さて、久しぶりに気が向いたので仕事のおもしろ作業でもアプしようかと思います~
数年前の作業ですがお許しを~
季節は梅雨入りしたと思ったらもう明けちゃいましたが、最近はゲリラ豪雨とかかなり激しい雨も多く、良くテレビなどで冠水路をジャージャー水しぶき、というか波を上げて走行している一般車を見る事があるかと思いますが、あれ、ホントにやめといた方が良いですよ。。
ワタクシにはそんな勇気、というか無謀な事は出来ません。。
今回のはそんな良い例?という事で~
ある日、営業マンから担当のお客さんのエスティマHVが冠水路を走った後、暫くしたらクルマが走らなくなった、との事で積載車にて入庫。
まあ、この話を聞いた時点で「あーやっちゃったなぁ・・」と思いました。
しかし、しばらくしてから動かなくなった、というのは「はて、何だろな?」という感じでしたがとりあえず入庫したので実車を確認。
まずはエアクリーナーを外して見ます。
はい、
水でビショビショw
もうほぼ確定w
そしてなぜかLLCがスッカラカン。。
下回りを覗けばなんかLLCが垂れている形跡あり。
自走不可、READYONしませんのでみんなで押してリフトにセットしとりあえず下回り覗いて見る事に。
すると、、
あら、あらら~~
コンロッドさんコンニチハw 腰を曲げてご挨拶w
エンジンが水を吸っていわゆるウォーターハンマーで、見事にコンロッドがブロックを突き破っておりますw
コンロッドが曲がる程度ではなくブチ折れてブロックを破損、ウォータージャケットまでクラックが入りLLCをぶちまけていたのです。
はい、エンジン全損確定です~~
さて、このクルマ中古車だし見積もり出してお客さんと色々連絡してもらいましたが、廃車になっちゃうのかなぁ~なんて思っていたら、車両保険にて直す!との事。
工場の売り上げ的にはおいしいですが、ちょっと重整備ですかね。まあAHR20とかACR50,GSR50系エンジン降ろすのはチョチョイwですのでいいのですが、HVのトランスアクスルがね・・冠水してエンジンがこんなになっちゃったので心配です。。とりあえずはエンジンを載せ替えてちゃんと動くか確認するという事で話が保険会社とお客さん、うちの工場でまとまったようです。
さあ、さっさと降ろします~
メンバーは組み立て式なのでインパクトでぶんぶんやってすぐ取れます。あとは配線とか燃料とかエアコンコンプレッサーはガス抜くのめんどいから車両に残しよけといて、下から降ろします。
ここの工場はぜんぜん設備がないので作業台にエンジンとトランスアクスルを降ろして記念撮影
珍しくご本人登場w
そしたら作業台の上でエンジンとトランスアクスルを分離
パッカーン
トランスアクスルはみた感じ無事のようですね。インプットシャフトもフツーに手で回るし。
エンジンとミッションの間には普通のATのようにトルクコンバーターは入っておらず、なんだかクラッチの出来損ないのようなダンパースプリングだけのクラッチみたいなのが付いてます。どんな名前だったか忘れましたw
そしてエンジン全損ですので新品エンジン、トヨタでいう所のパーシャルエンジンが来ました。うーんピカピカ美しい!
補機類を付替えるだけ、安全安心のパーシャルエンジンンですw
当時の値段忘れましたが、モノタロウでこの品番調べたら税込¥652190-也~
安くはないですが意外と高くもない・・かなw
というかモノタロウでパーシャル買ったらおウチに持ってきてくれるんだろうか・・w
この2AZは中国製ではなく日本製ですね。昔に流行った2AZオイル消費問題、中国製だろうが日本製だろうが関係は無いんですがね。
あとは破損したエンジンをベビークレーンでつり上げて、ピカピカ新品エンジンと入れ替えます。
後はリフトをずっと占領しているわけにはいかないので、猛スピードで組み上げます。なので途中の写真は撮れませんでしたのであしからず。。
そしてオイルやら水やら入れていざ、エンジンン掛けよう!としたら掛かりません。。一瞬超絶焦りましたがHVバッテリーが上がってしまいREADYON出来なくなっていました。
普通ではHVバッテリーが上がることはまずないのですが、このクルマの場合
ウォーターハンマーでエンジンロック
↓
エンジンで発電できず
↓
でもトランスアクスル(モーター)は生きてるしHVバッテリーの容量はある
↓
一応、モーターだけで何とか走れる(あまりパワーは出ないと思いますが)
↓
充電出来ないのでHVバッテリーの容量を使い果たす
↓
はい、走行不能、チーン
という具合です。なのでウォーターハンマーでエンジンぶっ壊れても、HVバッテリーの残された容量だけでしばらく走れちゃうみたいですね。まあしばらくといっても良くて1キロくらいでしょうか。
なので入庫時、冠水路走ってからしばらくしたら動かなくなった、という事になるのでしょうね~ 普通のガソリン車やディーゼルならウォーターハンマー一撃で止まりますからね。
HVバッテリーがリチウムイオンの場合、完全放電すると復活しないのでHVバッテリー交換になってしまいますが(とても高価です。。)このAHR20はニッケル水素なので専用のHVバッテリーチャージャーで充電してエンジン無事始動出来ました。
走行試運転実施、心配だったトランスアクスルも全く問題なく完全復活しました~
このクルマのエアクリへのダクト、そんなに低い位置ではありませんが勢いよくザッパーン!!と冠水路に入ると波になってこの位置でも吸ってしまうんでしょうね。
皆さんも冠水路はホントに注意して下さいね。冠水路の遭遇してしまったら引き返す、くらいの感覚で運転しましょう!
次回はこのダメになったエンジンばらしてみたいと思います~
Posted at 2022/06/28 23:20:46 | |
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