2017年01月22日
NFL:プレイオフ2回戦の感想
2回戦はこれぞプレイオフ!という好ゲームが多くて、大満足のWeekだった。
シーホークス@ファルコンズ 20-36
シーホークスは、今季失点で3位、喪失ヤードで5位の守備力を誇るチーム。
一方のファルコンズは得点で1位、獲得ヤードで2位の攻撃力を誇るチーム。
最強クラスの矛と盾の激突だ。
シーホークスのオープニングドライブは、8分半という時間をかけてTD。返しの
ファルコンズのドライブの間に1Qが終わってびっくりしたくらいだ。
そのファルコンズもTDを上げて同点とする。
次のシーホークスの攻撃はFGで10-7とし、ファルコンズのドライブをパントで
抑える。ここまではシーホークスのプラン通りのゲームだったと思う。しかし、
そのパントでシーホークスのエンドゾーンぎりぎりの位置。何かミスしたら
即セイフティの可能性がある位置だ。
そこでQBウィルソンがスナップバックの時に攻撃ラインに足を踏まれ、真後ろに
転倒、そのままタックルされてセイフティになってしまった。
ここからモメンタムはずっとファルコンズ、セイフティ後の攻撃はFGどまりだった
ものの、前半終了間際にTDを決めて10-19で試合を折り返す。
後半もファルコンズの勢いは止まらず、RBフリーマンがランとレシーブで2つの
TDを上げたのに加え、FGもあり、シーホークスの反撃をFGとTD1本ずつに抑えた
ファルコンズの快勝となった。
ファルコンズのQBマット・ライアンがいよいよその才能を咲かせたという印象だ。
デビューから毎年のようにプレイオフ入りしていて注目はしていたが、レイブンズの
同期ライバルQBフラッコに差をつけられ、WRのケガなど不運もあり、しばらく低迷
していたライアン、今季は才能あるWRとRB2人を従え、見事なハイパーオフェンスを
展開している。シーホークス守備陣相手に26/37で成功率7割、338y、3TD、INT無しで
レーティング126点は完璧と言ってよい。レギュラーシーズンのレーティングも今季117
でキャリアハイだ。
シーホークスは1回戦で活躍したRBロールズのランが11回34yに抑えられたのが
痛かったか。ウィルソンも2INTが響いてレーティングは75点止まり。ウィルソンも
スーパーボウル2回出場、1回優勝したQBだが、先輩の意地を見せられた印象だ。
もう1つ、プレイオフ1回戦の時からシーホークスに移籍してきたスーパーRデビン・
へスターがこの試合を最後に引退。リターンTDこそ無かったものの、古巣相手に2つの
大きなリターンを決めた。マニング率いるコルツ相手にSBで開幕キックオフリターンTD
は衝撃的だった。そしてやっぱり相手チームのFGミスを、ダイレクトキャッチから108y
リターンTDしたのは伝説のプレイだろう。あんなプレイはもう二度と見られないと思う。
テキサンズ@ペイトリオッツ 16-34
1回戦のレポでも書いたけど、テキサンズは喪失ヤードで1位を誇る守備のチーム。
しかし、実はプレイオフに入って気づいたけど、ペイトリオッツは失点で1位を誇る守備の
チームでもあった。ここ数年少しずつ守備が良くなってきたと思っていたけど、そこまでの
域に達していたとは驚きだ。
そこから予想されたのは守備合戦。テキサンズの思惑もそこにあったはずで、前半までは
その思惑通りに進んだかのように見えた。前半だけなら、ボール保持時間は10分以上の
差があった。
両軍最初のドライブは3&アウト、先制点はペイトリオッツRBルイスのTDレシーブ。
返しの攻撃でテキサンズは8分以上かけてドライブし、FGで3点を返す。1Q残り時間
1分少々という時に、ペイトリオッツから最初のビッグプレイ、ルイスの98yキックオフ
リターンTDが出た!
その後テキサンズはめげずにドライブを進め、FGとTDで10点を加え13-14とし、
レギュラーシーズン中2つしかインターセプトが無いブレイディからインターセプトを奪う
など守備陣が奮起し、互角の展開。それでもブレイディは前半終了間際にFGで3点を
加えて、13-17とする。ここが流石と思わせるところだ。
後半はペイトリオッツがアジャストし始め、ドライブを進められるようになってTD、
11点差とリードを広げるが、テキサンズ守備陣も2つ目のインターセプトを奪って、
反撃に出ようとする。
しかし後半のテキサンズ攻撃陣は、守備陣の期待に応えられなかった。後半だけで
3つのインターセプトで悉くチャンスを潰し、反撃はFGの3点のみ。守備で勝とうとする
チームが、これだけターンオーバーを喫してはいけない。
ブレイディの成績は、18/38で5割以下、287y、2TDも2INTでレーティングは69点で
今季ワーストレベルだ。得意のショートパスは封印し、奥へ投げるバスを多用して、
いつものブレイディらしさは感じられないスタイルだった。まるで3回投げて1回でも
通ればいいや、という印象を感じた。調子が悪いというより、そういう課題をもって
取り組んでいたかのような、あるいはテキサンズ守備を攻略するための作戦だったか
のようなプレイぶりだ。こんな余裕を感じさせるのも、失点1位の守備陣があるからこそだろう。
あと、もう1つ。長年ペイトリオッツにいたテキサンズのDTウィルフォークが
この試合で引退。古巣相手にプレイオフでの引退試合は良い記念となっただろう。
自分がペイトリオッツを観始めた頃から守備ラインとして活躍していた選手だ。
13年目の選手だそうだ。お疲れ様でした。
パッカーズ@カウボーイズ 34-31
2日目の試合はどちらも最後の最後まで接戦、残り2分を切ってパッカーズがFGで
3点リード、その直後カウボーイズがFGで同点、そしてわずか30秒少々でパッカーズが
サヨナラFGで勝利、という劇的なゲームだった。
最初に魅せたのはQBロジャース。カウボーイズ守備陣の交代のスキをついたり、
オフサイドトラップなど老獪なテクニックでドライブを進め、最大3-21のリードを奪う。
反撃の中心は、やはりカウボイーズが誇るトリプレッツ、QBブレスコット、RBエリオット、
WRブライアント。ブライアントが40yTDレシーブを決めると、エリオットのランも出るように
なり、わずかな時間で計10点を上げて、13-21と1TD差まで追い上げて前半終了となる。
後半は激しい点の取り合い、パッカーズが1TDを上げてリードを広げるも、カウボーイズは
4Qに2TD、さらに2ポイントをQBドローでプレスコット自ら決めて同点に追いつくという展開だ。
どちらも攻撃陣の出来は完璧、カウボーイズの敗因はあえて挙げれば守備陣の反則、
スキの甘さだ。そこをロジャースに突かれて大量リードを許してしまった。プレイオフでの
経験の差が出たと思う。
カウボーイズは、2年目のジンクスに負けずに来季も頑張ってほしい。同地区ライバルも
このまま黙ってないだろうし、またNFC東地区で激戦が繰り広げられることを期待する。
パッカーズ、いやロジャースはその活躍ぶりが凄かった。ファルコンズのQBライアンとの
投げ合いも楽しみだし、その先スーパーボウルでも十分なパフォーマンスを見せてくれるだろう。
スティーラーズ@チーフス 18-16
どちらもチームの持ち味を存分に発揮、チーフスはヤードを稼がれても失点は最小限、
この試合ではTDを許さずという守備。スティーラーズの389yで18得点は、100y当たり
4.6点という効率の悪さだ。
一方のスティーラーズは、エースRBが30回170y、1回戦でも魅せた攻撃ラインの手前で
一旦止まるというスタイルでも、何故かチーフス守備陣は止められず、結果ボール保持
時間で8分以上の差をつけた。
勝因は、スティーラーズの守備陣の奮闘。チーフスの稼ぎ頭赤い巨人TEケルシーを封じ、
ランをチーム全体で61yに抑え、堅実なプレイがウリのチーフスからターンオーバー2つを
奪った。
チーフスは、2ポイントコンバージョンを決めれば同点のところを反則で取り消し、さらに
返しのスティーラーズの攻撃で3ダウンを止めれば反撃可能のところを突破される、など
決定力に欠けた。リバースフェイクからのショベルパスなど、多様な攻撃を魅せていた
だけに、あと1つが出なかったところが残念だ。
これでAFCの決勝はスティーラーズ@ペイトリオッツとなるが、ブレイディにとっては
スティーラーズ守備陣はお得意様だと思っている。派手な点の取り合いを挑まなければ
スティーラーズに勝ち目はないが、今季のペイトリオッツの守備陣はそれを許さないだろう。
スティーラーズは、ブレディの予想の裏をかくような守備が必要だ。
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NFL | 日記
Posted at
2017/01/25 00:08:56
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