
今日は降雪予報で,早くから自宅籠城が決定.
録り溜めていた古畑任三郎シリーズを,イッキ見です.
で,さっき見たのは小堺一機さんが犯人役の「矛盾だらけの死体」.
政治家のボスに振り回される秘書役を,シリアスそうでコミカルに,小堺さんならではの演技でこなしていらっしゃいました.
画像出典:Fuji TV
ボスと愛人との密会(殺人)現場の偽装工作を丸投げされるわ,
その最中に,
「ピザ頼んでいいか」とか
「コーヒー飲みたい」とか言われるわ.
上司の気まぐれに振り回させられる部下の気持ちは痛いように分かるのですが,ここでふと思い当たったことが.
何だ,この既視感?!
源氏物語 第四帖「夕顔」
月岡芳年「源氏夕顔巻」
この帖はひと言でいうと,
親友(頭中将)の元カノ(夕顔)とよろしくやっていた光源氏,その女が突然死してしまいオロオロするところを忠実な従者(惟光)が後始末してくれる
あ,石を投げないで~!
で,この従者(惟光)が,古畑任三郎での小堺一機さんを彷彿とさせる(逆か?)のです.
それでは,
「ミステリマニアのための夕顔講座」の開講です.
ある夜,夕顔を連れてある廃屋にしけ込んだ一行
源氏 「お前,
どっか行ってていいよ」
惟光 「(ま,ここは気を利かせないとな) 承知しました」
その翌朝,夕顔が亡くなっているのに気付いた源氏
源氏 「おい,
こんな大変なときに何処行ってんだよ?!」
惟光 「(ちょ,お前....)ここはお任せを」
源氏 「これがあいつ(頭中将)に知れたら....」
ご主人様の意を酌み,テキパキと牛車を手配したり,夕顔の亡骸を山寺に運び込む惟光
惟光 「とりあえず始末はつけときますから,源氏様は
ご自宅に帰ってアリバイを」
源氏 「お,おう.よろしく頼む」
といったんは帰宅した源氏ですが往生際が悪く,火葬の日取りを聞いて
源氏 「火葬の前に
もう一目,会っちゃダメ??」
惟光 「(そんなんダメに決まってるでしょーがっ!!) じゃあ今夜,出かけましょう」
誰かに会わないかヒヤヒヤしながら,山寺にたどり着いたふたり,
まだ美しい夕顔の亡骸を見て,源氏大号泣.
さらにはずっとその寺で亡骸に付き添っていた,夕顔の侍女(右近)も私もお供する,と大騒ぎ
盛安本 源氏物語絵巻 「夕顔」 (部分)
修羅場
惟光,なんとかその修羅場を収めて帰途についたのですが,精魂尽き果てたご主人,ここでまさかの落馬.
源氏 「あ~,もう駄目,やっぱオレここで死ぬ!」
惟光 「これやから連れて来んの嫌やったんや,そんなに死にたいんやったら好きにせんかい!」
源氏物語全四帖,これにて完結!
... なんてことにはならず,ご主人をなだめすかして帰宅させる,従者の鏡のような惟光でした.
惟光,実はこの後も夕顔の侍女とよろしくやっていて,この話で一番得したのは.... てなオチがあったのでした.
三谷幸喜さん,実は源氏マニアだった?!
ちなみに小堺さんのボスに扮していたのは,森山周一郎さん.
あのドスの効いた低い声で何か言われたら,反抗なんてできやしません.
森山周一郎さん(個人の感想です)
出典:20th Century-Fox Film Corporation
最高の俳優さんですよね.
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Posted at
2025/02/02 21:49:09