エイプ50の力を解放せよ!③ ~4500円から始める封印解除~
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
どうもまてぃぇぅです。
さて、エイプ50のチューニングポイント、第三弾ですが・・・
前回の更新の告知の通り、「吸気系」に手を入れていきます。
「よし!それならパワフィルとビッグキャブ買わなきゃな!!」
このたわけ物ォォォォォォ!!!
ぶっちゃけて言いますが、パワーフィルター・パワフィルほど無駄なパーツはありません。
皆さん、パワフィルと純正エアクリーナーフィルターの「吸気面積」を比べたことがありますか?
剥き出し状態では同じくらいの面積か、多少パワフィルが大きいくらいですよね。
でも、剥き出し状態の場合、雨対策をどうにかしないと雨天時にエンジンがまともに回ってくれない、止まってしまう事になり、雨の日に乗れないバイクになってしまいます。
「俺は雨の日にバイクなんて乗らないぜ!」という人はいいかも知れませんが・・・・走行中に突然ゲリラ豪雨に見舞われたらどうでしょう?
帰れなくなってしまいますよ?w
そして「全天候対応」と謳われてるカバー付きパワフィルですが、これ、吸気面積メチャクチャ小さくありません?
純正エアクリーナーに比べたらすんごく狭いんですよ。こんなの全く意味ないです。
そして重要なのは、パワフィルの内部にて「吸気の乱気流」が発生しているということ。
よっぽど吸気効率を考えられてるパワフィルならマシかも知れませんが、間違いなくパワーフィルターの中では乱気流が発生していると思って間違いないでしょう。
吸気効率なんてガタ落ちです。吸気慣性も起きにくくなります。
純正のエアクリーナーボックス・エアクリーナーはそういう所を途方も無い研究を積み重ねられて出来上がってるんです。
こんな優れた装備を外すなんてウルトラ勿体無いですよ。
前置きが長くなりましたが、そんなこんなで今回は
「ちょっとのチューニングで吸気効率を100%引き出す」
ということを解説していきたいと思います。
2
まずお勉強ですが、各部品・部分の名称を正確に覚えておきましょう。
「バカにすんじゃねーよ」と思う方は読み飛ばしてOKですw
エイプの吸気系統はこのような構成で成り立っています。
結論を言ってしまいますが、フルノーマルエイプ50は吸気系を絞って絞ってパワーを押さえ込み、高回転まで物理的に回らないようにしてあります。
重要なことを言いますが、エイプ50はCDIによる電気的な速度リミッターは存在せず、純正CDIでもチューニングしていけば(理論上)いくらでも最高速が伸びるんです。
エイプ50にはCDIによる電気的な速度リミッターは存在しないんですよ(大事なことなので二回言いました)
それだけ吸気・排気によるパワーの抑制がすごいんです。
簡単にお金をかけずにできるのは吸気系なので、この部分から弄っていきましょう。
3
具体的にどこを弄ればいいのか?
よくエイプのチューニングでPOSH製の「パワーブースター」という部品が取り上げられてますね。
一番有名なのはその「インシュレーター」部分の絞りではないでしょうか。俺も初めて見た時にあまりのあからさまな吸気制限に笑った記憶がありますw
しかしこういった吸気排気のチューニングをする時は、その「経路」を総合的に見ながらパーツを変えていかなくてはいけません。
インシュレーターだけパワーブースターに変えて「なんとなくパワーが上がったような?」なんて言っている人がいますが、それだけじゃダメなんですよ。
総合的に見ながら、その経路全ての部品を検討していかなきゃいけないんです。
具体的に言うとエイプ50の吸気制限・吸気リミッターは「吸気口」「エアクリーナースポンジ」「インシュレーター」の3つで行っています。
ぶっちゃけこれはやりすぎだと思います(汗
「吸気口」、高回転まで回すには純正吸気口では小さすぎます。これを広げて吸気できる容量を確保します。
「エアクリーナースポンジ」、これは目が細かすぎる上に純正ではオイル塗布型(スポンジにエンジンオイルなどを染み込ませて使う)クリーナーなので、ゴミのキャッチ率は物凄く優秀でエンジン内はクリーンに保たれること間違いなしです。しかし、あまりにも吸気効率が悪いので交換するのがいいでしょう。
「インシュレーター」、これは上記の通り経路がわざとらしく絞ってあり、いかにも「吸気制限してますよ!」と言わんばかりですw
幸いにしてエイプ50のインシュレーターはプラスチック製なので頑張ればヤスリで仕上げることも可能です。
さぁ、この三つの枷を開放し、エイプ50の真の力を呼び覚ますんだ!
4
まずは吸気口、空気の入り口を大きくし、物理的に吸気流入量を増やしてやります。
エイプ50のエアクリーナーボックスダクトを見てみると、びっくりするくらい細いんですよね(汗
しかもこの中でさらに絞られているという(大汗
まぁ、なんだかんだ言って50ccですからそこまで大きな吸入口は必要ないかもしれませんがw
よくここをCRF100などのダクトに交換し、吸入量を増大させる流用チューンが定番ですが、俺としてはお金をかけずに、しかももっと吸入量を増大させたかったので・・・・・
5
現在、こんな風にエアクリボックスのフタがボコボコの穴まみれになっております(汗
ですが、ちょっとこれはやりすぎなので、赤い斜線部分だけを切り取って吸入量を確保すると良いでしょう。
純正に近い構成のエンジンならばこの部分だけ切り取るだけでも十分吸入量が確保できます。
これだけやれば吸入量は十分すぎるほど確保できますし、こんな穴だらけでも雨天で調子が悪くなることはありません。
「こんな穴だらけで雨が入ってこないの?」
という疑問があるかと思いますが、俺のエイプは普段の通勤に使用しており、雨が降っても全く通常通りに使用できています。
ただし、エアクリボックスに穴を開けると吸気音が大きくなるという弊害があります。
アクセルをガバッと開けたときに「むごぉぉぉぉぉぉ」とエアクリボックス付近から響くようになります(汗
その辺の低音が不快に感じる人が結構いらっしゃるようで・・・・どうしても気になるというならば素直にCRF100のダクトを流用するとか、他の方法で吸入量を増やすしかないですね。
とにかくこの最初の部分、「空気の入り口」をどうにかして増大させてやらないと始まりません。
6
そして次の部分、エアクリーナースポンジですが・・・・
このスポンジ、手順3で書きましたが、純正では目が凄く細かい上にオイル塗布型のフィルターなんですよね。
正直言ってこのフィルターは性能過多なんではないかと思います(汗
このフィルターでも吸入量を制限させてエンジンが回らないようにしています。
これはデイトナから「ターボフィルター」という専用品で売っているので、それに交換するのがいいでしょう。
「このフィルター、目が粗いからエンジンに悪影響与えるんじゃないの?」と考える人もいると思います。
ですが俺の場合、ウルフでターボフィルターを10年間付け続けて走っていましたが、フィルターが原因でエンジンブローしたとかそういう致命的不具合は一切ありませんでした。
目が粗いとは言っても内側に薄く目の細かいフィルターが貼ってあるんで、そこまで神経質にならずとも大丈夫ではないかと思いますよ。
純正フィルタースポンジはオイルでギトギト状態で付いてると思うんで、パーツクリーナーや洗剤などで綺麗に脂分を落としてからターボフィルターに交換しましょう。
そしてこの純正フィルター部分なのですが・・・・画像で説明していますが、チューニングする上で十分すぎる、むしろ余裕ありまくりの構造をしているんです。
フィルター本体の部分はすごく余裕を持った容量が確保され、コネクティングチューブの接続部なんてちょっと太すぎるんじゃないかと思うほどでかいんです。
これ、パワーフィルターなどで「内容積を減らして」「接続部を細くして」やることがパワーアップに繋がると思いますか?
ちなみに俺はエアクリーナーボックスの穴あけ、デイトナのターボフィルター交換で乗っていますが、15000rpmの超高回転領域でも薄い症状が出ることがあるんですよ。
24φのキャブを付けて、15000rpmも回して、それで薄くなるんです(驚
これ、全く交換する必要がありません。
雨の日も普通に乗れる、フルチューンエンジンでも十分すぎるほどの吸入量・・・・こんな贅沢な吸気構成を手放すなんて、愚かな事だと思いませんか?
7
そして最後の工程。
インシュレーターをどうにかして吸気経路を確保します。
画像の部分(すみません、これは純正キャブではなくPC20が付いています)に付いている黒いプレートを取り外し、加工するなり交換するなりします。
気合があればヤスリ一本でもできますよ。
これはポッシュから「パワーブースター」という商品名で口径が大きい物が売っているので、加工が面倒だったり出来ない、という方は買っても宜しいかと。
俺はリューター持ってたんでチュイーーーンと削って穴を広げましたがw
加工のポイントは「キャブレターやインマニの内径に合わせて形を整える」です。
なるべく段差が無いように、ただ内径を広げるだけではなくて、形を整えるということを意識してやってみると良いでしょう。
加工する場合はインマニにつけたり外したり、現物合わせで加工しましょうね。
これはお手軽に出来るチューニングなんで結構やっている人が多いんですが、「ここだけ」やっている人、結構いませんかね?
この部分は本当は最後にやる部分であり、まずは空気の入り口からエンジンにかけて、と順番にやっていくのが正しいチューニング手順だと思います。
あ!
大切な事がありますが、このインシュレーターを加工したり交換したりせずにただ外してしまい、キャブとインマニを直結してしまう人がいますが、これは全くオススメできません!
このインシュレーターはエンジンからの熱がキャブに行かない様に遮断する役目があるんです。
エンジンの熱がキャブに行きすぎてしまうと、キャブ内で「パーコレーション」という現象が起きます。
パーコレーションとはキャブレター内でガソリンが熱を持ち気化してしまい、エンジンが停止してしまったりオーバーフローしたり燃料パイプ内に気泡が発生したり・・・と非常に厄介な現象です。
真夏などでは顕著な現象になりますので、このインシュレーターだけは絶対に付けるようにしましょう!
8
以上の三つの部分を変えてやると、今度はキャブの燃調がすごく薄い状態になります。
そりゃそうですね、純正状態から空気の流入量をメチャクチャ増やしてやったんですから。
当然ガソリンを増やしてやらないとエンジンが焼きついてしまいます。
一年位前にこの状態でちょっとだけ純正キャブのセッティングを出した事があります。
記憶が曖昧なのですが・・・・確か、純正60番のジェットに対して70番~75番だったような?
とにかくジェット交換は必須なので、全てのチューンの前にメインジェットは買っておくのがいいでしょう。
この工程をすべて終わらせると・・・・エイプ50の「本当のノーマルの実力」が見えてくると思います。
タコメーターを付けているのならわかると思いますが、10000rpmを超えてもまだ伸びようとするはずです。
慣れていないとびっくりすると思いますよ、苦しそうに回っていたエンジンがいきなりビュンビュン回ろうとするんですからw
この状態での最高回転数は12000rpmまで。それ以上は危険ですので回さないように。
最高速度は60km/hは超えるようになり、70km/hにギリギリ届かないくらいだったような気がしますね。どうだったかなぁ?
それ以上の速度になるとスプロケ交換が必要です。
これだけのことをするだけで60km/hは楽々超えるようになり、バイパス等の幹線道路も回りについていきながら走れるようになります。
ね?エイプ50って、「遅すぎ」ってワケじゃないでしょう?
タイトルの「4500円から始める封印解除」っていうのは
・メインジェット
・ターボフィルター
・パワーブースター
の三つを買ったときに大体4500円だったのでこういうタイトルにしてみましたw
パワーブースターを買わずに加工して費用を抑えるというのであれば3500円で出来るチューニングですね。
以上のような、たったこれだけの費用、たったこれだけの手間で見違えるほどにエイプ50は良く走るバイクになるんです。
あーだこーだ言って効果の良く分かってないパーツをゴテゴテ付けて、セッティングが出なくなったり天候に左右されるバイクになったり乗りにくくなったり・・・・なんて事をする前に、こういう根本的なことを対処することが全ての近道なんじゃないかなぁと、俺は思います。
さて・・・・次回は「排気系の考え方」かコラムでも書こうかと思います。
[PR]Yahoo!ショッピング
タグ
関連コンテンツ( 50cc の関連コンテンツ )
関連整備ピックアップ
関連リンク