
2007年7月31日午前1時前。
私は何よりも大切にしていた大好きな相棒を失いました。
あれから今夜で10年。
優しくて賢くて 大好きだった彼のことを、記録に残しておきたい。
例によって車のことは全く関係ありませんし、長文です。
そして、単なる個人的なおもいで話ですので あしからずw
前の職場に就職した時、その猫はすでにそこに幽閉されていました。
敷地内で悪さして捕まえられて、なんとなく処分もされず動物病院の入院室にあるようなステンレスの大きなケージに。
猫砂の敷かれたトイレもなく、スノコの床の片隅に山積みになっていた汚物。
ご飯も、誰かが気が向いた時に器に山盛りもらえるけど、そのあとは数日間 誰かが気づいてくれるまでありません。
そんな生活をしていたみたい。
初めてその猫を見た時、実家の猫に少し似てると思ったけど、ペット禁止のアパートでの一人暮らし。
飼える訳もなく、情が移らないように 出来るだけ見て見ぬフリをしていました。
それから2〜3年。
私の仕事の担当が、その猫のいる部屋のすぐ近くになり、それまでもご飯や掃除等 仲間と一緒に少しずつ世話をやいていた私は、ますますその猫を好きになり…
1997年の私の誕生日。
とうとう同棲生活を始めてしまいました(〃艸〃)
ペット禁止のアパート、ヒミツの同棲生活(/∀\*)ヤン
万一見つかったら、大阪の実家へ送りつけてしまおうと思ってました(笑)
同僚と世話をするうちに誰ともなく皆 その猫をにゃおにゃおと呼んでいて、それはそのまま名前になりました。
私は彼のことを人に話す時、よく「うちの王子」と言ってました(笑)
彼は、ほとんど鳴かないおとなしい猫で、あんな酷い暮らしをしていたのに 人が大好きでした。
連れて帰るとき、職場でシャンプーしてから連れ帰ったのですが、嫌なんだけど怒りもせず黙ってガマンして洗わせてくれました。
初めての人にも喉を鳴らして抱っこされ、ウーとかシャーとか言ったこともなく、押入れとか開けていて 入りたそうにしてても、ダメだよ!って言えばそこで黙って見ているし。
私が仕事から帰宅すると、まるで犬みたいにアパートの部屋の中を走り回り、しまいには私が抱き上げるのが待ちきれずに飛びかかってきて、私の首に両手を回して抱きつき、左の耳を舐めるという儀式が毎日の様に行われました(笑)
大阪へ帰省するとき、何回か飛行機に乗せたことも。
道中も全く鳴かずにキャリーの中で静かにできるお利口さんでした。
仕事を辞めて ワーキングホリデーで長く日本を離れた時は、実家の母がかわいがってくれました。
その頃 にゃおにゃおが覚えたのは、掃除機に吸われる快感www
母に掃除機かけられている王子ww
飼い始めた時は怖がっていた掃除機なのに(テレビの音もビビってました)。
以後、掃除機を出してくると前にやってきて横になって催促する様になりました。
海外にいる間、向こうで何度も言われた
「日本や家族が恋しくならない?」
という問いかけに、いつも私は
「Oh, I just miss my cat...」
「He is my boy friend」(英語でいうボーイフレンドは友達ではなく恋人になります)
と、答えていたし、実際 ちょっと頑張れば永住権の申請もできたのだけど、私はとにかくにゃおにゃおに会いたくてたまらなかったので、ビザが切れたら彼の元へ戻りました。
にゃおにゃおを最期まで自分できちんと面倒をみなかったら、絶対後悔すると思った…あの時 彼がいなかったら、私は今、日本にいなかったかもしれませんw
それから…
今の仕事を得て、蝦夷地へ移住。
もちろんにゃおにゃおも一緒に。
前職時代、肝臓の数値がとても高いと言われたにゃおにゃお。
今度は 年齢的なこともあり、猫に多い腎不全の値がでました。
ずっと元気だったにゃおにゃおも、気づいたらおじいちゃん。
少しずつ、以前とは違うことも出てきました…
抱っこをせがんで私の胸まで飛びついていたのが、私の脚に前足をかけてヨジヨジするだけになったり…
便秘も最後はひどかったな。
車に乗るのが楽しいみたいで、怖がるどころか窓から外を見てキョロキョロして一緒にドライブできるような猫だったけど、晩年は月に何度も病院通いで 車に乗せられたら動物病院だとわかって 怯える様になってしまいました…
さすがのにゃおにゃおも 病院は好きになれなかったようです。
2007年7月最後の日曜日。
腎不全も末期で、流動食しか食べられず ベッドからほとんど出ることがなくなったにゃおにゃお。
その日もどうしても補液が必要で、仕事の前に病院へ寄ってそのまま同伴出勤…これが最後のドライブになりました。
職場に着いて事務所までの道、ベッドごと彼を抱えて歩く私の腕の中で鼻をひくひくさせて
「ここはどこ?」
って顔をしていたのを覚えています。
最後の写真。見ているのはガラスに映った自分の姿。鏡を見るのが好きでした。ナルシスト王子w
翌日の月曜日の夜、11時過ぎまで体位をかえたり看病をして 私は自分のベッドの横ににゃおにゃおのベッドを置いて、布団から身を乗り出して彼を撫でながら、彼の手を握ったまま知らないうちに眠りに落ちました。
日付が変わってまもない 午前1時前。
にゃおにゃおが鳴いたので 目が覚めました。
起きて電気をつけて様子を見て間もなく、彼は 旅立ちました。
にゃおにゃおを亡くしてから私は 半年ほど文字通り泣き暮らしていました。
始めはにゃおにゃおがいなくなったことが悲しかった。
でも、冬が来る頃、わが家に猫がいないことが耐えられなくなってきて、翌春、ブックを保護施設から引き取りました。
ブックは今でもそうだけど、子供のような甘えん坊で 今度は私が愛情を与えてやらなければ…と思いました。
かつてにゃおにゃおが私にたくさんの愛をくれたように。
前の職場の仲間から 何回も話を聞いて何度も逆算して、おそらく彼は17歳。
私と一緒になってから10年でした。
高校生の時からうちには猫がいたけれど、家族で飼っていた猫とは違い、私が自分で全部責任をもって飼うと決めた 初めての猫でした。
私は にゃおにゃおを大切にしていたけれど、同時にとても頼りにしていた。
猫を頼るなんておかしな言い方かもしれませんが、本当に頼りにしていました。
仕事でくたくたになって帰ってきたときも、だま~って抱かれて癒してくれたし、大きな地震があった時も 揺れ始める一瞬前に起こしてくれた。
そういった具体的なこと以外にも、私は彼からホントにたくさん愛情をもらいました。
猫と、ここまでのきずながもてるなんて それまで知らなかった。
彼は私の中で、ものすごい存在でした。
亡くなった翌年、スイフトに乗換えてからずっと、キーケースにお守り代わりに写真が入っています
人との出会いでもありますよね。
同性異性問わず、恋愛感情とかではなく、直観というか本能で
「あ、この人大好きだ」
って思う相手。理屈じゃなくて。
実際私には、ほんの何人かだけどそんな友達がいます…
当時はよくわからなかったけど、にゃおにゃおはそういう相手だった…
多分、人と猫という種を超えて、魂が呼びあったのかも…と思う事すらありました。
そして、4年前に出会ったにゃんすけ。
彼とは初めて会った瞬間、「来た!」と思いました(笑)
相手がヒトであろうと他の生き物であろうと、直感を信じてその相手との関係を大切に。
にゃおにゃおに そんなことまで教えてもらった気がします。
大好きな私の王子様、にゃおにゃお。
いつか虹の橋のたもとで あなたにどうかまた会えますように…
10年の区切りに。
長文 読んでくださってありがとうございました。