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まとめ記事(コンテンツ)
徳小寺 無恒さん
2007/08/16
革新 ロータリーのターボ化に挑む!
新しいコスモのリリースに合わせて開発されていた技術は「6PI」以外にも実はあった・・・
それがマツダの技術陣の最大の隠し玉「ロータリー・ターボ」であった!
もともとロータリーエンヂンと過給器との相性は良く・・・
1.吸気排気のヴァルブが無いので、高温高圧の排気ガスをダイレクトの過給器に送り込め、吸気ヴァルブが無いのでスムーズに過給気が送り込めるので効率が良い。
2.ロータリーはノッキングに強いので圧縮比を高く設定できる。
3.レシプロに比べて吸気工程を長く取れるので過給時間が長くできる。
早期の過給器化が望めたのだが、例の運輸省の「スポーツカーにはターボは認めず」の不文律の為に商品化が遅れていた。
それ故にサヴァンナでなく、同社の中で、比較的スポーツ性のイメージの低い、コスモとルーチェへの搭載が決まり、それでならという事で認可に至ったのだった。。。
ロータリーへの過給器の搭載に当たって、次に直面した問題は、過給器のメーカーを何所にするか?という事だった。
世は空前のターボブーム、過給器も星の数ほどあったが、東洋工業・・・いやマツダの技術陣を満足するモノに出会えなかった。。IHI、ギャレット・エアリサーチ、三菱・・と採用を検討したが、どれもイマヒトツであった。
それは、そのどれもが「レシプロ・エンヂン」向けにマッチングされていたからであった。
その中で、意外なメーカーが名乗りを上げた。
それは 「日立製作所」 であった。
実は「日立」は、ロータリーのカブレーションの開発メーカーであり、ロータリーの全てを知っていた。乗用車用の過給器を造っていなかった「日立」だが、マツダとは気心しれた仲、何台もテスト用のロータリーを送り込まずとも「日立」はロータリー用の過給器を完成させてしまった。

型式名 HT18-BM型
HTとは「日立」の意味、これぞマツダの技術陣が待ち望んでいたロータリー専用の過給器だった。。。
まだまだ過給器化では、新しい技術が満載された。
ひとつが「EGI化(電子燃料噴射)」だ。意外な事なのだが、実はそれまでロータリーのカブレーターは通常のモノで燃料噴射は採用されていなかったのだ。

セミダイレクト噴射機構 と呼ばれる、これぞロータリーならでは燃料噴射システムだった。
通常のレシプロだと、ピストンから離れれた場所に燃料噴射ノズルがあるのだが、燃焼室の近くでも温度が低い・・・というロータリーの特性を生かし、ポートのギリギリ近くにノズルを置いた。故に、燃焼室ダイレクトまではいかないが、ほぼ近くだ!という意味合いで「セミダイレクト」の称号をマツダの技術陣は名乗らせた。
確かに、燃焼室に近いのでガスペダルへのレスポンスは理論上上がるのだが、問題がひとつあった。。。
それは燃焼室に近いが故に、燃料の微細化や混合化が不十分になってしまい、不完全燃焼や潤滑油への燃料の混入による潤滑不良が考えられたのだ。
そこで逆転の発想で、ノズルの前に、微細穴の空いた「樹脂プレート」 を置いた・・・これも周辺温度の低いロータリーであるから 「樹脂化」 ができたのだ。金属板では、燃料を微細化できる小穴の空いたプレートなど、当時の技術ではコストの面や精度の面で不可能だったハズだからだ。。
さらにターボ化はポート構造の簡略化という副産物も生んだ。

ロータリーの省燃費化と低速トルクアップに開発した「6PI」だったが、過給化により高速高負荷時にも十分な混合気を押し込む事が可能になったので、セカンダリー補助ポートの廃止と相成ったのだ。
ロータリーならではの特性を生かしたターボ化によって、出力はノーマル130PS/7000min-1 から 「160PS/6500min-1」 、最大トルクも16.5Kg-m/4000min-1 が 「23.0Kg-m/4000min-1」 と馬力で20%以上、トルクでも40%も向上したのだ!!
このターボ・ロータリーを引っさげて、マツダは8月18日の発売に先立つ事、7月28日、谷田部高速テストコースにマスコミ各社を呼んで大々的にプレス・プレヴューを開催した。
そこでマスコミや評論家の面々は、ロータリー・ターボの底力を垣間見る事になったのだが、さらにマツダの技術陣さえも驚かす記録が叩き出されたのだ!
その張本人こそ、 星島 浩氏 であった。。。
若き日の 星島氏 は一体何を!??
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Posted at 2007/08/16 17:10:22
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