先日
とある被災地の憂い感 のブログ記事に様々なコメントが寄せられたことに感謝しております
「初めて被災者の生の声を聞けたようだ」
「心温まる共感とねぎらい」
「私と同じく被災の辛い経験と現状でもがいている姿」
「風化はさせないようにしたいとの決意」
「タクシー相乗り提言についての業界の方からの回答」
「原発反対意見についての代替案の質問」
そして「復興とは?」
皆、真摯なコメントでずしりとした重みがありました。
今回は、『復興とはなんぞや?』という命題を問われた
Forest-Shadow さんとのコメントのやりとりを中心に取り上げ、他の方々への返信も若干取り混ぜ、対談形式に編集してみました。
Forest-Shadow
『震災直後の貴重な体験談、私も体が冷えてくるくらい真剣に読ませていただきました。
私も阪神•淡路大震災を味わい、その日の夜はセーターとジャンパーを着て、足元に靴を置いたまま休んでたことを思い出しました。
きっと東北の方々一人一人に、震災直後の体験談があるのでしょうね。
私たちが知らないだけで…』
ナメタがれい
『Forest-Shadowさん、こんばんは。
コメントお寄せいただきありがとうございます。
巨大災害というものに直面することがどのようなものか、人の想像力だけで体感するには、おっつかないのだろうと思います。
経験せずに済むのが一番よいのでしょうが、備えるために、体験した者の提言に耳を傾け、自らの糧にしてほしいと願うばかりです。』
Forest-Shadow
『役人が会議室に集まって会議したり、復興の担当大臣が宮城県知事にサッカーボールを蹴ってる間に、4年たってしまった気がします。
今、あの日と同じ大規模な地震が来た場合は、おそらく4年前と同じ混乱がおき、避難所の環境も4年前と同じだと予想されますね…』
ナメタがれい
『この4年の間、貴重な電波では、相も変わらず視聴率や興味優先のスキャンダルなどの出来事やらが流れておりますが、ワイドショーの「今日は何の日」のコーナーで、大震災があった日、あれから4年が経つんですね…と取り上げられ、絶句しました。
~いつの間にか 完全に過去のものとして扱われているではないか。なんてことだ。~と。
名状し難い違和感に突き動かされてブログアップするに至りました。』
Forest-Shadow
『あまり長文になってナメタがれいさんの負担になるといけないので、一つだけ質問させて下さい。
ズバリ…「復興」って何なのでしょうか?
西日本に住んでる我々が東日本のことを思って使う「復興」という言葉、
東京のテレビ局が使う「復興」という言葉、
そして東北•関東で被災された方々が使う「復興」という言葉…
もう私の頭の中も混乱してきます。
「復興」のゴールって、どこになるのでしょうか…?
最後に変な質問をしてすいません(^^;)』
ナメタがれい
『復興とはなんぞやという命題を問われるとは…
今回のブログをアップしてつくづく良かったと思います。』
『 私の捉え方は「復旧」と「復興」を明確に区別します。
結論からいきますと残念ながら真の「復旧」は無理です。
復旧は 「精神的な復旧」と 「物質的な復旧」から成るかと。
「精神的な復旧」はあまりのことに麻痺し、憔悴しきった精神状態から日常の心の在りようを取り戻すこと。
これは、全国から寄せられた皆様からの励ましの声や、寄り添って下さる方々の存在によりこれからも満たされていくものと思います。
家族を失った悲しみからも個々人が立ち上がれる日が来ることでもあります。』
『 次に「物質的な復旧」は、街が再興され、被災者が以前の若しくは新しき家に戻り、新生活を始めること。そして新たな雇用先を得て、再び働き始めることです。
大雑把にここまでを「復旧」と考えています。』
『 但し、放射能に汚染された私たちの故郷は、数十年いや下手をすると数万年経たないと元の環境に戻らない。
ですので、残念ながら真の「復旧」は無理だと申し上げました。
放射能…これは恐ろしいもの。得体のしれないものです。』
『 そして「復興」
これも「精神的な復興」と「物質的な復興」から成るかと。
私たちの生活は日常生活が失われ、人生が一変してしまいました。』
『 失ったものは『生き甲斐』です。個人が震災前に持っていた『生き甲斐』を何らかのものに再び見出せることができれば…
私はそれが「精神的な復興」だろうと考えています。』
『 また、大震災前の東北太平洋側は、豊かな自然と旅情溢れる土地柄で、海の幸と山の幸が自慢でした。
しかし、これはもう生半可な年月では元に戻らない。』
『 ならば、東北に何の強みがあるか?
強固な地盤と豊富な水資源、地熱資源など。
そこから、価値のあるものを再発掘し、東北ならではの産業を興していくことです。
難題ですが、私はそれが代替エネルギーの推進にあるものと考えています。』
『 原子力発電の代替エネルギーたる水素社会というフロンティアが私たちの目の前に広がっています。
水素の長所はご存じでしょうからここでは省きますが、日本各地で、とりわけ東北各地では、水素の活用に前向きで、計画が進んでいるところです。
水素社会の実現は、もはや夢物語ではなくなりました。
国内で新たな段階を迎えています。
とりわけ水素を製造する拠点となり得る可能性を秘めているのが東北です。
これを推進していくことが、原発との決別、二酸化炭素を排出しない供給しないシステムの確立につながると思っております。
というわけで、それまでは今ある原発以外の発電に頑張ってもらわないと。』
『 「壊滅した中から、このような新たな強みを引っ提げて立ち上がってきた。」
東北人としての誇りと、 支援してくれた日本各地や全世界への恩義を感じながら。
放射能汚染が残存していても、それを凌駕するほどの魅力を持つ故郷。
それが「物質的な復興」です。
どうぞ東北へ移住されますように!と
自信を持ってオススメできる故郷を新たに生み出すこと。
そこが明確なる私のゴールたるビジョンです。』
この記事は、<a href='https://minkara.carview.co.jp/userid/1862686/blog/35232763/' target='_blank'>あの日から1461日…</a>について書いています。