今日は七夕

ですが，関東の夜空は雲が多いですね．

織姫と彦星，雲の上では，一年ぶりの逢瀬を楽しんでいるのかな？







ところで，ふと気になって七夕に関する和歌を調べてみたのですが...


　　　　　天の川　浅瀬しらなみたどりつつ
　　　　　渡りはてねば　明けそしにける
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　紀友則


　　　　　契りけむ　心ぞつらき　たなばたの
　　　　　年にひとたび　逢ふは逢ふかは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　藤原興風


　　　　　年ごとに　逢ふとはすれど　たなばたの
　　　　　寝る夜の数ぞ　少なかりける
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　凡河内躬恒


なんだか，楽しくデートしてるって感じの歌は，少ないのですね．

現代なら悲恋の歌というジャンルもありますが，古今集の時代は，バリバリ言霊の時代です．
昔の人は，実は織姫と彦星には逢ってほしくなかったのかも，なんて思っちゃいました．

この言霊の精神，今の日本人にもしっかり根付いてますよね．

「今度の週末，台風が来たりして」
（そして週末，見事な雨だとこう言われます．）
「ほら，お前があんなこと言うから！」

冗談で言っているのでしょうが，ごく自然にこのような言葉が出てくるということは，言霊精神が染み込んでいる証拠でしょう．


いずれにせよ，織姫と彦星には，下界の人目を気にせず，楽しんでいただきたいものです．




　　　　　ひさかたの　天の川瀬に　船浮けて
　　　　　今夜か君が　我許来まさむ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山上憶良