まとめ記事(コンテンツ)

2021/08/22

仮想化オーディオサーバーの製作(1)

前回購入したファンレスのミニPCを何に使うか。
自宅サーバーのリプレースという大役に抜擢してみました。












(2024/1追記)
Broadcomによるvmware社の買収が完了し、ここで紹介したvSphere Hypervisor(ESXi)にも影響が取りざたされています。はっきりしたところで記載したいと思います。

(2024/2追記)
無償版vSphere Hypervisor(ESXi)の提供終了が公式に発表されました。残念です。

(2024/7追記)
ESXiの代わりにProxmox VEで作り直しました。
仮想化オーディオサーバーをProxmox VEで再構築した

(2025/4追記)
無償版ESXi8の提供が再開されました。



オンプレミスで行こう。

サーバーがあると、PCの更新・故障時など復旧がアプリだけで済むので楽ですが、今ならクラウドストレージという選択もありますね。でも大容量のデータには回線が少し頼りない。
PCが2台以上ある家ならまだまだサーバーの意味はあると思いますし、回線が十分実用的になっても、自分は何だかんだ言いながらローカル保存にこだわっている気がします。特に音楽は。

今までの自宅サーバーはこれ。その前はNASでした。
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PRIMERGY TX100 S1(富士通)
静かで良かったプライマジー。CPUは65WのXeon E3110を35WのL3110に換装、OSは今は無きWindows Home Server2011、2TB×4台のエンタープライズHDDをStablebit Drivepoolで束ねて使っておりました。
このスペックで約10年間、途中OSをWindows Serverに更新し、24時間365日ノートラブルで走ってくれました。お疲れさま。
(WHS使いやすかったのに、何でやめちゃうかなマイクロソフトさん・・・)

しかし
ちょっとやり過ぎた。
反動で、今回はダウンサイズします。
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PN41(ASUS)
手のひらサイズのミニPCです。スペックは前回レビューした通り。
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さすがに10年も経つと、6ワットのAtomでもXeonに勝っちゃうんですね。


システムプラン

こんな感じに考えてみました。
仮想マシンVM1で、PC用のファイルサーバーとオーディオ用DLNAサーバーを担います。VM2(,3,4,...)は自由に使える砂場(実験用環境)です。各VMは高速の仮想ネットワークでつながります。
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省電力CPUに仮想化で機能を詰め込む・・・
ダウンサイジングターボか!
機能を仮想マシンにどう割り当てるか、各マシンにリソースをどう割り振るか、このあたりがキモになりそうです。


スペック検討

PN41の128GBではサーバーにならないので、盛ります。
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右下:W4N3200CM-8GR DDR4-3200(PC4-25600) 8GB×2枚 (Crucial by Micron)
右上:SSD-CK500N3/N EXCERIA M.2(Type2280) NVMe-SSD 500GB(キオクシア)

(2021/10/1変更)
SNVSE/500G Kingston SSD NV1-E 500GB M.2 2280 NVMe(キングストンテクノロジー )
左:WDS200T1R0A-EC WD Red SA500 2.5インチSSD 2TB(Western Digital)

メモリー:16GB
サーバーだけなら標準の4GBでもいけそうですが、CPUがJasper Lakeになって最大メモリー量が16GBに増えたこともあり、仮想化を本格導入する気になりました。

システム用SSD(M.2):500GB
ESXi7.0のシステム領域に最大128GB、残りが仮想マシン用の領域(データストア)になります。Roonのシステム(ライブラリではない)に64~128GB必要、となると250GBではちょっと手狭かなと。
信頼性重視で「速い」のより「熱くない」のが欲しくて、最初SATAのM.2を入れてみましたが認識しませんでした。写真のようにヒートスプレッダが付けられるものの、あんな爆熱のNVMeが5年とかもつのかね?

データ用SSD(2.5インチ):2TB
底板ごとスライドさせて取り付ける構造になっています。なかなか攻めてる設計ですね。
NAS用のドライブを選定。以前のサーバーは2TB×4ですがDrivepoolでファイルを2重化していたので実質4TB、さらに半減したのは動画データを使わなくなったためです。

自分のハードディスクの消費量が減ったのは2012年から。
同年は著作権法改正で違法ダウンロードが刑罰化された年ですが、同時に市販BD/DVDのリッピング行為も(レンタルかセルを問わず、個人利用であっても)違法となりました。自分はこれで「冷めた」というか。
正当に購入したコンテンツをメディアプレーヤーやネットワークプレーヤーで楽しむことすら認めない、「そんなメディアならもう結構」と購入激減。その分のお金は当時既にDRM撤廃に転じていた音楽に回すようになりました。


閑話休題。音楽、写真、ドキュメントで2TBもあれば問題なしです。
バックアップにはUSB接続のHDDを使います。

以降、仮想化基盤、OS、アプリの順にインストールしてゆきます。つまづいたところを中心に記しておきます。


vSphere Hypervisor(ESXi)のインストール

ハイパーバイザー型仮想化基盤のESXiを導入します。
以前にシングルボードコンピュータのAPUで試しているので、こちらもご覧ください。
APUと仮想化で遊ぼう

ESXiはガチのエンタープライズ製品で、企業のサーバー室にあるブレードサーバーとかで動いているものです。管理者側のソフトウェアのためWorkstation Playerあたりと比べると小難しい印象があり、また今回もそうでしたがコンシューマー向けPC、特にLANコントローラーがIntel製でない機種ではひと手間必要になるケースが多いようです。インストールさえ突破できれば、あとは安定して使える良い製品なのでガンバリます。

VMwareのサイトから無償版ESXiのISOイメージをダウンロード。ライセンスコードも入手します。Rufusなどイメージ書き込みアプリでインストール用USBメモリーを作成します。
PCはBIOS設定でSecure Bootを無効化、起動順序をUSB優先、仮想化支援機能のVT-dを有効化しておきます。

PN41のLANコントローラーは2.5GbE対応のRealtek RTL8125で、ESXiのインストーラは認識せず
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中断してしまいました。選択肢は2つ。
・ドライバーを追加したカスタムISOを作成する(2.5Gbps、ESXi6.7以前のみ)
・RTL8153搭載のUSB-LANアダプターを使う(1Gbps、ESXi7.0のみ)
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運よく、前回lightMPDの動作確認用に購入したアダプターがRTL8153でしたのでこれを使用します。

USBポートにアダプターを接続し、再度USBメモリーから起動すると今度は
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インストール先ドライブの選択まで進めます。選択したドライブは消去され、全領域がESXiの管理下に置かれます。

しかしこの後再びエラー。
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Exception: No vmknic tagged for management was found.
と表示されて止まりますがインストール自体は完了しています。
Alt-F1でシェルを開き、rootでログイン(パスワード無し)。USBメモリーを抜いてrebootすると、
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ESXi使いにはお馴染みの起動画面が表示されます。
IPアドレスの表示が0.0.0.0となっておりネットワークが機能していないようです。

F2を押してrootでログイン(初期パスワード無し)し、DCUI(ダイレクトコンソールUI)を呼び出します。
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よく見ると管理用ネットワーク(Management Network)関連の設定がグレーアウトされ選択できなくなっています。
「Network Restore Options」から「Restore Network Settings」を実行し、一度トップ画面まで戻るとネットワークが使えるようになるので、「Configure Management Network」「Network Adapters」でネットワークアダプターを選択します。
パスワード、SSHやシェルの有効化、必要によりIPアドレスの固定化もここで設定しておきます。

ローカルコンソールでの設定はここまで。以降はネットワーク上の別のPCから操作します。
ブラウザでhttps://アドレスを開くと、vSphere Web Clientという管理画面になります。
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「管理」「ライセンス」画面でライセンスコードを入力して完了・・・と思いきや、まだ罠がありました。
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インストール時のUSB-LANドライバー「cdce」ではリンク速度が100Mbpsとなっています。以下の手順で1Gbps対応のドライバーをインストールします。
vmware Flings - USB Network Native Driver for ESXi
ドライバーやインストール用のコマンドはESXiのバージョンにより異なるので、ここで確認しておきます。

「ホスト」画面の「アクション」ボタンからメンテナンスモードに入ります。
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「ストレージ」画面からデータストアブラウザを開きます。任意の場所にダウンロードしたドライバーをアップロードします。
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データストアは、/vmfs/volumesにあります。
ローカルコンソールの黄色い画面に戻り、Alt-F1でシェルを開き(Alt-F2で戻ります)、esxcliコマンドでインストールします。SSHを有効にしてあれば、次のようにリモートでも可能です。
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ファイル名やディレクトリ名は、Linuxと同様TABキーによる補完が使えます。

再起動すると、ドライバーが「uether」に変わり1Gbpsでリンクしました。
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メンテナンスモードを終了することを忘れずに。




ここまでで仮想化基盤が構築できました。
長くなったので残りはまた今度。
Posted at 2021/08/22 00:47:21

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