排気量アップを行い
さらに完成度が増した、S2000。
クルマ好き、ホンダ好きとしては
今だ気になる1台であることに変わりない。
プレリュードやアコード・トルネオユーロRにも
同じ排気量の直4VTECが積まれていたが
(中身はまるっきり別物でしょうが)
このエンジン、私的に大好物なフィーリング(笑
その新型の試乗記事がwebCGに掲載されていた。
しかし、その中の1文に気になる言葉が…
「市場調査したところ、ATの需要がなかった…」
いや、ウソであろう。
絶対にそう思う。何をもって「市場調査」というのか?
今回の排気量アップ、これは間違いなく
「乗りやすさの向上」のためのものである。
スポーツカーで非常に重視されがちである
「スペック」を落としてまで、乗りやすさを重視したのは、
ホンダにとって英断であっただろう。
実際、サーキットで走れば新型のほうが速い事に間違いない。
しかし、だからこそ、「開口を広げる」という事は
このクルマにとって必然的な事ではなかっただろうか。
確かに以前のモデルはピーキーであったが、
それだからこそいい!っと感じるクルマ好きはたくさんいたはず。
今回、S2000の大きなアピールポイントであった
「9000回転リミット」という部分を捨てた以上、
ATの追加や内外装の一層のレベルアップを図って
さらにユーザーを開拓する、ラストチャンスだったと思うのだが…
確かに、NSXが現役を下りた現在、実質的なホンダスポーツのフラッグシップであるという
意地や誇りなどがあるのかもしれないが、ちょっと待てよと。
「このクルマはサーキットが本籍です」というのも、待てよと。
登場以来ずっと言われていた事であるが、
せっかくの「オープンカー」という価値を
ホンダ自らが潰してしまっているような気がするのである。
ホンダ開発陣としてのプライド、なのかもしれないが
それは勝手なエゴであるというくらいにしか感じられない。
色気よりも清潔感を重視する姿勢も、周りを見ればそろそろ恥ずかしくなってきてもいい頃では?
「そんなの、ホンダらしくない!」
と言われるかもしれないが、
だったら何で排気量アップなんかしたの?というところに話は戻る。
フィールも扱いやすさも速さも向上…けど、何かが足りない。
乗っていて十分満足だとしても、どこか引っかかる。
実際使う使わないは関係なしに、スポーツカーには
「独自性」や「非現実味」という要素が非常に大きい。
この2つを、今回のMCでS2000は失ってしまったように思わざるを得ない。
これで、いろんな人にも楽しめるSを造りました、と言われれば大いに納得であるけれども
さっきの話の通り、ターゲットや目指すところは以前と変わりなし。
ここに非常に矛盾を感じるのである。
ホンダスピリットがそれ(ターゲットユーザーを広げる事)を許さない、と言うのであれば
意地でも2.2Lで9000回転リミットのエンジンを造れよ!と率直に思う。
ホンダは今1度、「R」と「S」の違いを把握するべきではなかろうか?
Posted at 2006/01/08 10:46:50 | |
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