
前回触れたように、今回は駆動系の印象から。
エンジンは直列4気筒、可変バルタイ、インタークーラー付、直噴ターボで排気量は1.6Lです。試乗時もそうでしたが購入後の日常使用でも、驚くほどパワフル(180ps)かつトルクフル(240Nm)に感じるエンジンです。3L直6に比べるとスペックでは劣りますが、1600rpmから最大トルクを発揮することに加えて、6速DCTはその分ローギアード、かつタイヤサイズも小さいので、アクセルを少し踏み込んでもグッと前に出ますし(というかここはもう少しマイルドでも良いくらい)、市街地/高速走行時も3000rpm程度まで上げてやれば十分な加速を示し、必要な速度まで速やかに到達します。更にフルスロットルをくれてやると、ターボが聞き始めるまでのわずかなタイムラグの後、トルクステアを感じるほど強力に加速していきます(FFなので前輪が地面を捉えて、ぐいぐいクルマを引っ張っていく感じ、おわかりになりますでしょうか?)。回転計をしっかり見ていなかったので分かりませんが、かなり高回転までスムーズに回る印象です。前述のとおりほとんど感じませんがターボラグは「なし」とはいえません。いずれにせよ前車(2L、直4NA)に比べると、力感としては50%増し程度の印象です。1.6Lでこれですから、3Lはいったいどんだけスゴイのか!と思ってしまいます(3Lのオーナーの皆様、是非印象をお聞かせください)。
エンジン音は4気筒らしいもので、直6のように粒のそろった”ウイーン”といったモーターの回転をイメージさせる音ではなく、”グオーン”という力強い(?)音です。私はターボは初体験ですが、NAの前車のエンジン音に比べて、かすかに吸気音が聞こえること、爆発音/排気音はややくぐもった音のように感じます(排気エネルギーを利用しているためか?)。あと加速中1000~1500rpmで少し振動が出ますが気になる程のものではありません。
次にトランスミッションですが、S60ではDrive-eにのみ搭載されている6速DCTは驚く程スムーズで、回転計を見ていないといつ変速したのか分からない程です。減速時も同様で、VW のDSGのインプレッションに書かれているような、マニュアルトランスミッションとしてのダイレクト感や、変速時のダイナミックさは感じることはなく、ある意味運転を楽しくさせる積極的な要素はありません。シフトレバーを左に倒すとマニュアルモードになるのですが、上記のようにオートでも的確に変速されるので必要を感じず、事実、購入後一度も使用しておりません(汗)。前車は4速AT(あの、一部からは悪名高いAL4)でしたので、S60のDCTは技術的な進歩を最も強く感じた部分であり大変満足しています。
あと言及しておくべき点は、Driv-eの駆動系では、「Driv-eモード」を選択すると、省エネ走行に適した種々の制御プログラムが走るのですが、ONの状態では、ある程度距離のある下り坂などでクラッチが切れてクルマがいわゆる空走状態になります。通常のクルマではエンジンブレーキが働いているのに比較して、放っておくとどんどんスピードが出るので、適宜フットブレーキでコントロールする必要があり、この点で違和感を感じる時があります。
ブレーキは踏み込み距離で、すなわちストロークで効かすタイプですが違和感なくいい感じで減速できます。エネルギー回生機構付とのことですが、そのことによる影響は少なくとも感覚的にはありません(むしろ省エネに貢献できているとの満足感があり、楽しいです)。
本稿の最後になりますが、燃費性能に関してですが上記Driv-eモードON、オートエアコンON、90%以上市街地走行で、走行距離1200キロ弱での平均燃費は7.6キロと表示されています。これも前車との比較になりますが、6から7キロいかないC5に対して7キロ半なので改善とはいえますが、期待していたほどではない、というのが正直なところ。他のS60オーナーさんのレポートを拝見すると、10キロ越えもあるようなので、これは私の運転技術の問題のようにも思います。瞬間燃費計とにらめっこして更なる省エネ運転を心がけたいと思う今日この頃です(何かコツとかあるのでしょうか?-->他のオーナーの皆様)。
以上、1回目のインプレッションを報告させていただきました。本車の駆動系について、次回には特に興味を引かれる技術的側面に対する考察を含めてもう少し話をさせていただければと思います。
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ボルボS60 | クルマ
Posted at
2011/05/02 08:44:12