![【ちょっといい話】 安全なドライビングスタイル 【ちょっといい話】 安全なドライビングスタイル](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/022/038/910/22038910/p1m.jpg?ct=297927eb5e2d)
今回の”ちょっといい話”は、いつもの技術論とはちょっと毛色が違うものを紹介します。
お金をかけずに出来る性能向上、運転スタイル、ステアリング操作の話です。
…考えてみたら、改造云々言う前に、まずはやるべき基本的な話です。
あ、今回の話は”俺ならこうする”的意見で進めています。
あくまで参考になれば…ですので、気軽に読んでください。
(真っ向否定する運転理論を持っている人もいると思います。当然ですね)
今回記載している内容は、某クローズドコース(笑、ワタシのことを知っている人ならわかるでしょう。ははは)走行前にみっちり受けた運転教育内容の抜粋です。
まずは、シートの位置決めです。
おそらく教習所でも同じようなことを教わったと思いますが、意外に守っていない人が多い。
(1) 最初に前後のスライドをいじります
ラフな格好での写真で申し訳ない。
なお、今回の写真のモデルはワタシ、撮影はムスメが行っています(笑)
シートの背もたれにしっかり背をつけます。
お尻を一番奥に押しつけます。フットレストに左足を載せて、足を突っ張ってお尻をなるべく後ろにずらすように。
この状態でブレーキを奥まで踏み込んで、それでも膝に余裕がある位置が正しい前後位置です。
MT車の方はクラッチを踏みこんでも同じような感じになるように。
もちろんアクセルペダルもそうなのですが、安全を第一にブレーキペダル踏み込みを中心に考えましょう。
しっかりしたペダルワークを行うための秘訣は、左足をしっかりフットレストに押し付けることです。
これはATならいつも、MTならクラッチ操作のとき以外はこれを守ります。
やってみるとわかりますが、左足を突っ張ることで体の位置が安定します。
これにより、右足の微妙な操作が可能になり、ブレーキやアクセルペダルを正確に操作できます。
(レース技で左足ブレーキというのもありますが、これも操作するときだけフットレストから移動させる癖をつけましょう)
(2) 次にステアリングの角度を調整します
いわゆる”チルトステアリング調整”です。
ステアリング位置の上下を調整します。
ペダル操作をする足がステアリングコラムに当たらないことを確認しつつ、なるべくステアリングホイール(ハンドル)が正面に向くように調整します。
ミニのような特殊な車は、トラックのようにステアリングが上を向くようなスタイルになりますが、普通の車の場合は通常まっすぐ見るようにしましょう。
まっすぐセットすることにより、後述のステアリング操作のときに腕の動きがスムースにできます。
(3) 最後に背もたれの角度を調整します
背中を背もたれにしっかり付けた状態で、両腕をステアリングの上に置きます。
手首がステアリングに当たるようにすればOKです。
背もたれの角度を調整して、このようになるようにしてください。
ステアリング操作に対し、ひじに余裕ができて安全にステアリング操作ができます。
…まあ、ワタシの場合はバケットシートなので背もたれの角度を調整することは基本的にできません。
この場合は、
・機能があればテレスコ(ステアリング軸方向にスライド調整、V35は後期型には搭載)で調整
・ステアリングボススペーサで微調整する(社外ステアリングに換えている場合ですが)
→あまりやりすぎるとウィンカーレバーなどの操作性が悪くなるので注意
・もしくは座面前後角度を調整する
などの対応をします。
通常バケットシートは上記対応をしなくても、通常の調整範囲で収まるはずです。
(とはいうものの個人的には、5-10mmほどのボススペーサがあると良いかも、というぐらいです)
実際、ここまで調整するとわかるのですが、上記にそった調整をするとそこそこ身長のある方でも意外にシートを前にした状態になったり、背もたれをかなり起こした感じになると思います。
これで正しいのです。
トラックレースやラリーなど、オンボードでドライバーを写した映像を見るとわかるのですが、皆こんな感じになっております。ステアリングを持つ腕もかなり余裕がある。
極端なのはF1などのフォーミュラカー。ほとんどステアリングを抱え込むような感じになっています。
(上から見下ろした写真を見たことがあるのですが、胸のすぐ前にステアリングがあります)
…まあ、これは操作性というより空力対応の結果だと思いますが…
”こんな恥ずかしい体勢で運転できるかっ!”という人は普通にしても問題ないですよ(笑)
ただ、腰痛に悩んでいる、長距離運転すると疲れる、などと感じている方は騙されたと思ってやってみてください。
さて、ポジションが決まったところで、今度はステアリング操作です。
ここでの鉄則は
・内ハンドル禁止!
・腕がクロスするような持ち換え禁止!
・両手のうちどちらかは確実にステアリングを握っていること!滑らせ操作はダメ!
…の3つです。
2番目、3番目は教習所などでは禁止項目を正しいと教えているところもありますが、安全を考えると上記が正解です。
重要なのは、”突然トラブルが起きた時に、次のステアリング操作が素早く確実にできるか”です。
現在のステアリング角度が分かるためには、滑らせ操作はダメですし、腕をクロスして持ち換えているまさにその時に車が飛び出してきたら、腕がロックして瞬間的に次の操作ができません。
(実際やってみればわかります)
はい。
上記のことを考えると、ステアリング操作は以下のようになります
まずは基本スタイル
昔は10時10分の持ち方を推奨していましたが、これはパワステがなかった時代のもの。
操作に力が入りやすいこのポジションが良し、とされていました。
現在はパワステがあるのが当たり前なので、よりゆったり操作できる+手を持ち換えずに回転操作できる(後述)角度を大きくできる 9時45分持ちが良いでしょう。
上記の持ち方です。まあ、これは個人の趣味ですから特定はしません。
そうそう、相変わらずワタシは写真のようにワーキンググラブをドライビンググローブ代わりに愛用しています(ワークマンで500円前後で買えます!)
素手よりも滑りにくいので、軽い握り力で安心して操作できます。長距離走行には重要。
また、付帯効果として手の汗や皮脂がステアリングにつかないので汚れやテカりが抑えられます。
最初は恥ずかしいですが(笑)慣れれば、シートベルトと同じく”これがないと運転していて心配”ぐらいになりますよ。ははは。
さて、右折を例にステアリング操作を説明します
ア)0度~180度ぐらいまでのステアリング舵角のとき。
この場合は基本ポジションから両手を離さずに操作します。
180度ぐらいまでは手を離さずに操作できます。
まあ、180度ぎりぎりまで狙う必要はないですが。
通常の道であれば、交差点を除きこれで十分です。
これ以上の回転角のときは…当然握り換えです。 イ)を読んでください
余談ですが、F1などでは全く手を入れ替えません、舵角がこれだけしかないから。
イ)それ以上の回転を必要とするステアリング操作のとき
まずは、必要な回転角を想定してハンドルの握り換えをします。
写真上:それほど大きな回転角にならない場合は右手をステアリングの真上に握り換えます
写真下:大きな回転角になりそうな場合は右手を左手の上のあたりに握り換えます
どちらを選ぶかは…慣れれば自然と使い分けできるようになります。
さて、次に回転操作に入ります
よくステアリング操作で論議されるのは”引き、送りハンドルどちらを優先させるか”という話です。
ワタシの場合は引き=ステアリングを引く方向に操作する、を優先させています。
つまり
①右手を引くことでステアリングを回転させる
②左手はその間ステアリング上を滑らせていき、写真の位置になったところでステアリングを握る
という操作です。基本は左手は45分の位置を維持です
さらにステアリングを切っていきます
③今度は左手で”送り”の操作をします。つまりこのように押す方向にステアリングを操作
④その間に右手を持ち替えます
”引き”操作を優先するので、送りは少なくします。
写真のような位置になったら右手を握ります
さらに回します
⑤再び右手で”引き”操作をします
⑥左手は同じく滑らせ、もっと回転させるときは再び”送り”操作をします
…こういう感じです。
まずはこの操作を同じ回転速度で連続して行えるようにします。
そこそこ難しいです。
ステアリング操作が早くなったり遅くなったりで回転させていくと、クルマの挙動が変化してフロントタイヤのグリップが抜けたりしてよろしくありません。
スムースかつ素早く、正確に操作できるように練習しましょう。
さて、さらに難しいのが”元に戻す”回転操作です。
戻すときはセルフステアリングに任せて、両手ともに滑らせてクルクルクルって戻していませんか?
これは危険です。理由は上記のとおり。
必ずどちらかの手がステアリングを握るようにしましょう。
つまり…回転操作の全く逆で戻していくのです。
こうすれば、現在のステアリング舵角状態も分かります。
同じく回転スピードが一定になるように練習です!
ちゃんとできれば、逆転操作の最後に基本ポジションと同じ9時45分の握りに戻っています。
この練習はちょっと難しいです。何度も繰り返しましょう。
上記の操作は、多くのテストドライバーが採用している操作方法です。
…例外としては、ドリフトドライビングでしょうか。
通常のステアから素早くカウンターステアを切るのは上記の操作では間に合わないので、滑らせてステアリングを戻し、セルフステアで自然とカウンター角が出たところで再び握る、というスタイルをしている人が多いですね。
でもラリードライバーなどのカウンターはちゃんと握りながらステアしているようです。凄い!
…またまた今回も長文ブログをぶってしまいました。
最後まで読んでいただいた方、御苦労さま。
”タダでできる””ノーマル車でも出来る”ものですので、一度試してみてはいかがでしょうか?
綺麗なステアリング操作を出来る方は、見ていて惚れぼれしますし、安心できます。
助手席の友人や彼女に自慢できるように操作練習しましょう(笑)
あ、もちろんの話ですが、MT/AT共に必要な時以外はシフトノブに長い間手を置かないように。
片手では上記ステアリング操作はできないし、そもそも危ない!
これまた、癖でこういうスタイルになっている方多いです。ぜひ修正しましょう。
両手は必ずステアリングに触れておく、これが基本です。
…まあ、ワタシの個人的意見なので、”そうじゃないだろう、俺の方が正しい!”の突っ込みなきよう(笑)