• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

ek-10stとやまのブログ一覧

2022年12月31日 イイね!

ダートラCII マシンライバル対決試乗 EP71ターボvsマーチスーパーターボ PD1989.6

PD 1989.6

ダートラCII マシンライバル対決試乗
EP71ターボvs マーチスーパーターボ

◾新設されたCII クラスは、いままでのクラス区分のなかに使えるクルマがない。
マシン製作は手探りの状態だ。そこで早々と登場した小林且雄EP71Tと土方重昭
マーチSTを徹底チェックし、両車の可能性を探ってみた。


東名自動車マーチスーパーターボ

●ラリーのBクラスはマーチRの出現で、あっというまにワンメークに近い状況に
なってしまっている。ダートラでは排気量区分がラリーとは違うため、EP71ターボ
とういう強敵がいるものの、AII クラスでは勢力を2分している。今後CII クラスでも
EP71ターボとマーチの勝負が見ものになると思われる。C地区第2戦でデビューした
土方重昭選手のCII 仕様マーチスーパーターボは、おそらく全国でも初めてデビュー
したマシンだろう。
 CクラスはFIAもしくはJAFの車両公認が必要なため、このクラスに出場するには
マーチRではだめで、FIAの公認があるマーチスーパーターボをベースとしなければ
ならない。
 今回のマーチの仕様は、まだパーツがそろっていないということと、土方選手が
FFに慣れていないという2つの理由から、かなりA車両に近いチューニングとなって
いる。唯一目立つ点といえば、FIA公認のアルミロールケージくらいのものだ。
その他のチューニングポイントを土方選手に聞いてみると
「とりあえず基本となるボディをしっかり作っておこうということで、ボディ補強
は海外ラリーに近い仕様にしてあります。エンジンは現在のところ150PS程度。
180PSくらいまでチューンできるようですが、それはドライバーがクルマに慣れて
サスペンションのセッティングが完了してから、と思っています」というところだ。

◆小林且雄のマーチSTインプレッション◆
 とにかく軽さがいいよね。ぼくのクルマに比べるとむちゃくちゃ軽い感じがする。
マーチスーパーターボは排気量が930ccで、ターボ係数を掛けても1600cc以下の
クラスに入るから、最低重量制限が750kgになる。つまり、ぼくのEP71と単純に
140kgも違うわけだよね。
 A車で走っているマーチRがノーマルで740kgだから、ほとんどA車と同じ感覚に
なるかな。ノーマルのクルマに乗ったことがないから、よくわからないところも
あるけど操縦性はとても素直だし、A車のいいところを残しているよね。
 ただし、ちょっと気になったのが、トランクションのなさだね。今のところあまり
パワーが出ていないし、今日は特にエンジンのセッティングがいまいちだったから
パワーもノーマルとほとんど変わらないくらいでしょう。このくらいだったら
バランスも悪くないから、とても楽に乗れるだけど、今後、パワーを上げていった
ときに、ちゃんとパワーが路面に伝わってくれるかどうかが、チューニングの
ポイントになるんじゃないの。やっぱりボディが50PS程度の設定で作られている
から100PS以上のパワーを受けられるだけの容量がないみたいだ。ぼくのEPでも
トランクションということにかなり苦労しているからマーチはもっと大変なんじゃ
ないかな。
 でも低速域をスーパーチャージャーで過給しているから、上のパワーを上げて
いった場合でもレスポンスが落ちないのがいいよね。日産では今後グループAの
ラリー用パーツをかなり出す予定らしいからそれが出たときは怖い存在になるね。
ただしチューニングは、スーパーチャージャーとターボチャージャーをダートラに
会わせてどう使いこなすかが難しいだろうね。あまりターボを大きくしてしまうと
下のほうでパワーが出なくなって、スーパーチャージャーを使う回転域が多くなって
しまうから、中速トルクが落ち込むんじゃないかな。いろいろとついているのは
便利だけれども、チューニングしていくには頭を悩ますエンジンだよね。
 サスペンションは、現状ではソフトなほうの強化ブッシュに替え、ショック
アブソーバーとスプリングはラリー用のままだから可もなく不可もない。軽いボディ
重量も手伝ってレスポンスはいいよね。ただしリヤのリジットアクスルを支えている
ロッドの取り付けがあまり良くないせいか、リヤの落ち着きが少し悪い。S字なんか
でもスーッときれいに流れずに、3回くらい修正を繰り返す感じがあるんだね。土方
選手に聞いたら、今後はアッパーリンクをもっと長いものに替えて、ロールセンター
も変更するということだからだいぶ良くなるんじゃないかな。
 ミッションはマーチRのノーマルミッションでレシオもそんなに悪くないし、容量
も1600ccのサニーと同じものらしいから、特に問題は出ないだろうね。ただ、LSD
は、ビスカスタイプしか設定がない。ラリーではビスカスタイプのほうが扱いやすく
てタイムが出るかも知れないけど、ダートラみたいにコースが初めからわかっている
ところでは、メカニカルタイプのほうがいいみたい。特にアクセルを思い切り
開けられるようなコーナーだと、イン側へ引っ張る力が全然違うから、立ち上がり
スピードにかなり影響すると思う。ニスモからメカニカルタイプのLSDが発売される
といううわさもあるからそれを待つしかないよね。
 どちらにしても、マーチはメーカーがしっかりとパーツを作ってくれるだろうか
ら、今後どんどん速くなるだろうね。今のところまだCII クラス自体がそんなに
盛り上がっていないし、ドライバも有力な選手が少ないから、いまがねらい目
じゃない。先に少しでもセッティングを煮つめられた人が上にくるだろうね。


NEKOスポーツEP71ターボ

●ノーマルベースのAII クラスで最もポピュラーなEP71ターボだが、CII クラスでも
十分なポテンシャルがあるはず。ところがCクラスにはAクラスと違い最低重量制限
がある。EP71ターボは排気量が1295ccだから、これにターボ係数1.7を掛けると
2201.5ccとなる。これは排気量区分で言えば2000ccから2500ccまでの区分に入り、
最低重量は890kgとなる。EP71ターボのノーマルのボディ重量は、最も軽いターボR
で770kgだから、CII車両を作る場合ノーマルより120kg重くしなくてはならない。
 小林且雄車の場合、内装を取り払った後での重量のせに苦心の跡がみられる。
小林選手に聞いてみると
 「EP71ターボのボディは、不必要なものを取り払っただけで700kg近くになってし
まうんですよ。つまり、そこから190kg近く重くしなければならないわけで、
重量化には苦労しました。単純にバラストを積むのでは危ないから、ロールバーを
張り巡らせてボディ剛性を上げたり補強に必要以上の厚さの鉄板を使ったりして
少しでも性能に貢献するようなやり方をしています」とのこと。
 またターボなので簡単なチューニングでパワーアップできるが「実際は4WDとは
違いホイールスピンが激しいから、なかなか簡単にはいかないんです。フラットな
トルク特性にするようにチューニングしています」とFFターボならでの苦労を語って
くれた。

◆土方重昭のEP71Tインプレッション◆
 小林選手のEPは、ぼくのマーチと比べるとかなり激しい操縦性だね。重量も
かなり違うし、パワーもぼくのよりだいぶ出ているから、同じクラスのクルマでも
乗り方がだいぶ変わってくるだろうね。
 まずエンジンは、現状で160PS程度ということだけど、ターボラグが小さくて
乗りやすい。ミッションもノーマルだからFFに乗りなれていないぼくにとっては
楽だった。小林選手によると1戦目ではAE92用の超クロスレシオのミッションを
使っていたらしいけども、さすがにターボでは使いづらくてノーマルミッションに
戻したみたい。
 このエンジンで面白いのはブーストの切り替えが2段階にできることだよね。
インパネ上のスイッチでもそれは可能なんだけど、アクセルペダルの一番奥について
いるスイッチを入れるとブーストが全開になるというのがグッドアイデアだね。
アクセルコントロールが必要なところでは、最大チャージ圧を低めに設定して
ターボラグを小さくする。そしてパワーが必要な場所で思いきっりアクセルを
踏み込むとスイッチが入ってフルブーストがかかるようになっている。そういう
場所ではターボのタイムラグはあまり気にならないから、かなり思いきった
ブーストでいけるんだよね。まだ目標としてる220PSという強烈なパワーでは
ないからここで判断するわけにはいかないけれど、トランクションのかかりにくい
FFターボのチューニングカーでは役に立つシステムになるかもしれないね。まだ
エンジンはタービンを替えた程度でエンジン本体やインタークーラー、
インジェクションといったところにあまり手をつけていないようだから、今後
パワーを下から上まで出してきたら、マーチでは追いつけないようなパワーに
なるんじゃないかな。
 この完成されかけたエンジンに対して問題はシャシー。ボディ重量がノーマルより
はるかに重たいから、素直な操縦性を出すのはかなり難しいね。ボディ剛性はかなり
上がっているし、サスペンションもほとんどピローボールで固めているんだけれど、
トランクションが思ったよりもかかっていない感じがする。もちろん、ベース車が
マーチよりははるかに容量があるからマーチよりはトランクションがかかる。でも、
マーチみたいにスーパーチャージャーが低速を助けてくれるわけじゃないから、
ターボが効き出すとホイールスピンが激しい。全体に前がかなり柔らかいような
感じだね。マーチはスーパーターボになってからフロントにかなり太いスタビ
ライザーが入っていて、フロントがのめるような感じがすごく少ないだけど、
これに比べるとEPはかなりフロントが大きくロールする感じなんだ。重量が
重たいことも影響しているだろうね。
 操縦性に関しては、こんな具合で姿勢が作りにくい感じが大きいんだけど、
いったん向きが変わってしまえば、LSDの利きが強烈だから、ハイパワーで
がんがんインに引っ張っていってくれる。この感覚はビスカスのマーチには
ないものだね。特に島周りのコーナーみたいなところではマーチより抜群に速い。
TRDのLSDをさらにチューニングして、効き味を強烈に、さらにイニシャルトルクも
かなり上げてあるみたいだから、ちゃんと乗れないとタイムは上がらない。
ぼくみたいにFFにまだ慣れていないとかなり難しいクルマだね。特にステアリングが
激しく取られるから、ステアリングを押さえつけているだけでも大変だった。
ステアリングを戻すときも当然手を放すわけにもいかないし強烈なクルマだよ。
タイヤもトランクションを少しでも出すために185/65-15という、このクラスに
してはかなり太いタイヤをつけているから、それも影響しているんだろうね。
 小林選手はこのクルマを振りまわしているんだから大したもんだ。普通の人だった
らパワステが必要だね。


◆"鬼の湯本"のライバル車一刀両断!!◆


マーチ・・・扱いやすいエンジンが長所
いかにパワーを伝えるか・・・EP71T

今回試乗したCIIクラスのニューマシンは、どちらもまだ完成してから日が浅く、
まだテストを重ねている段階なので、現状ではそのクルマのポテンシャルを
語ってしまうには問題がある。だから今回のインプレッションに関しては、今後の
可能性ということに重点を置いて話していきたいと思う。
 まず、私が割りと乗り慣れているマーチだが、A車両にとても近いクルマで全く
違和感なく乗れる。ノーマルのマーチRとスーパーターボの違いは、フロントの
スタビライザーがスーパーターボに追加されたこと。これが操縦性の良さに大きく
貢献しているようで、マーチRにみられるようなフロントからののめり込むような
ロールがとても少なくなっている。これは操縦性の意味からも非常にいいことだが、
運転手の恐怖をなくしてくれるという意味からも重要なことだ。
 サスペンション全体を考えた場合、これからパワーを上げていくとセッティングは
難しくなってくるだろう。現状ではパワーがあまり出ていないし、重量もノーマルと
同じくらいとはいえ、ウインドーやボンネットなどが軽くなっている分重心も
下がっている。だからノーマル以上にクセがなく、軽快でスムーズに走る。しかし、
パワーを上げていったときに、この長所を残すようにセッティングするには時間が
かかるのではないだろうか。また、このクルマはLSDがビスカスタイプで、
メカニカルタイプほど利かないからトランクション不足を感じた。たぶんサス自体に
原因があるのだろうがメカニカルタイプがつけばかなりトランクションは
増すだろう。
 エンジンはまだまだパワーアップの余地を残している。特に土方くんの場合、
メンテナンスはすべて東名自動車だから、かなりいいエンジンができるだろう。
チューニングしていった場合、パワーの出方がどうなるかはわからないが、
低回転をスーパーチャージャーが補ってくれるため、楽に扱えるだろう。これは
非常に大きなアドバンテージだ。
 一方、EP71ターボはマーチとだいぶ事情が違う。マーチに比べると重量がかなり
重いせいか、操縦性が全体的に難しくなっている。
 まず、A車のEPターボに比べると、ボディ剛性が異常に上がっている。これは
バラストを積むよりもいいということで80kg近いロールケージや、補強で重く
しているからだ。その結果ノーマルのねじれ方とは違った動きをするようになって
しまったのかもしれない。
 実際に乗ってみると、フロントが大きくのめり込むようなロールをしてフロントが
くいついてくれない。特にステアリングの初期のレスポンスがかなり悪いので
コーナーの入り口ではかなり苦労した。またボディが異常に硬いのと、
サスペンションにピローボールを使いあそびがなくなっているので、動きがシビアに
なりすぎコントロールしづらかった。
 ボディやサスペンションの剛性を上げることは確かに俊敏な動きにつながることも
ある。しかし、ノーマルのようにねじれない分ごまかしが効かないから
サスペンションセッティングは難しくなってくる。もちろん海外ラリーのワークス
チームのようにありとあらゆるテストを行えば最適なポイントがみつかるだろうが、
ダートラのレベルでここまでのテストをするのは難しい。このボディを使って
サスペンションを完ぺきに仕上げるにはかなり時間をかけなければならないという
印象を受けた。
 ボディは最低重量が890kgということで、ノーマルに比べるとかなり重たい
のだが、ノーマルのEPターボでも、最も豪華な仕様にエアコンやアクセサリー
などをつければ、830kgまでにはなると思う。そう考えれば890kgという数字は
それほど驚くほどのものではない。ノーマルの特性を生かしてチューニングできれば
まだまだ十分よくなる可能性があるのではないだろうか。
 またエンジンは暫定仕様ではあったが、ターボということでかなり激しいパワーの
出方を予想していた。ところがサスペンションのセッティングを完了するまでは、
あまりくせのあるエンジンでは乗りにくいということで、かなりノーマル特性に
チューニングされていた。このためミッションもあえてノーマルにしていたが、
もう少しチューニングが進めばもちろんクロスミッションのほうがいいことに
越したことはない。このクルマはコルサなどに積まれている3E用のミッション
ケースをドッキングでき、中身はAE82、92用のクロスミッションを使えると
いうからパーツに困ることはないだろう。
 どちらにしてもこの2台はこれからの可能性を十分に感じさせてくれるマシン
だった。現状では完成されたCI車両よりもタイムは劣るのだが、この2台がCI を
抜くのは時間の問題だろう。

2022年12月31日投稿 ダブルチャージクラブ ek-10stとやま
Posted at 2022/12/31 19:21:13 | コメント(1) | トラックバック(0) | K10マーチ/MAエンジン仲間 | クルマ
2022年12月30日 イイね!

ダートトライアルAIIライバルカー徹底テスト EK10マーチRvsEP71ターボ PD 1989.3

PD1989.3


ダートトライアルAIIライバルカー徹底テスト
EK10マーチRvsEP71ターボ


新AIIクラス(2000cc以下)の主導権を握るのは
マーチRかそれともEP71ターボか!?


 いよいよ89ダートシーズン開幕!!今年の体制は決まったかな?
なにまだ決まってないって!
 AIはこれまでAA33Sカルタスのワンメークとなっていたが、新型AA34Sが登場。
さらにパワーアップされ、各部は33Sの弱点が改良されていて確実に速い、と思われ
たものの、重量は40kgも重いし、デビュー戦のオールスターでは名手畦地健雄を
もってしても10位止まり。ほんとに34Sは速いの?なんて声も・・・。そこにもう
1台のライバルが現れた。旧型でもサスペンションは抜群と言われていたシティが
100PSにパワーアップ、それをホンダ・ロデオがチューニング、とんでもなく速い
というウワサを聞きつけた。
 また89年から新たに設けられた2リッター以下のAIIは、未知数のクラス。以前から
AIIがあったローカルシリーズでは、EP71ターボがダントツに速いらしい。ところが
ラリーのBクラス(1.6リッター以下)では、発売されたばかりのマーチRがライバル車
を全く寄せ付けない速さを見せつけている。
 カタログデータをながめていたって結論は出ない。それならイッキにテストを
してしまえ!!ということになって前述の5台を丸和に集めて(※ここではマーチRと
EP71ターボ記事を抜粋した。)フルテストを実施した。テストの内容は、0→50→
100mの発進加速、パイロンコース&ストレートでの最高速、そして丸和の左まわり
を3つに区切った区間タイム計測と、あらゆるシーンを想定し、各車のポテンシャル
を浮き彫りにしてみた。
 テスターも畦地健雄、小林照明、島田親吾、湯本敬、吉川成次と、当代一流の
スゴ腕ぞろい。発進加速とパイロンコースは各車担当のドライバーに
乗ってもらったが、周回テストはドラ全員に乗ってもらい、
評価に公平さを持たせた。当日のコンディションはウエットだ。
 各車のインプレッションは後にゆずるとして、どちらのクラスも実力伯仲。
89年もダートラはますます面白くなりそうだ。

実戦チェック 上位10台中8台がEP71T。現時点では一歩リードか?
〈ポチお年玉トライアル〉
1月3日に丸和で開催されたポチお年玉トライアルは、89年規定による新クラス区分
で行われた。2000cc以下として新設されたAIIクラスには56人が出走したが、
参加車種はバラエティー豊かで、なんと11車種(AE86=19人、EP71T=16人、
C53A=5人、EK10=4人、EF3=3人、AT=3人、EB12=2人、JT190&N13&TE71&PF60=
各1人)にものぼった。
 気になる成績は、EP71Tが圧倒的に速く、他車でトップ10に入ったのは4位の
EF3、9位のATだけ。4位のプロフェッサー小林照明をして「ターボは速い」と
言わしめた。
 また4人が持ち込んだEK10マーチRは、ほとんどがシェイクダウンの状態で、
今回は目立った成績は残せなかった。円実司(14位)は「ニスモのパーツを
組んだだけ」だし、荒屋修一(15位)も「走行距離658km」では、マーチRの実力発揮
は今後の煮詰め次第といったところだ。



   \ EK10マーチR  / EP71スターレットターボ
全長(mm)  3760 / 3770
全幅(mm) 1560 / 1600
ホイールベース(mm) 2300 / 2300
トレッド前(mm) 1350 / 1385
トレッド後(mm) 1335 / 1345
車両重量(kg) 740 / 770
エンジン型式 直列4気筒8バルブ・S&T / 直列4気筒12バルブ・T
総排気量(cc) 930(ターボ換算1302) / 1295(ターボ換算1813)
内径×行程(mm) 66.0×68.0 / 73.0×77.4
圧縮比 7.7 / 8.2
最高出力(ps/rpm) 110/6400 / 110/6000
最大トルク(kgm/rpm) 13.3/4800 / 15.3/3600
パワーウエートレシオ(kg/ps) 6.73 / 7.00
トルクウエートレシオ(kg/kgm ) 55.64 / 50.33
変速比 1速 2.938 / 3.166
    2速 2.095 / 1.904
    3速 1.538 / 1.310
    4速 1.133 / 0.969
    5速 0.810 / 0.815
最終減速比 4.453 / 3.722
ブレーキ(F) ディスク / ベンチレーテッドディスク
ブレーキ(R) L&Tドラム / ←
懸架方式(F) ストラット / ←
懸架方式(R) 4リンクコイル / トレーリングツイストビーム
タイヤ 155SR13 / 175/60R13-78H
東京地区標準価格(円) 1.240.000 / 1.187.000

テスト車データ(AII)
 \    EK10 / EP71
改造車検 取得 / 取得
ショックアブソーバー(F/R) NISMO /トキコ
スプリング(F) NISMO / キャロッセ(2.3K)
スプリング(R) NISMO / ノーマル
LSD 純正ビスカス / TRD
パワーステアリング なし / あり
ブレーキ(F) マーベルB / マーベル
ブレーキ(R) マーベル / ノーマル
タイヤ DL・82R(175/70R13) / 175/60R14・78H
ホイール 5.5J-13 / 5.5J-13
ロールバー NRS / なし
Fストラットバー NISMO / 装備
ブッシュ NISMO / TRD
補強 あり / なし


*区間タイム(5ドライバーの平均値)
  \ A区間 / B区間 / C区間 / 最高速
EK10 31.71 / 15.89 / 31.11 / 121.1
EP71T 31.50 / 16.25 / 31.47 / 117.7


*0→50→100発進加速テスト(3トライ中のベスト)
クルマ/ドライバー 0→50m / 50→100m / 0→100m
EK10/島田親吾   4.90 / 2.43 / 7.33
EP71T/湯本敬   5.13 / 2.47 / 7.60


*パイロン(2トライ中のベスト)
EK10 島田親吾 49.85
EP71T 湯本敬 52.89

★新ダートラAIIクラスライバルカー徹底テスト★
ウイナーへの最短距離!


◆NRS EK10マーチR◆

ドライバーを魅了するエンジン
サス煮詰まればブッちぎる!?

 ラリーBクラスでは、向かうところ敵なし、といった感もあるマーチR。当然、
ダートラ新AIIクラスでも実力は十分なはず。今回のテスト車は、ダートトラ用の
サスペンションが間に合わず、島田親吾選手が全日本ラリーを戦っているNRSマーチ
Rを使用した。
島田 マーチRというのはリッターカーのマーチのボディをそのままにしてターボと
スーパーチャージャーを付けたものだから、確かに速いんだけど、サスペンション
セッティングがとても難しい。おまけにフロントスタビもないんだよね。だから
直線でどうも安定が悪いし、コーナーでも動きが読みづらい。エンジンはツイン
チャージャーのおかげで最高なんだけど。
湯本 エンジンは下から上までトルクのかたまり。特にスーパーチャージャーが効く
4000rpm以下でのレスポンス、トルクともいいから、コーナーはなるべくシフト
ダウンしないで走るほうがタイムは出るんじゃない。
畦地 ぼくなんか丸和のS字はすべて3速オートマって感じで走っていた。
コーナリング中にターボが効くと、ワッとアウトへ出ちゃうから、
スーパーチャージャーが有効に効く回転域で走るのがいい。立ち上がりはさすが
クロスミッション、どんどん加速するね。
小林 クロスはどこでも使いやすいよね。ただあのサスペンションだとちょっと
厳しいね。特にリヤがヨレる感じで、ブレーキングの時なんか、フラフラして
思いっきり突っ込めないよね。林道を走るなら、それをキッカケにして
コーナーリングに持ち込めるけど、その後パワーをかけるとパワーアンダーで外へ
いっちゃうから、アクセルを踏めないんだ。
吉川 リヤのブレーキがちょっと勝ちすぎているかもね。ぼくは普通のエンジン
みたいに常に髙回転を保とうとしたから、クロスミッションは忙しすぎると思った
けど、低速域をうまく使おうとすればクロスも有効だね。直線でも、もう少し
真っすぐ走ってくれればいいのにね。
湯本 うん、接地感がなくて、トランクションもあまりかかっていない感じ
なんだよ。なんとなく不安定だから、ドライバーを弱気にさせるよね。
島田 エンジンが良くてサスペンションが煮詰まっていないから、シティとは全く
対照的な感じ。
小林 ただしサスペンションをもっと煮詰められれば、もっともっと速くなるよ。

 各ドライバーとも1番手こずったのがこのマーチR。小さなボディにハイパワーな
エンジンを載せたゆえのアンバランスが出てしまったようだが、逆に言えば、
最近のクルマがあまりにも行儀良くなった証明だ。他にはないじゃじゃ馬的クルマ
だが、エンジンの魅力は最高。サスペンションをどのように手なずけるかで、
速さが決まってきそう。今シーズン最も期待される1台と言えそうだ。

◾チューナーから見た戦闘力分析〈高崎正博(NRS)〉◾
小さなボディにハイパワーなエンジン。モータースポーツをするためだけに
発売されたマーチRは、まさにリトルダイナマイトと呼ぶにふさわしい。
 そのウリであるエンジンは、低回転域をスーパーチャージャーで髙回転域を
ターボチャージャーで過給するメカニズム。世界中を探してもこんなメカを持った
クルマが市販されたのはランチア・デルタS4とこのマーチRのみ。マーチRでは
スーパーチャージャーとターボチャージャーの切り替えを4000rpmで行うのだが、
アクセルレスポンスは当然スーパーチャージャーの守備範囲である4000rpm以下の
ほうがいい。だから今回のテストでも、コーナーではスーパーチャージャーが使える
4000rpm以下に保ち、脱出でターボが効くように走ったほうが好タイムだった。
この走りをより正確にしてくれるのがクロスミッション。どこでもエンジンを理想的
な回転域に保てるため、どんなコースにも合わせたられる強力な武器だ。
 ただし問題はサスペンション。もともと58psという1000ccエンジンのために設計
されているため、容量不足はいなめない。特に4リンクリジットのリヤは、アッパー
リンクがかなり短く、ギャップのある路面ではアクスルステアがかなり出るものと
思われる。
 今回のテストに使用したマーチRのチューナーであるNRS代表の高崎正博氏に
よれば「今回のクルマはラリー仕様だったので、ダートラのテストには不都合な
部分も多かったと思います。サスペンションセッティングはようやくラリー車の
第一段階が終わった状態で、ダートラ仕様の開発はこれからです。
 ダートラでは、路面のうねりやギャップに強くするため、ショックアブソーバー
、スプリングともラリー仕様より少々硬めにしなくてはだめでしょう。どのような
コースでも勝負をかけられるようにするためには、よりマイルドな足にする方向で
開発していこうと考えています。
 マーチRの1番の弱点はフロントのロアアームなんです。よくボールジョイントの
後ろがグニャリといくんですよ。ここは補強しておくべきでしょう。ボディ自体は
あまり弱いわけではないけれど、エンジンパワーがあるから、もしものことを考えて
フロントまわりだけは補強したほうがいいでしょうね。万円ぐらいで安心できれば、
かえって安上がりですよ」


◆EP71スターレット・ターボ◆

サスペンションの素性の良さと
ターボが生きる中高速コーナー


 新規定でガ然浮上してきたのがEP71ターボ。総排気量にターボ係数(1.4)を
かけると1813ccになるから、ラリーBクラスでは使えなかったが、2000ccまでの
ダートラAIIクラスではかなり有力なコンテンダーだ。以前から2000cc以下の
AII クラスが存在した県シリーズでは、トップクラスにこのクルマを駆るドライバー
が多い。
 そこで今回は湯本敬選手の弟子、千葉県シリーズを追う板倉弘和君のクルマを
お借りしてテストを行った。このクルマはブッシュもノーマルという簡単な
チューニングしか受けておらず、バリバリのワークス仕様のマーチRと比較するのは
少々かわいそうだが、タイムよりインプレッションを重視してほしい。
湯本 このクルマはターボの割にはトルクがフラットだから、とても扱いやすいね。
もちろんNA(自然給気)みたいにはいかないから、あまりベタ踏みするとアンダーが
出る。でもサスペンションがとても素直だから、アクセル開度をちょうどいいところ
にしてやれば、とてもスムーズに曲がってくれる。
吉川 ちょっとパワー不足を感じるけど、中速トルクが大きいから、少しくらい回転
が下がっても全く問題ないみたい。サスペンションは、ブッシュがノーマルだから
直線でフラフラするけど、コーナーは始終弱アンダーでクルマの動きが一定してる。
突然クルマの挙動が変化しないから、コーナリングの姿勢を作ってしまえばずっと
アクセルオンにしてられるんだ。クルマの動きがとってもマイルド。これがEP71
ターボの速さの秘密じゃない。
島田 クルマの動きが安定してるから、ズルッと滑っても安心してアクセルが踏んで
行けるよね。
畦地 エンジンはちょっとパンチがないけど、扱いにくさを感じることがない。
小林 マーチRと比べるとサスペンションのレスポンスは悪いけど、弱アンダーで
ステアリングが安定してるから、だれにでも楽に乗れるね。リヤの滑り出しも
スムーズだし。
★★★
 全員がEP71ターボの乗りやすさ、その扱いやすさを強調する。今回のテスト車は
最も安上がりな仕様で、タイヤもあまり山がなかったが、その乗りやすさが幸いした
のか、タイム的にもマーチRに比べてそれほど見劣りしなかった。パイロンコースで
大差がついたのは、本コース使用後で、タイヤがボロボロだったため。
 EP71ターボはかつてBIIクラスで一世を風靡したクルマ。ターボモデルが登場して
時間もたっているため、ターボ専用のパーツも豊富で、サスペンションセッティング
のノウハウも各ショップでかなり持っている。つまりだれでも一線級のクルマが
比較的に作れるわけだ。EP71ターボがAII スタンダードと呼ばれる可能性は大きい、
と言ってもよさそうだ。

◾有力ドライバーから見た戦闘力分析◾

 1300cc用のボディにターボチューンを施されたエンジン。クルマ作りの方法と
してはマーチRと似ていないこともないがEP71のボディやサスペンションはかなり
オーバークオリティーに作られたようだ。テストでもジャジャ馬な性格はなく、
素直な操縦性はNAのEP71と変わらないほどだった。
 フロントストラット、リヤ3リンクリジットというオーソドックスな
サスペンション式は、チューニングにもそれほど苦労しない。またパーツはNAの
EP71がBIクラス全盛だったころに完ぺきにそろえられていたため、パーツ選びは
どれにしようか迷ってしまうほど豊富だ。
 トータルバランスに優れ、エンジンも確しかにパワフルで扱いやすい。
EP71ターボのチューニングは非常にオーソドックスに仕上げられたクルマが多いよ
うだ。
 今回テストに使ったクルマは、フロントの重量増に対処するため、改造車検を取り
フロントスプリングを2.3kg/mmのものに交換していたものの、ショック
アブソーバーをトキコのダートラ320に替え、TRDのLSDを装着したくらいの簡単な
チューニングを受けただけだった。
 1月15日に行われた関東ダートラフェスティバルで、県シリーズをEP71ターボで
勝ち抜いてきたドライバーにセッティングについて聞いてみた。EP71ターボ最上位
のAII 位に入った徳永勇治選手は、
 「セッティングにはあまり気をつかう必要がないくらい素直なクルマなんで、
ショックアブソーバーとLSDくらいかな。ぼくはパワステを付けなかったけど、
本当はパワステがほしいところだね」とのことだ。
 またAIIクラス4位、EP71ターボでは徳永選手に次いで2番目だった小倉秀夫選手は
「サスペンションは80点の出来で良しとしてるんで、ショックアブソーバーと
TRDのスプリング、それにブッシュを強化したくらいです。これだけやれば80点に
なっちゃうから、楽なクルマですよ」と言う。
 各県シリーズで最も多く使われ、埼玉県シリーズをシビックで戦った小林照明選手
は「丸和でどんなに完ぺきな走りをしても、EP71ターボにはコンマ差でやられて
しまう」と言わせるほどポテンシャルを持つEP71ターボ。これからのAIIクラスで
マーチRと好バトルを繰り広げられていきそうだ。


2022年12月30日投稿 ダブルチャージクラブ ek-10stとやま



Posted at 2022/12/30 20:19:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | K10マーチ/MAエンジン仲間 | クルマ
2022年12月29日 イイね!

実戦セッティングマニュアル マーチR PD1988.12

PD1988.12

実戦セッティングマニュアル マーチR

味付けは自由自在
ブッシュの交換だけで
戦闘力は大幅アップ

ノーマルでも十分実戦可能

 今年は台風のあたり年だったようだけど、国内ラリーのBクラスにも、小型だが
強力な台風が発生した。それがマーチRだ。スーパーチャージャーとターボという
2つの過給器で武装したマーチRは、ミラージュ、ジェミニ、サニー、カローラ、
シビック、プジョーなどが群雄割拠するBクラスに登場し、デビュー戦のモントレー
88から早くもその並々ならぬ戦闘力を見せつけている。
 全日本ラリー戦のシリーズ結果からいえば、田口盛一郎選手が操ったミラージュが
チャンピオンカーということになるわけだ。しかし、マーチRがデビューした第6戦
モントレーのSSの結果を見ると、13か所あったSSのうち、実に8か所でマーチRが
ベストタイムをマークしている。そのスピードを実証したわけだ。
 まあ値段のほうも120万円台と手ごろだし、オシッ!来シーズンはマーチRで・・
という人も多くなっている様子。でも、ダイヤモンドも磨かなきゃ光らない、
どんなクルマだってうまくセッティングしてやらなければ、そのポテンシャルを
フルに発揮できないヨ!ということで、今回はそのセッティングについて
報告しよう。
 まず、基本的なセッティングについてニッサン・モーター・スポーツ・
インターナショナル技術課の永島勉さんに聞いてみた。サスペンションに関しては
永島「マーチRはラリーユースのクルマということでラインオフの状態からダート
走行が可能なサスペンションが装着されています。だから、ビギナーの方ならば
タイヤをラリー用に付け替えるだけで実戦参加も可能です。ただ、仕様としては
最大公約数のユーザーに合わせて、どちらかというと悪路での走破性を重視した
セッティングですね。ちなみにスプリングのバネレートはフロントが1・0~1・8
kg/mm、リヤが1・0~1・8kg/mmで、ショックアブソーバーも悪路での走破性を
高めるなど減衰力設定になっています。
 それに対して、コーナリング性能を重視したセッティングになっているのが、
NISMOのオプションパーツで、スプリングのバネレートはフロントが2・2~2・5
kg/mm、リヤが1・4~2・2kg/mm。ショックアブソーバーも、各ピストンスピード
の減衰力を国内のラリーコースに合わせた設定になっていて、こちらは、走破性を
多少犠牲にしてもコーナーリング性能を高めたセッティングになっています。
だから、ユーザーのレベルや走る状況によって、選択するといいでしょうね」

フロントの3自由度モデル

サスペンションに関しては、このほかに各ブッシュ類もNISMOのオプションパーツが
数多くそろっている。
永島「そのなかで、まず交換しておきたいのが、これはサスペンションのブッシュ
とはいえないかもしれませんが、エンジンのマウント類です。それといううもの、
よくエンジン・マウントの強化は、アクセルON時のエンジンのワインドアップ
現象を抑えて、トランクションロスを減少させるのに効果的と言われていますが、
それに加えて、サスペンションの性能をフルに発揮させる点でも、大きく影響して
くるからです。
 これは、地面とクルマの関係を図にしてみるとよくわかりますよ(図1)。
まずタイヤですが、これには弾性があってある程度自由に動きます。サスペンション
もそうですね。ショックアブソーバーで規制はしているものの、ここは動きます。
そして、エンジン・マウントも振動や騒音の吸収のためにゴムでできているため、
その変形による動きがあります。つまり、地面からエンジンまでには3つの要素の
動きがあって、これを3自由度モデルということができるわけです。
 さて、ここで問題なのはそのひとつひとつの動きの作用で、例えば、路面からの
衝撃などでボディが浮き上がろうとする場合、エンジンがそれを抑えようとします。
これはひとつのメリットなんですけど、反対にボディが沈みたいのに、エンジンが
浮いているというチグハグな動きも出てくるわけです。
 つまり、3つの自由な動きがあるために、メリットもデメリットも出てくるわけ
ですね。でもコンペティンションユースということを考えれば、できる限り
コンスタントに安定しているほうがいい。そのほうが、サスペンションの
セッティングも考えやすいし、その性能もフルに発揮しやすいわけです。ただ、
タイヤに関しては、あくまでゴムですから弾性はあるし、サスペンションも自由に
動かさなければならない。残るはエンジンのマウントなんですけれど、これは、
コンペティンションユースということならば、振動や騒音は犠牲にしても、
ある程度動きを規制しておいたほうがいい、ということなんです。
 エンジンとボディを一体化させ、3自由度を2自由度にしようというわけです。
マーチRの場合、軽量なボディとパワフルなエンジンのクルマだけにエンジン・
マウントの強化は、特にしっかりやっておきたい」
 これは、サスペンションの性能をフルに発揮させるためにも最低限やっておきたい
部分。そのうえで、各ブッシュ類の選択によるドライブフィールの向上や、ステア
特性のセッティングも考える。
 永島「まず、フロントですが、NISMO では、K=1200kg、K=1500kgの2種類の
トランスバースリンク・ブッシュ(図2-A)とコンプレッションロッド・ブッシュ
(図2=B)そしてステアリングラック・インシュレーター(図2=C)を用意しています。
それぞれの効果を説明しますと、まず、コンプレッションロッド・ブッシュは、
パワーのオン/オフや路面からの入力によるロワーアームの前後の動きを抑えます。
そしてステアリングラック・インシュレーターは、強化することによって、ステア
リングのレスポンスが向上され、操作フィーリングがリニアになります。
 さて問題なのはトランスバースリンク・ブッシュ。これはステアリングラック・
インシュレーターとの組み合わせ方によって、ステア特性を変えることができます。
例えば、ステアリングラック・インシュレーター、トランスバースリンク・
ブッシュとも強化した場合は、ラインオフ時の特性をそのまま残し、剛性感を高める
ことでサスペンションのレスポンスが向上します。(図2-ア) 
 それに対してトランスバースリンク・ブッシュだけを強化するとラック・インシュ
レーターの変化量のほうが多いわけですから、ジオメトリー的にトーアウトになって
アンダーステア方向、反対にラック・インシュレーターだけを強化するとトーインになり、オーバーステア方向になるわけです。
 ノーマルのブッシュも含めると、トランスバースリンク・ブッシュが3種類、
ラック・インシュレーターが2種類選べることからフロントに関してだけでも6とおり
のセッティングが可能です。でも、あまり極端にやりすぎるとクルマの動きも極端に
なってしまいますので、いずれも強化品を使ってトランスバースリンクをK=1200kg
にするか、1500kgにするかで選択するのがお勧めです」

リヤだけでも広範な自由度

リヤに関しても、ブッシュによるセッティングの選択範囲は広い。
永島「マーチのリヤサスペンションは、4リンク・タイプです。この4リンク・
サスペンションは文字どおり4本のリンクが、8か所のブッシュによって支持された
レイアウトになっていて、主にロワーリングが前後方向の動きを、そして角度を
付けて装着されているアッパーリンクが左右の動きを規制しています。ただし、
ただ単にサスペンションの動きを抑え込んでいるのではなくて、その動きをうまく
利用しようという部分もあるんですね。
 具体的に説明すると、ラインオフの状態からロワーリンクのブッシュよりも
アッパーリンクの動きを優先する方向でコーナリング時に横力を受けると、
アッパーリンクの動きにロワーリンクが引きづられ、4WSの同位相と同じ状態に
なって安定方向になるわけです。だから、セッティングの上でも各ブッシュの
剛性バランスを変えることで味付けを変えられる(図3)。
 例えばアッパーリンク側だけを強化すれば(図4-A)、同位相に動いてアンダーステア
(安定)方向になるし、ロワーリンク側だけを強化すれば(図4-B)サスペンションは
平行移動するだけで同位相とはならない。ラインオフの仕様が、もともと
アンダーステア傾向なので、それを考えると、アンダーが弱まり相対的に
オーバーステア傾向になるわけです。
 NISMOのオプションパーツでは、アッパーリンク・ブッシュがK=600kgとK=750の
2種類、ロワーリンク・ブッシュが1種類設定されていますから、ノーマルのブッシュ
も含めるとかなり幅広いセッティングができます」
 さらに、ボディ側かアクスル側のどちらか片方を強化すると中間的なセッティング
も可能だし、このブッシュ類は、ロワーもアッパーもすべて同サイズなので、逆に
して使うことができるそうだ。そうなると、かなり広範囲なセッティングができる
わけだが・・・・
永島「ただ、フロントと同じであまり極端な方向にセッティングするとクルマの動きも極端になってしまいますから、スプリングやショックアブソーバー、フロントとの
バランス、ドライバーの好みやコース状況に合わせてうまくセッティング
したいですね。
 ちなみにNISMOのオプションパーツをロワーリンク、アッパーリンクともに装着
した場合、アッパー側がK =750kgのブッシュだと、ほぼラインオフの特性で全体的
な剛性がアップし、K=750kgのブッシュでは、ややアンダーステア(安定)方向に
なります」
 いずれにしても、ブッシュ類をうまく使えばサスペンションのセッティングの
自由度はかなり広いというわけだ。

実戦的なセッティングは・・・

 さて、その実戦的なセッティングに関して、2台のマーチRを実戦投入している
チームNRSの高崎正博監督は、
高崎「まず、ボディですが、ノーマルアスピレーションのマーチを2年間走らせ、
また、サファリラリーにマーチターボを走らせた経験から、フロントはストラット
ハウスとロワーアームの取付部周辺、フードブリッジとフロントピラーの接合部
(図5)を補強しています。
 もともとマーチは思った以上に丈夫なクルマなのですが、スーパーターボになって
絶対スピードが上がっていますから、このあたりの補強は、しっかりやっておきたい
ですね。また、リヤに関しては、大桃千明、島田親吾のふたりのドライバーが、
実戦テストを行っていますが、2戦消化した現段階では、まだ問題はありません。
ただ、将来的には、やはりリヤのリンク取付部周辺の補強も必要になってくる
でしょうね。
 サスペンションに関しては、NISMOオプションのスプリングとストラットを基本に
各ブッシュ類を変えて、ドライバーの好みに合わせたセッティングにしています。
例えば、大桃車ではフロントのトランスバースリンク・ブッシュとリヤのアッパー
リンク・ブッシュをノーマルにしてどちらかというとオーバーステア方向の仕様。
島田車に関しては、フルオプション(トランスバースリンク・ブッシュK =1200kg、
リヤアッパーリンク・ブッシュK =600kg )となっています。
 ブッシュに関しては、ノーマル、オプションパーツのほかにノーマルアスピレーシ
ョンのマーチのオプションパーツも共通で使えますから、かなり選択範囲は広い
わけです。しかし、フルオプションにして不満があったら、タイヤサイズ、タイヤ
空気圧なども含めて専門家に相談するのがいいでしょう。
 また来シーズンのレギュレーションでは、スタビライザーの交換が、かなり自由
になると聞いています。そうなれば現状のリヤ・スタビライザー径は22mmですが、
18mmのマーチターボ用も使えるようになるので、ステア特性、ロール剛性とも
さらに細やかなセッティングができるようになると思います。いずれにしても、
よりコーナリング性能を重視したATSUGI製ショックアブソーバーの開発をはじめ、
これからやることはたくさんあるし、マーチRは、もっともっと速くなりますヨ!」

スラローム競技でも有望!!

 そのマーチR、国内ラリーのBクラスはもちろん、スラローム競技での活躍を期待
する声も多い。来シーズンのスラローム競技のレギュレーションでは、Aクラスは、
ターボ換算が1・4倍なので、マーチRは1302cc。わずか2ccオーバーして1300~
2000cc以下のAIIクラスになってしまう。そうなると、ライバルはスターレット
ターボやノーマルアスピレーションの1600ccツインカム勢となり、排気量的には
やや不利なわけだが・・・・
永島「丸和オートランド那須のテストでは、ウェット・コンディションでしたが、
EPターボより2秒近くも速かったというデータもありますから、AIIクラスでも
見劣りなく走れると思います。特に面白そうなのが、ジムカーナのAIIクラスと
ダートトライアルのCIIクラスですね。
 ジムカーナのAIIクラスでは、スターレットターボやノーマルアスピレーションの
MR-2、CR-Xなどがライバルになると思いますが、マーチRの場合は、ボディが
コンパクトな上、車重も軽いから小回りが効く。しかも、リヤがドラムブレーキで
サイドブレーキ・ターンにもよく使えますから、かなりいけそうですね。
 ダートラのCIIクラスは、ターボ換算が1・7倍で排気量が2500以下ということに
なり、やはりスターレットターボあたりがライバルとなる。この2車を比較すると、
公認最低重量が、スターレットターボは、1295cc×1・7で2202cc。2000cc以上
なので最低重量は890kgとなり、ウエートを積んで走らなければならないわけです。
 それに対してマーチRは930cc×1・7で1581cc。1600cc以下なので750kgとなる。
重量の点でマーチRのほうが140kg有利になるのでかなり面白い戦いが期待できる
と思いますヨ。エンジンをはじめとするチューンアップパーツ関係も、遅くとも
来年の1月か2月には、グループAの公認を取るために、すでに開発していますから、
シリーズ初めから走れますよ」
 急ピッチで開発が進められているマーチR、来シーズンは国内、海外のラリーを
はじめ、ダートトライアル、ジムカーナといろいろなカテゴリーで暴風雨を
巻き起こす大型台風になりそうな気配だ。

2022年12月29日 投稿 ダブルチャージクラブ ek-10stとやま

Posted at 2022/12/29 19:39:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | K10マーチ/MAエンジン仲間 | クルマ
2022年12月28日 イイね!

激走インプレッションマーチR。PD1988.11

PD1988.11

日産EK10マーチR

激走インプレッションマーチR

コンパクトボディに高性能エンジンがベストマッチ
国内のモータースポーツにはうってつけのクルマだ

スタートダッシュはギャランより上!?
まさにクラスに敵なし

どこからでも踏める安心感

♪フンフンフン♪、全日本ラリー選手権第6戦のモントレー以来、ぼくは
すこぶる機嫌がいい。なにせ、このラリーからステアリングを握ることになった
マーチRが予想以上に速いのだ。これからが楽しみで、鼻歌のひとつも出ようって
いうもの。
 まあ、ラリーの結果こそ思わぬトラブルで4位と冴えなかったが、最終SSの
手前まではトップだったし、チームメイトの大桃(千明)選手が3位。そして、
同じマーチRに乗るチーム・カルソニックの岩下英一選手が優勝と、一時は
マーチRの1ー2ー3でリードしていたのだから、そのポテンシャルにはビックリ!
予想以上だった。
 最大出力110PS、最大トルク13・3kmmのエンジンパワーは、リッターカーと
してはすごいけど、1600ccのラリーBクラスに入るとローパワーな部類。
でも、740kgという超ライト級のボディなら6・72kg/PSというパワーウエイト
レシオのせいか、SS のスタートではギューンと、まるでバイク並みの加速で
飛び出していく。その勢いは、路面にもよるが、出足だけならギャランにだって
負けないのではないかと思う。
 日本のラリーコースだとそうそう長いストレートは無いしコーナーの連続などは
立ち上がり勝負。コーナーとコーナーのあいだの短いストレートで、どれだけ
スピードがのせられるかが重要なポイントになってくる。その点マーチRは
かなり有利だ。
 それにこのエンジン、低回転域をスーパーチャージャーでカバーし、マキシマム
パワーをターボで稼ぐというランチアのグループBモデル並みのメカニズムに
なっているから、およそどんな回転域からでも「ウモウー、ウモウー!」をいう牛の
鳴き声風の独特なスーパーチャージャー音を残してスムーズに加速する。だから、
コーナーでミスって、エンジン回転域を落としてもヘッチャラ。とにかく
シフトレバーがどこかのギアに入ってさえいれば、それなりに立ち上がっていける。
 もちろん、一番おいしいのはターボの領域で、最高出力を発揮する6000rpm以上
だが、あまり回転域に神経を使わなくてすむところがいい。その分、コーナリング
ではステアリング操作や姿勢変化に集中できる。このあたりも知らない道や
ブラインドコーナーを走るラリーでは大きな武器になる。

「ライバルよサヨ~ナラ~」

 そして、マーチRのもうひとつの大きな魅力が、クロスミッション。ギア比を
見るとわかると思うが、ブルーバードSSS-RやサニーVRよりもずっとクロスした
仕様になっている。これがまた強力で、ちょっと上り勾配にでもなれば、
「ライバルよ、サヨ~ナラ~」の世界だ。全日本選手権第6戦モントレーの
話でいえば、コースによってはひとつのSSで10秒ちかくもリードでき、
おしりペンペン、ここまでおいで、なのである。
 まあ、ライバルたちの顔ぶれからして、そうそう簡単にリードを許してくれは
しないと思うが、そのポテンシャルは頭ひとつリードしたのは確か。ドライビング
テクニックはともかく、クルマの競争力で大きなアドバンテージを
取れそうなだけに、一気に明るくなってしまった。
 でも、良いことづくめでウイークポイントが無いわけじゃない。例えばブレーキ。
 フロントブレーキがサニーやパルサー並みにサイズアップされて、確かに
制動能力は高くなっているのだが、若干ノックバックが大きい。頻繁にブレーキング
するような状況では起こらないが、ストレートが続いた後のコーナーでブレーキング
すると初期の制動にタイムラグがあって一瞬ドキッとする。
 もちろん、止まらないわけじゃないし、ストレートのうちに左足でチョコチョコと
ブレーキングしておけば、ノックバックは起こらない。でもこれは精神衛生上
良くない。ブレーキングで向きを変えるような時も、タイムラグがあると
うまき決まらないからネ。
 また、現状に関していえば、新しいクルマだけにサスペンションのセットアップも
まだこれからという気がした。
 もともと機敏に動くクルマだから、走っていてもステア特性がどうのこうのいう
ことはあまり気にならない。向きを変えたいときにはいつでも変えられるし、
その点では軽量コンパクトなボディサイズが生きているのだが、その半面、
小さなボディにパワフルなエンジンを積め込んでいる分、展型的な“ジャジャ馬”。
特に荒れた路面では外的な影響も受けやすいし、相乗効果で押さえつけるのに
かなり苦労する。
 動力性能が高く、車速ののるクルマだけに、もう少し挙動が安定してくれたほうが
ドライビングの幅も広がって、コントロールしやすくなるだろう。このあたりは、
これから施されるのサスペンションの熟成次第というところ。でも現状でも
圧倒的に速いしまさに“Bクラスでは無敵”と言い切れる。

1ー2クロスは国内向き

 ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル技術課の
永島勉さんに聞いてみた。
----ラリーのための専用車ということで、マーチ、マーチ・ターボをベースに
各部を変更してあります。まずボディですが、軽量化とコストを下げる意味から、
マーチの中でも最も軽く安価なタイプを基本としています。グレードのうえでは、
さらにその下にEタイプというのがあるんですけど、これに関してはヘッドランプが
ハロゲンではないのでその上のLタイプになっています。
 外観上の違いは、ボンネットにインタークーラーの冷却用のフードバジルが
装着されていることぐらいですね。これはかなり大型なんですけど、FRP製で
重量の増加を極力抑えてあります。内装に関しては、メーターパネルをより
シンプルにして視認性を高め、ブースト計や電圧計を追加。また軽量化のために
アンダーコートもつけていません。
 次にエンジンですが、クラス区分の上で有利に戦えるように、国際的な
レギュレーションに合致させ、ターボ係数の1・7をかけても1600cc以下のクラスに
収まるように、排気量987ccから930ccにダウン。これは生産性の問題から、
ストロークは変えずにボアを68mmから66mmに変更しています。
 そして、マキシマムパワーを稼ぐためにターボチャジャーを、コンプレッサー、
タービンともにひとまわり大きいHT10型に変更。さらにターボの大型化による
低・中回転域でのパワーの落ち込みをスーパーチャージャーの装着によって
カバーしています。これは国産車としては初めてで、ランチアのグループBモデルと同じですね。
 ターボとスーパーチャージャーは、レイアウトを簡素化するために直列に
配置しています。低回転域では、吸入された空気はターボを通り
スーパーチャージャーで圧縮され、インタークーラーへと送りこまれますが、
4000rpm以上の回転域ではスーパーチャージャーは動きを止め、
ターボで圧縮された空気はバイパスをとおって、直接インタークーラーへと
送りこまれるようになっています。
 冷却系に関しては、インタークーラーの装着をはじめ、ラジエーターの大型化、
メーカーオプションとしてオイルクーラーも設定されています。
ダートラやジムカーナは走行距離が短いのでそれほど必要ではないかも
しれませんが、ラリーではかなり高熱になることが予想されるので
オイルクーラーは付けておいたほうがいいでしょうね。
 ただし、オイルクーラーを装着するとスペースの関係からエアコンが
付けられなくなりますから、注意してください。(笑)
 パワートレーン系も、かなり変化しています。パワーアップに対応して
ドライブシャフト、前後アクスル、ミッションのサイズがそれぞれサニーや
パルサー並みにサイズアップされています。また、標準装備のビスカス式LSDも、
サニーVRやパルサーRと同じものですね。
 そして、これはマーチRの大きな武器なんですけど、ミッションのギアレシオが
かなりクロスされています。各ギアレシオを1速のギアレシオで割った数値と、
直前のギアの数値をパーセントで表した対比表(表A)を作るとよくわかりますよ。
これは1速を100、直前のギアを100とした場合の、そのギアのパーセントですから、
この数値が大きいほどクロスしていることになります。簡単に考えれば、例えば
2速が70%としたら、1速でエンジンを8000rpm回して2速にシフトアップすると、
8000rpm×0.7で5600rpmでつながるわけです。2速が50%のクルマなら4000rpm
ですね。
 マーチRの場合はライバル他車と比べても、1速から4速までがかなり
クロスしている。サニーVRに関しては2ー3速、3ー4速間がクロスしていますが
それに対して1ー2速間が若干離れています。ブルーバードSSS-Rもこの傾向です。
 国内のラリーコースでは、やはり1、2速を多用するのでマーチRに関しては
1速を高めて、1ー2速間もかなりクロスさせています。
 ただし一般的なクルマの場合はあまり1速のギアレシオを高めてしまうと、
スタートダッシュが効かなくなる。でもマーチRの場合はスーパーチャージャーを
装着しているので低・中速トルクもあるし、ボディも軽くダッシュに関しては
不安がなかったため、こういうギアレシオの設定が可能になりました。
いずれにしてもこのミッションは、ラリーやスラローム競技のコースでは
大きな武器になると思います。

入門者はノーマルでも十分

 さて、最後にサスペンション系ですが、まずフロント・ブレーキがハイスピード化
に対応して、サニーやパルサークラスと同じサイズにアップされています。また、
ディスクもソリッドタイプからベンチレーテッドになり、マスターバックやマスターシリンダーもサニークラスと同等になりました。
 サスペンションに関しては、スプリングのバネレート、ショックアブソーバーの
減衰力ともかなりハードな仕様になっていますね。ちなみに、スプリングの
バネレートはマーチがフロント、リアとも1・5kg/mm、マーチ・ターボが
フロント2・2kg/mm、リア1・6kg/mmだったのに対して、フロント2・8kg/mm、
リア1・0kg/mm~1・8kg/mmとなっています。
 リアのスタビライザー径も、マーチ・ターボが18mmだったのに対して、
22mmと太くなり剛性を高め、ショックアブソーバーの減衰力もラリー仕様車ということで
かなり高く設定しています。この仕様は、ラリー用としてもかなりハードな
セッティングになっていて、どちらかというとコーナリング性能よりも悪路での
走破性が重視されていますが、初・中級クラスの方なら、実戦でも十分に
使用可能です。
 また、タイヤに関しては届出サイズが155/80R13、静荷重半径266mm、
許容量大荷重425kgでレギュレーション上はこの155/80R13から185/60R14まで
8種類のタイヤが装着可能です。ホイールもそれとの組み合わせで、4J×13から
6J×14まで9種類の装着が可能です。
 ただし、ワイドトレッドのタイヤやホイールは、ホイールのオフセット量に
よってはボディからはみ出したり、干渉したりすることもありますので、選択には
十分に注意してください。最もポピュラーなオフセットとしては、35mm~40mmというところですね。
 なお、このマーチRは仕様によって4タイプが選択できます。最もベーシックなのが
ノーマルでメーカーオプションのラリーパーツをフル装備したのがタイプ1。
オプションパーツはオイルクーラーをはじめロールバー、現行の車両規定では
使えませんが大型のフォグランプ、フロント、センター、リアのマッドガード、
ステアリング、フルハーネスシートベルト、革巻きシフトノブ、カラーリングなどが
あります。
 ロールバーに関しては、乗車2名仕様と4名仕様とがあって、その地域の
陸運事務所にもよりますが、4名仕様タイプならば4シーターとして改造車検を取る
ことも可能です。これらのメーカーオプションパーツのほかに、NISMOでは、
よりポテンシャル・アップさせるためのスポーツオプションパーツを数多く
設定しています。
 とまあ概要はだいたい以上だが、スポーツパーツを組み込んだセッティング法は
次号で報告しよう。

(報告・島田親吾)


2022年12月28日投稿 ダブルチャージクラブ ek-10stとやま

Posted at 2022/12/28 17:34:39 | コメント(1) | トラックバック(0) | K10マーチ/MAエンジン仲間 | クルマ
2022年12月28日 イイね!

マーチスーパーターボラリースペシャルが登場!? PD1988.9

PD1998.9

マーチスーパーターボラリースペシャルが登場!?

パワーウエイトレシオは6・70!!

 ブルーバード、サニー、パルサーと次々にラリーバージョンを登場させ、
今シーズンは“ラリーの日産”をアピールしてファンを大喜びさせている日産から、
今度はマーチのラリーバージョンが登場する!
 マーチといっても、現行のリッターカーやターボモデルではなく、
スーパーチャージャーとインター・クーラーを装着した超ホットバージョン。
そう、昨シーズンから「リトルダイナマイトカップレース」で走っている、
あのクルマのダート版だ。ただ、排気量が現行の987ccから930ccへダウンされる。
これはこのマーチが海外のプライベーター向けに開発された意味もあって、
FIAのレギュレーションの1・7倍のターボ換算をしても1581ccと、1600cc以下の
クラスに収まるようになっているわけだ。
 だから、国内ルールでは今のところターボ換算は1・4倍だが、将来1・7倍に
なったとしても、ラリーなら1600cc以下のBクラスで戦える。また国内スラローム
競技A クラスでも、来シーズンから1300ccと2000ccでクラス分けがされると
いうから2000cc以下のAIIクラスで戦うことになりそうだ。
 さて、そうなるとライバルは1600ccクラスのノーマルアスピレーションDOHC
エンジンを搭載するミラージュ、ジェミニ、シビック、CR-X、カローラFX、
AE92、サニー、パルサー、それに1300ccターボ・エンジンのEP71ターボ、1000cc
ターボのシャレード・ターボになるが、気になるのはそのスペック。
 これはレース仕様車の最大出力120ps、最大トルク14・0kgmとほぼ同じと
みていいだろう。その数値自体はそれほど驚くべきものではないが、マーチの
場合は軽量でコンパクトなボディが大きな武器。ちなみに現行のマーチ・ターボ
は車重が710kgだが、スーパーチャージャーやインタークーラーの装着と、
各部の補強を考えても740kgというところ。それをもとに割りだした
パワーウエイトレシオは、およそ6・70kg/psとなるわけだから、これは強力だ!
 例えば、各車のパワーウエイトレシオをみると、ミラージュが7・76、ジェミニ
7・00、シビック6・92、CR-X6・54、カローラFX、AE92レビン8・08、サニーVR
8・25、パルサーR8・10、EP71ターボ7・00、シャレード・ターボ7・61kg/psと
なっており、ウエートの面で大きなアドバンテージを取れることになる。
CR-Xに関してはほぼ同等だが、車重はCR-Xの850kgに対して90kgちかく軽く、
ブレーキングやコーナリングで無理がきく分、有利と言えるだろう。

LSDとクロスを標準装備

 さて、そのラリーバージョンだが、ブルーバードやサニーと同じ手法で、
最も軽い低グレードモデルがベース。モータースポーツユースに必要な装備以外は
軽量化のためにはずされ、代わりにビスカスタイプのリミテッドスリップデフと
クロスミッションが標準装備となりそうだ。うわさによるとこの
クロスミッションは、最終減速比がもともと4・35とかなりローギアード設定で、
スーパーチャージャーの特性である低速回転域のトルクを有効に生かすために
1速がかなりハイギヤードになっており、ブルーバードやサニー以上に1、2速が
クロスしている本格的なギヤレシオになっているという話も伝わっている。
 またサスペンションやロールバー、[今もところ使えない]フォグランプなども
はじめ、海外仕様を考えればグループA用パーツなどオプションパーツはかなり
豊富にそろいそうだ。オプションパーツはNISMO、艤装はオーテックジャパン
というラインになると思うがその点からもかなりの戦闘力が期待できるだろう。
 さて、そのデビューの時期だが8月末に現行のボディでまずラリーバージョンが
スタート、一般モデルはフルモデルチェンジに合わせてデビューする線が濃厚の
ようだ。価格に関しては、兄貴分にサニーVRがいるので、120万円前後・・・・
と希望も入れて書いておこう。
 まあ、スポーツタイプの4WDがブルーバードしかない日産だけに、欲をいえば
このマーチにも4WDのモデルを期待したかったが・・・・。
 1600ccクラスのコンペテイションモデルを考えているキミ、ホラッまたうれしい
悩みが増えたネ!

2022年12月28日 ダブルチャージクラブek-10stとやま 投稿。
Posted at 2022/12/28 12:35:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | K10マーチ/MAエンジン仲間 | クルマ

プロフィール

「大したことではありませんがここでお知らせです。2024年3月10日投稿。 http://cvw.jp/b/139692/47583774/
何シテル?   03/10 21:23
Welcome!! To a Double Charge Club. ,board to hold by WEB text translation in...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2022/12 >>

    12 3
4567 89 10
11121314151617
18192021 222324
25 2627 28 29 30 31

愛車一覧

スズキ アルト スズキ アルト
スズキアルトHA25S、Fグレードの3型 シフトは4FAT、駆動は2WD、 初年度登録は ...
日産 マーチ 日産 マーチ
2014年1月30日夕方に 私こと、ek-10stとやまの もとに新規愛車の CBA‐A ...
日産 マーチ 日産 マーチ
10年以上連れ添った、 1990年式黒スーパーターボを追突され廃車後、 1991年式最終 ...
日産 マーチ 日産 マーチ
March Super Turbo Nissan E-EK10GFR(5MT)    ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation