Alpinaでもゴルフ♪のブログ一覧

今からおよそ30年前の私は、


ミュンヘン大学に留学しておりました。



当時は長男が生まれたばかり、



初めての子供を異国で育てねばならず、




とにかく住むところを決めねばと、



新聞広告と睨めっこしながら、




漸く良い家に巡り会うことができました。



↑写真は8年前の再訪時。


街の中心から電車で20分ほどの住宅地にある一戸建ての1階。



2階には優しい老婦人の大家さんが住んでいます。


契約の日、仲介した不動産屋さんと大家さんと私で雑談していると、


不動産屋さんが、


「あなたはこれからどんなクルマに乗るつもり？ゴルフ？BMW？それともメルセデス？」


と私に聞いてきました。



会社からの派遣留学とはいえ貧乏学生の私、



メルセデスなんてもちろん冗談で聞いたのでしょうが、


その時大家さんが少し遠くを見ながら、


"Mercedes ist ein Traumauto…"
（メルセデスは夢のクルマよね…）


と言っていたのを今でも鮮明に憶えています。


当時のメルセデスは、文字通り「最善か無か」と、贅沢に手間暇をかけていた時代。


190だって今のメルセデスとは比べ物にならない高嶺の花。


お金のなかった私が購入したのは、



写真はイメージですがまさにこんな感じの、




走行距離120,000km超で葉巻の臭いが染み込んだAudi100




12,800マルク、エアコンなしの勿論マニュアルでしたが、



南はベネツィア、東はプラハまで、



あちこち連れて行ってくれました。



これが私のドイツ車との付き合いの始まりですが、



あれからかれこれ30年、




大家さんが呟いたTraumauto（トラウムアオト）という言葉は、




今でも胸に心地良く響いています(^^)