2008年03月19日
長女が白目をむいて泡を吹き、全身けいれんを起こす!・・・厄災の日
長女が白目をむいて泡を吹き、全身にけいれんが走る!
ついにはぐったり・・・・
長女は数日前から胃腸炎で保育園を休むことになり、長男だけを送り出し、
その足で秩父市内のスーパーへ買い物に。
数日前から嘔吐を繰り返していた長女は、徐々に食欲を取り戻し、
後部座席のベビーシートで、私が与えたパンの切れ端にむしゃぶりついて
いた。
と、交差点のあたりで後部座席のほうから「ひょおおお」という
おかしな声が。いやな予感がして振り返ると、長女は白目をむいて泡を吹き、
全身にけいれんを起こしている!!!
私は「(パンが食堂に)詰まったのか!」と思い、道に隣接する会計事務所の
敷地に慌てて飛び込み、後部座席へ走る!
長女を座席から引き摺り下ろし、無理やり口を開いて人差し指を突っ込み、
のどをまさぐると大きなパンの塊!でも、出ない!
しかし、娘はけいれんしたまま、目は白目をむいたまま!!
「だれか!だれか!!」
もちろん、だれも駆けつけてくれるわけもなく。
いつかテレビで見た、背後から腹を押さえるように抱え、キュッと引く方法を
とってみても出る様子なし!またもや指を突っ込み、パンカケを出そうと試みる。
(俺が安易にパンカケラを与えたから娘は死んでしまうのか?!)
長女は歯を食いしばり、人差し指には食いちぎられそうな痛みが走るも、
迷っている時間はない。娘に状態の変化はない。
一瞬の逡巡が生死を分ける、しかし・・・・
とにかく娘を再び座席に乗せ、最寄の病院へ急行する。
「窒息が1分以上続いた場合、脳に後遺障害が出る恐れがある」というあまりにも
うろ覚えな知識?が頭の中で何度も何度もぐるぐると巡っている。
「はやく、はやく、はやく、はやく!!」
道が混んでいる。前走車が動かない。だめだ、このままでは死んでしまう!
再び近場の駐車場に飛び込み、必死でパンのカケラをほじくりだす。
その目と鼻の先に、大工さんが家を建てている!
「子供が食べ物をのどに詰まらせました!救急車、救急車を呼んでください!」
コトの次第をすぐに飲み込んでくれた若い大工さんが、
「わかった!」すぐに救急車を呼んでくれた。ありがたい!
でも、待ってなんていられない。到着までに7分以上かかることが多いことを、
私は義父が倒れたときの経験で知っている。
何度も子供の名を叫びながら、必死にほじる。人差し指から血がにじむ。
で、でた!!
あまりにも大きなパンの塊が出る!長女は「げほっ、げほっ」。
い、息が通った!!!涙が出るほど嬉しかった。
「救急車まだこない(怒)、娘さん、だいじょうぶ?!」
心配そうに大工さんが覗き込む。
親方?らしき人が
「病院近いから、自分で行った方が早いぞ!」
そうだ、ここから10分とかからない。
「あ、はい!もう息が通りましたので、このまま行きます。
救急車が来ましたら、○○クリニックへ行ったと言って下さい!
本当にありがとうございました!」
若い大工さんは最後まで見送ってくれていました。
長女は・・・息が通ったものの、依然としてぐったりしている。
何度かクラッチをギョリギョリと失敗しながら病院へ着くと、
通路に一台のバンが止まったまま、動いてくれない。
運転手は・・・乗っている。一体ここで…家族をこんなところで待ってるの?!
「キッ」と見ると、ようやく動き出す。が、いずれにしても
待ってなんかいられない。
急いで車を脇に止め、長女をまたもや引きずり出して、受付へすっとんでゆく。
そのころには、けいれんも治まり、医師からも「今は状態も落ち着いているから」
と、告げられる。ただ、恐ろしさのあまり、後遺症のことは尋ねられない。
医師からは掛かりつけの小児科医院へ行くよう促される。
鼻水がすごく、機械で吸引してもらう。「あれ~?全然ないわ」
看護婦に驚かれる。・・・一体、どういうことなの?
自宅に程近い、掛かりつけの小児科医院へ。異物も見られない。だいじょうぶ。
・・・ようやく安堵して家へ。子供はけろっとしたようにしている。
本当にだいじょうぶなのかも。寿命が3年くらい縮まったよ。ふう。
と、その矢先!
長女は再び激しいけいれんを!白目をむき、泡を吹いている!!!
うそだろ、やっと助かったと思ったのに!!!!
のどに・・・たいしたものが詰まっているようには!??
急いでランティスへ戻る、が、鍵がない!しまった、布団のところだ!
「くそーっ、くそーっ」
子供はみるみる、ぐったりしてゆく。うわあああ。
今まで感じたことのない速度域を感じながら、先ほどの小児科医院へ。
はやく、はやく!受付、はやく~!!!!
あ、いつもの先生の顔だ。受付にひょっと、顔をのぞかせる先生。
先生はのどの奥を見、…子供は意識を取り戻し始めている?!
だいじょうぶ。お腹を見せて。次は、はい、背中を見せて。
じゃ、その寝台に寝かせて。
「これは胃腸炎からくるけいれんで、食べ物が詰まったのではないようだよ。」
え”?・・・
小児の場合、胃腸炎からケイレンを起こすことがあるんだよ。
「は、はあ。」
この他にも、熱痙攣やてんかんなど、いくつかの要因があるんだけど、
体温も微熱程度だし、やはり胃腸炎からくる痙攣の可能性が高そうだ。
この子、○○保育園だったでしょ?
「ええ、通っています。」
最近、胃腸炎が流行っているんだよ。
(・・・あい、その胃腸炎も、保育園で伝染されたものです。涙)
ただ、残念なことにウチの施設では入院設備がないので、日赤か埼玉医大へ
行ってもらうことになるよ。けいれんの場合は、経過観察が必要だからね。
また、けいれんした際に処置できるものがいないと、結局夜に埼玉医大へ
救急車で搬送されてしまうよ。それもなんだからねえ。
で、先生に受け入れ依頼の電話と紹介状を作ってもらう。
途中でけいれんするのを防ぐため、タミポン(?)という座薬を
出そうと思うんだけど、あまり効かないと言われているんだ。
でも今代わりになる薬もないので、向こうの先生も待っていることだし、
間をおかずに日赤へ行ってね。あ、今回のは診療代いらないから。
座薬を看護婦さんに入れてもらう。先生は手早く紹介状をしたため、
渡してくれる。長女は・・・昏々と眠っている。
先生にお礼を述べつつ、再びランティスに乗り込むとオムツなどを取りに
家に寄り、すぐ日赤へ向かう。
さっき吸引してもらっても出なかったのは、このことだったのか?
クラッチを少し削ってしまったことで多少感じの変わった?気がする
ランティスは、それでもがんばって日赤へひた走る。
その途中、さっき連絡しておいたカミさんから、長瀞まで来ているとの
電話が入る。・・・こんな形でハンズフリーが役立つとは思ってもみなかった。
途中でカミさんを拾い、日赤へ。
緊張の時間を越え、日赤に。夜間窓口で紹介状を出すとすぐ理解してくれて、
15分ほど待たされる。ヒキツケが再発しないか、内心ヒヤヒヤしたまま・・・。
担当の先生に診察してもらい、今日は入院するか否か、意志を求められる。
迷うカミさん。あの状態を見てないからな、むりもない。
即入院したい。の、意思を私から伝える。
実は、この20分後に注射した際、やはりひきつけを起こしたらしい。
入院して正解だった。私はこの時、不安を抱えつつ家に向かっていた。
電話口にて夜勤を同僚に代わってもらう約束を取り付けると、私は一路自宅へ。
このときほど、ランティスが頼もしいと感じたことはなかった。
ランティスはやはり、「わたしたちの城」なんだ。
14年前に作られたクルマが、私の長女を救ったんだ。
長女の着替えと身の回り品をバッグに詰め込み、コンビニで弁当を買うと、
途中、ジムニーに乗り換え、
「ごめん、ちょっと待っててくれよ、必ず戻ってくるからな。」
ランティスを後にして再び日赤へ向かう。
ジムニーはムイムイ言いながら、街道をひた走る。
こいつにもずいぶん世話になったな。がんばってくれ、日赤までもう少しだ!
晩飯は明かりの消えた10時過ぎの病室で。
個室ではなく大部屋なのが、・・・根拠のない安心感を与える。
病室にたどり着いたとき、カミさんと長女は眠っていた。
カミさんだけ起こし、冷えたコンビニ弁当をつつく。
病院の個室には、4年前母が亡くなった時以来、入ったことがない。
どんなにこすっても血の気が引いて、目の前で白くなってゆく母の指先。
それはあまりにも早すぎる死だった。長く苦しかった闘病生活。
最後まで、絵描きとして生きようとした母。
どうしても思い出してしまい、胸の詰まるような感覚を覚える。
ジムニーで向かったものの、自宅へ帰るのは私になった。
再び交代で、ランティスに乗る。タフとはいえ、ジムニーのことが気にかかる。
今日は二台とも、よくがんばってくれた。わが家は、家族が多い。
だた、まだ不安はぬぐえない。
迎えにいってもらったまま叔父に預かってもらっていた長男は今、
私のすぐ脇で眠っている。その一方で、長女は・・・。
何かあれば連絡が来るだろうし、ひきつけそのものは放っておいて
良いと医師から言われた。
叔父からは「ついさっきもテレビで子供の胃腸炎のことをやっていて、
引付を起こしても慌てるな、放っておけば1分ほどで意識が戻るといっていた」
と。・・・取り越し苦労だったか?私の処置は、かえって悪影響なかったか?
内臓に負担をかけなかったか?わけもわからず、次々にいろいろな思いが
沸いてくる。もどかしいことこの上ない。
今は午前2時半。
なかなか眠れそうにない。まだ不安でいっぱいだ。
そして、5時頃にはまた家を出て、カミさんと交代しなければならない。
カミさんは明日仕事があるから。
でも幸いなのは、二人はまた眠っているだろうこと。
連絡がないのは、元気・・・大事がない証拠なのだから。
そう自分に言い聞かせて、夜明けの5時を待つ。
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Posted at
2008/03/19 02:33:15
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