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アスロックのブログ一覧

2018年06月03日 イイね!

静浜基地航空祭2018 (5月20日)

一応プラモ以外も航空活動してますからね(^^;
5月20日、静岡県の焼津市にある航空自衛隊静浜基地にて航空祭が開催されました。
今年は静浜基地60周年、焼津市・大井川町合併10周年記念航空祭ということで行われた航空祭となったわけです。

まず最初にはじまったのは

F-15戦闘機の飛行展示です。
今年の航空祭は「異例づくめ」だったように思います。
航空祭が始まるのはだいたい9時ごろからで、9時になるとオープニングフライトとしてT-7練習機が飛び始めます。
ところが今年は開催そのものが10時からで、飛行展示1発目のF-15が10:40からと例年より1時間以上ずれてのスタートでした。
また例年開放される滑走路をはさんで反対側の南側歯今年は閉鎖されていました。
周辺の渋滞や苦情の関係でしょうか?



飛行展示を行ったのは第6航空団第306飛行隊のF-15J×2機です。
騒音に気を使われていたのか機動飛行は行われず、パワーを絞ったフライパスを3回行いました。
増槽を2本ぶら下げてノーマル形態と脚を出したダーティ形態でそれぞれ会場上空を通過していきました。
大パワーで爆音も相当なイメージのある戦闘機ですが、パワーを絞った静かなフライトも興味深いです。





続いて第1輸送航空隊第404飛行隊によるKC-767空中給油・輸送機による飛行展示です。
静浜では例年C-130輸送機がフライパスを行いますが、Kc-767は初参加ではないでしょうか。
空中給油デモはおこなわれませんでしたが、大型機ならではの迫力のあるフライパスが行われました。
旅客機を空港の展望台から見ることはあっても旅客機に相当する大型機を間近で見る機会なんてめったにありませんものね。




続いて偵察航空隊第501飛行隊のRF-4E偵察機×2機による飛行展示です。
残念ながらわずか1パスで終了となってしまいました。
偵察航空隊はRF-4Eの老朽化もあって近いうちに廃止になるとされていますので今のうちに偵察型ファントムの飛行展示をじっくりみたかったのですが・・・
何か理由でもあったんでしょうか。





続いてT-4練習機の飛行展示です。
実施したのは浜松基地の第1航空団第32教育飛行隊の2機。
こちらも派手な機動はありませんでしたが、2機の編隊を組みなおして速度や進入をかえるなどしたフライパスを行いました。




続いてF-2戦闘機の飛行展示です。
実施したのは岐阜基地の飛行開発実験団の1機で、やはり機動飛行は行われませんでしたが、時間帯的に騒音の規制は緩くなったのか(?)、結構な爆音を響かせてました(^^)
高速航過、低速航過と速度域をガラッとかえても安定した機体の挙動をみてとることができました。
それにしても青い機体に白くて巨大な増槽はインパクトありますね。






今回静浜基地航空祭の主役をかっさらったといっても過言ではないのが静岡県警航空隊の県警ヘリ「ふじ2号」の飛行展示です。
静岡県警は静浜基地に県警航空隊基地を隣接配置して「ふじ2号」「ふじ3号」の2機のヘリコプターを運用しています。
「ふじ」2号はAS365N3ドーファンという中型ヘリでパトロールや警備支援、災害時の救助活動、遭難者の救助などに用いられています。
急上昇や急降下、旋回などの機動性を存分に披露してくれました。






「ふじ2号」はテールローターがなくフェネストロンというファンがテールに設置されています。
そのため従来のヘリコプターのような「バタバタバタ」という低い叩音ではなく、「キューン」という比較的高くて軽い音がするのが特徴です。
それもあってか機動飛行では音も静かで非常に軽やかに感じました。
警察ヘリらしくサイレンを鳴らしながらの航過も行われました。
犯罪者たちよ、このヘリからは逃げられないぞ!




続いてT-7練習機による編隊飛行です。
第11飛行教育団のT-7初級練習機合計7機が参加しました。
本来静浜基地航空祭の主役であるはずなのですが、従来とは変則的だったためか例年2~3回あるT-7の飛行展示は今年は単機~4機での飛行展示もなく、この1回きりでした。
編隊を組むため次々離陸していくT-7練習機です。





7機による「矢じり」と「富士山」をかたちどった大編隊が頭上を通過していきます。
ガッチリ組んだ編隊はまさに見事です。
残念ながらこの2回の航過のみで着陸へとうつっていきました。



ラストはもちろん航空祭のトリをつとめるブルーインパルスです。
松島基地の第4航空団第11飛行隊のT-4×6機によるアクロバット飛行が行われました。
本来の開始時間よりも遅れての開始だったのですが・・・・周辺航空機の空域の関係かな?
最初の科目ファンブレイクは突然目前で4機による密集編隊は度肝を抜かれます。



ファンブレイクの後次の科目は5番機による4ポイントロール。
青空に白いスモークと機体が映えますね。
次はの科目は・・・次の科目に移る筈がなかなかはじまりません。
どうやら周辺空域のトラフィックの関係のようですね。







中断が5分・・・10分・・・ブルーパルスの展示飛行の時間は25分間なのでこれでおしまい?
と不安がよぎりましたが、きましたがようやく再開されました。
レター8や4シッピンバート、フェニックスロール、スター&クロスなどが行われました。
中断の関係もあってその分プログラムのいくつかがカットされてしまいましたが、抜けるような青空の下でのアクロは見事なぐらい美しかったです。




今年の静浜基地航空祭は60周年記念を謡いながらも諸般の事情で機動飛行が行われず、どうしても例年にくらべるとやや盛り上がりに欠ける展示になってしまった感はありました。
それでもプログラムの時間を工夫して間延びしないような工夫をしたり例年問題になってる渋滞や迷惑駐車対策を徹底的にやってるように思えましたし、基地側も可能な限りの準備をされてるように感じました。
航空祭は単に航空オタク向けのイベントではありません。
自衛隊の施設は大量の車両や航空機などが行き来しますし騒音も発生します。
その中で活動していく中では近隣住民の方々の理解が不可欠になります。
基地を開放して周辺住民の方々に見てもらって理解を深めていただいたり、自衛隊の活動に興味関心をもってもらい将来の自衛官になる若者への重要な広報の場です。
予算や機体のやりくり、騒音、周辺のイベントへの配慮などさまざまな制約があるなかで近隣の住民や遠方から来る人々に航空祭を見てもらうため大勢の隊員さんが尽力されてることを忘れてはいけませんね。
Posted at 2018/06/03 03:20:50 | コメント(4) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記
2018年03月04日 イイね!

平成29年度小牧基地オープンベース

なんか1ヶ月ぶりの更新ですね・・・
あ、とりあえず生きてますよ~。
ではちょっとした車ネタ。
レヴォーグちゃんの走行距離が5万5千kmを超えました。
このうち9割以上が通勤なのでなんとも複雑な気分ですね。


さて、昨日3月3日は愛知県の小牧市にある航空自衛隊小牧基地にて平成29年度のオープンベースが開催されました。
平たく言えば航空祭ですね。

小牧基地は名古屋飛行場と隣接していて、名古屋国際空港時代にはひっきりなしに旅客機や貨物機などが離着陸する関係でどうしても航空祭の飛行展示は制限されるものになってしまっていました。
国際空港がセントレアに移転して県営名古屋空港になった今はトラフィックもずいぶん緩和されたのですが、いろいろアレな事情で飛行展示は当時以上に制限されたものになっています。
それでも開催する小牧基地は可能な限り来場者を楽しんでもらいたいと努力されてたのはとても感じられました。
なんといってもこれ。



第1輸送航空隊のC-130H輸送機のなんと6機大編隊です。
輸送機が編隊を組んでデモフライトをするのは世界中のエアショーでもあるのでしょうけど、大型のC-130が6機で編隊を組むなんて世界でも珍しいのではないでしょうか。
全長29.8m、全幅40.4mの機体ですから頭上を航過する編隊は実に1辺が数百メートルにもなるわけです。


続いて救難教育隊のU-125A救難捜索機×2機と第1輸送航空隊のKC-767空中給油・輸送機×1機による異機種編隊です。
機体の大きさがまったく違う機体同士の編隊は見た目以上に難しいんでしょうね。
先頭のKC-767の大きさは48.5m、全幅47.6m。
両側を飛ぶU-125Aは全長15.6m、全幅15.7mと3回り以上の差があります。


着陸態勢に入るためにブレイクするU-125A救難捜索機です。
U-125AはビジネスジェットBae125をベースに救難捜索用の機器を搭載するなどして生まれた機体で、ジェット機の高速性能を生かして救難ヘリコプターよりも早く現場に到着して海や山岳などで救難者を捜索・発見して救難ヘリコプターを支援する航空機です。



続いてC-130H輸送機が脚を出したままの「ダーティ状態」で会場上空をフライパスします。
C-130Hはジェットエンジンでプロペラを回すターボプロップエンジンを4発搭載しています。
プロペラをジェットエンジンで回してるのですから4900馬力という大馬力を出すことが出来ます。
一方でKC-767ほどの高速は出せませんがエンジンの効率が良いので航続距離も長く、5トンの貨物を載せて4000kmほど飛べるそうです。


KC-767もダーティ状態でフライパス。
KC-767はその名前のとおりボーイング767という旅客機を空中給油・輸送機に改造したもので航空自衛隊とイタリア空軍しか保有していません。
航空自衛隊では4機が配備され平成22年度から本格運用が始められました。
米空軍ではこのKC-767を米空軍仕様にしたものをKC-46ペガサスという名前で採用することが決まり、運用が進められています。
航空自衛隊も空中給油機の追加調達が決定してKC-46が新たに配備されることになっています。



続いてカーゴドアをあけて会場上空を航過。
C-130は貨物を機体に積み込むときは機体後部のカーゴドアをあけてそこから詰め込みます。
このドアは地上での貨物の出し入れのほか、着陸できない場所に貨物を届けるため空中から投下したり空挺隊員の降下のためにドアを開閉することもあります。
重い貨物を車両やカーゴリフターに載せて機内に搭載するのですから、このカーゴドアはかなり丈夫なんでしょうね。



展示を終えたC-130Hが着陸しました。
航空自衛隊ではC-130H輸送機を16機調達して小牧基地の第1輸送航空隊に配備しています。
航空自衛隊が活動を行うにはさまざまな物資が必要不可欠で、修理や補給用の機材や部品などを各地の基地に届けています。
ある程度の不整地でも離着陸できることや航続距離の長さを活かしてイラク復興支援やアフリカのソマリア沖での対海賊対応など日本の国際貢献を支える物流の要として、また大規模災害時の救援物資の輸送をする縁の下の力持ちです。



続いてお隣の岐阜基地から飛行開発実験団のF-2A戦闘機が展示飛行に参加です。
アフターバーナを使った旋回などのフライバイを実施しました。



F-2がKC-767と空中給油デモです。
今回はデモンストレーションなので実際には給油口に給油ブームを差し込んではいませんが、実際にはKC-767の機体後部下にある給油ブームを伸ばして、F-2戦闘機の背中にある給油口に挿入して空中給油を行います。
この空中給油ブームは5台のテレビカメラがセットされていてコクピットから遠隔操縦で給油オペレータが給油ブームを操作します。
着陸することなく空中で給油を行うことで戦闘機などの行動範囲を広げたり滞空時間を大幅に延ばすことが可能になりました。




続いて陸上自衛隊第10飛行隊のOH-6観測ヘリコプター、海上保安庁中部空港航空基地のAW139「かみたか」がフライパスをしていきます。




続いて恒例となったCH-47J輸送ヘリコプターの消火放水デモです。
超大型の消火バケツに水をいれ、空中から放水を行うもので、森林火災などで威力を発揮しそうですね。
これだけ重量があってしかも機体から長く伸ばした場所に重量物があるのでかなりのモーメントが作用しますから操縦も相当の技術が求められるんでしょうね。
CH-47Jは陸上自衛隊では大型の輸送ヘリコプターとして配備されていますが、航空自衛隊では滑走路を持たない離島や山岳地帯にあるレーダーサイトなどへの物資輸送や災害派遣での物資輸送に活躍しています。



先ほど会場上空を航過していったC-130が着陸態勢にはいります。
これにて午前の飛行展示は終了です。


ここからは地上展示機をいくつか。

飛行開発実験団のF-15J戦闘機です。
近代改修が施された機体で、空気取り入れ口横にはIEWSのアンテナのフェアリングが目立ちますね。



第8航空団第6飛行隊のF-2A戦闘機です。
福岡県の築城基地に置かれている部隊ですが、ずいぶん遠くから地上展示にやってきたんですね。
先ほど飛行展示を行ったのもF-2Aですが機体の色が違うとがらっと雰囲気がかわります。



岐阜基地の飛行開発実験団のF-4EJです。
去年の岐阜基地航空祭で話題を独占したといっても過言ではない特別塗装機ですね。
濃緑色をベースに茶色・黒・黄緑色のデジタル迷彩に主翼前縁を黄色に塗るという非常に凝った塗装が施されています。
目の前で見ると完成度の高さに驚かされます。



海上自衛隊第3航空隊のP-1哨戒機です。
エンジンも含め国内開発された国産の哨戒機ですが非常にこだわりを感じる機体になっています。
パッとの見た目は中型旅客機にいくつものアンテナをつけたように見えますが、よくみるとエンジンの空気取り入れ口が真円ではなく上下につぶれた楕円状になっています。
このエンジンは国内開発されたF7というエンジンで、旅客機などに比べると比較的低空を長時間、比較的低速で飛ぶというかなり特殊な飛行をする対潜哨戒機のためには大パワーの大型エンジンでは燃費が悪く、米国や欧州にもちょうどよいエンジンはありません。
そこで日本が独自に開発したわけです。
日本のお家事情もあって低騒音で、P-3Cに比べるとかなり静かなんだそうですよ。
機体は電子機器の干渉を防ぐために電線ではなく光ファイバーで操縦装置と舵などをつなぐフライバイライトという技術を使っています。



こちらは救難教育隊のUH-60J救難ヘリコプター。
今回は救難展示がなく、救難教育隊はU-125Aの航過のみの展示で非常に寂しかったですが、いろいろ事情もあるのでしょうね。
来年は期待したいです。



こちらは破壊機救難消防車。
最近新型の破壊機救難消防車があちこちの基地で配備されていますね。
この車両はローゼンバウワー社製のものです。
このほか消防からは全地形対応車レッドサラマンダーが展示されていました。



さて午後の飛行展示です。
離陸していくKC-767空中給油・輸送機ですね。
もともとが大型の旅客機なので機内のサイズや航続距離も大きく30トンの貨物を搭載して7200kmの航続距離があるそうです。
空中給油機とはいえ、機体の胴体全部が燃料タンクというわけではなく(さすがに重くて飛べまへんがな)、下部に燃料タンク、上部は貨物室になっています。
貨物室には物資や人員をのせることができて、人員なら200人ぐらい乗せられるそうです。



KC-767とC-130Hの空中給油デモです。
こうしてみるとC-130のほうがひとまわり小柄なんですね。
大型機どうしの空中給油デモがみられるのはここ小牧だけです。




3機で会場上空を航過していくC-130H輸送機。
以上で飛行展示は終わりです。

本来ならブルーインパルスの飛行展示も計画されていたと思います。
ところがどっかのアレな団体がいちゃもんをつけたり、春日井市はたびたびブルーインパルスの展示飛行に中止を求めたりしてました。
その結果、来場者は昨年の6万数千人から今年は1万人に激減しました。
地元の商工会や地元をアピールしようとがんばってる人たちのブースもあちこちで閑古鳥でした。
さぞ落胆されたと思います。
これがお望みなんですよね?
Posted at 2018/03/04 16:37:26 | コメント(4) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記
2017年12月03日 イイね!

浜松基地T-400型練習機展示

なんだかずいぶん久しぶりになってしまいました・・・
今年は厄年ということもあって妙に体調が悪く、本当なら11月のはじめに伊勢神宮へ参拝+明野駐屯地航空祭見学というのを考えていたのですが、見事に風邪を引いてしまってキャンセル。
その後もたびたび風を引いたり直ったりの繰り返しで、医療機関への受診が11月だけで10回を超えました(苦笑)
このうち半分は眼圧測定や胃薬などを処方してもらう通院ですが、それにしたって11月は多かった。


さて、南のほうでは新田原基地で航空祭前日となる12月3日、浜松基地ではちょっとしたイベントが開催されていました。


T-400ジェット練習機のデモフライト&地上展示です。



現在T-400を運用しているのは第3輸送航空隊隷下の第41教育飛行隊で、島根県の美保基地(米子鬼太郎空港に隣接)におかれていますが、近い将来ここ浜松基地に移動してくることがきまっています。
航空自衛隊の教育は新隊員教育や航空機整備や電子機器の取り扱い、武器取り扱い、航空機の操縦、幹部教育などをする部隊や学校は航空教育集団という組織の中にあるのですが、なぜか小牧基地の救難教育隊と美保基地の第41教育飛行隊はその組織とは別の組織にあるわけです。
この第41教育飛行隊を航空教育集団に入れることで教育の一本化を図るのが目的なのですが、浜松基地に移動になったことを考えると美保基地が手狭になってきたこともあるんでしょうな。



一緒に地上展示されたT-4練習機。
ビジネスジェットがベースのT-400と比べるといかにも「軍用機」という感じがしますね。
浜松基地にT-4が配備されたのは昭和63年ですから既に30年。
まさにT-4とともに歩んできた浜松って感じですね。
T-400の大きさは全長14.8m、全幅13.3m、自重4.6トン。
T-4は全長13m、全幅9.9m、自重3.7トンなので機体の規模としてはだいたい同じぐらいでしょうか。




地上展示を終え、飛行展示に向けて駐機場所を移動するT-400。
タグ(トーイングカー)にひっぱられています。
来場者のほうに機首を向けているとエンジンをかけたときに吸い込まれてしまう恐れもあるので危険ですものね。
胴体に窓が4つ見えますが操縦席に2人、キャビンに4人乗ることが出来ます。




エンジンをスタートさせ、飛行前の最終点検をしています。
T-400は自衛隊装備年鑑には「輸送機・救難機等基本操縦練習機T-400」というえらい長い名前がつけられています。
その名前のとおりそのまんまですが、輸送機や救難捜索機などの基本操縦の練習を行う飛行機です。
航空自衛隊の戦闘機は単座または複座ですが前席は1人が座って操縦します。
輸送機や救難機、早期警戒機は操縦士と副操縦士が並んで座って操縦します。
同じ飛行機といっても戦闘機は操縦桿、輸送機などは操縦輪ですし、戦闘機は操縦席がむき出しで周囲が全部キャノピーとよばれる窓ガラス(樹脂ですが)でおおわれていますが、輸送機などは窓ガラスは前と横のみで操縦席は機体の中にあるなど結構違うわけです。
そこで戦闘機と同じ操縦教育をやるとどうしても不都合がでてきちゃうわけです。
昔は航空自衛隊の輸送機などの基本操縦は対潜哨戒機など大型機をたくさん運用している海上自衛隊に委託してたのですが、このT-400を導入することで航空自衛隊が自前で基本操縦教育が出来るようになったわけです。
さあ点検が終わりランウエイに向かってT-400がタキシングしていきます。




離陸するT-400。
こうしてみると見た目は完全にプライベートジェット機ですが、実はそうなんです。
機体にいくつものアンテナがありますがGPSや航法システム、通信アンテナなどが設置されてはいますが基本的にプライベートジェット機そのままです。
米国のレイセオンエアクラフト社のビーチジェット400Aというプライベートジェットの機体を練習機仕様にしたもので、米空軍ではT-1ジェイホークという名前で使用されています。
最大速度は真っ赤0.78(870km/h程度)、航続距離は3000kmとなかなかのもので、推力1.3トンのターボファンエンジンを2つ搭載しています。
飛行中は本当に静かなんですよ。




こちらは第1航空団第32教育飛行隊のT-4中等練習機。
T-400に続いて離陸していきます。
T-400と比べてパワーがあるからなのかT-4はT-400よりもずいぶん手前の位置で脚が地面から離れていきます。
同じぐらいの規模の飛行機ですが離陸一つとってもずいぶん違いますね。



上空をフライパスするT-400。
高度が比較的あったとはいえ、静かそのもの。
移動してくることで騒音に苦しめられるのではないかなど不安に感じる住民もいると思いますが、実際に飛ばしてみてもらうことで理解を深めてもらうことは大切ですものね。



同じくフライパスを行うT-4。
航空祭のときのように機動飛行を行うのではなくあくまでもT-400と同じように飛んで、騒音などの不安はいかがでしょうか?という感じでした。
T-4そのものも機体が小柄で戦闘機のような大パワーなエンジンを搭載しているわけではないので上空通過しているときは結構静かだったりします。






脚を出した状態で比較的低い高度でフライパス。
この状態でもやはり静かですね。
T-400は米国のレイセオン社製と書きましたが、実は開発は日本が行っているんです。
もともとは三菱のMU-300ダイヤモンドというビジネスジェットだったわけです。
非常に優秀で性能もよく、低燃費で乗り心地も良い。
さあいよいよ売り出そうというときになって米国で連邦航空局がその前に起きた大型旅客機の事故の関係で航空審査が遅れに遅れ、しかも悪いことにその間に不況になったことで米国では航空機需要が一気に冷え込んでしまい、大赤字の三菱は・・・
続きのほうはもう疫病神でもいるんじゃないかというぐらいあまりにあんまりな不憫さなので、ぐぐって調べてみてください。
たぶん泣きます。
結局なんやかんやで三菱の手を離れてしばらくするとこの機体に米空軍が目をつけ、T-1ジェイホークの名で練習機として採用するなどして売り上げがどんどん伸び、航空自衛隊も「米国製」のホーカー400をT-400として導入することになったわけです。
MU-300の名前で、国産機として導入してもらいたかったというファンは多いはず・・・・・


こちらはT-4。
T-400が艶のある白に塗られているのに対しT-4は機体が灰色ですね。
T-4は戦闘機の基本操縦教育としても用いられるので機体は灰色、ただし垂直尾翼や主翼などの先端は視認性のよいオレンヂ色に塗られています。
機体に比べ比較的大きなエンジンを背中に背負っているT-400と比べるとT-4は胴体の後部に見える小型のノズルの大きさからそれほどパワーがないように感じますが、T-4が搭載する国産のF3エンジンは約1.7トンの推力があります。
機体の自重が3.7トンに対して、2つのエンジンで3.4トン近い推力ですから結構パワフルだったりします。



続いてタッチアンドゴーをおこない、滑走路右手側からフライパス。




飛行展示を終え着陸するT-400。
着陸もやはり静かですね。
日の丸がついていなければ自衛隊機だと気がつかない人も多いんじゃないでしょうか。
T-400が配備されたのは平成6年度で、まだ数がそろっていないときに運用の研究などを行う準備部隊の臨時第41教育飛行隊が美保基地の第3個輸送航空隊隷下に編成されました。
翌年平成7年に臨時第41教育飛行隊が廃止され、第41教育飛行隊として編成されて現在に至ります。





T-4もタッチアンドゴーをおこない、再度アプローチして着陸を行いました。
後輪が接地後、しばらくのあいだ機首をあげたまま滑走していきましたがこのパイロットは元F-15のパイロットなのかな?
こうして着陸の様子の違いなどを比較できるのも浜松ならではですね。




飛行展示を終え、地上展示のためふたたび広報館前のエプロンにもどってきたT-400です。
このデモフライトは14日にも行われるようで、騒音などに不安を感じる住民の方々に理解をしてもらえる試みとして意義のあるものだったんじゃないでしょうか。

ちなみに・・・・
この展示が行われているとき、基地の外では怪しい団体がデモやってましたよ。
すご~くさびしい人数でしたが(笑)


以上、T-400展示でした。


Posted at 2017/12/03 03:06:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記
2017年10月14日 イイね!

エアフェスタハママツ2017予行

明日10月15日はまちにまった浜松基地航空祭!
その前日となる今日14日は予行練習です。

エアフェスタハママツでは前日の予行を障害者手帳、養育手帳をもってる方々を対象に特別公開行事として飛行展示の一部(ブルーインパルス)や地上展示を事前公開しています。
とてもいいことですね。

この予行練習のフライトでは浜松基地に隣接する浜松広報館から見ることが出来ます。
航空祭会場は北側、広報館は南側なのでちょうど反対側になりますが、航空祭でみられない反対側から見ることが出来ます。


さて予行訓練スタートです。

4機の編隊を組んだ状態で離陸していきます。
その後


離陸した4機はそのまま脚を出した状態で旋回。
ダイヤモンドテイクオフ&ダーティターンです。




ブルーインパルスが飛ぶ直前になって小雨が降ってきました。
離陸してからは奇跡的にその小雨も落ち着いてきました。
もしかして・・・最後までいけるか?
そんな願いがわいてきます。
そうこういってるあいだに5番機6番機が低角度/高角度に分けて同時に離陸するローアングルテイクオフ&ロールオンテイクオフです。
離陸角度が違うとこんなに見た目も飛び方も違うんだなと面白い科目ですね。



会場側とは反対側なのでわかりづらいですが、4機の密集編隊、ファンブレイクです。
ちょうど会場を通過したときに写した1枚ですが、翼と翼の感覚が本当に狭い!




トレイル編隊で進入して、そこで編隊を大きなデルタ隊形に組みなおして、さらにそこから密集編隊になる編隊の組み換える技術を堪能できるチェンジオーバーターン。
でもなぜか最初のトレイル→デルタになるところがメインに見えてしまう科目でもあります。



小雨もときどき降ってくる中でまさかやってくれるとは思ってもいませんでした。
レインフォールです。
編隊のまま上昇し、下を向いたときにスモークON、大きく開く科目です。
小雨の中でレインフォール(雨降り)とな?(^^)
ほぼ真横から見るとこんな感じに見えるんですね。



ゆっくりと機体を回転させながら5番機が通過。
スローロールです。





チェンジオーバーループ(だっけかな?)
4機で大きな宙返り。
このとき雨が。




しばらく中断かと思いきや雨もだんだん強めになりつつあったためか、展示飛行中止に。
着陸態勢に入っていきました。
う~ん残念!

でも久居sぶりにブルーインパルスを見ることが出来て満足なのです。
Posted at 2017/10/14 23:03:39 | コメント(1) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記
2017年09月24日 イイね!

浜松広報館「基地防空用地対空誘導弾等展示」

プラモ以外では久しぶりのUP・・・かの?

ようやくあのうっとおしい暑い毎日にも限りが出てきて、気温も落ち着いてきつつあります。
熱中症の恐れがあってどこにもいけず、仕事と買い物と医者以外ほとんど半分引きこもり状態だったのですが、ここにきてようやくほそぼそと徘徊してます。

それはさておき
9月23日、24日には浜松広報館で「基地防空用地対空誘導弾等展示」がおこなわれました。
航空自衛隊は高射部隊に地対空誘導弾ペトリオットを配備して、拠点防空を行っていますが、航空自衛隊の基地やレーダー基地などの施設を守るための装備ももっています。
自衛隊の戦闘機やペトリオットをすりぬけて自衛隊施設に攻撃をしかけてくる航空機や巡航ミサイルを迎え撃つためです。



こちらはおなじみ81式短距離地対空誘導弾。
いわゆる「短SAM」とよばれるものです。
発射機2基と射撃統制装置1基、ミサイル8発で構成されたシステムで、陸上自衛隊の高射特科部隊が用いていたものとほぼ同じものです。
この車両は発射機で、大型トラックに4連装の発射機を搭載しています。
手前のものは照準装置で、このように離して使うことが出来ます。



こちらは81式短SAMの射撃統制装置。
目標を捕捉してミサイルの射撃統制をする車両で、ここに操作要員が座り、ミサイルの射撃を行います。
81式短SAMはミサイルの誘導を赤外線で行います。
飛行機や巡航ミサイルはエンジンを搭載してるのでそこから赤外線が放出されます。
これを感知して目標に命中するわけです。
81式短SAMは昭和56年に制式化され、陸上自衛隊では昭和57年から配備が始まり、航空自衛隊では基地防空用として昭和58年度から配備がはじまりました。





こちらは対空機関砲VADS-1改。
VADSはヴァルカンエアディフェンスシステムの略で「ヴァッズ」と読むようです。
その名前のとおり、バルカン砲で防空を行うもので、F-15などに搭載されてる20ミリ機関砲(いわゆるヴァルカン砲)をレーダ照準装置と連動させた対空機関砲です。
機関砲の右側に丸いものがみえますがこれはTVカメラで、追尾射撃を行うためのものです。
射撃は測距レーダとリードコンピューティングサイトを用いてコンピュータ制御で行われますが、射手の練度によって命中精度は結構違うそうです。



おいしくなーれ、萌え萌えきゅん♪
・・・・じゃなくて、こちらはVADS1改用の20ミリ砲弾です。
直径が20ミリですから1発1発がかなりの大きさだとわかります。
戦闘機用の機関砲を流用してるので、その発射速度はすさまじく、1分間に3000発というすさまじい速さで砲弾を打ち出します。
その音は「ヴぉおおおおお」と、牛のオナラのようだとも。
ちなみに射撃訓練は青森の六ヶ所村にある六ヶ所対空射撃場にもっていって行うそうです。




この写真を見て、ドラえもんのスネ夫が頭に浮かんだら、子供の頃コ●コ●コミックでスネ髪コーナーを見て笑った人に間違いない。
それはさておきこちらは基地防空用地対空誘導弾です。
81式短SAMの後継で、陸上自衛隊では11式短距離地対空誘導弾として大型トラックに搭載されたものが配備されています。
この車両は発射機で、背中に乗せられているのがミサイルの発射チューブです。
81式短SAMが赤外線誘導でしたが、この基地防空用地対空誘導弾はミサイル本体からレーダー波を出して目標を捕らえて追尾していくものです。



こちらは基地防空用地対空誘導弾の射撃統制装置で役割は81式短SAMの射撃統制装置とおなじです。
もちろん81式短SAMよりも高性能化していますが、発射機や射撃統制装置同士のデータリンクなどができるようになりました。
基地防空用地対空誘導弾は基地内に1つの指揮統制装置をおき、そこに2つの射撃統制装置を接続し、その射撃統制装置にそれぞれ2基の発射機が接続できます。
1つの指揮統制装置で4基の発射機がつながることで、より効果的な射撃が可能になりました。


以上、基地防空用地対空誘導弾等展示」でした。


毎度のことながら装備年鑑にでてきそうな写真ばかりですな(^^;


Posted at 2017/09/24 22:59:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記

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