カーナビ(車載ナビ)とスマホナビどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットを解説

2021年7月30日

車載・スマホナビそれぞれの特徴は?

現在、カーナビゲーション製品は大きく2つに分かれています。ひとつはメーカー純正や後付けで車載するナビゲーション専用システム、もうひとつがスマホのカーナビアプリです。今回は、それぞれのメリット・デメリットや、最新のカーナビゲーション事情をご紹介します。

この記事のPOINT
車載ナビのメリットは操作性と位置情報の解析力
車載ナビのデメリットは金額と地図の更新頻度
スマホナビのメリットは金額と地図の更新頻度
スマホナビのデメリットは視認性と案内の精度

車載ナビは3種類、スマホナビは有料版と無料版に大別される

車載ナビは工場で装着される「メーカー純正ナビ」とディーラーで販売している「ディーラーオプションナビ」、ネット通販やカー用品店で購入することになる「社外ナビ」の3種類に大別されます。

一般的には高い順に「メーカー純正ナビ」、「ディーラーオプションナビ」、「社外ナビ」となります。トヨタ、日産、ホンダの3社は独自のプローブ情報システムを使用し、渋滞情報や災害時でも通行可能な道路標示などを行っています。これらの情報は「メーカー純正ナビ」もしくは「ディーラーオプションナビ」を使うことで利用できます(※一部の機種では利用できないこともあります)。また、電気自動車などは「メーカー純正ナビ」を使うことで航続可能距離や範囲、利用可能な充電ステーションを表示させることもできます。自動車メーカー以外では、パイオニアが独自にプローブ情報を展開しています。

スマホナビはスマホで使うカーナビアプリのことです。有料のものと無料のものがあり、同名のアプリや開発元が同じならば有料版のほうが高性能。また、スマホナビはスマホの性能にナビの性能が左右されます。処理速度はもちろん、通信状況等によっても精度などが変わってきます。

スマホに比重を置くユーザーが増えている理由
スマホナビも負けていない

「メーカー純正ナビ」は高価なモデルになると40万円オーバーとなることもあります。クルマにもスマホにもお金が掛けられるなら最高級の車載ナビを装着して、スマホも高額なものを買えばいいのでしょうが、限られた予算のなかでクルマもスマホもとなると、ナビの予算を削ってスマホに回すのは自然な流れです。昨今のスマホのナビゲーションの性能はかなり向上しているので、スマホ側に比重を置くユーザーが増えています。

車載ナビとスマホナビ、それぞれのメリットとデメリットとは?

車載ナビ最大のメリットは操作性や使い勝手にあります。とくにメーカー純正ナビには運転しながら直感的に操作がしやすい物理スイッチが使われていることが多いのが大きなメリット。上級グレードのナビになるとメーター内にも地図や右左折のタイミングが矢印で表示されるものもあります。こうしたきめ細かな操作性は車載ナビならではですが、価格が高いのが難点です。



スマホナビの操作性は車載ナビに比べると見劣りします。とくにスマホをホルダーに固定して操作するタイプは、スマホ画面で地図を表示するため車載ナビに比べ地図が小さく、同じ画面内に表示されるボタンの操作もやりづらいものです。

それをカバーするのがディスプレイナビで、Android AutoやApple CarPlayなどのアプリを使って、スマホの画面を車載のディスプレイに表示させ、ディスプレイ画面での操作も可能にしています。つまり、ナビの頭脳はスマホでも、表示と操作は車載ディスプレイで行えるのです。ディスプレイナビを使うことで、スマホの苦手な部分はほぼカバーできます。

それと、一部の車載ナビはオンデマンドで地図更新を行いますが、多くの場合はデータをダウンロードしてインストールするか、メモリカードやDVDのデータのインストールが必要です。

一方、スマホナビの最大のメリットは基本的には常に最新の地図を使うことができることでしょう。ただし一部のスマホナビは、車載ナビなら案内しないような細い道や、とんでもない裏道を案内することもあり、距離はそれほど短縮されないのに、クルマの通行に適さない道で平均速度がダウンしてしまい、結局到着が遅くなるということもあります。ここはスマホナビの苦手分野というわけです。



ナビゲーションシステムで重要なのが自車位置の解析で、正しく表示されてこそナビが正確に作動します。車載ナビは専用の衛星センサーやジャイロセンサー、加速度センサーを装備しています。衛星センサーは従来のGPS加えて、みちびき、グロナス、SBASに対応している製品もあります。また、車速パルスを利用できる場合(ナビと車両の組み合わせで、できない場合もある)は自律走行の精度をさらに上げることができます。

スマホも同様のセンサーを備えているものが多いのですが、一般的に車載ナビほど高性能ではありません。モバイル通信がオンのときは基地局との距離を計測して精度を高めていますが、それでも車載ナビのほうがずっと正確でしょう(※簡易型の車載ナビなどは除く、中上位の機種の場合)。

案内の精度やわかりやすさも車載ナビに軍配が上がります。すべてのスマホナビを試しているわけではありませんが、スマホナビの場合は右左折の案内が遅れることも多く、右車線にいるときに左折案内が出るシーンも散見されます。もちろん、それぞれのカーナビアプリで特徴や性能差があるでしょうから、各種のレビューをチェックしたり、無料版を試したりすることも大切です。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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