ウインドウォッシャーノズル交換 with ノズルの角度比較
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
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この整備手帳は、2代目オーリスのウォッシャーノズル交換手順の整備手帳です。
あわせて別品番のウォッシャーノズルを使用して角度を変更した場合にどのような変化が現れるのか比較を行っています。(冒頭の動画はノーマル角度 (+2° : マーク0) に交換してみた時の動画です。 角度比較のみ知りたい方は項目12までお進みください。)
《現状確認》
まず…交換前、交換後の比較用に写真と動画を撮影しましたので、気になる方はこちらをどうぞ。
(ウォッシャーノズル交換前の動画)
https://youtu.be/M5XnInJb848
噴射状態がまばらでフロントガラスに均一にかかっていません。特に映像右の助手席側は顕著で向かって右はほとんどかかってっていません。
またルーフにも結構な量がかかっています。
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こちらは整備書で示されている基準範囲の図。(一部、線や矢印を入れるなど加工しています。)
中央の斜線部が基準範囲になります。
赤線の内側が運転席側ワイパーの拭き上げる範囲、青線の内側が助手席側ワイパーの拭き上げる範囲。
基準範囲は左右のワイパーが重なる…どちらも拭き上げる部分に左右のウォッシャー液が噴射される部分が示されているようですね。
ちなみに2代目オーリスのウォッシャーノズル (以下ノズル) は2方向なので左右合わせると4か所に噴射されます。図でいうと緑矢印で示した基準外の噴射エリアが記載されてりるのはそのためです。
あと、図中にはありませんが車内のダッシュボード中央に凸部があると思います。そこが車両中央 (=ガラス中央) です。
整備書には『基準値をはずれている場合は、ウォッシャノズルを交換する。 』と記載されています。
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オーリス電子技術マニュアル © 2012-2018 TOYOTA MOTOR CORPORATION. All Rights Reserved.
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さて実践に移りましょう。
《交換方法》
まずはボンネットを開けるところから。
運転席右側のコインボックスの下にレバーがありますのでそれ引くとボンネットが少し浮き上がります。
うきあがたったところから指を差しこんでロックを外し、ボンネットを持ち上げ、ロットをつっかい棒にして支えます。
このとき通常だと運転席側のボンネットの凹矢印で示してある穴に差しこむのですが、この後の作業がしにくい場合は写真のように差しこみ場所を変えると作業がしやすくなります。
具体的には…
①カバーを外してロットを差しこむ。カバーは左右からつまんで引っ張れば外すことができます。
②外したカバーの紛失を避けるため通常位置のロット穴に差しこんでおきます。
作業が終了した後はカバーを外し元に戻してください。
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ノズルは黄色丸で示したこの位置にあります。
通常は左右同じ品番が装着されています。
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作業工程の説明は運転席側で行っていますが、助手席側も同じです。
ノズルの写真の位置を傷が付かないようにテープを貼ったマイナスドライバーで押してツメを外します。
結構堅いので、勢い余って滑らしてフロントガラスを割らないように注意してください。なにかしら厚いクッションになるものをフロントガラスにおいておくのが良いかも知れません。
また矢印で示した部分を空いた手で摘まんでおくと力が入れやすかったです。
外れたときは鉄板から出る音が結構大きくします。
手前側のツメが最初に外れます。あとは手前に引き出すだけですが、ホースがつながっているため少しだけ出てきます。
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ノズルが外れた直後の状態です。
ホースは自然な状態だとこのぐらいしか出てきません。
またゴム製品なので引っ張ると弾力でボンネットの中に入ってしまい作業に余計な時間がかかってしまうことも想定されるため、ノズルを少し引きながらも反対の手でしっかりつまんでからゆっくりと抜きます。
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私は中に入り込まないよう外れた後に写真のようなダブルクリップで留めておきました。
またそれでも中に入ってしまう可能性があるためひも (ひもの代わりに余っていた電線) も掛けておきました。
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取り外したノズルと新品ノズルとの比較。
取り外した方はさすがに汚れてます。
ウォッシャー液自体の影響ももちろんですが、ガソリンスタンドの洗車機で洗車しているのでそれのワックス分などの影響もあるでしょうね~。
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さらに拡大 (笑)
穴の形状が新品とは全然違います。
あと矢印でしめしたところが、ノズルの識別マークです。この場合は “0” …ですね。
ちなみにウォッシャーノズルは再利用不可部品に指定されています。
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新品のノズルをゴムホースに接続します。
接続は奥まで押し込み確実に装着できたか確認します。
また手を離してフリーにしてみてノズルの向きがズレていないかも確認します。
ズレたまま取り付けてしまうととゴムホースに余計な力がかかってしまうからです。
向きを調整したら、先に手前側のツメをボンネットの穴側に引っかけたまま、ノズルの中央をパチンと押し込めば取付完了です。
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ということで。
この作業を助手席側も行えば完了です。
作業を行われる場合、自己責任でお願いします。
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《ノズルの角度調整》
オーリスのノズルは角度調整機能が備わっていません。しかし、ノズル自体を交換することで噴射角度が選べることは以前ブログでご紹介したことがあります。
【関連ブログ】
・ウォッシャー調整でよっしゃー! - 2018年05月22日
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/blog/41514474/
2代目オーリスに使用できるノズルは4種類あります。
上から、
・85381-12430 +4° (識別記号:+d)
・85381-12420 +2° (識別記号:+0) ノーマル
・85381-12400 ±0° (識別記号:-2)
・85381-12410 -2° (識別記号:-4)※
※前期の2012年8月~2013年1月のみ
ただし、4種類のうち図中の表の一番下 … -2°は途中から適応外になっています。おそらくは噴射位置がフロントガラスの下過ぎるからでは?と想像しています。装着自体は期間外の車両でも可能と思われます。(もちろん車種が変われば何も問題なく使える車種もあると思います。)
そこで今回はせっかく交換するんだったら比較してみようじゃ無いか!…と思って図の上から3つを購入して比較してみました。
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まずは噴射角度+4° の85381-12430 から。
メーカーはデンソー製でトヨタラベルではありませんが、トヨタ品番が印刷されています。
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識別記号は “+d”。
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こちらが実際使用してみた動画。
https://youtu.be/uSdd2bd6MuU
当初考えていたのはフロントガラスにには一切かからずルーフをぬらすだけでは?と思っていましたが意外にも普通でした。
1つ目からこの状況だったので「これでもいいんじゃない。」と思ってしまったほど。
ただ後で動画や写真を見てみると、基準範囲にはかかっているので問題ないものの、助手席側の囲んだあたり…つまりワイパーが拭き上げる範囲外が一番濡れていてそこが残念。
逆に運転席側は上部まで届いていて、全体的にきれいになりそうな雰囲気。
ドライバーファーストだとこれがいいようですね。
イメージとしてはワイパーの行きで汚れをどかして帰りに大量の水で汚れを拭き上げる…という感じでしょうか?
ルーフはそこそこ濡れましたが、おいおい…と思うほどでは無かったです。
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つぎは噴射角度±0° の 85381-12400。
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識別記号は “-2”。 ノーマルから見たら-2°でもあります。
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こちらが実際使用してみた動画。
https://youtu.be/_kDbX9qfR0k
写真がピンボケしているし、雲の映り込みがすごくてよく見えないので、できれば動画側でご判断いただきたいのですが、結構手前というか下側に噴射されます。しかしこれも基準範囲を逸脱しているかというとそこまではないような…。
助手席側はちょうどワイパーの拭き上げ範囲にあって、ルーフの濡れもほとんどないぐらいかなり少ない印象です。
助手席側はこれがベストでは?と思いました。
運転席側も下側なのでルーフが濡れるという事はほとんど無くて問題はなさそう。
こちらは先ほどと違い、どちらかというとワイパーの行きでキレイして戻りで水分を拭き上げるというイメージ?
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そして最後が噴射角度+2° の 85381-12420。
標準装備 … ノーマルと同じです。
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識別記号は “0”。 ノーマルだから “0” ですか?
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こちらが実際使用してみた動画。
https://youtu.be/a03RZWkBjzk
※冒頭の動画と同じ動画です。
ノーマルはこれまで紹介してきた2つのちょうど真ん中あたり。
バランスが一番いいイメージがあります。
可もなく不可もなし。
そんな感じです。
あと、新品はやはり適切な範囲に噴射されていますね。
交換前のノズルとの差がはっきりと出る格好になりました。クルマを買ったときはこうなっていたはずで、定期的に点検して交換が必要ですね。
このように比較してそれぞれの性能、良い悪いがわかってきましたので、それを反映する形で私は運転席側はノーマルの +2°、助手席側は 0° を装着してしばらく様子を見ることにしました。
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ということで、ウォッシャーノズル交換手順と角度比較を行ってみました。
これからのメンテナンスにお役に立てたら幸いです。
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