Signal Collapsed

ＪＲ新札幌駅構内で信号倒れる　１１１本運休　国交省、重大インシデントに

９日午後０時４０分ごろ、札幌市厚別区のＪＲ千歳線新札幌駅構内で、線路脇の列車用信号機が支柱の根元から倒れ、線路をふさいだ。列車には当たらず、けが人はなかった。ＪＲ北海道は撤去作業などのため、約３時間にわたり列車の運転を見合わせ、１１１本が運休し、約３万人に影響が出た。国土交通省運輸安全委員会は事故につながりかねない重大インシデントと認定、鉄道事故調査官を派遣する。

ＪＲ北海道によると、現場は高架橋上。信号機は鋼製の支柱を含めて高さ約５メートル、重さ約２２０キロ。新札幌駅ホームから札幌方面へ約１５０メートルの地点にあり、１９８０年に設置された。信号機が倒れているのに気付いた普通列車の運転士が約５０メートル手前で列車を停止させ、ＪＲの指令センターに報告した。

　支柱はコンクリートの土台に８本のボルトで固定されていたが、全て抜けていた。６月１１日と胆振東部地震翌日の９月７日の点検で異常は見つからなかったという。ＪＲは、現時点で原因は不明としている。

　このトラブルで千歳線の札幌―新千歳空港・苫小牧間で列車運転を見合わせ、特急１０本、快速エアポート４６本などが運休した。

■国交省、１０日に調査官２人派遣

　国交省運輸安全委員会は９日、ＪＲ千歳線新札幌駅構内で、列車用信号機が倒れたトラブルを重大インシデントと認定し、鉄道事故調査官２人を１０日に札幌市のＪＲ北海道本社へ派遣すると発表した。信号機が倒れているのを見つけた運転士や施設担当者らの聞き取りを行う。１０日か１１日午前に現地調査も行い、信号機が倒れた跡の破損状況などを確認して原因を調べる。