
一言で言えば、
「うぁ・・・、こんなに良いんだ・・・。」
と、思わされる車です。
日本人として、なんとも言えない「敗北感に襲われる」と言うか、ドイツは「匠の国」と呼ばれるだけあって、フィルディナンド・ポルシェ博士をはじめドイツ人は"本物の天才の集団"なんだなと痛いほど感じさせられる、リフトアップして下廻りを覗き込めばさらに納得させられる様な、そんな悔しさで嗚咽の出るような車です。
この997.2ターボ3.8DFI6MTに対し、日本人である自分が感じた「ネガティブ要素を払拭する一連のカスタマイズ」をある程度まで施した結果、「世界で唯一無二のドライビング体験」を手にしたと言えます。
標準仕様でも圧倒的なポテンシャルを誇るものの、このモデルに極限までのパーソナライズを加えたことで、満足感は次元を超えました。
外観のサイズ感や暴力的な加速とは対照的な愛らしい目をしたそのギャップ、「美尻と頭脳」、「クラシカルとサイバー」の融合、バサルトブラックメタリックの怪しげなボディに、固定式2枚羽ウイングを備えた純正エアロキットPKG。・・
これらが放つ“走るための真剣さ”に陶酔させられ、カスタマイズやチューニングはおろか、人生の生き方に於いてもさらなる「やる気」にさせて頂きました。
空力を考慮して変更した前期型GT3RS純正サイドミラー(後期型はユーロの規制強化で大型化)や、別注ゴールドのポルシェアロイのスポークをくり抜いた様なデザインである日本製エンケイ1ピース鍛造ホイールを加わえ、視覚的な「速さ」と日本のプライドを演じる一台へ、さらに、ウクライナから取り寄せたヴィンテージ感のある964時代の浮き出るようなトリッキーで大好きなフォントであるターボサイドデカールと73カレラRSをリスペクトしたデッキリッドデカール、ポルシェレーシングの歴史的サプライヤーエンブレムが織りなすディテール、唯一無二の個性を出したい等と、色々なパターンのスタイルを考えさせてくれる楽しい車です。
走行性能においては、これ以上の満足は考えられません。
「3ペダルのマニュアル」ということでの楽しさもさることながら、997ターボS(2ペダルPDKのみの設定)と同じタービンであるが故にECUチューンで同等かそれ以上のパワーを発揮出来る点、カーボンエアガイド&フィルター、EDLCキャパシタ、そしてフューエルキャタライザーが生む鋭いスロットルレスポンスと滑らかな加速感。これに加えて、メカニカルLSD(TCD)やモノボールキャンバープレート、S-PASMのプログラム変更によるコーナリング時の安定感は、まさにスポーツカーの域を超え、魔法のじゅうたんの様なフィードバックを実現しています。
RRレイアウトからくるブレーキング素性の性能も圧巻で、そこへセラミックカーボンパッドとスプリントポジション2ピーススリットローターの組み合わせにより、制動力と耐フェード性を格段に向上させ、ステンメッシュホースがペダルフィールをさらに正確にし、どんな速度域でも安心感があります。
内装も地味ではあるものの「触れるたびに満足」を感じさせるレザーステッチが随所にみられる仕上がりです。そこに特注ステアリングやショートスローシフター&ロングエクステンション&ウエイトノブ、SR7アルカンタラシートを加えて、さらに運転の楽しさを手のひらで実感させました。
実用性と快適性も兼ね備え、BOSEサウンドシステムとカロッツェリアサイバーナビゲーション、GPSレーザーレーダー探知機が、長距離のツーリングをより充実させる装備として機能させております。
そして何より、これだけのアップグレードを施しても、997.2ターボMTの本質的な「ドライバーズカーとしての魅力」は揺るぎないことです。
ステージ1のチューンにより、さらなるパワーを手に入れつつも、日常的な使い勝手の良さが損なわれることはなく、週末のドライブからちょっとした買い出し、さらにはガレージでただ眺めて1杯の酒を傾ける時間に至るまで、すべての瞬間が至福そのものです。
この車は「自分が求める理想のポルシェ像」を実現しただけでなく、車との対話の中で新たな行動や発見や感動を提供し続けてくれる、唯一無二のパートナーです。
先ず、国内の市場はおろか、世界の市場ですら売りに出ている個体を見つけ出す事は困難を極める事になるでしょうが、もしも見つけたのならばそれはほぼ「奇跡」です。
迷わず購入する事をお勧めします。
銀行でマイカーローン上限MAXを組んででも、その「ユニコーン」を手に入れるべきであると考えております。
私は絶対に売りません。ですが・・
「ポルシェ959Sかブルース・カネパの959SCと交換しない?」と言われてしまったら、その心は揺らいでしまうかも知れません。笑
一生の乗るつもりの「強い絆を持った相棒」です。兎にも角にもイチオシの車です。