【突発的旅行日記　ないとおぶふぁいやー編①】

1/25
『19:00』

韮崎ICのゲートでレッカーされたまま窓から支払いを済ませる。

こんな体験もなかなか出来る物ではない。

IC付近にはオープンして間もないと思われるローソンがあり
大型のトラックが何台も停められる程の広大な駐車場で牽引を解いてもらう事にした。
JAFの作業員が作業を始めている最中、店員に事情を話し
暫くの間、作業と駐車させてもらう許可を頂く。

黙々と作業する作業員が、ちびとろ号のボンネットピンを見てこう言った。




「ぁー・・この車ボンネット開くんだぁ～」




(・∀・；)・・・・・「ぃぇ、開きません」・・・・・・・・・。





と返すのもなんだか微妙に悪い気がして、笑ってごまかす。

そうこうしているうちに、作業を終え、書類の手続きを済ませた作業員は
会釈とともに立ち去っていった。

時計を見ると19:30になろうかというところである。


とりあえず安堵の溜め息を吐くと、お腹がすいてきた・・。

思い返せば、昼前にカレーを食べたきりである。
目の前のコンビニで何か軽く食事を・・・と考えたが
今まさに救援に向かっているK君は食事すら摂らずにこちらに
走っているはず・・・。

そう考えると、俺だけ先に腹を満たすのは忍びなく思い
ぐっ・・と我慢する事にする。









からあげ君くらいなら・・・









なーんて誘惑に葛藤しながら車内で時間をつぶす。
幸い、灯りがあるので持っていたラノベを貪り読む事にする・・。

こういう時は時間が進むのが本当に遅く感じる物だ。

コンビニの道路をはさんだ向かいの自動車屋さんには
同じように故障か何かでレッカーされてきた車両が、
オーナーとともに運び込まれてきたのが暗がりの中目に入る・・。

なるほど、日常の中にもこういう事って結構有るもんなのだな・・と感じた。



『21：30』
小説のページをめくる視界の端に、白いローダー車が目に入る

「！」と思い頭を上げる・・・と、ともに確信した。

K君の登場だ！




若い彼は、いつもどうりの笑顔で「大変でしたねー」と声を掛けてくれる。

本当に安堵したのはこの瞬間だったのかもしれない。






⑩へ続く　（あれ？何話目だったっけ(・∀・)ｱﾏｰ）