他人には一切口にする事なく、ひっそりと何年間も心に居座り続けたクルマでした。
当初から既に国内入手は諦め、並行輸入での購入を視野に入れて「もう中も外も何色だって良いから!涙」と血眼になって探して動いていたので、まさか国内で、ましてや願ってもいないエアロキットが装着されたブラックonブラックだとは思いもよらず、委託専門のギャラリー展示販売で見つけた時は、卒倒する想いでした。
コレが現れる以前は半ば諦めた事もあり、来る日も来る日もカーセンサーやグーをはじめ、世界中の国々のサイトの様々なクルマの中から「代わり」となるようなマシンは無いか、じっくりと頭を捻り隅々まで見渡しては「ため息」が出るようにもなっており、もはや「病気がち」であったと言っても過言ではないくらいです。
実は、同じ位に「狂おしく欲して悩んだクルマ」、この「997.2turbo6MTを吹き飛ばす位に欲したマシンがたった1台だけ」あったのです。
それは、後期型「RUF Rt12S」の「Rt12Rエンジン」へRUF公認で載せ替えられたスペシャルな3.8Lポート噴射式メッツガーエンジンが搭載された物でした。
ハイエンドユーザー向けオークションで数回流札となり、誰にも「見向きもされず」売れ残り続けたナローボディーでスマートなそのクルマの価値を、誰よりも理解していたつもりの自分は、運命のイタズラか、後に997.2turbo6MTと出会った「同じ場所」に見に行っていたのです。
見た目は超綺麗であったものの、やはり懸念していた通り、後ろへ回り込んでリアバンパー下から下廻りを覗き込むと、「盛大にピンク色(クーラント)のお漏らし」をしており、ワレメちゃん(メッツガー特有の合わせブロック部分)に伝って垂れて茶色く焼きついた跡が広範囲に広がって、ウォーターポンプだけが綺麗に光っており、「メッツガーエンジンオヤクソク」の故障の症状を発見してしまいました。
「あぁ…。オーナーさん、コレでイヤになっちゃったっぽいなぁ。ウォーターポンプ新品に換えても直らないんだよなぁ。ディーラーも純正パーツしか取り扱えないからお手上げなんだよなぁ。エンジンを降ろして社外のアルミのエルボーと数カ所のフィッティングを溶接しないと…。」
そんな事を独り言で呟きながら、この点を指摘しつつ、エンジン降ろしや溶接の工賃を差し引きで考えた金額を提示し、担当の方を通してオーナー様と値段交渉をしましたが、全くもって「RUF様」のプライドを打ち砕く事は出来ず、破談となってしまったのです。
その後も結局売れず、国内大手自動車業者オークションに流れ、私が指した金額よりも安い金額のスタートでしたが3週連続で流札、結局海外支部を持つ国内大手の中古車屋さんが値段交渉で入手しておりました。
それが掲載され店頭に並ぶやいなや、もしや、既にそのクルマ屋さんが自社工場で直したのではないかと、再度、遥々見に行ったくらいです。
しかし、残念ながら綺麗なピンク色のお漏らしは「健在」で、白い打ちっぱなしのこだわった地面には、より「鮮明に分かってしまう」物でした。
そもそも「RUF」というクルマは、れっきとした「自動車会社」であり、当然ですが「車台番号も独自の数字」をもっており、旧石田エンジニアリング(RUFジャパン)と取り引きがあるか、もしくは、本国のアロイス・ルーフさん家とやりとりができるか、さもないと、まともに修理するパーツ品番すら分からず、取り寄せが出来ません。
更に言うと、価格は「RUF様価格」ですので、ポルシェの価格をさらに超えた価格となる訳です。
つまり、対象修理箇所が「ポルシェ997.1ターボ純正パーツ品番」で割り出す自信が無い限り、国内で頼れるディーラーはたった1ヶ所となり、目の飛びだすような金額を言われる事となります。
私はこれを「ポルシェ997.1ターボ純正パーツ品番」に当てはめて割り出す自信と、海外から並行輸入したパーツで安く対処する戦法があったが為に、車両購入検討しておりましたが、いくら大手の中古車販売店とは言え、本当に修理できるのか、いささか疑問にも感じておりました。
「今のRUFとPORSCHEはかなり仲良しだから、もしかしたらRUFの車台番号からでもPCJのリストにパーツ品番が出てくるカラクリなのかな?」と勘ぐり、まさか、とは思いましたがRUFの車台番号を控えさせて頂き、独自のルートで調べてみましたが「全くもってPORSCHEのデータにはでてこない」のです。
当然と言えば当然の事で、何も驚きはしませんでしたが、この日本では手が出し辛い側面があるのは間違いない事だと改めて痛感しました次第です。
結局、国内では売れず、その後もこのRt12Sが気になって追ってみたりもしましたが、残念ながら現在ではアメリカに渡ってしまい、管理している日系アメリカ人の方と片言で話しをしましたが、現在では「家一軒が買える程の値段」を言っておりました。
それもその筈、向こうでは「メッツガーエンジンの水漏れはポルシェディーラーでも社外品のアルミエルボーを使ってエンジンを降ろし$500000〜700000で溶接」を軽々と当たり前にしてくれて、その際、ついでに一通りの消耗品や予防的にパーツを新品にしてくれたりもするのです。
その点、日本では、やたらと大騒ぎするイメージな気がしてしまいます。
そういった点も踏まえ、この997.2 turbo 6MTがベストだと思った訳ですが、既に本国RUFはこの直噴DFI3.8LターボのMA系(9A1系)にも最近タービンや排気系を含めた「745PSパッケージを用意した」と発表し、「凄い会社だ(汗)」と痛感しました。
その点、日本のディーラーの凝り固まった体制や、常に新車をゴリ押しするだけの姿勢、チューニングショップのノウハウ、いまだにポート噴射の「空冷だ」「GT1ブロックだ」ヘチマだと騒いでいる点、経済成長を含め、もう「時代に乗り遅れている国」なんだなと感じてなりません。
「やっぱりヨッティーは"打倒RUF"じゃなきゃダメっしょ!笑」
と言う、幼稚園時代からの車好きの親友の一言も響きましたが、
「究極の1台」として他に代わりがないと感じ、人生を賭けてでもステアリングを握るに相応しいと考えた車こそ、
ナニモノにも染まる事の無い黒、オプションカラーバサルトブラック、PDKより遥かに軽量で故障の少ない『997.2ターボDFI3.8L6MTエアロキットPKG』だったのです。
非常にタフで壊れにくく、それも「充分パフォーマンスの一つ」というラリースト的な目線、機械工学的視点からのターボと相性が良いとされる直噴DFIエンジンという点、RRベースでトラクションが増して掛かる電子制御AWD、重心が低いフラット6エンジンに連動して動くエンジンマウント、3ペダルMTでハンドサイドブレーキ付き、フットブレーキがフェードしようがエマージェンシーブレーキでもあるハンドサイドブレーキレバーを引っ張ってでも絶対に生き抜こうとする、ポルシェ959を彷彿とさせるその「無骨さとハングリーさ」、こういった「現代の車に失われた至宝の強み」に惚れ込み、純正パーツを大切にダンボールに梱包して取っておきながら、更にエンジンコンピューターや電子制御サスペンションコンピューターチューニング、空力を考慮したワイパーや歴代のポルシェスポンサーサプライヤーデカールやエンブレムカスタマイズで手を加えて自分色に染め、自らの「人生のアスファルトサファリラリーを共に乗り越える仕様」に仕上げました。
2012年に『VWに完全に買収されて100%傘下になる前の最後の純粋なポルシェ社製の極み』である997.2ターボMTは、「人生最後のアガリのクルマ」であると考えております。
「ポルシェの世界」もバイクでいう「ハーレーの世界」と同様、様々なジャンルの方々がいらっしゃると肌で感じます。
それは他車種でも存在すると思いますが、大多数の派閥には目もくれず「自分のスタイル」を貫いてゆきたいものです。
そういった「熱量の高い車やドライバーと出会う事」、これもまた、「車好きの幸せ」だと感じており、「愛している理由を理論的に説明できるカーガイ」は国境を超えてリスペクト出来る存在だと思えてなりません。
皆さんの相棒や選んだ理由などがあれば、是非とも教えて頂き、存分に語って頂きたいなと思っております。
血と汗と涙の結晶、更にアップグレードさせた箇所などは後に説明してゆけたらと思っております。
先ずはザックリと動画に致しましたので、是非ともお時間ある際にご覧下さいませ。(※まーず、いらっしゃらないとは思いますが、"997.2ターボ6MTなら並行車でもいいから欲しい!絶対乗りたい!!"という方は、微力ながらお力になれるかもしれませんので、遠慮なくご相談下さい。笑)
VIDEO
P.S動画の中で申し上げました、ヨーロッパのマイナーラリーで「現役」の997GT3系Cup系ラリーカーの写真も何枚かUPしておきます。
私は大抵、夜寝る際に、この子らの爆走動画を見ながら、エンジン音を聴きながら眠りにつきます。(笑)
本当です。w 運が良い時は、自分が気持ち良く爆走している夢💤を見る事ができるのです。Ww 変態ですね。www
本当に「早送り⏩してるんじゃないの⁈」くらい速いんです!!
日本が誇る「ランエボ・インプ」も「マッツァオ😱」な走りなんです。
「エェ!?RRの2WDってこんなに速いの⁉️💦」と感じる筈です。
いつか、解説しながらのリミックス動画なんかも作ろうかと考えておりますので、もう少しお待ち下さいませ。今回は写真で我慢して下さい。我慢できない方は動画をサージングしてみて下さいませ。
もしかしたら、ひょっとして、90年後半〜00年初頭にノーマルボディーベースでラリー界を席巻したトミ・マキネン、コリン・マクレー、カルロス・サインツ、ユハ・カンクネン、ミキ・ビアシオン等々の時代のワークスのCP9A、GC8、ST205、エスコートコスワースRS等々の四駆ターボに「匹敵する速さなのでは⁉️」と思える程、動きが速いんです!
実はRRの2WDでタービンを搭載した「997.1GT2のラリーカー」なんかも存在するのです!
とは言え、「本気でラリーカーを作ったならば、四駆ターボのオラの方がきっと、絶対速いもんね…、ウッシッシ・・・w」と1人で妄想しながら自分に言い聞かせ、自己満足、正に「オナニズムの世界」を彷徨いながら、ジメジメと楽しんでおります。😁😂🤣