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2015年07月24日

メルセデスG350ブルーテック試乗記 in 台北w

メルセデスG350ブルーテック試乗記 in 台北w アンタ、台湾で一体ナニしてんの?というツッコミが入りそうですが、、、A^_^;)

弟が「念願だった」というクルマを買ったというのと、兄貴であるボクに是非試乗して欲しいと云うもんだから、今回の訪問を機にちょっとまとまって乗らせて貰いました。

その念願の愛車というのがタイトルの通りで、メルセデスG350ブルーテック。当然のことながら台湾向け仕様の左ハンドルです、、、って、台湾は日本とは逆の右側通行ですけどね(^^;)。

空港まで迎えに来てもらって弟のマンションで荷物を降ろし、出産直後のお嫁さんを見舞ったりと諸々の用事を済ませた後、毎年恒例の重要イベントをこなすために淡水方面に向かうんですが、ここでキーを渡されて「じゃぁおにーちゃん、あとはヨロシク」ということになりました(^_^;)。

ということで試乗コースは台北の市内を出発して淡水方面に向かって2号線を北上。淡水を過ぎて海岸線を通りとある漁港で夕食を頂き、101号線とおぼしき峠道を通って台北市内に戻ってくるというルート。

ちなみに本題からは脱線しますが、毎年訪れているとは云え年に一度、しかも現地でクルマを運転する機会も滅多にないであろう日本人の兄にキーを渡して「運転ヨロシク」と気軽に頼む弟と、それを「ハイょ」と受け取って平気で運転しちゃう兄貴という、ここまでの展開を読んで「こいつらマジか?」と驚かれた人は、それなりに台湾通と言えるでしょうね(^_^;)。
モータリゼーションが急速に発達する過程の新興国の交通事情は、実際に訪れてそれを目の当たりにしないと日本人にはなかなか理解出来ない恐い世界だったりします。そういう意味では台湾はここ20年で随分と"まとも"になったと実感していますが、それでも事情を知らない日本人が初めて体験すれば"無法地帯"と感じる十分なレベルと言えるでしょう。
数年前まではネット上で「今度台湾に行くんだけど、現地でレンタカーを借りるのにはどうしたら?」なんて無邪気な質問を上げると「向こうでクルマを運転するなんて自殺行為だから止めろ!」なーんて親切wな回答が書き込まれたくらいですからね(^_^;)。

そんな事情に加えて通行帯は日本とは左右が逆。クルマは左ハンドルで当然のことながら初めて乗る不慣れなクルマです。事情に詳しい人がこのブログを読んだら「さぞや恐い思いをした」って内容を想像して「馬鹿なヤツら(兄弟)」と思うのでしょうが、どっこい実はボク、そんな台北市内を平気で運転できたりしちゃいます(~_^;)。台北が長い弟も当然日常的に運転はしますが、ヤツはボクほどに運転が好きでは無いことと、ボクが普通にアッチでもクルマを転がせるとこを知っているので、彼は隙あらば「おにいちゃん、運転して♪」とお願いしてきます(苦笑)。

まぁここいら辺の事情は長くなるのでこのくらいにして、本題に戻りましょう(^_^;)。


メルセデスのG350。ブルーテックを積む2013年モデルだそうで、3.0LのV6ディーゼルターボは211psの最高出力、550Nmの最大トルクを発揮し、7速ATという仕様です。車重は2.5tくらいあるようですが、ドイツ語でオフローダーを意味する、「ゲレンデヴァーゲン」(Geländewagen )の頭文字であるGを冠する本格派です。昨今人気のSUVと称される「なんちゃってオフローダー」とは一線を画するってクルマですが、初代モデルが1979年(?)で基本的な作りは変らず現在に至っていますから、設計自体は相当に古いクルマとも言えます。

ところが2013年モデルってこともあってか、コックピット周りは最新のメルセデスモデルと基本デザインを共通とする近代的な仕様になっていて、古ーい外観と最新のインテリアが織り成す雰囲気はちょっと独特です。ボクには違和感75%(笑)って感じですが、あくまで印象の上での話であって、何かがダメってワケではありません。

キーを受け取って駐車場から出そうと先ずドライビングポジションを合わせますが、クルマがクルマなのでダイニングの椅子に腰掛けるようなアップライトな姿勢となるのは当然ながら、最初は「足元のペダルが近く、ハンドルが遠い」印象となります。最初の違和感は「フットレストが無い」こと(苦笑)。左足は床にピタッと置く感じなんですね。これには戸惑いました(^_^;)。
で、手と足、両者の妥協点をなんとか見つけて走り出して暫らくは微妙な違和感があったんですが、少しすると意外にスッと馴染んでしまったので、これは単なる「普段の愛車と違うポジション」であることから生じた違和感だったみたいで、基本的なドライビングポジションは良好ということですね(^_^;)。

オーナーの弟曰く「ハンドルが重い、切れない、乗り難い」ってことで、じゃぁオマエなんでコレを買ったの?と苦笑混じりのツッコミを入れたくなりますが、オーナーの印象を念頭に駐車場から車を出そうとして、先ず「ハンドルが切れない」の意味を痛いほど味わう事になります(^_^;)。

昨今のクルマはステアリングギヤ比が結構速くなってますから、それを常識と思ってGクラスを運転すると、そのスローさにまず戸惑います。ハンドルを一生懸命切っていっても、一向にフロントタイヤの向きが変ってくれません(^-^;)。
これは道路を走り始めても全く同じで、普通だったら拳一個分も切れば済む程度の進路変更でも、軽く45度前後はハンドルを切ってやらないとクルマが反応してくれません(^_^;)。
更に加えて、この拳一個から一個半くらいの「不感帯」とも云うようなハンドルの遊び部分にシッカリと慣れてやらないと、ハンドル操作が遅れがちになって下手をするとカーブを曲がりきれません。

高速道路の乗り入れても、左右合計で拳二個分はあるこの「不感帯」の範囲内でハンドルを操作している限りは、何かこう"手応えがポワンポワンしていてクルマの動きは極めて鷹揚"と、所謂最新の乗用車とは相当に趣の異なった乗り味と言えます。

実はこの不感帯の存在が、Gクラスが本格オフローダーである証なのですが、道無き道を行くのが趣味や仕事でもない限りは、これの価値を理解するのは難しいかもしれません(^_^;)。

本当の厳しい不整地などを走る場合、突起や穴などの外乱を操舵輪であるフロントタイヤに受けた際の"キックバック"がステアリングにダイレクトに返ってしまえば、状況次第ではドライバーは手首を捻挫する危険すらあります。そういった外乱はステアリングを通してドライバーに適度に伝える必要がある一方、そのキックバックはどこかに逃がしてドライバーの負担を軽減する必要がどうしても出てきます。Gクラスのこの拳二個分にもなる遊び(←コレ、誤解を生みかねない表現ですが)は、恐らくそういった意図で設けられているものでしょう。

オフロード走行なんかに全く興味の無いボクには最初、相当に違和感がありましたけどね(^_^;)。

ところがそこは天下のメルセデス。ステアリングを切っていってこの不感帯を通り過ぎた後、手応えを感じ始めた辺りからの操舵に対するクルマの反応は、意外や素直である上に極めて正確です。いやコレはマジにビックリで、センター付近がポワンポワンwしていて全くもって"反応が鈍い!"もんだから、ハンドルをどこまで切って行っても同じように鈍いもんだ勝手に想像していたのですが、ものの見事に裏切られました。最終的には外灯もまばらな結構タイトな峠道まで走らされましたが(苦笑)、背が高い割に意外にロールはあまり気にならず、ハンドルの舵角90度以上になっても操作に対する反応の遅れみたいなものはありません。

とにかくハンドルの切り始めの反応が非常に鈍い事、合わせてハンドルを沢山切らないと曲らないというステアリングギヤ比の遅さ、この二点さえちゃんと押さえてそれに合った運転操作が出来れば、オンロードも意外にイケちゃうクルマというか、「本格オフローダーだからこういう道はXXだよねぇ」というエクスキューズが非常に少ないクルマという印象ですね。勿論、スポーツカーのように走れるワケじゃないですよ(苦笑)。背が高くて重たいオフローダーであるという点はどうにもなりませんが、「XX故にXXがダメ」という部分が本当に少なくて、「XXなりにシッカリと走れる」感じは、流石はメルセデスってところでしょうか。伊達に長寿なクルマじゃないぞ、ということです。

エンジンは最新世代よりひとつ古いブルーテックらしいのですが、流石に550Nmの最大トルクを1600rpm付近から発生する力持ちなので、動力性能に不満は全くありません。アクセル操作に対する反応も非常に素直で7速ATの振る舞いにも特段、気になる点は見受けられず。レッドゾーンは4300rpm付近と(ディーゼルだし)高回転まで回るエンジンではありませんが、極低速からいつでもどこでも踏んだだけ前に出るドライバビリティは非常に扱い易かったです。
意外、というとメルセデスに失礼かもしれませんが、少なくともドライバーズシートに届くエンジンノイズに例のディーゼル特有の「カラカラ音」が全く無くて、当初は「これは本当にディーゼルなのか?」と思ったほど。これに比べちゃうとマツダのSKYACTIV-Dの方がよほどディーゼルである点を意識させられます。

乗り心地はまぁ固めというか、フワフワした感じは皆無。クルマの動き自体が鷹揚なものの、足回りにはある種の締りが確かにあって、一般道、高速道から畑違いのタイトなワインディングまで走ったものの、ケチを付けたくなる様なネガはありませんでした。

そして何よりも感心したのがブレーキ。踏み始めというか、ブレーキペダルに触るような辺りから踏力に応じて本当にリニアに減速Gが立ち上がっていく上に、非常にコントロールがし易いです。ペダルを踏んでいってどこからか急に減速Gが高まるとか、踏んだなりの制動力が出てくれないといった不安定さも皆無。これはとっても羨ましいポイントでした(^_^;)。

結局3~4時間くらいは運転させて貰いましたが、ステアリング操作の慣れに当初は時間を要したものの、一旦慣れてしまえば極めて普通に転がせて、気になるところはほとんど無しという印象です。で、思ったのが「このクルマは本格派なのだ」という点。確かに走った市街地も高速道路も峠道も、このクルマの本来の姿からすれば"畑違い"のシチュエーションばかりです。しかしこのG350というクルマは、そんな

様々なシチュエーションを過不足無く使えるように仕立てたクルマ

というワケでは無く、まったく逆に

オフローダーとしての性能を極めたが故に、クルマとしての優れた性能が様々なシチュエーションでもそこそこにこなしてしまう

という、そんなクルマなのかな?という印象を持ちました。

結局クルマって、タイヤが四つあってハンドルとアクセルとブレーキで操作する乗り物ってことは、スーパーカーから本格オフローダーまで変りません。一方で、どんなに尖がったクルマに仕立てようにも一般公道を走るという前提は覆す事は出来ないので、各社その部分だけは押さえた上で、それぞれのカテゴリーに合った性格(特性)と水準(レベル)を定めてクルマ作りをするものです。

で、事が「走る」という点に於いて一芸に秀でたクルマって、やはりその基礎となる基本性能(走る・曲る・止まる)がシッカリしているんでしょうね。ドライバーがクルマの特性を掴みきれていない場合は、思い通りにならないある種の扱い難さを感じたりしますが、それって所詮はそのドライバーの常識とクルマの特性にズレが生じている故のこと。そのギャップが埋まってさえしまえば、優秀なクルマは畑違いのシチュエーションでも、やはり優れているってことをドライバーに見せ付けてくれます。

今回、ボクの趣味趣向とは対極にあるG350を運転して、やっぱり良いモノは良い、という事を改めて実感させて貰いました。逆にダメなモノは、一見優れているように思えてもやっぱりダメなんでしょうけど(苦笑)。

ボクと同じようにクルマは好きだけど、ボクの趣味とは相当に異なる弟のクルマ選びでしたが、今回は「良い買い物をした」んじゃないかと素直に思いましたとさ(^_^)b。

以上、おしまい。
ブログ一覧 | クルマ選び | 日記
Posted at 2015/07/25 01:17:43

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この記事へのコメント

2015年7月25日 10:32
台湾うらやましいです。
高速では路側帯を追い越し車線扱いする車がいませんか?(笑)
自分は運転が好きでも中国語が苦手で事故が怖いうえにタクシーが安いのでついそっちを使ってしまいます。
タクシーの運転も大概ですけどねwww
コメントへの返答
2015年7月26日 13:19
まぁウチにとっては毎年の事なので(^_^;)。
高速に限らず、日本じゃ考えられないことが日常的に起こるのが台湾の交通事情です(笑)。その程度の事で驚いていたら、台北でハンドルは握れない(爆)。
仰る通りタクシーが安くて沢山走っているので、短期滞在であればそっちの方が賢いでしょう。というか、日本人は台湾で運転しようなどと考えてはイケない…ってボクが言うな?w

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