もぉたぁす

高速運転中に携帯に着信

出れなかったので
留守番メッセージが残っていた

馴染みの整備工場からだった

メッセージは
その整備工場を来月一杯で廃業します
というご挨拶だった

ついては直接会ってご挨拶したいので
一度時間が取れませんかということだった

その整備工場とは
最初のパジェロを廃車にした時からの付き合い

言い換えれば
今乗っているパジェロと同じ長さの付き合いということになる

元々はそこのオッチャン一人でやっていて
やがて息子さんが手伝うようになった
小さな小さな整備工場

小さな整備工場だから
お世辞にもノウハウが有るとか優れた技術が有る
というわけではないけれど

クルマとの向き合い方みたいなことを
教えてもらったような気がしてる

こことの付き合いが無ければ
パジェロをこれほど長く維持していることは
なかっただろう

こちらがどうしたいかということを
良く理解してくれて

大抵の事はなんとかしてくれるだろうと思っていたし
実際なんとかしてもらってた

ディーラーのサービスだと
実際にクルマに触るのが誰だか分からないし
メカニックの人と親しくなれたとしても
そういう人ほど数年のうちに出世して？
現場からは遠ざかって指示を出すだけになり
面白くもないデスクワークに嫌気が差して
いつの間にかいなくなってしまったりもする

そもそも
新車を売ってナンボのディーラーで
クルマに長く乗るための整備をしてもらう
というのはある意味矛盾している

作業だってマニュアル化されすぎて
何か悪ければすぐに決められた時間で決められた部品の交換

保障という点からはそうなってしまうことは理解するけど
保証期間内ならクレーム処理にできるかどうかの駆け引きが必要となり
保証期間外だと無駄に高い費用を払うことになる
残念ながらそれがディーラーサービスの実態で
クルマを所有する楽しみにつながるスベは無い


一方で
町の小さな整備工場が
お客さんとの信頼関係を維持したまま
商売が成り立って行くような悠長な社会でもなく

多少なりとも
事業を安定させようと
法人向の整備を請け負ってみても
今回のような大不況に遭遇すれば
一気に仕事は激減

オッチャンも
サラリーマンならもう既に定年をとうに越えた年齢で

整備工場ともなると
廃業するにも今では土地の有害物質を除去するのに
結構な費用が発生するので
体力の有るうちに廃業する決断をしたらしい


クルマを所有するということに対する
後ろ盾の一部を失った喪失感と

自分の生き方に影響を与えた先輩が
引退するタイミングに自分の年齢が達したのだという
ちょっとした焦燥感にどっぷりな一日だった