26万kmエンジンがコンプリートエンジンへ その1

どうも皆さんおはこんばんちは、works.otaです。
これまで2ヶ月間「何シテル?」などで呟いていた、エンジンオーバーホールについてできるだけ細かくお伝えしたいと思います。

今回のメニューとしてはKB66コンプリートベアエンジンとなりました。
公式サイトでは以下のような説明となっております。

K6Aエンジンを、多くのモータースポーツ用エンジンの開発実績より得たノウハウと、高度に標準化した品質管理と工程管理の中でコンプリートエンジン化しました。
排気量660ccの枠を超えない範囲でオーバーサイズ鍛造ピストンをはじめとし、バランス調整された各種運動部品を使用し、温度管理された清浄な専用室で組上げたエンジンは、ベンチテストによる性能確認を経て出荷されます。

【 主な作業内容】

■ エンジン分解・点検・洗浄
■ ヘッド特殊精密面研
■ ブロック特殊精密面研
■ クランクシャフト ラッピング
■ クランク一体バランス
■ シートカット
■ バルブすり合わせ
■ 吸排気ポート　段付き修正
■ 燃焼室　段付き修正
■ コンロッド重量合わせ
■ ヘッドカバー塗装
■ シリンダーホーニング
■ ピストン & ピストンピン 各メタル類 WPC処理
■ 出荷前検査・ベンチテスト

まず、車両から降ろされたエンジンはエンジン室に運ばれて分解されます。
余りの過走行の為にエンジン担当者曰く歴代トップ5に入るほどの汚さだったとのこと。あらゆるシールやパッキンから滲み出たオイルと砂埃でそれはもう酷い状態であったとか。
写真は記念に返却されたピストンで、異常な摩耗、リングの固着もない走行距離相応な状態らしいです。
オイルが燃えていたので0.5~1mmのカーボンの堆積が見られます。

分解されたら洗浄行程へ。
使いまわせるパーツはできる限り綺麗に洗浄されます。それでも落としきれない汚れがあるので、ヘッドやシリンダブロック、パイピングなどは埼玉県の三郷にある系列会社のダイヤモンドエンジニアリングにてショットブラスト処理を行い、新品レベルまで汚れを落とします。
また、ついでに持ち込みのインジェクターも超音波洗浄と噴霧のチェックも行って頂きました。長期保管品でしたが動作に問題はなかったそうです。

次に加工です。
ピストンとメタルにはWPC処理がなされます。
摩擦抵抗の低減と強度、摩耗特性の向上が期待できます。
また、ピストンとコンロッドは0.1グラム単位での重量合わせが行われます。

クランクシャフトにはジャーナル部分のラッピングと回転バランスがされています。
たかが3気筒といえど回転フィーリングはグッと良くなります。

走行距離の積み重ねでバルブ周りは全て新品に変わり、バルブのシートカットとすり合わせが行われました。
燃焼室内の気密性はパワーに直結するので結構念入りに作業する必要があるところです。

給排気のポート研磨も行われますが、燃焼室出入口の段付きの修正が主です。エキマニ側、インマニ側については別途追加料金です。
ですが、お話によりますと燃焼室側の段付き修正だけで十分激変するそうです。

さすがに、1回で書ききれませんので分割します。
順番が前後することもありますが、ご了承ください。