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高γグロブリン血症による腎不全で闘病中だったグレイちゃんが亡くなりました。
保護して4年9か月、享年推定5歳です。
腎不全となり1年4か月あまりでした。
食欲廃絶をおこすと週に100g体重が低下、発症前の4.7kgから亡くなる前日は1.92kgまで落ち込みました。
1ヶ月前からトイレの外で粗相をするようになりました。
高γグロブリン血症の元となる病気のひとつが多発性骨髄腫で、先生から腰の痛みを注意されていました。
いよいよ足腰が衰え、後ろ足がトイレの縁を乗り越えられない感じでした。
前日はシリンジでクリミール(ヒト用流動食)を30cc、夜に皮下輸液100cc、シリンジでペーストの健康缶を与えたところ全部嘔吐しました。
就寝前にクリミールを5cc飲ませたのが最後の食餌でした。
いつもなら私の枕元に必ず飛び込んでくるのですが、この日は抱いてベッドに連れて来ました。
しかし程なくベッドの下へ降りてエアコンの風を避けるように、寝室前のトイレで寝付いたようです。
このときダルそうにべったり腹をつけ泣き声がかすれていました。
今日は触られたくないのかと軽く考えていました。
深夜3時頃には廊下で寝ていました。
「大丈夫か?明日病院行こうかね」と撫でるとかすれた声でさかんに鳴きました。
これが最後のお別れでした。
朝5時40分、リビングの廊下の隅で息を引き取っているグレイちゃんを見つけました。
取り返しのつかないことをしてしまった。
軽く考えてしまった~グレイちゃんを見捨ててしまった。
どうしようもない自責の念で動転しました。
名前を呼んで撫で回しても亡くなったことを理解できず、抱きかかえて硬直が始まっていることを悟り
妻を起こしました。
妻も私と同様にグレイちゃんを前に崩れていました。
しばらくしてママ(私)の座布団にグレイちゃんお気に入りのブランケットを敷いて寝かせました。
二人で撫でながら、これまでの色んなことをゴメンネと何百回も謝りました。
動揺する僕らを横目に、キジシロちゃんはグレイちゃんを避けるでもなく平然としています。
夜中の間にキジシロちゃんはお姉ちゃんにお別れしたんだろうか。
7時、二人とも会社に休む電話をするため、何とか心を落ち着かせます。
しかし妻は夜までに静岡へ帰らねばなりません。
さて弔いはどうしようか。
月曜なので今日何とかしてあげないと。
ネットで公的斎場、民間のペット霊園など調べました。
お骨を遺すか、お経や位牌は…
もう僕らもいつ逝ってもおかしくない年代なので、何も遺さずお別れしようということになり、名古屋市営の八事斎場で火葬することにしました。
動物の火葬はまとめて行うのでお骨を拾うことはできません。
動物用の火葬場は味気なく質素ですが、霊園には戦前からの動物慰霊碑や遺灰を納める万霊供養塔があります。
僕らが行けなくなってもペットを愛した家族たちが永く訪れ寂しくないでしょう。
棺は段ボールなどの紙製で、首輪、ビニール・プラスチック類、繊維(タオルケット、毛布等)は入れることは出来ません。
私は物を取っておくタイプですが、妻は爪切りもハサミも止めようと言うので、大好きだったブラッシングをしてあげて抜け毛を遺すことにしました。
9時にお世話になった病院へ電話したところ、担当医に代わってくれました。
グレイちゃんの最期の様子とこれまでのお礼を涙をこらえ伝えました。
9時半開店したスーパーでお花を買い、開店前のホームセンターで事情を話し大き目の段ボールをもらってきました。これが猫砂の段ボールだったのはご愛嬌。
家に帰り棺の準備をしました。
グレイちゃんの体に丁度よくなるように段ボールをカットして仕立て直しました。
お気に入りのブランケットは入れることができないので、大好きだった新聞紙を布団に、ティッシュで枕を作って寝かせました。
キジシロちゃんはカットしたての段ボールに我慢ならなくなりスリスリしています。
ロイヤルカナンの腎臓サポートと日清のカリカリ、ベランダで育てた猫草も入れました。
最後のブラッシングでも艶々の毛並みの手触りは変わらず、全部抜けちゃうと妻から止められるまでブラシを掛け続けました。
グレイちゃんの顔に頬ずりすると、グレイちゃんの香りがします。
グレイちゃんは口内炎で一時口臭がきつかったのですが、軟膏や乳酸菌、フルボ酸のサプリで和らぎ、元気だった頃の体臭に戻っていました。
匂いを嗅ぐ私を「変だ」と笑う妻も、グレイちゃんに頬ずりして「あぁグレイちゃんの匂いだ」とまた泣いています。
別れを惜しんでいる内に口から透明な水を吐き出すようになり、下になっている左半身はせんべいの様に平たくなってきました。
体に詰め物や保冷剤は可愛そうなので、もうそろそろ連れて行かないといけません。
ティッシュを水に濡らして「死に水」風にグレイちゃんの口に含ませてあげました。
クルマに運ぶとき箱に入ったグレイちゃんは一層軽く感じました。
八事斎場へ自分で運転して乗り入れるのは初めてです。
13時午後の受付開始、猫の火葬申請を書いて1100円支払いました。
車に戻りヒトの火葬場の裏手にある動物火葬場「獣し棟」へ向かいます。
通常は右手の保冷庫に入れるそうですが、午後火葬するので炉の前の台に置いて下さいと言われました。
既にアマゾンの段ボールが二つ置かれています。
クルマのトランクに置いて最期のお別れ、テープで封をして台に運びました。
帰ろうとクルマを切り返すとき、グレイちゃんの段ボールが妻の助手席側に見えました。
長く黙っていた妻が「グレイちゃんバイバイ」と、繰り返し声を絞り出しました。
~最後まで読んで下さりありがとうございます~