
うすうす問題を解決するにあたり、エンジン始動時のセッティングを復習しておくことにした。
LINK ECUの冷間エンジン始動時の燃料補正は、大きく4つのフェーズがある。
うすうす問題には、”始動後増量補正”がキーパラメータになるが、順にヘルプを復習してみた。
①始動前噴射
あらかじめインテークポート、インテークバルブを湿らせることで、のちに噴射したガソリンが壁面に付着してしまうのを防ぎ、冷間始動をスムーズにすると理解している。
・始動前噴射モード
キーON、キーStartPosn、オフを選択できる。
デフォルトは、キーStartPosnとなっておりスタート位置にキーを回した時に
指定した燃料が噴射される。ただし、NA8のシリーズⅡはコストダウンの影響なのかStartPosn信号がないためキーONを選択している。キーON設定で、今まで特に問題はない。オフだと始動が困難になると思われる。
・始動前噴射テーブル
横軸が水温、単位は[msec]の噴射量のテーブル。
デフォルトでは80℃以上はゼロになっているが、私は少し数値を入れている。
単位が時間なので、インジェクターを交換して単位時間噴射量が変わった場合は注意が必要かも。
②クランキング増量補正
スターターモーターがクランキングされている間の増量補正。
完爆前のエンジン回転数が400rpm以下のときに機能する。ただし、クランキングホールド時間[秒]テーブルで規定した時間だけ400rpmを超えても保持される。
このときは、始動後増量補正との合算分が補正量になる。
結構な補正量だが、さじ加減はよくわからない。全てデフォルト値のまま利用していて問題なし。
クランキング補正テーブルの単位は[%]であり、水温を軸にしたテーブルにより
補正量(ベースパルス幅に増量する割合)を規定する。
・クランキング増量補正
・クランキングホールド時間テーブル
③始動後増量補正
エンジン回転数が400rpmに達した後の冷間始動時の補正。
まずホールド時間テーブルで規定した時間[秒]、始動後増量補正テーブルに応じた一定量の補正[%]が入る。減衰時間テーブルで規定した減衰時間[秒]が経過すると、始動後増量補正はOFFになる。
減衰率の最大値は、50 %/秒。
すごく減衰時間を短くしても、その時間で始動後増量補正がOFFにならないこともありうるということかな。
ただし、その時の水温に応じた暖気増量補正と同じ数値になった時点で、始動後増量補正はOFFになる。
他のフルコン(フリーダム、メガスクなど)と異なり、暖気増量補正との合算でない点に注意が必要。
1項目のテーブルで管理できるので、セッティングしやすいのかもしれない。
水温ごとにテーブル値を設定するが、使用される数値は”クランキング増量補正”から”始動後増量補正”に移行したタイミングの水温における数値なのだろうか。。。
減衰率は、”始動後増量補正”に移行したタイミングの水温における補正値が減衰時間経過後にゼロになるように決定されるのだろうか。。。
ログで確かめてみたい。
・始動後増量補正テーブル
横軸が水温、単位は[%](ベースパルス幅に増量する割合)の噴射補正量のテーブル。
・始動後補正ホールドテーブル
横軸が水温、単位は[秒]の噴射補正量の一定継続時間を規定するテーブル。
・始動後増量補正減衰時間テーブル
横軸が水温、単位は[秒]の噴射補正量の減衰時間を規定するテーブル。
ほぼデフォルトにままで使用している。
うすうす問題のログで空燃比が落ち着く時間(約2分)からすると、明らかに短いように感じる。
④暖気補正

エンジン水温に応じた噴射補正量の補正。
エンジン始動時だけではなく、暖気後の通常走行時にも機能する点に注意が必要。
(真冬の高速道路なのでオーバークール状態になり、通常より水温が低くなったときには増量されてしまう。)
・暖気補正テーブル
横軸が水温、縦軸がTP(スロットル開度)[%]、単位は[%](ベースパルス幅に増量する割合)の噴射補正量を規定する3Dテーブル。
アイドリングしているときの方が、走行時より補正量が大きくなっている。
デフォルトのままでは、暖気後の水温低下時(80℃台)に増量されてしまうので、横軸に85[℃]の列(数値はゼロ)を追加して使用している。
(テーブル数値は、Mazda MX5 G4+ Xtreme Plugin.pclrより)
以上
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Posted at
2020/01/25 19:26:35