アルファロメオ 4C スパイダー

ユーザー評価: 4.6

アルファロメオ

4C スパイダー

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兵ども(アルファの中の人達)が夢の跡 - 4C スパイダー

過去所有

兵ども(アルファの中の人達)が夢の跡

おすすめ度: 5

満足している点
箱根、とくに芦ノ湖スカイラインのような中低速コーナーを走るには、今まで乗ったことある車のなかで一番楽しい。

その理由はたぶん、どこから踏んでもすぐにトルクが出る低速型ターボエンジンと、圧倒的に信頼できるコントローラブルなブレーキ、パドルシフト、そして軽いけど荷重が抜けるほどには軽すぎない車体。

これらのおかげでコーナーでハンドルと前後荷重だけに集中できる。左足ブレーキを使えば右足・左足・両手がきれいに役割分担できるので、ドライビングが自然に楽しめる。

バケットシートとハーネスさえ入れれば、ほぼノーマルでもサーキットでレーシングクーペのごとく走れるのもいい。

最後に、パドルシフトのタッチは私が触ったことある中で最高。極小のストロークで小気味よくクリックします。
不満な点
・サーキット走行に照準を合わせて設計しているにも関わらず、整備性(ボンネット開かない)、シート(ホールド最悪、ハーネス用の穴なし)、タイヤ(変なホイールサイズで選択肢が少ない)といった点での配慮が足りない。

・6速のTCTは世代が古く感じる。2速3速あたりのギア比のつながりがいまいちで、コーナーで2速の使い勝手が悪い。またオプションのエアインテーク無しだと熱がこもりやすい(エラーが出て動かなくなる)。

・ハンドルが重いのはしょうがないとしても、形状がいまいちで回しにくく車庫入れが大変。
総評
一般的に製造業のマーケティング論では、作り手が作りたいものを作る「プロダクト・アウト」ではダメで、市場調査をして消費者が欲しがっているものを探り出して作る「マーケット・イン」のほうが正しいとされています。

ところがこと自動車に関しては、市場に媚びること無く作り手の情熱だけを原動力に生み出されたプロダクト・アウトな車こそが時代を超えて評価されたりします。

4Cもそんな車のひとつで、アルファロメオの設計者やデザイナーたちが「俺たちの考えるいちばん魅力的なスポーツカーとは何か」を赤ワイン片手にさんざん語り合った末に生まれたような熱量を感じます。

この車に、「想定される使用場面」なんてものはありません。峠に行って、サーキットに行って、オーナーズミーティングに行って、ガレージで眺める。それ以外の用途はありません。

そういった意味で、これは定義どおりのスーパーカーです。

あるいは、この車を所有することは旧車を持つのにも似ています。ほぼ現代の車なのに立ち位置的にはネオ・ヒストリックカー。

だけど残念ながら、旧車のようにメカいじりを楽しめるわけでもないし、ただゆっくり走っているときの心地よさを追求した味付けでもない(スーパーカーとしての非日常感と注目される満足は味わえると思いますが)。

楽しめる速度領域やシチュエーションの狭さは現代の多くのスポーツカーが陥っている罠です。運動性能を楽しめる速度域が高すぎかつ狭すぎて、危険だし社会的にも許されなくなっている。かといってサーキットだけで遊ぶなら本物のレーシングカーのほうが楽しい。

そうやって突き詰めて考えていくと、いわゆる「公道を走るレーシングカー」や「スパルタン」と形容される車って、もはや居場所がなくなってるんですよね。

スポーツカーに公道で乗るなら、もっと移動そのものを楽しめる心地よさがあったほうがいい。そう思って手放しちゃいました。
デザイン
4
買った当初は、自動車デザイン史上ベスト10に入る美しいデザインだと思ってました。

だけどあるとき、同じメタリックレッドのNDロードスターといっしょにツーリングに行って、フロントエンジンのNDにボンネットの低さで負けていること、マツダの赤のほうがさらに深みがあること、横置きエンジンを収めたリアのデッキもけっこう高さがあることに気づいてしまいました。いや、それだけNDのデザインが素晴らしいということなんですが。

そんなわけで、ベスト20くらいに格下げかな。

クーペの蜘蛛目と違ってヘッドライトがふつうのデザインなのは好みです。海外ではクーペでもオプションで選べました。

内装デザインは全然ダメです。外装デザインで力尽きた感じ。
美的にも魅せ場に欠けますが、一番気になるのはメーターパネルの位置です。
ステアリングコラムの高さを自然な低さに合わせると、身長の高低にかかわらず大事なところ(速度計等)がハンドルの影に隠れてしまうはずです。

イタリアンデザインはたまにこういう、「それでいいのかちゃんと検証したのか?」ということがありますね。

ハンドルのデザインも、ロータスなんかと比べてあんまりワクワクしない。
走行性能
4
音の迫力でごまかされそうになりますが、エンジンは回して楽しい類いではありません。ターボとはいえ、公道でスポーツカーを楽しむのなら、もうちょっと回した気持ちよさ・伸びやかさがほしいところ。そのあたりA110のほうが演出がうまいです。

サーキットや峠で本気で走っているときにしか本領を発揮できないエンジンという気がします。

コーナリング中のグリップ感は非常に高いです。この車で公道でアンダーやオーバーが出ると言う人は、間違いなくスピード出しすぎ・安全マージン取らなすぎです。

ただしサーキットでは、ノーマルのピレリP0では力不足。ポテンザRE71RSを入れたら今度はグリップ高すぎ。それより少し下くらいのタイヤがちょうどいいかな。

走りを楽しみたいならシート交換はもうほぼ必須メニューです。レカロのフルバケとKansaiサービスのレールを入れてヒップポイントも下げたら車との一体感が格段に上がって、乗り心地も良くなりました。ただしステアリングコラムを動かさないと降りられなくなっちゃった。
乗り心地
2
掃除機のような吸気音はじめ、いろんな機械音が遠慮なく室内に入ってきます。

幸いスパイダーなので、屋根さえ開ければ心地よい排気音が聞こえてきますが、窓閉めて走っているとうるさいだけです。
積載性
1
機内持ち込みサイズでもトランクに入れるのは厳しいです。2人での遠出は難しい。
燃費
4
悪くないです。全然悪くない。
価格
3
良くも悪くも、コストのかけかたが思いきり間違っている車です(笑)

消費財として見たら、とてもじゃないけどコストパフォーマンス悪すぎ。
が、コレクターズアイテムとして見たらまた違った評価が見えてくる。

10年単位で待てば、値段が大きく上がっていくでしょう。貴重さ・歴史的価値でいったらポルシェの比ではありません。
故障経験
とくになし。
初期に一度だけ、点検のときにミッションからのオイル漏れが見つかり保証対応。

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