VW乗りならだれでもびっくりしたこのニュース。
米VW、排出ガステストで違法なソフトウェアを使用
ディーゼル車の排ガスシステムにディフィートデバイス(無効装置)を装着して、規制値の40倍の排ガスを出していたとのこと。実際は”装置”ではなくソフトウエアでエンジンのマネージメントをコントロールしていたと思うけど、そんなリスクを背負ってまで不正をしていたのは、パワーと燃費が欲しかったから?
EPA(アメリカ環境保護庁)やARB(カリフォルニア州大気資源委員会)のレターを読んでみると、VWはだいぶインチキをしていたことが報告されています。
EPAニュースレター”EPA, California Notify Volkswagen of Clean Air Act Violations”
レターはざっくり読むと、VWとAUDIの対象車種(以下)がEPAの排ガステストを不正に回避するソフトウェアを仕込んでいた。またカルフォルニアの環境庁(CARB)はこれとは別に使用過程の車に対する排ガス試験をも回避する不正なソフトウェアを仕込んでいたと主張しています。
対象車種
•Jetta (Model Years 2009 – 2015)
•Beetle (Model Years 2009 – 2015)
•Audi A3 (Model Years 2009 – 2015)
•Golf (Model Years 2009 – 2015)
•Passat (Model Years 2014-2015)
方法はディフィートデバイスを組み込んで、試験中は排ガスを規制値内に抑える制御を行っていて、試験以外は規制値の40倍もの排ガスを出していた模様。
このレターの最後にARBのレターが参照されているのですが、読むと結構面白い。
ARB LETTER TO VW
このレターはVW AG、AUDI AG、VWアメリカのお偉いさん宛てに書かれていて、EPAの激おこ具合が感じ取れます。
なぜバレた???
そもそもディーゼル車の排ガスは世界的に問題になっていて、シャシダイで試験を行う欧州複合モードや日本JC08、中国などの結果と実際の使用過程で出てくる排ガスの値に差があり、走行モードを改良しようとか、検討がICCT(International Council for Clean Transportation)という団体で議論をされていました。
その改良の1つの使用過程中の排ガスの試験というのがあって、シャシダイに車を載せて試験するタイプではなく、PEMS(Portable emissions measurement system)という車載できるポータブルタイプの試験装置で排ガス測定を行います。
使用過程でのテストは長期間にわたって実施され、
・シアトルで低温状態のテスト
・サンフランシスコの坂道でストップ&ゴー
・ロスアンジェルスの都市部で通勤ラッシュのような渋滞モード
こんな状態で車を走らせて排ガスを測定します。んで2013~14くらいにICCTとウエストバージニア大学がVWのパサートとジェッタで試験をしたら、見事法規不適合になった模様。
んで、調べてみると2009年モデルから2015年9月までに排ガス試験結果を不正に有利に変更させるディフィートデバイスを使っていたことがばれましたと。
アメリカさんを更に激おこにさせたのは、そもそも話を遡ると、この結果を受けて2014年12月にVWはボランタリーでリコールをさせてもらったんですね。他にも対策は色々含めていたようですが、アメリカさんはとりあえずVWにリコールをすることを許したんだと。
だけども2015年6月に再度試験をしたら全然改善されていないやんけ!と。それでいろいろ問い詰めたら不正な装置”ディフィートデバイス”を使っていましたと白状したという、顛末です。
タカタのエアバックの問題も取り沙汰されていますが、これはあくまでも車の使用者が不利益を被っているだけ。だけどこの排ガスの話は運転者だけではなく、全ての人間の環境に悪影響を与えているので、罰金も桁違いに多い!特にアメリカは車の型式認証制度が無い代わりに排ガスの試験にはめっぽうウルサイくになので、ここぞとばかりのどっかーんと罰金を言ってきましたね。
個人的にはディーゼルエンジン、(パサート、ゴルフバリアント)が日本へ導入できなくなったり延期になったりするのが心配していますが、先日社長が電撃辞任をしたのも関係があるのか??と変に勘ぐってしまいます。
どーなりますかねえ
Posted at 2015/09/21 19:01:08 | |
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