恐るべし鉄っちゃんの世界 　その２

今から二年ほど前の桜が満開の四月のこと。

私は新目白通りの面影橋辺りをバイクで走っていると、前方で渋滞が始まっているのが見えました。その渋滞の先頭を見ると、片側二車線の道路の左側車線に車が止まっていて、その車が原因で渋滞が起きていました。その車の止め方は路上駐車というよりも、本当に
車線の真ん中に止まっていました。私は「故障で動かなくなっても、もう少し端に寄せて止めるだろう」と思いましたが、間もなくしてこの車の運転手と思われる５０歳くらいの男性が小走りで車に駆け寄ってきました。その男性はフライデーの記者も真っ青の立派な
カメラが付いた三脚を抱えており、これをトランクにしまうと何事もなかったかのように車に乗り込み、その場から立ち去ってしまいました。

どうもこの男性は、新目白通りと並行して走っている
都電荒川線の写真を撮りにきたらしく、おそらく桜が満開に咲いている下を走っているところを撮りにきたらすぐに電車が来てしまい、慌てて車から降りて撮影に行ったんだと思います。

いくらいい写真が撮りたいからと急いでいるといっても、車を道路の真ん中にほったらかしてまで撮影に行くか？と思いました。