
今回のブログは,久しぶりに写真器材のお話です.
良い写真が撮れないので,機材ネタに走ってみました(苦笑
私が写真に興味を持ったのは,今から40年以上昔のこと.
もちろん当時はフィルムオンリーの時代ですが,その時から使っていたレンズがあります.
ペンタックスの,SMC Takumar 55mm/f1.8
今やリコーの傘下に入ったペンタックスですが,当時は旭光学というメーカで,レンズキャップにも誇らしげに,"ASAHI PENTAX"の刻印が見られます.
こんな半世紀近くも昔のレンズが,新しいデジタルカメラでも使えるのですから,いい世の中になったものです.
もちろん,このレンズがそのままデジカメのボディに付くわけではないのですが,マウントアダプタと呼ばれるアタッチメントを使えば,異なるメーカのボディとレンズの組み合わせでも,写真が撮れるようになります.
昔からマウントアダプタは存在していたのですが,どのようなカメラとレンズの組み合わせでも使えるものではなく,種々の制約からマウントアダプタにも限りがありました.
しかし最近のミラーレス一眼デジタルカメラの普及のおかげでその制約が少なくなり,マウントアダプタの種類も一気に増えて,昔のレンズが復活の日を迎えたのです.
昔のレンズと聞くと,その写りもレトロっぽい(ソフトで淡い色彩)印象があるかもしれませんが,決してそんなことはありません.
当時のカメラは,焦点距離が50mm前後の標準レンズがセットになって販売されるのが一般的でした.
なので,この標準レンズの性能が悪いとカメラそのものの評価に直結してしまいます.
そのため各メーカは,この標準レンズの設計には,決して手を抜かなかったと聞いています.
中でも,ペンタックスの標準レンズは他社のベンチマークとなったほどのレンズで,性能,価格のバランスが最高だったのでしょう.
ペンタックスの標準レンズとしては,50mm/f1.4の方が有名ですが,55mm/f1.8は少し暗いものの,それゆえ設計に無理がなく,コスト/性能比としては抜群ではないか,と個人的に思っています.
もちろん,オートフォーカスを始め,レンズとボディの間での種々の電気信号のやり取りが必要な機能は使えませんが,その他の機能(絞り優先AE、画質選択,ピクチャーエフェクトなど)は普通に使えます.
ファインダを覗きながらレンズのピントリングを回す撮影スタイルなんて,若い方には想像付かないかもしれません.
ピントリングも,このレンズでは最近端から無限遠までで270度も回転し,今回使ったボディ(SONY NEX-7)の高いEVF性能やピーキング機能とも相まって,マニュアルでのピント合わせも楽にできます.
質感の描写,
ボケの遷移等,写真だけ見たのでは,これが半世紀前のレンズの仕事とは気付かないのではないでしょうか.
暗部もべたっと潰れたりはぜず,なかなかの描写を見せてくれます.
ただし,どのような場面でも最高の性能を発揮するかというとそうでもなく,被写体との距離,絞り,光線状態によっては,とんでもない画を出してくれることもあります.
しかし,そんな状態を見極め,そのような状況回避のテクニックを探るのもまた一興.
クルマの世界では,部品探しが楽しく感じるようになるともう沼の底,と言われるそうですが,写真の世界でも,沼に沈んでみませんか?(爆
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Posted at
2016/05/14 06:47:08