クルマ好きは押さえておきたい!日本の歴代最強エンジン10選!

2021年7月5日

各年代の名エンジンが勢ぞろい!

新車の話題となるとEV関連の話が多くなってきていますが、長年にわたってクルマの魅力の中心となってきたのはエンジンで、様々なメーカーからその時代ごとに魅力的なエンジンが登場しました。名車と言われるモデルにはこうした魅力あふれるエンジンが搭載され、人々の心をつかんできたのです。日本の自動車黎明期である1960年代から現代に至るまでに登場したさまざまなエンジンを紹介します。

60~70年代:世界を驚かせた2つのエンジン

<日産 S20型>
1960年代、日産と合併する前のプリンス自動車で開発が始まり、合併後に登場したスカイラインGT-Rに搭載されたのが、レース用エンジンをベースにしたS20型エンジンです。当時、市販車用のエンジンといえば1本のカムシャフトがエンジンの下側に配置され、プッシュロッドを使ってバルブ開閉をするOHVが主流の時代に、S20はエンジン上部に吸気用、排気用それぞれ独立した2本のカムシャフトを配置(=DOHC、ツインカムのこと)。しかも吸気側2バルブ、排気側2バルブの4バルブ方式を採用した、破格に贅沢な設計の2リッター直列6気筒DOHC4バルブエンジンでした。超ショートストロークで、ソレックスのツインチョークキャブレターを3連装し、160馬力/18.0kgmを絞り出しました。現代のクルマと比べるとずいぶん低い数値ですが、当時としてはハイパワーで、搭載されたモデルはスカイラインGT-RとフェアレディZ432のみでした。



シビック

<ホンダ:CVCC>
1960年代後半から1970年代にかけて、日本とアメリカを中心に排出ガス規制が厳しくなってきました。とくにアメリカでは1970年にマスキー法(通称)という法律が誕生、1975年以降に製造するクルマの排出ガス中の一酸化炭素と炭化水素の排出量を従来の10分の1まで減らすことが求められたのです。世界中の自動車メーカーが無理だと言うなか、それを初めてクリアしたのがホンダ シビックに搭載されたCVCCと呼ばれる方式を採用したエンジンでした。CVCCとはCompound Vortex Controlled Combustionの略で、日本語では複合渦流調整燃焼となります。副燃焼室と呼ばれる小さな燃焼室をエンジンに設け、火花による初期燃焼は副燃焼室で行い、副燃焼室で発生した火炎が主燃焼室に吹き出すことで、希薄燃焼を可能にしたものでした。すでに2輪やF1のレースで世界に技術力を示していたホンダですが、このCVCCエンジンの登場は世界中の自動車メーカーを驚かす事態となりました。初代CVCCエンジンは1.5リッター直列4気筒で、73馬力もしくは63馬力/10.2kgmというスペックでした。

1980年代:DOHCが当たり前になった

<トヨタ:4A-G>
トヨタが「名ばかりのGT達は、道をあける」という広告コピーをセリカに使用したのが1979年のこと。当時、日産はターボエンジンこそ持っていたものの、DOHCつまりツインカムエンジンはなかったのですが、トヨタはセリカ2000GT時代から常にツインカムエンジンをもっていました。

そのトヨタが1983年に登場させたAE86レビン・トレノに搭載したのが1.6リッター直列4気筒の4A-G型エンジンです。1983年デビュー時は1気筒あたり4バルブですが、最終的には1気筒あたり5バルブのモデルも登場します。4A-Gの型式をもつエンジンはレビン&トレノに4世代にわたって搭載、初代MR2にも採用されました。当初のスペックは130馬力/15.2kgmですが、5バルブの自然吸気タイプは165馬力/16.5kgmまで進化しました。また、スーパーチャージャー付きのタイプには170馬力/21.0kgmを絞り出すパワフルなものも存在しました。

280馬力時代、そして自主規制後のハイパワー時代に
R32

<日産:VG30DETT・RB26DETT>
1989年、日産はフェアレディZに3リッターV6DOHCツインターボのVG30DETTを搭載します。このエンジンが国産初の280馬力エンジンとなります。その後、日産は復活させたスカイラインGT-R(第二世代)RB26DETTを搭載。このエンジンも280馬力を誇りました。

<トヨタ:1JZ-GT>
一方トヨタはスープラに2.5リッター直列6気筒の1JZ-GTを搭載しました。これがトヨタ初の280馬力モデルです。そのほかにもホンダがレジェンド、三菱がGTOなど、各社がさまざまなモデルに280馬力仕様のエンジンを搭載しました。

コスモ

<マツダ:20B・13B>
そうしたなか、忘れてはならないのがマツダのユーノスコスモに搭載した20B型3ローターです。世界初にして唯一の3ローターロータリーエンジンは、654cc×3の排気量でシーケンシャルツインターボ仕様でした。コスモの終了とともに20Bエンジンは姿を消しますが、のちに2ローターの13B型エンジンも280馬力までパワーアップされます。

インテグラ

<ホンダ:B16>
最高出力を競う馬力戦争だけがエンジンの技術競争ではありません。ホンダが開発したVTECシステムを搭載したB16型エンジンは1989年に登場。ホンダは自然吸気で1リッターあたり100馬力という高出力を発揮し、なおかつ常用域でも使いやすいエンジンの開発を目指しました。そこで中低速用のカムと高速用のカムを切り替えて使う方式(VTEC=Variable valve Timing and lift Electronic Control system)を採用したのです。ホンダはすでに2輪用としてバルブ切り替え機構のREVを採用していてノウハウがありました。シビックやインテグラに搭載された1.6リッター直列4気筒DOHC自然吸気のB16型エンジンは7600回転という高回転で、1リッターあたり100馬力となる160馬力を達成しました。

LFA

<レクサス:1LR-GUE>
さてまだまだ紹介したいエンジンがたくさんあるのですが、2000年以降で1つだけエンジンを選ぶとなると、やはりレクサス LFAに搭載された1LR-GUE型です。トヨタは2000GTに専用エンジンの3M型を搭載しましたが、この1LR-G型もLFA専用のエンジンです。1LR-G型はV10レイアウトの4.8リッターで、バンク角を72度とすることで等間隔爆発(燃焼)を実現しています。ありとあらゆる部分に最高の技術と素材がつぎ込まれた1LR-G型は8700回転で560馬力を発生。筆者の記憶でも、今まで乗ったどんな国産エンジンよりも最高のフィーリングを味わうことができました。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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