえず新品のコンデンサーの取り付けには成功しました。
果たして生き返るか??それともやっぱり搬送コースか??

祈る様な気持ちでキーをオンにします。
「天の神 地の神 火の神様やれることは全部やったあとは宜しくお願いします!」
御神酒があればヘッドにかけてる気分です。

短いクランキングでG7はスっと息を吹き返しました。
しかしまだ安心など出来ません。
アイドリングで安定するのはもちろん、走行によって負荷がかかった場合でも問題ないか??

しばらくアイドリングで様子見しつつ、なんとか行けそうだと判断しました。
なんかいろんなモノで胸がいっぱいです(笑)
工具や停止板を片付け、室内の煙を排出するために開けていた窓を閉めました。

その後は驚くほど普通に走ってくれて、結局トラブルは完全にこれっきりでした。
コンデンサーはイグニッションコイルを守るためのヒューズ的な機能を持っているのでしょうか?
帰りも高速でしたが(念のため80㎞を維持)まったく不調はありませんでした。
どうしても追い越ししなければならない時もいつもの俊足を発揮してくれました。

車が白煙を吹いたのは以前にもあって、ワーゲンでハザードを炊いているとウィンカーリレーが
焼けて溶けたことがありました。
どうもワーゲンはそこが弱いらしく、複数の部品取り車を漁ったもののすべて取り外されていました。

今までで最悪のトラブル(状態や場所的に)でしたが、たまたま持ってたコンデンサーに
救われました。
まさに天佑神助です、乾坤一擲の交換作業でしたが巧くいって本当に良かったです。

とりとめのない長文になってしまいましたが、無事に自走で帰ってこれて良かったです。
善き相棒であるグロリアには助けてもらってばかりです。
Posted at 2011/05/26 19:57:03 | コメント(8) | トラックバック(0) | S4系グロリア(2代目) | クルマ
2011年05月23日 イイね!

謎のコンデンサー

先日の1400㎞走行の先週にも11日に800㎞走行していたので、定期メンテナンスを実施しました。
メインはシャシーのグリスアップ、エンジンオイル・エレメント交換、作動部や電気系統へのCRC注油、
洗車、室内清掃、プラグ清掃です。

しかし!トラブルが発生しました。
5番プラグの装着時にイグニッションコイルに付属するコンデンサのコードが切れてしまったのです。
コード自体がかなり固くなっていて、プラグレンチに引っかかって簡単に切れてしまいました。

コンデンサが無ければ高回転時に2次コイルが焼き付いてしまうとのこと!
実際のトコ原理はよくわかりませんが・・・

今日さっそく主治医のトコに駆け込んでハンダ付けで処置してもらいました。

とりあえず問題は解決したのですが、ひとつ疑問が湧いてきました。

パーツリストを見ても、整備マニュアルを見ても、コンデンサが存在しないのです。

ディストリビューターの方にはコンデンサが装着されており、こちらは新品に交換済みです。
イグニッションコイルの方にはレジスタ(抵抗器)があり、そのコードはイグニッションコイルの
頭に繋がれています。

しかし自分のグロリアはレジスタのコードが純正には存在しないコンデンサに繋がれています。
もちろん45年目のクルマですから、各所に純正と違う部品や加工が施されているのは当然です。

ただ、このコンデンサは機能しているのか??
もともと無いものだからあってもなくても良いのか??
よくわかりません・・・

今月末よりグロリアはしばらく入院の予定です。
Posted at 2011/05/23 21:47:12 | コメント(5) | トラックバック(0) | S4系グロリア(2代目) | クルマ
2011年05月22日 イイね!

GW明け小旅行

しばらくぶりのブログです。

GWは休みなしで仕事で、かわりに5月16・17・18日に3連休を頂きました。
当初は道南方面へ遠征するつもりだったのですが、タイミング良く稚内の友達も
休みとのことで半年ぶりに遊びに行ってきました。

15日の夜9時に仕事が終わり、飯と風呂を済ませて10時45分には出発しました。
釧路~稚内間480㎞を夜通し突っ走って早朝5時には到着しました。

グロリアが何度か機嫌を損ねた為、プラグ掃除にやや時間を割かれましたが
それがなければもっと時間を短縮できたものと思われます。
ただし、ちょうど眠たくなってきた頃にタイミングよく(?)機嫌を損ねたので
作業中に冷気にさらされて眠気が飛んでよかったです。

出発時には綺麗な満月が出ていましたが、到着時には朝日が昇っていました。
宗谷エリアはただでさえ給油ポイントが少ないうえ、深夜~早朝という時間帯ゆえに
最終的には携行缶の出番となりました。

総走行距離は1400㎞ジャスト、ただし16・17日は稚内市内の走行に終始したので
3日間の距離としてはかなり少ない方です。

マイナートラブルや初歩的なミスが多く、ちょいちょいご機嫌ナナメにさせてしまいました。
キャブのゴミ詰まりとそれに伴うプラグの被り、イグニッションコイルの2次ターミナルの
緩みによるエンスト(これは自分の確認不充分に起因するもの)
ボンネット固定ボルト脱落(!)などです。

それでも走行不能になるような重大なトラブルはなく、快調な旅を支えてくれました。

また、フロントグリルに鳥が激突して死なせてしまいました。
ぶつかった際に音や衝撃は一切なく、まったく気付きませんでした。

今回の戦果は1993yキャディラック・フリートウッド・ブロゥム、トヨペット・コロナHT(RT50)
ランドクルーザーFJ55V、ダイハツ・デルタ、GC10となりました。
もともと旧車探しがメイン目的ではなかったのでこれだけです。
キャディラックは助手席の友達が発見せるものです。

友達の勤務する科学館で、プラネタリウムを貸切で見せてもらったことに感動しました。

なかなか連休が取れないのですが、2日以上の休みが取れれば日帰り圏外の道南/道北
エリアに出掛けるようにしています。
今年もまた函館に遊びに行きたいです。
夏はぜひバイクで利尻・礼文へ行ってみたいです。
Posted at 2011/05/22 22:59:45 | コメント(6) | トラックバック(0) | 旅行/地域
2011年05月13日 イイね!

満艦飾のグランド・グロリア

いつの時代に於いても、メーカーの威信を懸けた旗艦モデルは人の心を惹きつけて止みません。
最上級モデルにさらに贅沢の極みとして「フルオプション」という付加価値を与えられた車輌は
大変希少で、多くの方がそれを探し求めています。

今回御紹介するグランド・グロリアは有名なS4コレクターの方の所有する個体です。

前期型である1型の中でもかなり早期に生産れた車輌で、それだけでも希少なのに
ほぼフル装備というこれ以上望めない価値ある車輌です。

当時の国産車の中で最高価格(138万5千円)であり、実に家一軒に匹敵する値段でした。

ただでさえ3ナンバーで税金が高いうえ、贅沢品として税金が上乗せされる
エアー・コンディショナーは極めて高額なオプションであり、装備されていない個体も
珍しくはありません。
この個体はエアー・コンディショナーやオートライト、マスターバックなどの主要オプションを
すべて与えられた素晴らしい車輌です。

「権威の象徴」にふさわしい、凸型の小さな飾りが整然と並ぶ荘重なフロント・グリル。
自分はこのグリルを史上もっとも日本的な繊細さを湛えるデザインと信じて疑いません

本来バンパースリットには「 P R I N C E 」とエンブレムが入りますが、盗難防止のため
取り外されています。



「荘重なシルエットを浮き彫りにしました」

専用グリルやサイドシル・スカートパネル、2ピース・ウィールキャップなどの豪華な艤装によって
差別化を図っていますが、車体寸法そのものは5ナンバーモデルと変わりありません。

しかしながら1962年9月のデビュー時点で既に玉成の域に達していたグロリアのデザインは
専用ボディを持つクラウン・エイトやセドリック・スペシャルになんら見劣りしません。



車両番号が500台よりも前と、とても若いのに驚きます。
銘鈑は豪奢な雰囲気を醸し出す美しい金色です。

G11型エンジンはOHC機構、2500cc、4バレルキャブレターの組み合わせによって
国産最高出力の130馬力を叩き出し、4速オーバードライブ・ミッションと高速走行に
備えて設計されたシャシーを通じて170㎞/hの最高速を実現しています。



メーター右側に縦に2つ並ぶスイッチはオートライトの操作ノブです。
ダッシュボード中央のセンサーがオートライトの受光部で、対向車のヘッドライトや街灯、太陽光
を捉えて状況にもっとも適した灯火を自動に選択、ドライバーの負担を軽減します。

イグニッション・キー部分にはS44P専用品のアルミパネルが奢られています。

1型と2型ではメーターが大きく違い、キーをOFFにした際、燃料計と水温計の針が逆の位置で
停止します。

オーバースピード・ワーニングの表示方法も違い、1型ではメーター中央に数字で表示されますが
2型では指針によって指し示す方式に変更されています。

また、速度表示も1型の最初期では160まで刻まれていますが、それ以降は180まで
数字が刻まれています。



国産初となる本格的なエアー・ミックス式エアー・コンディショナーを装備しています。
吹き出し口は中央部と足元、デフロスター部となっています。

パワーウィンドウが標準装備となり、ウィンドウクランクハンドルのスペースには
大きな開閉式ドアポケットが与えられています。
また、シートバックにもメルセデス流儀の大きなツインポケットが備えられ、地図や手回り品の
収容に重宝します。

落ち着いた風格を感じさせるマホガニー化粧板と、品のあるベージュの内装が美しいです。

ダッシュボード中央のラジオ用スピーカーは縫込み式で、2型やスタンダード・グレードでは
貼り付け式の簡素なスピーカーとなっています。
すぐ横にはオートライトの受光部が突き出ています。

ラジオは自動選局装置を備えた高級タイプが採用されています。
スイッチ類はアルミ削りだしの重厚かつ美しく、手に馴染む形状となっています。



高級車たるもの、その贅沢さは多岐に亘ります。
グローブボックスの蓋には故障時の連絡先が記載されています。
昼間時はプリンス自動車販売のサービス部門が、夜間にはJAFが駆けつけます。

こういったアフターサービスの充実も高額な代金に見合うものです。
またプリンスは夏季のみ軽井沢に臨時の営業所を展開するなど、その客層にマッチした
サービスを提供していました。

試しに電話してみましたが「番号をお確かめください」と言われました。
グローブボックスの蓋にはグラスを置くための窪みがあり、軽食などに便利なテーブルとしても
使えます。



長い鼻先には直列6気筒・オーバーヘッドカムシャフト・2500ccのG11型エンジンが鎮座しています。
130馬力の驚異的な出力を可能とした先進性の塊です。

日本気化器製オートチョーク付き4バレル・ダウンドラフト・キャブレターはS41(スーパー6)系の
2バレル・キャブレターよりもかなり大きく、エアクリーナーの蝶ネジも2つになります。

手前右側の大きな円筒状のユニットはエアー・コンディショナーのブロアーです。
エアコン付き車は助手席側カウルベンチレーターが吸気口となります。
エアコンユニットは極めてコンパクトにまとめられ、室内空間をまったく犠牲にしていません。

インテーク・マニホールドとエキゾースト・マニホールドは100を超える試作を経て決定された
複雑な形状で「スーパーチャージド・ラムインダクション」と呼ばれる吸排気の脈動効果を
効率的に生かしハイパワーに繋げています。



素晴らしい加速力を持つ車は、それに見合った制動力を有していなければなりません。
S4系グロリアは純正で強力な4輪デュオ・サーボブレーキを備えています。

この車輌ではさらに万全を期して170㎞/hの高速巡航性能に対応するべくオプションの
タンデムマスターシリンダーを備えるマスターバック(パワーブレーキ)を選択しています。

S44Pはサイド・ブレーキを操作することによって自動的に後輪ブレーキ・シューの間隔を
調整する装置も与えられ、メンテナンス・フリーの一助としています。

2型(後期型)からはスカイラインGT(S54)と共通のフロント・ディスクブレーキが標準装備。
スーパー6でもオプショナルとして設定されます。(住友ダンロップMk-3ディスクブレーキ)



ウィールキャップはS44P専用となる2ピース構造で、梨地加工を施した非常に凝ったものです。
中央のアイボリー部分は透明な樹脂にプリンスの象徴たる十字が刻まれており、塗装と
クロームによって繊細で瀟洒なフィニッシュとなっています。

個人的には国産車史上、最も美しいデザインと信じて疑いません。
1枚だけですが保有しております。



リヤビューはトランクフードの「2500」エンブレム以外に5ナンバーモデルと違いはありません。
サイドには十字をあしらった「+GRAND GLORIA」の金色のエンブレムが輝いています。

波打ったリヤガーニッシュはボディの分割線を隠すようにレイアウトされ、機能と美観の
双方を満たしています。

テールライト・ベゼルは内側に沿ったクローム仕上げで、尾灯の点灯時に光を反射して
視認性を向上させる機能を兼ね備えています。

プリンス車はよく「メッキが多い」と言われますが、このように単なる装飾ではなく機能や
安全性を熟慮してデザインされていることを知っていただきたいです。



「高級車」の定義とは何かと問われても、それは時代と共に変化する性質のものであって
明確な答えはないと思います。

高級車は決して「高額車」ではないと信じています。

技術者や開発者が心血を注いで、最高の車を造ろうと努力し、それを達成したとき
はじめて「高級車」が誕生するのではないでしょうか。
そしてプリンス・グランドグロリアはすべての条件を満たした車であると考えます。

グランド・グロリアは皇室に献上され、時の皇太子殿下(現在の今上陛下)が自ら
ステアリングをお握りになってドライブを愉しまれました。

自動車に対する優れた審美眼をお持ちである皇太子殿下が愛されたグランド・グロリアは
まさに世界の高級車に勝るとも劣らない存在であります。
Posted at 2011/05/13 21:51:37 | コメント(2) | トラックバック(0) | S4系グロリア(2代目) | クルマ

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戰前から昭和40年代頃迄の自動車を趣味として居ります。 2輪・3輪・4輪、國産車/外國車の何れも興味の対象です。 此の他の趣味としては、艦艇及び航空機が在り...
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