ホイールナットを選ぶときは、マッチングに気をつけよう

2018年7月4日

ホイールナット

ホイールをクルマに装着するために不可欠なパーツがホイールナットです。一言でホイールナットといっても、じつはメーカーごとに形状やネジピッチが違うことも多いのです。クルマを乗り換えたときに、スペアとして保管してあったナットを使おうと思っても使えなかったり、ピッチは合うもののホイールと接触する部分の形状が合わなかったりすることもあります。ホイールナットを選ぶときにはきちんとマッチングするものを選ぶことが大切です。

国産乗用車用ホイールナットだけでも色々ある

ホイールナットはハブから出ているボルトに合うサイズのものを選びますが、乗用車に限定してもそのタイプはさまざまです。呼び径(穴径)だけをみても10mm、12mm、14mmと3種類。10mmと12mmはそれぞれネジピッチが1.5と1.25の2種類あるので、計5種類のナットがあることになります。

呼び径が違うときはまったく入らないのですが、呼び径が同じだとピッチが違っても最初のひと掛かりくらいが入ってしまうこともあり、そのままレンチで締め込むとナットもハブボルトも壊してしまうことがあります。そうしたことを防止するためにも、装着されていたナット以外を使うときは、ナット、ボルトともにきれいにしてから軽くグリスなどを塗って、手で締め込んでからレンチを使うようにしましょう。

ホイールナットやハブボルトにグリスやオイルを塗るとナットが抜けてしまわないかと思っている方がいますが、それは心配いりません。きちんと規定トルクで締め付ければナットが抜けることはありません。締め付けトルクはトルクレンチを使えば正確ですが、ホイールレンチや十字レンチで無理なく締められれば基本は大丈夫でしょう。やっていけないのは体重を掛けて締めるなどの無理に力を入れることです。ただ、自信のない方は作業をやらない、もしくはきちんとトルクレンチを使うようにしてください。

ホイール交換

ホイールナットは呼び径やネジピッチだけでは確定しない

ホイールナットは呼び径やネジピッチが適合したからといっても使えるわけではありません。ホイールとナットが接触する部分が、合わないときちんと固定することができません。ホイールとナットを締結しているのは、ネジ部分の摩擦よりもこのナットとホイールの接触面の摩擦のほうが大きく働いています。

ネット通販などで新品ホイールを購入し自身で装着する場合、ナットが接触する部分の塗装(クリア塗装を含む)が残っている場合は、電動ワイヤーブラシなどではがしておかないと走行中にナットが外れる(塗装がはがれるため)ことがあります。

ホイールナット交換

輸入車ではナットではなくボルトを使っていることもある

国産車はハブから出ているボルトにホイールを装着しますが、一部の輸入車(といってもメルセデス・ベンツ、BMWなどメジャー系も含みます)は、ハブから出ているボルトがありません。ハブにねじ穴があり、そこにボルトを入れることでホイールを固定します。ハブからボルトが出ていれば、ホイールをそこに引っかけるようにして装着することができますが、ボルトがないのでホイールのボルト穴とハブの穴を合わせるのが難しく、なれない人が一人で作業するのはかなり困難なものとなります。

こうしたクルマの場合は“ホイールセッティングボルト”と呼ばれる道具を使うと楽に作業が行えます。ホイールが外れた状態で“ホイールセッティングボルト”2本をボルト穴に入れておき、そこにホイールを引っかけるようにして取り付けます。そうしておいてからボルトで固定、“ホイールセッティングボルト”を外してそこにホイールナットをねじ込むという方法です。ようするに“ホイールセッティングボルト”はホイールを装着するための治具ということになります。あまり作業を行わないアマチュアこそ使いたいツールが“ホイールセッティングボルト”です。


(諸星陽一)

関連するユーザー投稿

カスタム、DIYに戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

注目タグ

最近見た車

最近見たクルマはありません。

ニュース