共生虫/村上龍

珍しく最近の小説を読みました。

ひきこもりのウエハラ君が、共生虫によって選ばれた人間として覚醒し、横暴なハッカー集団を退治した後、人知れず新宿の人混みに消えてゆくまでの物語です。

………。
たぶん伝わってないですね。
ウエハラ君は村上龍特有の自閉、社会への不適応から破壊へと向かう一連の作品の主人公たちの一人です。
物語中盤までひたすらつまらないんですが、物語後半にそれまでの伏線が一気に結合し、平坦な展開が急旋回して爆発的なクライマックスを迎えます。
ベテラン作家がたまにこういうプロットの構成を取ることがあるんですが、本当に最後までつまらない小説も世の中多いですので、なるべくやめて欲しいです。あやうく途中で読むのやめるところでしたよ。

この頃の村上龍の作品はメッセージが複合的なので、ひと言で表すのが難しいんですが、
自分が今の社会に適応してマトモと信じこんでるあなたも、はっきり言ってマトモじゃないよ、ってことだと思います。
そういうことやろ？ドラゴン。