新型デミオ、なかなかに戦略的な価格設定とモデルラインナップですね。
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ガソリン仕様とディーゼル仕様ですが、当然ながら価格差があります。
経済性を考慮するなら、この価格差を埋めるにはどれくらい走らなければならないか、検証が必要ですね。
というわけで、ものすごくテキトーに計算してみました。
■比較するモデル
ガソリン仕様>>>1.3 13S 5MTと6AT 145.8万円
ディーゼル仕様>>1.5 XD ディーゼルターボ 6MTと6AT 178.2万円
ガソリン仕様には135万円のモデルがありますが、それにはサイドエアバッグ、アルミホイールが標準装備されていない様子なので、標準装備のモデルで比較しました。
上記装備を標準とするモデルでは一番安い選択です。
ちなみに、MTもATも同価格ですが、ガソリン仕様のMTは5MTで、ディーゼルは6MTなんですね。ATはどちらも6ATです。
価格差は32.4万円ですか。
この金額をディーゼルの良燃費、経由の価格の安さでペイするにはどれくらいの走行距離が掛かるか、です。
なお、ほかの費用は考慮しないこととします。
■燃料費
とりあえず、全国平均(2014年9月11日~17日)にしときます。
レギュラーガソリン 162.8円/L
軽油 140.3円/L
です。
■カタログ燃費と実用燃費について。
カタログ燃費
ガソリン仕様 5MT 21.8 km/L (レギュラー)
ガソリン仕様 6AT 24.6 km/L (上に同じ)
ディーゼル 6MT 30.0 km/L (軽油)
ディーゼル 6AT 26.4 km/L (同じ)
なのですが、日本車の燃費の表記の場合、カタログ燃費を出すのは非常に困難なので、それを考慮します。郊外ならカタログ値の7割くらいは出せるかなあ、ということで、7割の数値を並べました。7割の根拠は経験と勘(適当)です。本当なら、トルクの厚いディーゼルのほうが郊外では安定して良い数値を出せそうな気がしますが、係数を変えるのはアンフェアなので、統一して7割にしときます。
想定される実用燃費(テキトー)
ガソリン仕様 5MT 15.26 km/L
ガソリン仕様 6AT 17.22 km/L
ディーゼル 6MT 21.0 km/L
ディーゼル 6AT 18.48 km/L
・・・ふむ。割と現実的な数字じゃないですか?
ディーゼルのATとMTには1割以上の差がありますが、正直、最近の賢いATの場合、1割も差が無いというか、下手なMTの方が燃費悪いんじゃね?とか考えますが、考慮外とします。
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・・・では、テキトーな計算を行います。
いちいち細かく検証するのは面倒なので、10万キロ走った場合、どれくらいの差になるかを見てみましょう。10万キロの根拠は特にないですが、日本人の多くは新車>廃車まで10万キロ未満の走行距離のような気がしますが、分かりやすい区切りということで10万キロを。
■10万キロ走るのに必要な燃料・燃料費(小数点以下四捨五入)
ガソリン 5MT >>>6553L 106万6828円
ガソリン 6AT >>>5807L 94万5380円
ディーゼル6MT >>>4762L 66万8109円
ディーゼル6AT >>>5411L 75万9163円
となりますね。
■ガソリン仕様とディーゼル仕様の比較
10万キロ走行した時点で
ガソリン5MT 対 ディーゼル6MT
>>>39万8719円お徳
ガソリン6AT 対 ディーゼル6AT
>>>18万6217円お徳
ガソリン6AT 対 ディーゼル6MT
>>>27万7271円お徳
■損益分岐点
・・・計算面倒になってきた(笑)
なので、ものすごくザックリと算出。
・MTしか目が無いぜ!MT命。(MTモデルで比較)
>>
約8万1千キロ走行以降はディーゼルのほうが徳になる。
・今時、MTなんて面倒でしょ?(ATモデルで比較)
>>
17万4千キロ走行以降はディーゼルがお徳。
・ディーゼルとガソリン、とにかく経済的に徳なほうを。(ガソリンATとディーゼルMTで比較)
11万7千キロ走行以降はディーゼルがお徳。
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・・・とまあ、こんな感じでした。
ただ、これはあくまで参考に過ぎないです。実際はどうなるかは環境によるでしょう。
■考察1■
それと、これは個人的な想像ですが、
もしディーゼルが売れまくったら軽油に対して増税が来るかも・・・?
ガソリン税は国税、軽油税は地方税なのですよね。現状、ハイブリッドが広く普及し、ハイブリッド車はガソリンを使うことから、国税として国の収入源になっているわけですが、これが軽油税(地方税)に置き換わっていくなら、国は黙っていないかもしれません。
※蛇足ですが、ガソリン=国税、軽油=地方税という構図は、ハイブリッド車の普及の一助になったのではないかと推測します。昔はスターレットやカローラなど、実用小型車にもディーゼルがありましたが、ハイブリッド車の普及(より少し前かな)により次々と廃止されました。トヨタ(及び追随するメーカー)は大衆向け自動車の燃料をガソリン一本に絞った形ですね。これ、国にとっても都合が良かったのだと思います。ハイブリッドは燃費が良くて、税収は減るかもしれませんが、そこは時代の流れとして看過するとして、市販車のディーゼルを淘汰しとけば、省燃費化の税収減を少しは補えるのではないかと国は考えたのかもしれません。ハイブリッドを普及させる大手自動車メーカーと国の利益は一致していたのだと思います。
もちろん、排気ガスに対する規制が厳しくなって従来のディーゼルが廃止されたのは事実でしょうが、排ガスの規制の方法は国の政策にも関係します(日本はNOXに対して厳しいなど)ので、政策的な意図は反映されていることでしょう。おおざっぱに言って、欧州はディーゼル推し、日本はハイブリッド推し、になるような規制が構築されてきた側面はあるのではないでしょうか。
話が逸れました。
政策の考察はともかくとして、軽油が今後、安くなっていく、ということは無いのかなあと考えたりします。増税があるかもしれないし、ディーゼルが売れたなら需要増により軽油の価格が上がるかもしれない。そうすると、ガソリンと軽油の価格差は今が一番大きく、ディーゼルに乗るメリットが大きいのかも。また、今後は、少なくとも価格差は縮まって、お徳感は減っていくのかも?
■考察2■
維持費は燃料費だけでは決まらないわけで、その点も要検証ですね。
新しいスカイアクティブディーゼルエンジンの耐久性は如何ほどのものか?高価な燃料供給装置が故障して、交換費用がドカッと掛かるなら・・・。ただ、それを言うならスカイアクティブガソリンエンジンも直噴ですし、若いエンジンですし、まだまだ分からないところはありますね。
いずれにせよ、筒内に燃料を直接吹き付ける直噴エンジンの場合、オイルに求められるものは大きいのかなあと想像します。ガソリン、ディーゼル両方の話しですが、長く乗るには良いオイルを使ってちゃんとメンテしたいところですね。
ま、そこらへんは今回の検証の範囲外ということで。
■考察3■
走りについても考えないといけないですね。
個人的には、トルクの分厚い車を運転するのは余力があって楽しいし、楽でもあるのですが、これは好みにもよるかもしれません。
好きなフィーリングを優先しても良いような気がします。
純粋に経済性だけを考えるなら、相当走らないとペイ出来なさそうですが、もしディーゼルのフィールが気に入ったら選ぶのもアリだと思います。トルクの厚いディーゼルに6MTというのは日本ではとてもレアな構成ですし、楽しいかも?
■考察4■
ライバルとしてはトヨタ・アクア(ハイブリッド車)も考慮しないといけないのかもですね。
構造的に、従来からの「車らしい」フィールではデミオが圧勝ではないかと想像しますが、ハイブリッドを近未来感として捉えるなら、そちらを好む方もおられるのではないかと思います。お好みで、としか言えないですね。
あと、アクアを調べたら、サイドエアバッグは全グレードでオプション扱い、アルミホイールは非装着でした。一方でデミオは全モデルオーディオレス?のようです。
価格を下げるための工夫なんでしょうが、メーカーの姿勢が現れているような気がします。
それはともかくとして、
いずれにしても消費者の選択肢が増えることは大歓迎です。
ハイブリッド対ディーゼル、良いじゃないですか!切磋琢磨が良いものを作っていくはずですから。
Posted at 2014/09/18 12:52:01 | |
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