ELECOM USB Type-C - HDMI 変換ケーブル (やわらかタイプ) (MPA-CHDMIY10BK2)
DisplayPort Alternate Mode (ディスプレイポートオルタネートモード。 以下 DP Alt Mode) に対応した機器から出力された映像信号を HDMI 規格 (信号) に変換するケーブルです。
すでに横文字がいっぱい出てきて説明がややっこしいのですが… … … 今回は (今回も?) 長くてふかーい横道にそれてみようと思います。
【DisplayPort (ディスプレイポート) ってなに?】
パソコンなどコンピューターの映像信号の規格に「DisplayPort (ディスプレイポート。略して DP)」という名称の規格があります。
似たような規格に HDMI がありますが、こちらは家電でも使用されているためご存じの方も多いかも…ですね。
つまり DP は HDMI と同じような映像をデジタルで送るための規格です。
【DP Alt Mode とは?】
DP Alt Mode とは、もともと映像信号を送ることを想定していない USB で DP の映像信号を送れるように考え出された方法で USB Type C の規格で定義されました。 (詳しくは後述)
【今回のアイテム (パーツ) について】
今回のアイテムは DP Alt Mode に対応している機器…例えば、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン (※1) などの映像信号を DP の規格で出力。
それを USB Type C 端子に接続した USB ケーブルで伝送して (= DP Alt Mode) 最終的には家電などで普及している HDMI に接続・信号変換を行って映像を映し出すアイテムです。
※1 … 古い機器や低価格機、あえて出力機能を持たせていない機器など、装置が DP Alt Mode をサポートしていない場合は映像が映りませんのでご注意ください。(USB Type C 端子があれば必ず映るわけではない)
【HDMI と DP】
HDMI で表示できる解像度は DP でも映し出すことが可能ですが、この2つの規格は目的や狙っているモノが違うため性能が異なります。 (まあ、同じであれば規格を分ける必要も無いのですが。)
しかしながら、実はこの2つの規格、兄弟みたいな規格ってご存じでしたか?
それがなぜデータ送信がメインで映像用ではない USB で実現できるのか?
今回はこの点を私なりに深掘りしてみます。
《HDMI と DP の歴史》
パソコンとディスプレイをつなぐ規格には過去に DVI という規格がありました。(もっと前には DFP と言う規格がありました。)
これらは親兄弟みたいな規格で、DVI (正確には DVI-D か DVI-I) は DFP からの形状変換アダプタを使用するだけで接続できていました。
そんな DVI が パソコン業界で (デジタル信号伝送の場合では) 主流になりつつあった頃、家電業界でも地デジ TV や HDD レコーダーなどのデジタル化の波がやってきてデジタル接続の必要性がでてきました。
そこで DVI の規格をベースに音声伝送、著作権保護 (デジタルコンテンツ等の不正コピー防止)、色差伝送、機器のコントロールなど AV 家電が必要とする機能を追加した規格が HDMI です。
そのため、信号自体はほぼ DVI のままなので、DFP ←→ DVI の時と同じように DVI ←→ HDMI へ形状変換アダプターを使用するだけで接続できます。
つまり TV がデジタルになったことで DVI 対応のパソコンが変換アダプター経由で TV にもつなげられるようになって TV がタダの大きなディスプレイとして会議室などでも使用できるようになりましたが、だったら最初から パソコン に HDMI が付いていたほうが端子も小さいので小さいパソコンも作りやすいし変換アダプター不要で接続が楽…ということもあったのか一気に パソコン業界でも HDMI 搭載のパソコンが増えました。
しかし HDMI は元々AV 向け。パソコンは家庭や一般的な事務などでの使用には問題なくても、医療や建築、機械設計やデザイン、広告 (デジタルサイネージ) などプロや業務、道具としての利用もあります。
HDMI の普及の裏で、パソコン業界はよりプロフェッショナルな用途にも耐えられる規格の策定を始め、AV 機器で使用することを想定していた HDMI では実現が難しい高精細、高解像度、表示色の拡張、多数のディスプレイの制御 (例えばディスプレイ10枚を1つのディスプレイとして映す…など) のために DVI をベースとして考えられたのが DP です。
実は DP もベースが DVI 。そのため DVI で規定されている解像度内であれば、形状変換アダプターのみで使用できます。また HDMI も DVI がベースでしたから、HDMI で規定されている解像度内であれば、HDMI ←→ DP という形状変換が可能です。
ここまでの流れをまとめると、DFP・DVI・HDMI・DisplayPort (DP) はそれぞれが親兄弟みたいな関係。「流れるデジタル映像信号に互換性がある。(親和性がある)」 ことだけ覚えておいてください。
さて、ここから少しづつ本題に戻りましょう。
IT 業界では時同じくして TV やパソコンの他にも大きく躍進した機器がありますよね?
スマートフォンやそれらの画面を大きくしたタブレットがそれです。
実は技術的観点から見たらスマートフォン・タブレットの中身はほぼパソコンと同じです。パソコンに通話に必要な部品がついているような感じですし、タブレットなんてパソコンからいろんな機能を省いて薄くして通信機能をつけただけともいえます。
それにそれぞれでアプリが動くのはまさにパソコン。
しかし、それらはとにかく小さかったり薄い。
実は HDMI も DP にも小さな端子自体は規格内にあります。
しかし沢山の端子を付けるということをできるだけやりたくない、またはできない。
しかしパソコンと同じである以上、できるだけパソコンと同じことができたらもっと便利になる…。
そこで白羽の矢が当たったのが USB 。
USB にディスプレイの信号を乗せてしまえば!…と考えられたのが、今回本題の DP Alt Mode です。
これは、USB が USB Type-C となり、従来の USB 規格よりも信号線が増えたことにより実現しやすくなったのが考えられます。※2
※2 … 従来の micro USB の端子数でデジタル映像信号を乗せて実現した規格 (MHL) もありますが、信号の変換が必要なのであまり普及はしなかったようです。
USB Type-C にはオルタネートモードというのがあって、USB の信号以外を流せるモードが規格の中に盛り込まれました。
その1つに今回取り上げる DP Alt Mode があります。USB に DP の信号を流すようなイメージです。
【製品について】
この製品は DP Alt Mode に対応した USB Type C端子を持つノートパソコン、スマートフォン、タブレットが、その方式でデジタルで映像信号を出力、接続先で映像信号を元に戻した上でさらに物理的に HDMI ポートに変換することで映像を HDMI 対応機器に出力します。
冒頭の※1でもお伝えしましたが『 USB Type C 端子があるから…』と、これを刺しただけでは動作しません。かならず出力したい機器側が DP Alt Mode に対応しているか確認が必要です。
《製品紹介ページ》
https://www.elecom.co.jp/products/MPA-CHDMIY10BK2.html
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【購入までのいきさつ・選定理由】
2019年頃春に前車 WISH のお下がりカーナビから今も使用している中古カーナビに変えてこのとき HDMI / USB 端子のオプションを取り付けました。
そして、その翌年の2020年春頃まで、ドコモ版スマホ SONY Xperia Z2 (SO-03F) を使っていました。このときは、このモデルは先ほど少しだけ紹介した micro USB にデジタル映像信号を流す MHL に対応しており、 HDMI 変換装置を介してカーナビなどに接続していました。
ただ変換装置の接続には USB、HDMI、電源…と3つの接続が必要で車内がケーブルだらけになるため使い勝手は良くなかったです。
それでも、当時はそんなことを気にせず、その後買い換えたスマホで映像をカーナビに出すつもりでいたのですが、そのとき購入したスマホ (ドコモ版 SONY Xperia ZX3 (SO-01L) ) が有線での映像出力に対応していないことに購入したあとに判明。 (古いスマホでも対応しているから新しいスマホでも対応しているはず…と調べもしなかったことが原因の1つ)
せっかく カーナビに HDMI 端子を付けたのに~。
… … それから約5年3ヶ月が過ぎ、ドコモから「スマホの修理期間が過ぎてますよ。買い換え応援中!」みたいな DM が来たので今度こそ映像を出力できるスマホを!!! …と満を持して 2025/06/07 に購入することに。 (ドコモ版 SONY Xperia 1 Ⅶ (SO-51F) )
それにあわせてこれを事前に購入しておきました。
同社からはケーブルが高耐久とかシリコンメッシュとかの違いで同じような製品がいくつかあり、それぞれに長さが選べるようなラインナップ。
私は、以前から充電用として愛用しているエレコムの USB3.1 ケーブル (Type-C) (USB3-CC5P10NBK) がやわらか仕様で取り回しが良く使いやすかったため、今回もやわらか仕様を選択。
長さは 1m,2m,3m の3種類。先ほどの USB3.1 ケーブル (Type-C) が 1m でちょうど良い長さだったのでこちらも 1m モノを選びました。
ちなみにどの長さも購入時点で在庫限定になっています。
使用目的は…運転中子どもが助手席に座って YouTube を見るのを映してチラ見するぐらいだと思いますが…。他には車の中でどこか止まって食事するときなどには便利だと思います。
あと、みんカラのハイタッチ Drive を横表示で出しておくのも便利かも。
【使ってみた感想】
最初、テストとして家の TV につないでみたところ映らなくて焦りましたが、接触が悪かったのか色々していたら映りました。もちろん仕様通り音声も OK。
お次は本題のカーナビ接続。
ここでも映らなくて…またもあたふたしましたが、また接触が悪かったのか上下に少しだけ動かしたら映りました。
メーカーのページにも『映像が正しく表示されない場合は、接続先のディスプレイなどの電源ON/OFFや各接続コネクターの抜き挿しをお試しください。』とありますので、信号の同期などがうまくいかない場合がありそうです。
あと、もともとカーナビ側が対応していないので無理な話なのですが、この変換ケーブルも CEC (Consumer Electronics Control ) …いわゆるデジタル家電の ○○ リンク的なものに対応していないため映像と音を送るだけの機能のみです。スマホ側からのカーナビコントロールや逆にカーナビ側からのスマホコントロールはできません。(そもそもスマホが DP の信号を出力 → HDMI に変換しているため。)
あと接続中は USB での充電も端子が塞がりできなくなりますので注意。
余談ですが、カーナビの HDMI 端子のパーツレビューはかなり見られていて、FIRE TV とか、スマホの映像や音を同じように出したい方が多いことがうかがえます。
価格は消費税込 (10%) の価格です。
(オ-1,233)
製品パッケージ外観。
HDMI 側はピアノブラック調で少し高級感。ただコネクターハウジング部はシルバーで金メッキではない。
(出力機器の諸元表より) お持ちの機器のUSBが DP Alt Mode に対応しているか要確認。
ちなみに縦画面だと小さな文字は潰れてほとんど読めません。
購入価格 2,780 円 入手ルート ネットショッピング(Amazon) ※エレコムダイレクトショップ
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