松江のお蕎麦屋さん

　元号が変わった二日目に散歩がてら、蕎麦を食べに行ってきました。

　実は5月2日はお互いの誕生日に次いで大切な日だったのです。
しかしながら近頃は「おめでとう」の言葉ぐらいで物理的な祝意は特にすることもなく、日常に埋もれていたというのが実情でした。
それが「出かけよう」という気になったのは正に天候のせいです。
行楽地は人・ひと・ヒトで溢れているでしょう。
それでも出てみたいと思わせる日和。
絵に描いたような「五月晴れ」です。
寧ろ外出しなければ罪悪感を感じたかも知れない程です。

　ナビに目的のおそば屋さんをセットしました。
近づくと遠目にも並んでいる人が認識できます。
ということで二軒目をセット。
店構えがそれなりのお店にはそれなりに行列ができています。

　と、ここで家人が提案してきたのが「そば岡本」さんだったのです。
家人の口ナビで戦災を免れた城下町の細い道を進みました。
家人が知らなければ全く気付かない佇まいのお店に到着しました。



　民家そのものの玄関を入って左手が厨房で右手が客室です。
その客室も二部屋の6畳間の仕切りの襖を取り払ったような空間です。
その空間に5客の卓が置かれているだけで、客がいなくなれば襖を入れて普通の住宅の部屋が誕生するというような設えでした。
このお店は正に常連のお客だけで成り立っている様な雰囲気です。
かく言う我が家の家人も里帰りする度に訪問していたということでした。

　品書きを見るまでもなく家人は「釜揚げ」と「割子」を一枚、そして小生は「冷の山掛け大」をお願いしました。





　このお店では「釜揚げ」と「割子一枚」というのが常連の注文の仕方の様です。
かく言う小生は欲望の赴くままの注文でした。
「山芋」「卵」「海苔」そして「葱」の上から出汁を掛けてかき混ぜます。





　出雲そばにしては白っぽい感じの麺ですが、食感は正に出雲そば。
それも最上級の絶賛を冠したい程の美味さでした。

　良い結婚記念日になりました。