
昨日。とあるバス通りのコンビニ前。午後11時半過ぎ。
白いカスタムバイクに跨った青年が、ハニカミながらも横に立つ女性の手をふりほどいていた。
何となく聞こえた言葉は、
「俺はそういうの嫌いだから・・・。」
女性は、今にも泣き出しそうな顔で、
「え?ちょっと、なんで?別れるの?」
距離にして2mのところから聞こえた会話だったが、この6月の夜のひんやりとした季節の香りと相まって、どこか、心の引き出しをまさぐるもう一人の自分がいた。
改造が施されたGSという白馬のバイクに跨った青年は、そんな自分に少し酔っているかのように見えた。
その反面、女性は真剣な表情をしていた。
二人に何があったのかは分からないし、時間にして数秒の映像と会話の出来事であるにもかかわらず、そこには確かにドラマがあった。・・・
タンデム(2人乗り)で出掛けた町並み。そこから目に映る映像。飲料水のCMの看板。真夜中の東京湾に映るレインボーブリッジ。缶コーヒーのジョージ○を傾けた、夜の情事。そして、お互いの体温。
一生懸命仕上げた特別なバイクには、特別な女性だからこそ乗せる。そう、思っていた。
走る度に思い出す。終わったはずなのに。忘れたくても、思い出す。終わらせたはずなのに。・・何故だ?
街のネオンと景色、その季節独特の匂い、東京湾の潮の香り、バイクが奏でるサウンド・・。
バイクにはまったく罪はないのに、その思い出が染み込んでしまった愛馬をお払い箱に葬り、その呪縛から逃れようとする。
‘青春’は、人を深く傷つけ、強く育てる。
「全力全霊を込めて仕上げた侍のバイク、魂の鉄馬には、もう二度と女性は乗せない。」
そう、心に決めて、タンデム(2人乗り)が出来ない後ろのシートの無いバイクに乗り続ける人間は、それこそ、世の中に1人で十分だ。
いつの時代も男と女は永遠のテーマである。
‘お互いがお互いにお互いを大切にして、しっかりと向き合い、良い関係を永遠に続けていって欲しい’
そうすることによって、また、違ったものの見方が見えてくるに違いない。
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Posted at
2011/06/09 14:44:09